JPH0472857B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0472857B2
JPH0472857B2 JP57142483A JP14248382A JPH0472857B2 JP H0472857 B2 JPH0472857 B2 JP H0472857B2 JP 57142483 A JP57142483 A JP 57142483A JP 14248382 A JP14248382 A JP 14248382A JP H0472857 B2 JPH0472857 B2 JP H0472857B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
metal
content
compound
phosphorus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57142483A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5933354A (ja
Inventor
Seiji Sakamoto
Tetsuya Sugita
Koichi Ikeyama
Norio Kanbe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Diafoil Co Ltd filed Critical Diafoil Co Ltd
Priority to JP14248382A priority Critical patent/JPS5933354A/ja
Publication of JPS5933354A publication Critical patent/JPS5933354A/ja
Publication of JPH0472857B2 publication Critical patent/JPH0472857B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はポリエステル組成物およびその製造法
に関する。 更に詳しくは、熱安定性に優れ、フイルム成形
に適したポリエステル組成物およびその製造法に
関するものである。 ポリエステル、とりわけポリエチレンテレフタ
レートの二軸配向フイルムは、機械的特性、電気
的特性、耐薬品性、寸法安定性等の点で優れてい
ることから、磁気テープ用、コンデンサー用、包
装用、製版用、写真フイルム用等の多くの分野
で、基材として用いられている。 ところで、近年、フイルム品質に対する要求特
性はますます厳しくなり、特にフイルムの長期的
なうねりを減少させること、即ち厚み精度を向上
させることが、必要欠くべからざる条件となつて
きた。 厚み精度の向上法の一つとして、例えば特公昭
37−6142号公報記載のように、押出口金から溶融
押出したシート状物を回転冷却ドラムで急冷する
際、該シート状物の表面に静電荷を与え、該シー
ト状物を冷却面に密着させるいわゆる静電印加冷
却法が知られている。 しかしながら、この静電印加冷却法において、
生産性を高めるために冷却ドラムの回転速度を大
きくすると、シート状物と冷却ドラムとの間の密
着力が減少し、いわゆる束縛気泡が生じるように
なる。束縛気泡の発生した製品は品質特性が著し
く劣るので、束縛気泡の発生を防止することは高
品質のポリエステルフイルムの生産に際し欠くべ
からざる要件である。 この束縛気泡は、一般に、原料ポリエステルの
溶融時の比抵抗が高いほど、例えば後述する方法
によつて測定した値が1×108Ω・cmより大きい
ときに発生し易い。 従つて束縛気泡の発生を防止する方法の一つと
して、例えば特開昭51−70269号公報記載のよう
に、ポリエステル製造に際し反応系と金属化合物
を添加して生成するポリエステル中に金属成分を
含有せしめ、溶融時の比抵抗を減少させる方法が
知られている。 この場合、本発明者らの知るところによれば、
反応系に金属化合物に対し0.4〜1倍当量の燐化
合物を共存させると、ポリエステルの溶融時の比
抵抗がさらに低くなる。 この理由は定かではないが、恐らくこの領域、
特に金属に対する燐の当量比が0.5〜0.8の領域
で、イオン解離し易い金属化合物がポリエステル
に多量に溶解するためと考えられる。金属化合物
に対し燐化合物が0.4倍当量未満であると、ポリ
エステル重合末期に金属化合物が粒子となつて析
出し易く、また燐化合物が当量を越えた場合には
イオン解離し難い化合物となることが多く、いず
れの場合も溶融時の比抵抗が高くなる傾向にあ
る。 このように静電印加冷却法が効果的に適用でき
る溶融時の比抵抗の小さいポリエステルを製造す
るためには、ポリエステル中に金属および燐を適
当な量比で存在せしめれば良いが、この場合、新
たに別の問題が発生することを知つた。 即ち、この方法で溶融時の比抵抗の小さいポリ
エステルを製造すると、その重合速度が遅く、か
つ生成するポリエステル中にジエチレングリコー
ル結合およびカルボキシル基末端が多量に含まれ
ていて熱安定性に劣ることが判明した。これは恐
らくポリエステルに溶存している金属が多いた
め、重合時にポリエステルの熱分解反応を促進す
るためと考えられる。 このように溶融時の比抵抗を小さくすること
