JPH0473299A - 壁紙のピールアップ方法及びピールアップ性を有する壁紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、合成樹脂製壁紙のピールアップ（剥離）方法
と、ピールアップ性を有する上記合成樹脂製壁紙とに関
し、具体的には、必要時に手軽にピールアップすること
ができる方法及びピールアップ性を有する低コストの壁
紙に関する。

〔従来の技術〕

従来、天井や壁等に使用される壁紙として、グラビアプ
リント、ロータリースクリーンプリント。

エンボス等の意匠表現を容易に施すことができると共に
、耐久性に優れ、かつ汚れ等の除去も容易に行うことが
できる等の理由により、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製
の壁紙が主流を占めている。

このように耐久性や除汚性に優れるとは言え、頻繁な模
様替えを必要とする飲食店、あるいは持ち主の変更等に
伴って内装が新しくされるオフィス等において、上記壁
紙は、かなりの頻度で張り替えられる。

ところで、上記の合成樹脂製壁紙は、裏打紙上に塩化ビ
ニル系樹脂等合成樹脂のベースコート層が設けられ、該
ベースコート層の上に発泡性又は非発泡性の塩化ビニル
系樹脂等合成樹脂製インクにより、上記のグラビアプリ
ント、ロータリースクリーンプリント、エンボス等の模
様層（装飾層）が形成されているのが一般的である。

この合成樹脂製インクから構成される装飾層の機械的強
度が低いため、上記壁紙の張り替え作業に伴う古い壁紙
のピールアップに際し、該装飾層部においてちぎれ、残
渣が天井や壁面に残る。

そこで、従来、このような残渣を残さずにピールアップ
できる壁紙として、裏打紙に代えてガラス繊維不織布等
の間にポリオレフィン樹脂からなる中間層を介在させた
裏打ち材を使用したものが提案されている（実公昭５９
−２４５０２号公報参照）。

この壁紙によれば、ポリオレフィン樹脂からなる中間層
とガラス繊維不織布との接着力が弱いため、該眉間にお
いて容易に剥がれ、ピールアップの際に上記のような残
渣を残すことはない。

また、上記の装飾層が機械的強度のかなり低い高発泡性
合成樹脂を使用している場合は、該装飾層と裏打紙の間
に非発泡性合成樹脂層を設け、ピールアップの際に該非
発泡性合成樹脂層部分から剥離するようにしたものも提
案されている（実公平１−２６４３３号公報参照）。

更に、裏打紙として２層抄紙を使用したものもある。こ
のものは、ピールアップの際に、該２層抄紙の各層間で
容易に剥離し、上記のような残渣を残すことなく美麗な
剥離状態を得ることができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、前記したガラス繊維不織布等の間にポリオレフ
ィン樹脂からなる中間層を介在させた裏打ち材を使用す
る壁紙及び２層抄紙の裏打紙を使用する壁紙は、裏打ち
材及び２層抄紙のコストが高額であり、延いては壁紙自
体のコストも大幅に高騰する。

しかも、これらの壁紙は、ポリオレフィン樹脂層とガラ
ス繊維不織布との間、２層抄紙の間で剥離し易く、これ
ら壁紙の製造の際、運搬や保管の際、貼着作業の際、あ
るいは壁面等に貼着後の予期しない際に剥離する欠点も
ある。

また、前記した高発泡性合成樹脂製装飾層と裏打紙の間
に非発泡性合成樹脂層を設ける壁紙においては、常に非
発泡性合成樹脂層を裏打紙上に設けなければならないと
言う制約が生じ、デザインや機能、風合等の自由度が限
定されてしまう不都合があるばかりでなく、確実なピー
ルアップ性と言う観点でも充分なものとは言えない。

本発明は、以上の諸点を考慮し、不測時の剥離は生じず
、かつ必要時には容易かつ低コストでピールアップする
ことができる壁紙のピールアップ方法と、ピールアップ
性を有する低コストの壁紙を提供することを目的とする
。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の壁紙のピールアップ方法は、前述の目的を達成
するために、裏打紙上に裏打紙が部分的に露出するよう
に合成樹脂製の装飾層を設けてなる壁紙に、表面側から
水又は界面活性剤混合水を付与し、裏打紙露出部より水
又は界面活性剤混合水を裏打紙に吸収させた後、裏打紙
を剥離することを特徴とする。

また、本発明のピールアップ性を有する壁紙は、界面活
性剤を含有する裏打紙上に裏打紙が部分的に露出するよ
うに合成樹脂製の装飾層を設けてなることを特徴とする
。

本発明方法における壁紙は、この種の壁紙に通常使用さ
れている裏打紙上に、やはりこの種の壁紙に通常設けら
れている合成樹脂製の装飾層が設けられたものである。

但し、この装飾層は、裏打紙が部分的に露出するように
設けられている。

すなわち、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂。

塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂等の
単独又は２種以上の混合樹脂に、必要に応じて発泡剤、
可塑剤１着色剤、安定剤、充填剤。

