JPH0474048B2 - - Google Patents

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JPH0474048B2
JPH0474048B2 JP23854188A JP23854188A JPH0474048B2 JP H0474048 B2 JPH0474048 B2 JP H0474048B2 JP 23854188 A JP23854188 A JP 23854188A JP 23854188 A JP23854188 A JP 23854188A JP H0474048 B2 JPH0474048 B2 JP H0474048B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/08Polysaccharides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、パーベーパレーシヨン法により液体
混合物を個々の成分に分離する分離膜として用い
るセルロース系複合膜、およびその製造法に関す
るものである。 (発明の背景) 液体混合物からある特定の成分を分離精製する
技術(水と有機溶媒の混合液から水を選択的に分
離する技術)として、膜を用いた分離法があり、
このうちの分離膜の一方の側に液体混合物をお
き、分離膜の他方の側に減圧または窒素ガスなど
の不活性キヤリアガスを流し、該膜を液体混合物
の各成分が透過する際の透過速度の違いによつて
分離することを内容とするパーベーパレーシヨン
法は1950年代から研究が進められている。 このパーベーパレーシヨンは、蒸留法では分離
が困難な共沸混合物、沸点の接近した液体の混合
物などの分離に適し、蒸留法より省エネルギー的
でコスト的に有利な方法であるとされている。例
えば現在工業的に実施されているアルコール醗酵
によるエタノールの製造では、醗酵液からのエタ
ノール回収に蒸留法を用いているが、蒸留の際に
大容量の熱を加えるためにエネルギーコストがか
さむ。これに対しパーベーパレーシヨン法ではこ
のような加熱の必要がない点で省エネルギー的で
あると言える。 パーベーパレーシヨン法はこのように低コスト
でアルコールの濃縮を可能とする分離技術として
近時において注目されている。 (従来の技術) 上記のような特徴のあるパーベーパレーシヨン
法による液体混合物の分離については従来から数
多く検討されている。 例えば、水とエタノールの混合物の分離にポリ
マレイミド・アクリロニトリル膜を用いた例(分
離係数7.5,透過速度0.107Kg/m2・h)(Journal
of polymer science;polymer chemistry
Edition,vol.22,2159〜2168(1984))、N置換フ
エニルマレイミド・スチレン共重合膜を用いた例
(分離係数20,透過速度0.004Kg/m2・h)
(polymer Journal,Vol.17,363〜368(1985))、
酢酸セルロース膜を用いた例(分離係数5.9,透
過速度0.2Kg/m2・h)(Journal of Applied
polymer Science,Vol,16,1061(1972)、キト
サン膜を用いた例(分離係数0.47〜4.4,透過速
度4.9〜20Kg/m2・h)(高分子論文集、42巻、
139〜142(1985)、特開昭60−31803号公報)など
が報告されている。ここで分離係数とは、水とエ
タノールの透過性の違いを表わす数値であり、次
式で求められる。 分離係数=Y水/Yエタノール/X水/Xエタ
ノール (ただし上式において X水、Xエタノールは混合液供給側の水と エタノールの重量分率を表わし、 Y水、Yエタノールは透過側の水とエタノール
の重量分率を表わす。) (発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述される従来の分離膜は、分
離係数は大きいものの透過速度が遅いなど膜の総
合的性能が十分でないため、これらの膜をそのま
ま実用に供すことはできない。 例えばこの種の膜として実用的に使用できる一
応の目安とされている分離係数50以上、透過速度