と、カルボキシル基末端数の多寡で代表される熱
分解反応を抑制することとは二律背反の関係にあ
り、両者を同時に満足することは極めて困難なこ
とである。本発明者らは鋭意検討の結果、金属化
合物と燐化合物とをある特定割合で含みしかもあ
る特定範囲の分子量を有するポリオキシアルキレ
ングリコールを特定量共重合してなるポリエステ
ルが、溶融時の比抵抗が小さくかつカルボキシル
基末端数が少ないことを見い出し、本発明を完成
するに至つた。 すなわち、本発明は、 分子量1000〜200000のポリオキシアルキレン
グリコールを共重合成分として含有し、かつ、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛およびマン
ガンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金
属の化合物および燐の化合物からなるポリエステ
ル組成物であつて、該金属の含有量はポリエステ
ルの酸成分に対し0.001〜1モル%であり、燐の
含有量は該金属に対し0.4〜1倍当量であり、該
ポリオキシアルキレングリコール成分の含有量
は、ポリエステル組成物に対して0.005〜5重量
%であり、かつ溶融時の比抵抗が1×108Ω・cm
以下、末端カルボキシル基が50当量/106g以下
であるポリエステル組成物、およびビス−β−
ヒドロキシエチルテレフタレートないしはその低
重合物を主体とする反応物の重縮合反応によりポ
リエステルを製造する方法において、該反応物が
分子量1000〜200000のポリオキシアルキレングリ
コールを共重合成分として含有し、かつ、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、亜鉛およびマンガン
よりなる群から選ばれた少なくとも1組の金属の
化合物および燐の化合物より成り、該金属の含有
量は該反応物中のジカルボン酸成分に対し0.001
〜1モル%であり、燐の含有量は該金属に対し
0.4〜1倍当量であり、また該ポリオキシアルキ
レングリコール成分の含有量は生成するポリエス
テル組成物に対して0.005〜5重量%であり、か
つ溶融時の比抵抗が1×108Ω・cm以下、末端カ
ルボキシル基が50当量/106g以下であるポリエ
ステル組成物の製造方法に存する。 以下、本発明について更に詳細に説明する。 本発明でいうポリエステルとは、酸成分として
テレフタル酸を、グリコール成分としてエチレン
グリコールを主たる構成成分とするポリエステル
を指す。本発明に係るポリエステルは、通常その
反復構造単位の80%以上がエチレンテレフタレー
トである。反復構造単位の90%以上、特に95%以
上がエチレンテレフタレートであるものが好まし
い。 ポリエステルの製造法としては、テレフタル酸
を主たる酸成分とするジカルボン酸とエチレング
リコールを主たるグリコール成分とするグリコー
ルとからエステル化反応を行うか、またはジカル
ボン酸のエステル形成性誘導体、例えばジメチル
テレフタレートとエチレングリコールとからエス
テル交換反応を行い、ビス−β−ヒドロキシエチ
ルテレフタレート単量体またはその低重合物を得
たのち、重縮合反応を行うという二段階の工程を
経る。本発明においては、重縮合反応に供する反
応物中に、以下に述べる特定の金属化合物、リン
化合物及びポリオキシアルキレングリコールを存
在させておく必要がある。 本発明において、ポリエステルに導電性を付与
させるために、重縮合反応に先立つて反応系に存
在させる金属化合物は、アルカリ金属化合物、ア
ルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物およびマンガ
ン化合物から選ばれる。金属化合物は一種類を用
いてもよく、また二種類以上を併用してもよい。 エステル交換反応を経てポリエステルを製造す
る場合には、これら金属化合物をエステル交換反
応初期に添加し、エステル交換反応触媒を兼ねさ
せることもできる。 本発明において反応系に添加する金属化合物の
例としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類
金属、亜鉛およびマンガンの酸化物、塩化物、水
素化物、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩、カルボン酸
塩、アルコラート、グリコラート等を挙げること
ができる。 好ましくは、リチウム、マグネシウム、カルシ
ウム、マンガンの化合物、例えば酢酸リチウム、
酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マンガ
ン等が用いられる。金属化合物は、生成するポリ
エステル中にその酸成分に対し、金属として
0.001〜1モル%、好ましくは0.01〜0.3モル%と
なるよう添加する。添加量が0.001モル%以下に
なると、目的とする導電性が得られ難く、また添
加量が1モル%以上になるとポリエステル中に粗
大粒子が生成し易くフイルム用として用いるに適
しないものとなつてしまう。 本発明においては、生成するポリエステル中に
おいてこれらの金属化合物に対し、0.4〜1倍当
