JPH0474364B2

JPH0474364B2 -

Info

Publication number: JPH0474364B2
Application number: JP10301987A
Authority: JP
Priority date: 1987-04-28
Filing date: 1987-04-28
Publication date: 1992-11-26
Also published as: JPS63268707A

Description

【発明の詳細な説明】

＜産業上の利用分野＞本発明は無色透明性に優れた高屈折率樹脂の製
造方法に関する。＜従来の技術＞無機光学レンズに替る素材として透明性合成樹
脂よりなる高屈折率レンズ用樹脂は、その軽量性
や耐衝撃性、成型加工性、染色性が良好なことか
ら、プラスチツクレンズ材料として適用分野を拡
大しつつある。従来、プラスチツクレンズ材料として用いられ
ているジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ート樹脂は、屈折率が1.49〜1.50と低いため、こ
れから得られる樹脂を矯正用眼鏡レンズにすると
無機光学ガラスレンズに比較して中心厚、コバ厚
が大きくなる欠点があつた。又、ナフチルメタク
リレートやビスフエノールＡジメタクリレートは
高屈折率な樹脂を与えるが、これらの単量体は室
温で固体であるため、法型重合時には他の液状単
量体に溶解したり、加熱し融点以上の温度で操作
をしなければならない等の制約があつた。一方ビ
ニルナフタレンやビニルカルバゾールも高屈折率
な樹脂を与えるが、得られる樹脂は着色が著しく
分散が大きい等眼鏡用プラスチツクレンズ用樹脂
として満足できるものではなかつた。＜発明が解決しようとする問題点＞本発明の目的は、製造時においては煩雑な操作
を必要とせず、しかも無色透明性に優れた高屈折
率樹脂の製造方法を提供することにある。＜問題点を解決するための手段および作用＞本発明者らは、このような現状にかんがみ鋭意
検討を重ねた結果、特定構造の重合性単量体を必
須成分に用いるようにすれば、上記問題点を全て
解決し、高屈折率で無色透明性に優れた樹脂が得
られることを見い出し、本発明を完成するに至つ
たものである。即ち、本発明は一般式(1) （但し、ＸはＨ、CH₃基またはClを示し、ｎは０
〜４の整数を示し、Y₁Y₂はそれぞれ独立にＨ、
Cl、BrまたはＩを示す。）で表わされる重合性単
量体〔〕の１種または２種以上を必須成分とす
る重合性単量体成分から得られる重合体からなる
ことを特徴とする屈折率が1.55以上の高屈折率樹
脂に関するものである。本発明の方法において重合させる重合性単量体
成分は、前記重合性単量体〔〕のみであつても
よいが、必要により、重合させて得られる重合体
の屈折率が1.55未満とならない範囲で、他の重合
性単量体〔〕を共重合成分として使用するよう
にしよもよい。使用できる他の重合性単量体
〔〕としてはその単独重合体の屈折率が1.48以
上でかつ重合性単量体〔〕と共重合しうるもの
であれば特に制限されず、例えばメチルメタクリ
レート、フエニルアクリレート、フエニルメタク
リレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタ
クリレート、クロロフエニルアクリレート、クロ
ロフエニルメタクリレート、ブロモフエニルアク
リレート、ブロモフエニルメタクリレート、トリ
クロロフエニルアクリレート、トリクロロフエニ
ルメタクリレート、トリブロモフエニルアクリレ
ート、トリブロモフエニルメタクリレート、２，
２−ビス−（４−アクリロイルオキシフエニル）
プロパン、２，２−ビス−（４−メタクリロイル
オキシフエニル）プロパン、２，２−ビス−（４
−アクリロイルオキシエトキシフエニル）プロパ
ン、２，２−ビス−（４−メタクリロイルオキシ
エトキシフエニル）プロパン、２，２−ビス−
（４−メタクリロイルオキシエトキシ−３，５−
ジブロモフエニル）プロパン等の（メタ）アクリ
ル酸エステル類、安息香酸アリル、フタル酸ジア
リル、ジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ート等のアリルエステル及びアリルカーボネート
類、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼ
ン等のビニル芳香族類等を挙げることができ、こ