0.5Kg/m2・h以上、あるいは膜性能の総合判定
に用いられる分離係数と透過速度の積値で25を越
える性能をもつ分離膜は、既存の膜としては知ら
れていない。 このように従来のパーベーパレーシヨン法に用
いられるセルロース誘導体膜あるいはキトサン膜
などの単独膜では、パーベーパレーシヨン法によ
る液体混合物の分離に十分な性能が発揮されない
ことに鑑み、本発明者等は複数の膜素材を複合化
することを考え、成膜に種々の工夫を加えて検討
を重ねた結果、本発明の複合した分離膜を開発す
るに至つたものである。 すなわち本発明者等は、種々の複合膜について
鋭意研究を進めたところ、カルボキシル基を導入
したセルロース誘導体の薄膜とキトサンの薄膜を
積層一体化した複合膜が、水を選択的に透過する
分離膜として優れた性能を有していることを見い
出した。 本発明はかかる知見に基づいてなされたもので
あり、その目的は分離係数が高く、かつ透過速度
が大きいという特徴をもつた複合膜を提供すると
ころにある。 また本発明の別の目的は、特に、蒸煮・爆砕処
理を行なつた本質原料から、当該処理により可溶
化したヘミセルロースとリグニンを前抽出処理で
除去し、残つたセルロースをメタンスルホン酸中
でサクシノイル化(無水コハク酸によるエステル
化)することでカルボキスルを導入したサクシノ
イル化セルロース膜と、キトサン膜とを複合する
ことで、特に優れた分離係数および透過速度を有
するパーベーパレーシヨンの分離膜として用いる
複合膜を提供するところにある。 (課題を解決するための手段) 而して、かかる目的の実現のためになされた本
発明よりなるパーベーパレーシヨン法に用いる複
合膜の特徴は、キトサン膜と、セルロースにカル
ボキシル基を導入したセルロース誘導体膜との積
層一体化構造とした構成をなすところにある。 本発明はまた更に、カルボキシル基をエステル
化により導入したセルロース誘導体膜、代表的に
は、サクシノイル化(特にメタンスルホン酸中で
のサクシノイル化)によりカルボキシル基を導入
したセルロース誘導体膜である場合に、膜の均一
性等の点で特に優れた上記複合膜を提供すること
ができる特徴がある。 ここで「積層一体化」とは、代表的には後述の
流延法により一体に密着されることをいい、単に
機械的に接合したものは含まない。 セルロースとは一般的には植物細胞壁に由来す
る繊維状物質の総称をいい、狭義にはセルロー
ス、又はリグノセルロースをいう場合もあるが、
本発明においてはこれらの誘導体も包含するもの
である。 本発明の複合膜は、積層一体化構造の一層とし
てキトサン膜を有することを特徴とする。 キトサン膜はカニやエビなど甲殻類の外殻成分
のひとつであるキチンを脱アセチル化して得られ
る物質であつて、D−グルコサミン単量体がβ−
1,4結合によつて結合した多糖類であり、ギ
酸、酢酸、塩酸などを含む稀薄水溶液に酸と塩を
形成して溶解する。本発明において使用されるキ
トサンを得るためのキサンの脱アセチル化度は70
%以上、望ましくは85%以上、更に好ましくは90
%以上とすることがよい。脱アセチル化度が低い
キトサンであると溶解性が低く、不溶分が多いと
いう問題があるため上記範囲とされる。本発明に
おけるこのキトサン膜は、ラミネートされるセル
ロース系誘導体等の膜の補強材としての役割もも
つ。さらにキトサンには、多の高分子例えばポリ
エチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポ
リ酢酸ビニルなどの中性水溶性ポリマー、あるい
はポリエチレンイミン、ポリアリルアミンなどの
塩基性水溶性ポリマーをブレンドして用いること
もできる。 本発明の複合膜は、上記キトサン膜に積層一体
化される他の一層として、セルロースにカルボキ
シル基を導入したセルロース誘導体膜を有するこ
とを特徴とし、このようなカルボキシル基を導入
したセルロース誘導体として具体的に、次の〜
のものを例示することができる。 セルロースエーテル誘導体 セルロースエステル誘導体 セルロース酸化物 セルロースグラフト共重合物 上記〜の複数の構造を有するセルロース
誘導体 上記のセルロース誘導体としては例えば、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセ
ルロースなどのカルボキシアルキルセルロース、
およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩を例示
することができる。 上記のセルロースエステル誘導体としては例
えば、コハク酸セルロースエステル(サクシノイ
ル化セルロース)、フタル酸酢酸セルロースエス
テル、マレイン酸酢酸セルロースエステル、およ
びこれらのナトリウム塩、カリウム塩を例示する
ことができる。 上記のセルロース酸化物としては例えば、セ
ルロースの二酸化窒素による酸化生成物であるモ
ノカルボキシセルロース、セルロースの過ヨウ素
酸ナトリウム、過ヨウ素酸、四酢酸鉛およびクロ
ム酸による酸化生成物をさらに亜塩素酸または塩
素酸ナトリウムで酸化した生成物であるジカルボ
キシセルロース、又はトリカルボキシルセルロー
スおよびこれらのナトリウム塩、カリウム塩など
を例示することができる。 上記のセルロースグラフト共重合物としては
例えば、アクリル酸、メタアクリル酸などのカル
ボキシル基を含むビニルモノマー、およびこれら
のナトリウム塩、カリウム塩、あるいは低級アル
キルエステルがセルロース分子鎖又はセルロース
誘導体分子鎖の水酸基にグラフト結合した共重合
物、またはセルロース誘導体中の水酸基以外の活
性基にグラフト結合した共重合体を例示すること
ができる。 本発明において、カルボキシル基を含有するセ
ルロース誘導体は、水または無機(アルカリ
等))、有機の化合物を含む水溶液あるいは有機溶
媒に溶解して溶液となり、溶媒(あるいは水)が
除かれると再び固化するものをいう。溶解性はカ
ルボキシル基を含む原子団の大きさ、カルボキシ
ル基含量、分布等に影響される。本発明において
使用されるセルロース誘導体は、一般的には1g
当り0.5ないし1.0meq以上のカルボキシル基を含
み、均一な分布をしているものであることが溶解
性、成膜性、膜の性能等の点で望ましく、例えば
セルロース溶媒兼触媒として用いるメタンスルホ
ン酸中でのセルロースのサクシノイル化はかかる
特性をもつカルボキシル基含有セルロース誘導体
を与えるものとして特に好ましい。セルロース溶
媒としては上記メタンスルホン酸の他、例えば四
酸化二窒素−ジメチルスルホキシド(DMSO)、
塩化ニトロシル−DMSO、四酸化二窒素−ジメ
チルホルムアミド(DMF)、四酸化二窒素−ジメ
チルアセトアミド(DMAc)、パラホルムアルデ
ヒド−DMSO、塩化リチウム、DMAc等などの
セルロース溶媒系を例示できる。 セルロース誘導体膜とキトサン膜の積層一体化
した本発明の複合膜の製造は、代表的には例えば
次のようにして行なうことができる。 例えばまず第1工程として、キトサンの稀酸水
溶液(例えば0.5〜1%の酢酸水溶液)にキトサ
ンを溶解してキトサン濃度を0.1〜1.0%としたキ
トサン水溶液を、所定の寸法の樹脂製基板(以下
樹脂板という)の上に所定量(例えば20〜200g)
流延し、この樹脂板を水平に保持して温度20〜60
℃、望ましくは例えば30℃の一定温度で、湿度20
〜90%、望ましくは例えば40%の一定湿度で、数
時間から1日間水分を蒸発させ、これにより該樹
脂板上に酸と塩を形成し固化したキトサン膜を形
成させる。上記稀酸としての酢酸は、これに換え
てギ酸、乳酸、アスコルビン酸等の有機酸、塩酸
等の無機酸を使用することもできる。なおキトサ
ンの溶媒としては上記希酸を含む水−メタノー
ル、ギ酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸等を使
用することもできる。 次に第2工程として、カルボキシル基を含有す
るセルロース誘導体を、これを溶解する溶媒に溶
解させてポリマー濃度0.1〜2%の溶液とし、こ
の溶液を上記第1工程で形成したキトサン膜の上
に所定量(例えば20〜200g)流延し、温度20〜
70℃、望ましくは例えば30℃の一定温度で、湿度
20〜90%、望ましくは例えば40%の一定湿度で、
数10秒から1日間溶媒を蒸発させ、これにより樹
脂板上に、上記キトサン膜、更にその上にセルロ
ース誘導体膜を積層一体化させて複合膜を形成さ
せる。 以上のような複合膜の製造において上記第1工