量となる量の燐化合物を反応系に添加する。 なおここで、金属化合物に対する燐化合物の当
量比は、以下の式 P/1/2MA+MB ……(1) (式中Pは燐化合物、MAはアルカリ金属化合物、
MBはアルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、お
よびマンガン化合物中の各元素のモル数を示す。) で表わされる。 ポリエステル中に含有される全金属化合物に対
する燐化合物の当量比が0.4〜1の範囲にあると
き、イオン解離し易い金属化合物がポリエステル
に多量に溶解するためか、ポリエステルの導電性
が最も改良される。なお、燐化合物の種類によつ
ては、添加した燐化合物の一部が揮散することが
あるので、当量比を正確に制御したい場合には、
これを考慮に入れて添加量を決定する。 本発明で反応系に添加する燐化合物としては、
燐酸、亜燐酸及びこれらのトリアルキルエステ
ル、例えばトリメチルホスフエート、トリメチル
ホスフアイト、トリエチルホスフエート、トリエ
チルホスフアイト、トリブチルホスフエート、ト
リブチルホスフアイト等を挙げることができる
が、必要に応じメチルアシツドホスフエート、エ
チルアシツドホスフエート、エチレングリコール
アシツドホスフエート等の部分アルキルエステル
を使用しても良い。 該燐化合物の反応系への添加時期は、エステル
化またはエステル交換反応後、重縮合反応開始前
が好ましく、金属化合物との添加順序はいずれが
先でもまた同時でも良い。 さらに本発明においては、かかる金属化合物お
よび燐化合物の他に、ポリオキシアルキレングリ
コールを反応系に添加することが必要である。添
加したポリオキシアルキレングリコールは、ヒド
ロキシアルキルテレフタレートもしくはそのオリ
ゴマーと反応して、ポリエステルの共重合成分と
なる。 本発明で用いられるポリオキシアルキレングリ
コールの例としては、ポリエチレングリコール、
メトキシポリエチレングリコール、フエノキシポ
リエチレングリコール、オクチルフエノキシポリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール−
ポリプロピレングリコールブロツクポリマー、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等を挙げることができる。 本発明において用いられるこれらポリオキシア
ルキレングリコールは、分子量が1000〜200000、
好ましくは4000〜100000、更に好ましくは5000〜
50000のものである。分子量が1000未満の場合は
該ポリオキシアルキレングリコールを含むポリエ
ステルの融点が低く粘着性が大となるし、また分
子量が200000を越える場合はフイルムとした時し
ばしば粗大な突起を与えてしまう。 該ポリオキシアルキレングリコールの添加量
は、生成するポリエステル組成物中での存在量が
0.005〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%、
更に好ましくは0.1〜1重量%となる量である。
この添加量が0.005重量%未満の場合は、重合速
度の改善、分子鎖末端のカルボキシル基数の減少
および副生ジエチレングリコール結合量の減少の
効果が認められない。また5重量%を越えて使用
しても、最早これらの効果が更に改善されること
は無く、逆に生成するポリエステルの着色が著し
くなり、商品価値を損うようになる。 なお該ポリオキシアルキレングリコールの反応
系への添加時期は、重縮合反応開始前であれは如
何なる時期でも良い。こうすることにより、ポリ
オキシアルキレングリコールが重縮合反応にその
初期から関与して、生成ポリマーの熱安定性の改
良のみならず、重合時の重合速度の向上の効果も
同時に享受できるからである。 本発明においては、上述のように反応系に溶融
時の比抵抗を低下させるための金属化合物および
燐化合物、更に熱安定性や重合性の改良効果を担
うポリオキシアルキレングリコールを添加する
が、これらとは別に重縮合触媒も添加する必要が
ある。 この重縮合触媒としては、公知のアンチモン化
合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物等を使
用することができる。 金属化合物、燐化合物および触媒の添加順序は
任意であるが、通常は金属化合物と燐化合物とを
まず添加し、次いで触媒を添加する。金属化合物
よりも触媒を先に添加する場合には、先ず燐化合
物を添加し、次いで触媒、金属化合物の順序で添
加するのが好ましい。 本発明においては、縮重合反応自体は常法に従
つて行なわれる。すなわち反応温度は220℃程度
より徐々に上昇させて最終的に280〜290℃に達せ
しめ、一方、圧力も徐々に低下させて最終的に数
mmHg以下とし、この温度、圧力条件下で3〜6
時間反応させる。本発明においては、重合反応は
金属化合物および燐化合物の存在にもかかわら
ず、順調に進行する。また、生成するポリエステ
ルは、溶融時の比抵抗が小さいので電気密着性が
よく、かつ末端カルボキシル基が少ないので熱安
定性にすぐれている。従つて本発明によれば、溶
融時の比抵抗が1×108Ω・cm以下でかつ末端カ
ルボキシル基が50当量/106g以下、好ましくは