難燃剤等を配合して調製した発泡性インク又は非発泡性
インクを使用し、あるいは発泡性インクと発泡抑制剤含
有インクとを併用して、グラビアプリント、ロータリー
スクリーンプリント、フレキソプリント等により裏打紙
を部分的に露出させて装飾層を設ける。

この露出部は、微細な面積で壁紙全面に均一な分布状態
で存在していてもよいし、壁紙のいずれか一部の箇所に
のみ存在していてもよい。

前者の場合、微細な露出面積１個当たりの大きさは、水
素結合によりかなり巨大となっている水分子、あるいは
該水に混合される界面活性剤の分子が通り得る程度以上
とする必要がある。また、後者の場合は、壁紙が良好な
吸放湿性を有することとなり、好ましい。

更に、壁紙全体の露出面積は、特に限定されないが、装
飾性を阻害せずにピールアップ作業を迅速に進める上で
、１０〜３０％程度とすることが好ましい。

上記の装飾層は、塩化ビニル、ポリエステル。

アクリル等の合成樹脂、木等の有機質素材、石。

マイカ、セラミック等の無機質素材、金属素材等を粉砕
あるいはカットしてチップ化した微細粉末を散布・固着
させた言わゆるジュラク調の装飾層であってもよい。

上記のような壁紙の表面側から付与される水又は界面活
性剤混合水は、通常の上水道水又は該上水道水に脂肪酸
石鹸等に代表される陰イオン界面活性剤、エーテル型、
エステル型、ソルビタンエステル型、ソルビタンエステ
ルエーテル型等の非イオン界面活性剤等の界面活性剤を
５Ｖ０１％以下の割合で混合させたものが使用される。

これら水又は界面活性剤混合水の付与方法は、表面層全
面への噴霧、打ち水、刷毛塗り等が採用できる。

これら水又は界面活性剤混合水が裏打紙露出部より裏打
紙に吸収された後、裏打紙を通常の方法で剥離すればよ
い。

また、本発明壁紙は、裏打紙として、上記の裏打紙に上
記の界面活性剤を好ましくは０．５〜３ｗｔ％の割合で
含有させたものを使用する。

界面活性剤の含有方法は、適宜の方法が採用されるが、
例えば、抄紙原料に上記含有割合となるように配合して
おいたり、あるいは市販の裏打紙に装飾層形成に先立っ
てディッピイング法等により上記割合となるように含浸
させる等が挙げられる。

この界面活性剤含有裏打紙上に、上記の発泡性インク又
は非発泡性インクを使用し、あるいは発泡性インクと発
泡抑制剤含有インクとを併用して、グラビアプリント、
ロータリースクリーンプリント、フレキソプリント等に
より、上記の本発明方法における壁紙と同様に、界面活
性剤含有裏打紙を部分的に露出させて装飾層を設けたも
のである。

この露出部は、上記の本発明方法における壁紙と同様に
、微細な面積で壁紙全面に均一な分布状態で存在してい
てもよいし、壁紙のいずれか一部の箇所にのみ存在して
いてもよい。

壁紙に良好な吸放湿性を付与するためには前者の態様と
することが好ましく、水拭き等による除汚性と確保する
上では後者の態様とすることが好ましい。

露出面積は、上記の本発明方法における壁紙と同様に、
特に限定されないが、装飾性を阻害せずにピールアップ
作業を迅速に進める上で、１０〜３０％程度とすること
が好ましい。

上記の装飾層は、上記の本発明方法における壁紙と同様
に、上記の微細粉末が散布・固着された言わゆるジュラ
ク調の装飾層であってもよい。

〔作用〕

本発明方法では、先ず、壁紙に、表面側から水“又は界
面活性剤混合水が付与される。

この水又は界面活性剤混合水は、壁紙に部分的に露出し
ている裏打紙に達すると、裏打紙の繊維の絡まりにより
形成されている隙間を通り、毛細管現象により、裏打紙
の装飾層と接する側から裏面側全体に浸透する。

このとき、上記の露出部が壁紙の全面に微細な面積で均
一な分布状態で存在している場合は、上記の水又は界面
活性剤混合水の付与を例えば噴霧により行えば、この噴
霧と同時に水又は界面活性剤混合水が露出部に達し、裏
打紙側に速やかに移行する。

露出部が壁紙のいずれか一部の箇所にのみ存在している
場合は、上記の水又は界面活性剤混合水の付与を露出部
への注水により行えば、この注水と同時に水又は界面活
性剤混合水が裏打紙側に移行する。

なお、この露出状態において、上記のように噴霧により
行えば、水又は界面活性剤混合水は、装飾層上を流れた
後、露出部に達し、裏打紙側に移行して行く。

以上において、界面活性剤混合水の場合は、該水中の界
面活性剤が、該水の露出部から裏打紙への移行と、上記
の裏打紙の繊維の絡まりによる隙間内の毛細管現象によ
る移行とをスムーズにする作用をなす。

以上のようにして、裏打紙全体に水又は界面活性剤混合
水が吸収されたなら、裏打紙をピールアップ（剥Ｍ）す
る。

このとき、裏打紙は、上記の繊維の絡まりによる隙間内
に水又は界面活性剤混合水を充分に含んでいるため、良
好なピールアップ性を示し、ピールアップ面を美麗なも
のとする。