程でキトサン溶液を流延させる樹脂板としては、
流延されるキトサン溶液に侵されず適度の親和性
があつて流延した溶液が該樹脂板上で一様に広が
ることができる性質を有し、かつ流延形成された
キトサン膜が自然状態では容易にはがれないが、
乾燥状態では例えば作業者が手で容易にはがせる
程度の接着性を示すものが好ましく選択される。
このような樹脂板の素材として具体的には、例え
ばポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂等が特に好ましいものとして例示さ
れる。はつ水性の大きな例えばテフロン樹脂等
は、大きな膜を成膜させる場合には適当でない場
合が多い。またキトサン溶液に対するなじみがよ
くかつ形成されたキトサン膜との間の密着性が高
すぎる例えばガラス板等については、乾燥状態で
基板から膜を剥離することが容易でないためにこ
れを湿潤状態で行なうことが必要になるので上記
樹脂板が好ましい。 また上記第1工程においては、樹脂板上に形成
された稀酸(酢酸)型キトサン膜を、稀アルカリ
水溶液と接触させ、水洗することによつて遊離の
アミノ基型のキトサン膜に変換したり、1〜5%
のホルムアルデヒドなどのアルデヒド化合物に接
触させる処理を行なうことも好ましい。この処理
をすることなく第2工程のセルロース誘導体溶液
の流延を行なうと、キトサン膜が膨潤して『し
わ』を発生し、製造された複合膨の平面性が得ら
れない場合がある。上記稀アルカリ水溶液との接
触処理は、通常数秒程度好ましくは5秒以上行な
われ、代表的には1%程度の水酸化ナトリウム、
水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウムあるいは3%程度のアンモニア水等が稀アル
カリ水溶液として例示される。上記アルデヒド化
合物のキトサン膜との接触は、アルデヒド化合物
である例えば1〜5%のホルムアルデヒド水溶液
に10分間以上室温で接触させるとか、ホルムアル
デヒド蒸気に1〜数時間、20〜50℃で接触させる
かすることで行なうことができる。 本発明の第1工程で形成されるキトサン膜の厚
さは、キトサン水溶液のキトサン濃度、流延量お
よび樹脂板の面積(すなわち流延面積)で調整す
ることができるが、一般的には1〜100μm程度、
好ましくは2.5〜90μmとされることが好ましい。 本発明の上記第2工程において、場合によつて
は膜の不溶化のために、形成したセルロース誘導
体等の膜をアンモニア蒸気に数時間から1日間程
度、20〜50℃で接触させた後水洗するか、酢酸、
塩酸等の弱酸性水溶液(例えばPH3〜4)に接触
させた後、必要であれば水洗し、前記と同様の条
件で水分を蒸発させることによつて該セルロース
誘導体膜を不溶化してもよい。 本発明の複合膜の製造においては、上記で代表
的に説明される第1工程と第2工程を順序を逆に
して行なうようにしてもよい。この場合も形成さ
れたセルロース誘導体膜の剥離が可能な関係を考
慮して樹脂板を選択することが必要である。 この順序を逆にして複合膜を製造する場合に
は、上述した『しわ防止』と同じ目的で、第2工
程のキトサン溶液の流延に先立つて第1工程で成
膜したセルロース誘導体膜に対してアンモニアを
接触させるか又は酸水溶液を接触させることがよ
い。処理の内容は上述と同様でよい。更にまた第
2工程で成膜したキトサン膜の不溶化処理も必要
に応じて行なうことができる。 本発明の積層一体化構造を有する複合膜は、上
述したように、カルボキシル基を含有するセルロ
ース誘導体膜と、キトサン膜の積層構造の膜をい
うが、両者の膜の接する界面においてカルボキシ
ル基とアミノ基が静電的イオン結合していわゆる
ポリイオンコンプレツクス(高分子電解質錯体)
を形成するものに限定されるものではない。 また本発明の複合膜は二層に限定されるもので
はなく、三層ないしそれ以上の層をなす複合膜と
して形成することもできる。この場合には上記し
た第1工程および第2工程を交互に繰返して膜を
製造すればよい。更にまたこれらの膜に第3の成
分からなる膜、例えば有機合成樹脂膜や無機高分
子膜を積層してもよい。 本発明よりなる複合膜は、少なくとも厚み3μm
程度以上とすることがよい。膜が薄すぎると膜強