40当量以下という、電気密着性と熱安定性にすぐ
れたポリエステルを容易に得ることができる。 なお本発明に係るポリエステルのフイルム化に
際しては、公知の製膜法、例えば通常270〜295℃
でフイルム状に溶融押出後、50〜70℃で冷却固化
して無定形シートした後、縦、横に逐次二軸延伸
あるいは同時二軸延伸し、160〜240℃で熱処理す
る等の方法(例えば特公昭30−5639号公報記載の
方法)を利用できる。本発明に係るポリエステル
においては、無定形シートを得る際に静電印加冷
却法(例えば特公昭37−6142号公報記載の方法)
を効果的に適用することができる。 以下、実施例について本発明を更に詳細に説明
する。なお実施例及び比較例中「部」とあるは
「重量部」を示す。また用いた測定法を次に示す。 (1) ポリエステルの溶融時の比抵抗 プリテイシユ ジアーナル オブ アプライ
ド フイジツクス(Brit.J.Appl.Phys.)第17
巻、第1149〜1154頁(1966年)に記載してある
方法により測定する。但し測定温度は290℃と
し、直流3000Vを印加した直後の値を溶融時の
比抵抗とする。 (2) 分子鎖末端カルボキシル基 乾燥ポリエステル粉末0.1gにベンジルアル
コール3mlを加えて加熱溶解したのち5mlのク
ロロホルムを加えて冷却する。次いで指示薬と
してフエノールレツドを添加したのち、0.1規
定の水酸化ナトリウム−ベンジルアルコール溶
液で滴定する。 滴定量からカルボキシル基量を算出する。単
位は当量/106gとする。 (3) ジエチレングリコール含量 ポリエステル一定量をとり、水酸化ナトリウ
ム/メタノール溶液を加え、加熱して加水分解
したのち、ガスクロマトグラフイによりエチレ
ングリコールおよびジエチレングリコール量を
定量する。エチレングリコールとジエチレング
リコールとの和に対するジエチレングリコール
の量(モル%)をジエチレングリコール含量と
する。 (4) 極限粘度 ポリエステル1.0gをフエノール/テトラク
ロルエタン(50/50重量比)100mlに溶解させ、
300℃で測定する。 (5) 色調 ポリエステルの黄色味を、東京電色(株)製色差
計(TC−5Dタイプ)を用いて測定する。黄色
味はb値で表わされこの値が大きいほど黄色味
が強い。 実施例 1 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリ
コール65部及び酢酸マグネシウム四水塩0.09部
(ジメチルテレフタレートに対するマグネシウム
のモル比は0.08%)を反応器にとり、加熱昇温
し、メタノールを留去しつつエステル交換反応を
行つた。反応開始後約4時間を要して230℃に達
せしめ、実質的にエステル交換反応を終了した。 次いでこれに分子量13000のポリエチレングリ
コールを0.3部添加し、更にエチルアシツドホス
フエート0.035部を加えた。反応系中のマグネシ
ウムに対する燐の当量比は0.6である。 さらに、これに重縮合触媒として三酸化アンチ
モン0.045部を添加し、常法により重縮合させて
ポリエステルを製造した。 即ち温度は230℃より徐々に昇温し、一方、圧
力は常圧より徐々に減じ、30分後に系内の温度、
圧力を250℃、70mmHg、60分で260℃、20mmHg、
90分で285℃、0.5mmHgに達せしめ、以後もこの
温度、圧力を保つた。4時間後反応を停止し、ポ
リエステルを得た。 得られたポリエステルの物性を第1表に示す
が、この場合、溶融時の比抵抗が充分低いにもか
かわらず重合速度の遅延は無く、カルボキシル基
含量、ジエチレングリコール含量とも少なく熱安
定性に優れているものであつた。またポリマーの
色調も満足すべきレベルにあつた。 次に得られたポリエステルを290℃で押出機よ
りシート状に押し出し、静電印加冷却法を用いて
無定形シートとした。この時の静電印加の条件は
次の通りである。即ちプラス電極として直径0.1
mmのタングステン線を用い、これを回転冷却ドラ
ムの上面にシートの流れと直角方向に張り、これ
に直流電圧約9000Vを印加した。 無定形シートを得た後、縦方向に3.1倍、横方
向に3.6倍延伸し、常に厚さ15μの二軸延伸フイル
ムが得られるよう押出量および回転冷却体の速度
を調節し、回転冷却体の速度と束縛気泡との関係
について観察した。 回転冷却体速度を20m/分から徐々に増したが
40m/分となつても全く束縛気泡は認められず、
得られたフイルムにも表面欠陥は認められなかつ
た。 比較例 1〜3 第1表に示すように条件を変えた他は実施例1
と同様にしてポリエステルを得た。 比較例1はポリオキシアルキレングリコールを
添加しない場合の例であるが、この場合には重合
速度が遅く、しかも得られたポリエステルは導電
性においては優れているものの、カルボキシル基
およびジエチレングリコール結合の含量が多く、
熱安定性の悪いものであつた。 比較例2はポリエチレングリコールは必要量存
在しているものの、燐化合物が含有されていない
ため、溶融時の比抵抗が比較的高く、また色調を
初めとする物性の点において劣る例である。 また比較例3はポリエチレングリコールの含有
量が少なすぎるため、重合速度の改良が認められ
ず、カルボキシル基やジエチレングリコール結合