また、本発明壁紙では、裏打紙自体が界面活性剤を含ん
でいるため、この界面活性剤の作用により、壁紙の表面
側に付与された水分が、裏打紙の露出部から裏打紙内へ
スムーズに移行し、がっ裏打紙内の隙間を毛細管現象に
よりスムーズに移行する。

更に、本発明壁紙において、界面活性剤を含有する裏打
紙の露出部が、微細な面積で壁紙全面に存在している場
合は、該露出部において優れた吸放湿性を示す。但し、
水拭き等により汚れを除去する際には、水拭き用の水が
、露出部から裏打紙に移行すると、界面活性剤の作用に
より裏打紙全体に直ちに移行してしまい、該水の量が多
い場合は、剥離が生じることがある。従って、このよう
な態様の露出部は、一般に、水拭きによる汚れ除去を行
わないジュラク調壁紙等に適用される。

そして、水拭きによる汚れ除去を頻繁に必要とする例え
ば住居（台所）用壁紙等においては、水拭きによる除汚
性を確保すべく、裏打紙の露出部を壁紙の１部にのみ存
在するようにすればよい。

このような露出態様であっても、裏打紙自体が界面活性
剤を含有しているため、壁紙の１部にのみ存在する露出
部に例えば注水等により付与された水（この水は、上記
の本発明方法の場合と同様に、界面活性剤を含んでいて
もよい）は、速やかに裏打紙全体に浸透して行く。

〔実施例〕

第１図に示すように、裏打紙１上に、該裏打紙１の微細
面積（１〜５ｍｍ）の路出部１ａを全面に均一に分布さ
せ、全露出部の面積を１２％となるようにして塩化ビニ
ル系樹脂製の装飾層２を形成させた壁紙１０を、石膏ボ
ード３に通常の壁紙貼着用接着剤で貼着し、１週間後に
石膏ボード３を垂直に立て、壁紙１０の表面側から上水
道水を、水滴が滴り落ちる程度まで噴霧した。

噴霧後、１０分間経過した時点で、壁紙１０をピールア
ップしたところ、裏打紙１の極ぐ薄い層を石膏ボード３
面に残して、容易かつ美麗にピールアップすることがで
きた。

また、上記の上水道水に代えて、上水道水に界面活性剤
として脂肪酸カリ石鹸を１．２ｖｏ１％混合させたもの
を使用し、がつ噴霧後の経過時間を５分にした以外は上
記と同様にして壁紙１０をピールアップしたところ、上
記と同様に、裏打紙１の掻く薄い層を石膏ボード３面に
残して、容易がつ美麗にピールアップすることができた
。

更に、裏打紙として、上記の界面活性剤を１゜５ｗｔ％
含有させたものを使用し、第２図に示すように、壁紙１
０の端部１か所に集中させて、該裏打紙１の微細面積（
１０〜２５ｍｍ）の露出部１ａを、全露出部の面積が１
２％となるように塩化ビニル系樹脂製の装飾層２を形成
させた壁紙１０につき、水の付与方法を該露出部１ａへ
の注水とする以外は、上記と同様のピールアップ試験を
行った。

この結果、注水後１５分経過した時点で、上記と同様の
良好なピールアップ性を示した。

〔発明の効果〕

以上詳述したように、本発明方法によれば、前述の高コ
ストの裏打ち材や２層抄紙の裏打紙を使用した高コスト
の壁紙とする必要がなく、極めて低コストの壁紙を、容
易な作業で、必要な時に、ピールアップすることができ
る。

しかも、本発明方法によるピールアップ面は極めて美麗
となり、ピールアップ後直ちに新しい壁紙の貼着作業を
行うことができる。

また、本発明方法は、壁紙の製造の際、運搬や保管の際
、貼着作業の際、壁面等に貼着後の不測時に剥離してし
まうと言う特殊な壁紙ではなく、通常は充分な強度を有
する普通の壁紙を対象とするため、必要な時にのみ、上
記のような容易な作業で壁紙のピールアップを行うこと
ができる。

更に、本発明方法は、前述の高発泡性合成樹脂製装飾層
と言った特殊な装飾層を有する壁紙に限定されることは
ない。

また、本発明壁紙によれば、裏打紙として、界面活性剤
を含有させたものを使用するのみで、良好なピールアッ
プ性を確保することができ、この種の壁紙の大幅なコス
ト低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法の一実施例を示す説明図、第２図は
本発明壁紙の一実施例を示す説明図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）裏打紙上に裏打紙が部分的に露出するように合成
   樹脂製の装飾層を設けてなる壁紙に、表面側から水又は
   界面活性剤混合水を付与し、裏打紙露出部より水又は界
   面活性剤混合水を裏打紙に吸収させた後、裏打紙を剥離
   することを特徴とする壁紙のピールアップ方法。
2. （２）界面活性剤を含有する裏打紙上に裏打紙が部分的
   に露出するように合成樹脂製の装飾層を設けてなること
   を特徴とするピールアップ性を有する壁紙。