度が弱くなるからである。また膜が厚すぎると透
過速度が遅くなるから好ましくは膜厚を5〜
100μm程度とすることがで適当である場合が多
い。 キトサン膜とセルロース誘導体膜の膜厚の比
は、膜の強度、分離性能、透過速度等のかね合い
で適宜選択すればよいが、一般的には100:1〜
1:100、好ましくは10:1〜1:10程度とする
ことがよい。 本発明の複合膜は、既存のパーベーパレーシヨ
ン装置で実施することができる他、図面第2図で
示した本発明において提案する新規なパーベーパ
レーシヨン装置において好ましく実施される。 すなわち既知のパーベーパレーシヨン装置は供
給液側の実容量と膜の有効透過面積の比が比較的
小さい。例えばJournal of Applied polymer
Science,Vol,14,2341〜2356(1970)では500
ml/83.3cm2=6.0、同Vol.16,1061〜1076(1972)
では110ml/20.0cm2=5.5、同vol,30,179〜188
(1985)では80ml/5.7cm2=14、Journal of
polymer Science,poly−mer Chemistry
Edition,vol,22,2159〜2168(1984)では200
ml/12.6cm2=15.8であるが、本発明で実施に用い
たパーベーパレーシヨン装置においては、供給側
容器の実容量を400mlとし、装着した複合膜の有
効透過面積を9.62cm2として、供給側容量と膜の有
効面積の比を41.6として、透過に伴なう供給液の
組成変化を可及的に少なくするように工夫した。 本発明の複合膜を使用して行なう分離操作にお
いては、原料液供給側の圧力は常圧付近とするこ
とがよく、また透過側の圧力は5mmHg以下望ま
しくは1mmHg以下とすることがよい。 また第2図に示したパーベーパレーシヨン装置
は、透過側では減圧方式とキヤリヤガス方式を兼
用できるようにしたという特徴もある。 本発明の複合膜は、パーベーパレーシヨン法に
使用されて、例えば農業および林業バイオマスの
アルコール醗酵によるエタノールの濃縮、透析
用、ガス分離用、逆浸透用等に使用することがで
きる。 上記構成をなす本発明の複合膜によつて分離さ
れる液体混合物の代表例として、少なくとも有機
液体をその構成成分の一つとする液体混合物であ
り、例えば水/メタノール、水/エタノール、
水/プロパノールなどの水/アルコール類、水/
アセトン、水/メチルエチルケトン、水/ジオキ
サン、水/エチレングリコール、水/グリセリン
などの水と相溶性の有機液体と水との液体混合
物、アセトン/アルコール類、アセトン/四塩化
炭素、アセトン/ベンゼン、エタノール/ベンゼ
ン、エタノール/エチルベンゼン、クロロホル
ム/ベンゼンなどの相互相溶性の二成分系有機液
体混合物、二成分系さらに三成分系の共沸混合
物、またはそれを構成する成分の混合物等を例示
することができる。 (実施例) 以下本発明を実施例に基づいて説明するが、本
発明がこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例 1〜3 脱アセチル化度89%、分子量約70万のキトサン
粉末5gを水990gに加え、撹拌しながら酢酸5gを
加えて、0.5%キトサン水溶液を調製し、この溶
液をビニルテープで周囲をせき止めたアクセル樹
脂板(たて30cm、よき30cm、厚さ1cm)上に
160g流延し、樹脂板を水平に保持して、温度30
℃、湿度35%にて20時間水分を蒸発させてアクリ
ル樹脂板上にキトサン膜を形成させた。次に樹脂
板上のキトサン膜を、1%水酸化ナトリウム水溶
液200mlで3分間接触処理後、水洗し、前記と同
様の条件で3時間水分を蒸発させた。 次にカルボキシル基含量3.2meq/g、分子量
62万のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩
5gを水995gに溶解した濃度0.5%のカルボキシメ
チルセルロース水溶液160gを、上記キトサン膜
の上に流延し、樹脂板を水平に保持して、前記と
同様の条件で20時間水分を蒸発させ、その後、ア
クリル樹脂板上の複合膜をはがして厚み19μmの