の含有量が多くなつてしまう例である。 実施例 2 実施例1において、酢酸マグネシウム四水塩お
よびエチルアシツドホスフエートの代りに酢酸カ
ルシウム−水塩およびトリエチルホスフエートを
第1表に示す量で用い、かつポリエチレングリコ
ールとして分子量10000のものを0.5部添加した他
は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。ポ
リエステル中のテレフタル酸成分に対するカルシ
ウムのモル比は0.11%である。 得られたポリエステルについての測定結果を第
1表に示すが、重合速度が遅延することも無く、
また溶融時の比抵抗を初めとする諸物性も充分満
足すべきレベルにあつた。 比較例 4 トリエチルホスフエートの添加量を増加させた
他は実施例2と同様にしてポリエステルを得た
が、この場合、重合性においては優れているもの
のカルシウムに対する燐の当量比が1を越えてい
るため溶融時の比抵抗が高いものであつた。 従つて該ポリエステルを用いて、実施例1と同
様にして静電印加冷却法により無定形シートを得
たところ、回転冷却体速度が34m/分となつた時
点で束縛気泡が認められた。 この束縛気泡の発生した無定形シートを用いて
実施例1と同様にして二軸延伸して得られたフイ
ルムを観察したところフイルム表面に薄いピン状
欠陥が認められた。 比較例 5 実施例2において、ポリエチレングリコールと
して分子量400のものを5部添加した他は実施例
2と同様にしてポリエステルを重合したところ、
極めて粘着質で融点の低いポリエステルしか得ら
れず、フイルム成形用のポリエステルとしては不
適当なものであつた。
【表】
【表】 実施例 3 実施例1において、重合時間を3時間40分とし
た他は実施例1と同様にしてポリエステルを製造
したところ、極限粘度0.599のポリエステルが得
られた。 このポリエステルの極限粘度以外の物性は、溶
融時の比抵抗4×107Ω・cm、末端カルボキシル
基32当量/106g、ジエチレングリコール含量1.1
%、色調(b値)3.3でいずれも満足すべきレベ
ルであつた。 このポリエステルと比較例1のポリエステルに
ついて、窒素中での加熱劣化試験を行なつた。 即ち、各々のポリエステルのチツプを、160℃
で2時間真空乾燥したのち、粉砕して20〜35メツ
シユの粒度にそろえ、窒素中で180℃で2時間加
熱して極限粘度の変化を調べた。 ポリエチレングリコールを含みカルボキシル基
末端数の少ない実施例3のポリエステルは2時間
後の極限粘度が0.591でほとんど低下が認められ
なかつたのに対し、ポリエチレングリコールを含
有していないためカルボキシル基末端数が極めて
多くなつてしまつた比較例1のポリエステルは2
時間後の極限粘度が0.577で、その低下は顕著で
あつた。 比較例 6〜9 第1表に示すようにポリエチレンテレフタレー
トに共重合させる化合物の種類及び量を変更する
他は実施例1と同様にしてポリエステルを得、フ
イルム化した。 なお、イソフタル酸及びアジピン酸成分は、
各々のジメチルエステルをエステル交換反応時に
添加し、また、ジエチレングリコール及びネオペ
ンチルグリコールは、これらをポリエチレングリ
コールの場合と同じくエステル交換反応後に添加
した。 結果を第1表に示すが、いずれも重合速度が遅
く末端カルボキシル基が多く熱安定性の悪いもの
であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 分子量1000〜200000のポリオキシアルキレン
    グリコールを共重合成分として含有し、かつ、ア
    ルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛およびマン
    ガンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金
    属の化合物および燐の化合物からなるポリエステ
    ル組成物であつて、該金属の含有量はポリエステ
    ルの酸成分に対し0.001〜1モル%であり、燐の
    含有量は該金属に対し0.4〜1倍当量であり、該
    ポリオキシアルキレングリコール成分の含有量
    は、ポリエステル組成物に対して0.005〜5重量
    %であり、かつ溶融時の比抵抗が1×108Ω・cm
    以下、末端カルボキシル基が50当量/106g以下
    であるポリエステル組成物。 2 ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート
    ないしはその低重合物を主体とする反応物の重縮
    合反応によりポリエステルを製造する方法におい
    て、該反応物が分子量1000〜200000のポリオキシ
    アルキレングリコールを共重合成分として含有
    し、かつ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜
    鉛およびマンガンよりなる群から選ばれた少なく
    とも1種の金属の化合物および燐の化合物より成
    り、該金属の含有量は該反応物中のジカルボン酸
    成分に対し0.001〜1モル%であり、燐の含有量
    は該金属に対し0.4〜1倍当量であり、また該ポ