れらの１種または２種以上を好適に用いることが
できる。重合性単量体〔〕は得られる高屈折率
樹脂の屈折率が1.55未満とならないようにその種
類と使用量を適宜選択して用いるものであるが、
高屈折率でしかも無色透明性にも著しく優れた樹
脂を得る上で、好ましくはその使用量を重合性単
量体成分中80重量％未満、より好ましくは70重量
％未満とするのが好適である。本発明に用いる重合性単量体〔〕は、室温で
液状であるため注型重合時の型への注入や重合性
単量体〔〕と混合する場合に煩雑な操作が必要
でなくなるほか低温から重合を始められるので成
型体に歪が生じにくい等の利点がある。本発明にかかる高屈折率樹脂の製造方法で得ら
れる重合体は、重合性単量体〔〕を必須成分と
し、必要により重合性単量体〔〕を共重合成分
に用いて得られる重合体からなるものである。該
重合体を得るための重合方法は特に制限されず従
来から公知の方法、例えば塊状重合、溶液重合、
懸濁重合、乳化重合等の方法を挙げることができ
るが、本発明においては、注型重合により重合時
に所望の形状に形付できるために、塊状重合によ
るのが好ましく、例えばラジカル重合開始剤を加
えた重合性単量体成分をガラス製のモールドに注
入して、30〜60℃から次第に昇温して重合させる
方法がその具体例である。重合に際し、使用でき
るラジカル重合開始剤としては、例えばベンゾイ
ルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ
−ｔ−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート等の過酸化物や２，２−
アゾビスイソブチロニトリル、２，2′−アゾビス
−２，４−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系化
合物等を挙げることができ、これらの１種または
２種以上を通常重合性単量体成分に対し、0.05〜
10重量％、好ましくは0.1〜５重量％の範囲で必
要により促進剤と併用して用いることができる。本発明の方法で得られる高屈折率樹脂は、上記
の重合体以外に、公知の添加剤、例えば紫外線吸
収剤、帯電防止剤、防滴剤、着色剤等を適宜含ん
でいてもよい。＜発明の効果＞本発明にかかる高屈折率樹脂の製造方法では、
前記特別に選ばれた重合性単量体〔〕を必須成
分とする重合性単量体成分を重合させて重合体を
得るようにしているため、得られた重合体は高屈
折率でしかも無色透明性に優れている。また、本
発明に用いる重合性単量体〔〕は室温で無色透
明な液状であるため、注型重合により重合体を得
る場合の型への注入や重合性単量体〔〕と混合
のための煩雑な操作が必要でなくなる他、低温か
ら重合を始められるので得られる重合体の成型物
に歪が生じにくい等の優れた利点がある。そし
て、本発明の方法で得られる高屈折率樹脂は、光
学材料用樹脂として特に有用であり、例えばレン
ズ、光フアイバー、光デイスク、フイルム、光学
素子の封止剤等の部材として、更に顔料、着色
剤、充填剤等を配合して装飾用、建材用成型物に
も使用できる。＜実施例＞以下、実施例により具体的に説明する。実施例１２−（トリシクロ〔5.2.1.0^2.6〕−３，４−ジブロ
モデシルチオ）エチルメタクリレート70重量部、
エチレングリコールジメタクリレート30重量部と
２，2′−アゾビス−２，４−ジメチルバレロニト
リル0.5重量部との混合物を２枚のガラス板とシ
リコンラバー製ガスケツトよりなるモールド中に
注入し、50℃で６時間、60℃で16時間、90℃で１
時間加熱し重合させた。得られた高屈折率樹脂
〔１〕は無色透明であつた。この高屈折率樹脂の
諸物性を表−１に示す。実施例２〜７実施例１と同様にして組成を変えて高屈折率樹
脂〔２〕〜〔７〕を得た。それらの諸物性を表−
１に併せて示す。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】１一般式(1) （但し、ＸはＨ、CH₃基またはClを示し、ｎは０
〜４の整数を示し、Y₁、Y₂はそれぞれ独立にＨ、
Cl、BrまたはＩを示す。）で表わされる重合性単
量体〔〕の１種または２種以上を必須成分とす
る重合性単量体成分を重合させて屈折率1.55以上
の重合体を得るようにする高屈折率樹脂の製造方
法。２重合性単量体〔〕を重合性単量体成分中20
重量％以上の量で用いるようにする特許請求の範
囲第１項記載の高屈折率樹脂の製造方法。