透明膜を得た。 この膜1を、第2図に示したパーベーパレーシ
ヨンセル2に、図示する如く供給液3側にカルボ
キシルメチルセルロース膜を向け、透過側4にキ
トサン膜を向けて過盤5上にセツトとし、エタ
ノール初期濃度19.8wt%(実施例1)、49.9wt%
(実施例2)、及び83.2wt%(実施例3)の供給液
(水−エタノール混合液)300gそれぞれについ
て、原料液の供給圧力常圧、供給液温度40℃、透
過側圧力0.45mmHgで供給液を撹拌羽根7で撹拌
しながらパーベーパレーシヨンを行なつた。なお
装置内はジヤケツト6に温水を通水することで一
定温度(40℃)に保つた。 その結果を第1表に示した。 なお本例で用いたキトンサンとセルロース誘導
体膜の分子量はゲル過クロマトグラフイー法で
測定した。 実施例 4〜6 本例においてはまず、シラカンバを蒸煮、爆砕
処理し、ヘミセルロースとリグニンの一部を抽出
処理で除去して残つたリグノセルロースを原料と
して、Die Makromolekrale Chemie,Vol.185
〜2371〜2376(1985)、および第35回日本木材学会
大会研究発表要旨集、p255(1985)に記載の方法
に従つてサクシノイル化リグノセルロース水溶液
を合成した。 すなわち、シラカンバチツプを15Kg/cm2のスチ
ームで15分間処理し、温水抽出、ジオキサン抽出
をした乾燥残さ繊維(8.0g)を25℃にて、メタン
スルホン酸(100ml)に投入して5分間撹拌した
後、約10℃に冷却しておき、更に予め無水コハク
酸(25g)をメタンスルホン酸に溶解した溶液を
投入して撹拌を続け、適宜冷却して反応温度を25
℃に保つた。無水コハク酸溶液を投入してから10
分後、反応液を氷−水(1.5)に撹拌しながら
投入し、沈澱した生成物を遠心分離で回収し、こ
の生成物を0.1N−HCl(1.5)で洗浄した後、水
(500ml)中に懸濁し、10M−NaOH水溶液で中
和して溶解後、透析して精製し、グラスフアイバ
ーメンブレンで不溶物を過除去し、限外過膜
で濃縮し、凍結真空乾燥して生成物を得た。同一
の合成操作を3回行ない、同生成物即ちサクシノ
イル化リグノセルロースを計17g得た。 次に、実施例1〜3で調製した0.5%キトサン
水溶液40gをビニルテープで周囲をせき止めたア
クリル樹脂板(たて15cm、よこ15cm、厚さ1cm)
上に流延し、樹脂板を水平に保持して、温度30
℃、湿度35%にて20時間水分を蒸発させ、その後
アクリル樹脂板上のキトサン膜を1%水酸化ナト
リウム水溶液50mlで3分間接触処理し、水洗して
前記と同様の条件で3時間水分を蒸発させた。 次に上記により合成したカルボキシル基含量
2.3meq/g、分子量25万のサクシノイル化リグ
ノセルロース水溶液40gを、上記キトサン膜の上
に流延し、樹脂板を水平に保持して、前記と同様
の条件で20時間水分を蒸発させアクリル樹脂板上
に複合膜を形成させた。さらにこの複合膜の付着
しているアクリル樹脂板を29%アンモニア水50ml
を底にはつたデシケータに入れて、室温23℃にて
16時間アンモニア蒸気に接触後、水洗して前記と
同様の条件で3時間水分を蒸発させ、樹脂板上の
複合膜をはがして厚さ16μm(スクリユウマイクロ
メータで測定)の淡黄色透明の複合膜を得た。 第1図は、得られた複合膜を走査型電子顕微鏡
(2000倍)で観察した横断面を示している。この
図は上記作製した複合膜を引き裂いてその引き裂
き断面をキトサン膜側から斜めに見た図を示して
いる。 この膜1を、第2図に示したパーベーパレーシ
ヨンセル2に、図示する如く供給液3側にサクシ
ノイル化リグノセルロース膜を向け、透過側4に
キトサン膜を向けてセツトとし、エタノール初期
濃度21.8wt%(実施例4)、51.4wt%(実施例
5)、及び83.2wt%(実施例6)の供給液(水−
エタノール混合液)300gそれぞれについて、原
料液の供給圧力常圧、供給液温度40℃、透過側圧
力0.45mmHgで供給液を撹拌しながらパーベーパ
レーシヨンを行なつた。 その結果を第1表に示した。 比較例 実施例と同様に、0.5%キトサン水溶液80gをビ
ニルテープで周囲をせき止めたアクリル樹脂板