    リオキシアルキレングリコール成分の含有量は生
    成するポリエステル組成物に対して0.05〜5重量
    %であり、かつ溶融時の比抵抗が1×108Ω・cm
    以下、末端カルボキシル基が50当量/106g以下
    であるポリエステル組成物の製造方法。
JP14248382A 1982-08-17 1982-08-17 ポリエステル組成物およびその製造法 Granted JPS5933354A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14248382A JPS5933354A (ja) 1982-08-17 1982-08-17 ポリエステル組成物およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14248382A JPS5933354A (ja) 1982-08-17 1982-08-17 ポリエステル組成物およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5933354A JPS5933354A (ja) 1984-02-23
JPH0472857B2 true JPH0472857B2 (ja) 1992-11-19

Family

ID=15316366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14248382A Granted JPS5933354A (ja) 1982-08-17 1982-08-17 ポリエステル組成物およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5933354A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0618992B2 (ja) * 1984-11-07 1994-03-16 東洋紡績株式会社 ポリエステルブロツク共重合体組成物
JPH0645175B2 (ja) * 1986-04-15 1994-06-15 東洋紡績株式会社 ポリエステルフイルムの製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54111596A (en) * 1978-02-21 1979-08-31 Daiafoil Preparation of film forming polyester
JPS57139118A (en) * 1981-02-24 1982-08-27 Teijin Ltd Production of polyester for fiber

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54111596A (en) * 1978-02-21 1979-08-31 Daiafoil Preparation of film forming polyester
JPS57139118A (en) * 1981-02-24 1982-08-27 Teijin Ltd Production of polyester for fiber

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5933354A (ja) 1984-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3335683B2 (ja) ポリエステルフイルムおよびその製造方法
US10774178B2 (en) Polyethylene terephthalate resin composition and film formed from same
JPS6133855B2 (ja)
KR930002708B1 (ko) 폴리에스테르 조성물
JPS6133856B2 (ja)
JPS6050208B2 (ja) フイルム成形用ポリエステルの製造方法
JPH0248016B2 (ja)
JPS6143173B2 (ja)
JP6277804B2 (ja) ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及びその製造方法
JPS6315296B2 (ja)
JPH0472857B2 (ja)
JPS59229314A (ja) ポリエステルフイルム
JP5002878B2 (ja) 共重合ポリエステル
JP2862992B2 (ja) ポリエステルの製造法
JP2663562B2 (ja) ポリエステルフイルムの製造方法
JP2663563B2 (ja) ポリエステルフイルムの製造法
JP2018119091A (ja) ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物およびそれからなるフィルム
JPH03269016A (ja) ポリエステルの製造法
JPH0410495B2 (ja)
JPH0747683B2 (ja) ポリエステル組成物
JPH0463896B2 (ja)
JPH029624B2 (ja)
JPH0248015B2 (ja)
JPH0435490B2 (ja)
JPH0451569B2 (ja)