(たて15cm、よこ15cm、厚さ1cm)上に流延し、
樹脂板を水平に保持して、温度30℃、湿度35%に
て20時間水分を蒸発させ樹脂板上にキトサン膜を
形成させた。次にアクリル樹脂板上のキトサン膜
を、1%水酸化ナトリウム水溶液50mlで3分間接
触処理した後水洗し、前記と同様の条件で3時間
水分を蒸発させた。 樹脂板からキトサン膜をはがし厚さ16μmの透
明な膜を得た。 この膜を、実施例と同様に第2図に示したパー
ベーパレーシヨンセルにセツトし、エタノール初
期濃度20.0wt%の供給液(水−エタノール混合
液)300gについて、原料液の供給圧力常圧、供
給液温度40℃、透過側圧力0.45mmHgで供給液を
撹拌しながらパーベーパレーシヨンを行なつた。 その結果を第1表に示した。
【表】 (発明の効果) 本発明によれば、従来の膜に比べて高い分離係
数と、大きい透過速度でパーベーパレーシヨンを
行なうことができ、処理能力の増大、低コスト化
が実現されて工業的規模で混合液中の所定成分お
分離が好適に行なえるという効果がある。特にア
ルコール醗酵によるアルコール生産の分野におい
ては省エネルギー化の上でその有用性は極めて大
きいという特徴がある。 また更に、本発明においてサクシノイル化リグ
ノセルロース膜とキトサン膜をラミネートした構
造の複合膜を使用する場合には特にすぐれた高い
分離係数、大きい透過速度が得られ、その効果は
極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
図面第1図は本発明の実施例4〜6で作製され
たサクシノイル化リグノセルロース膜とキトサン
膜をラミネートした複合膜の断面を電子顕微鏡写
真(2000倍)で示したものであり、図は上記作製
した複合膜を引き裂いてその引き裂き断面をキト
サン膜側から斜めに見た図を示している。第2図
は本発明よりなる分離膜を用いてパーベーパレー
シヨンを行なうセルの構造を示したものである。 1…分離膜、2…セル、3…供給液側、4…透
過側。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 キトサン膜と、セルロールにカルボキシル基
    を導入したセルロール誘導体膜とを積層一体化し
    た構造を有するパーベーパレーシヨンに用いるセ
    ルロース系複合膜。 2 セルロース誘導体膜がエーテル化によりカル
    ボキシル基を導入したものであることを特徴とす
    る請求項1に記載のパーベーパレーシヨンに用い
    るセルロース系複合膜。 3 セルロース誘導体膜がエステル化によりカル
    ボキシル基を導入したものであることを特徴とす
    る請求項1に記載のパーベーパレーシヨンに用い
    るセルロース系複合膜。 4 カルボキシル基を導入したセルロース誘導体
    膜が、セルロースをメタンスルホン酸中でサクシ
    ノイル化して得たサクシノイル化セルロース膜で
    あることを特徴とする請求項3に記載のセルロー
    ス系複合膜。 5 キトサン溶液を流延成膜し固化する第1の工
    程と、セルロースにカルボキシル基を導入したセ
    ルロース誘導体溶液を流延成膜し固化する第2の
    工程とを、基板上で順次に行なつて複合膜を製造
    する方法において、上記第2の工程に先立ち、第
    1の工程で成膜したキトサン膜に対してアルカリ
    水溶液を接触させるか、又はアルデヒド化合物を
    接触させることを特徴とする請求項1乃至4項の
    いずれかに記載のセルロース系複合膜の製造法。 6 セルロースにカルボキシル基を導入したセル
    ロース誘導体溶液を流延成膜し固化する第1の工
    程と、キトサン溶液を流延成膜し固化する第2の
    工程とを、基板上で順次に行なつて複合膜を製造
    する方法において、上記第2の工程に先立ち、第
    1の工程で成膜したセルロース誘導体膜に対して
    アンモニアを接触させるか、又は酸水溶液を接触
    させることを特徴とする請求項1乃至4項のいず
    れかに記載のセルロース系複合膜の製造法。
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