JPH0472697B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、インクジエツトプリンタに関する。

［従来技術］ 第１図は、この種インクジエツトプリンタの構
成の一例を示す。

ここで、１はキヤリツジ２に搭載した液体噴射
記録ユニツトであり、インクを収容する収容部
と、その収容されたインクを噴射するノズル部を
設けた記録ヘツドとを有する。このユニツト１
は、用いるインクの色数に応じて所望の数設けら
れる。６は液体噴射記録ユニツト１によるインク
吐出を制御する制御部（不図示）と液体噴射記録
ユニツト１とを接続するフレキシブルケーブルで
ある。

８は紙送りモータであり、この紙送りモータ８
の駆動に応じて、記録紙Ｐはローラ１０，１０に
より、図中ｆ方向に搬送される。１２は、ローラ
１０と協動して記録紙Ｐを平坦に規制し、液体噴
射記録ユニツト１に対する記録面を形成するロー
ラである。

１４はキヤリツジ２を固定したキヤリツジ駆動
用のベルト、１６はそのベルト１４を図中Ｓ方向
に駆動するモータ、１８はキヤリツジ２のガイド
レールである。キヤリツジ２はモータ１６の駆動
に応じてガイドレール１８に沿つて図中Ｓ方向に
移動し、記録面に対する記録を行うことができ
る。

第２図は、このような従来の液体噴射記録ユニ
ツト１の構成例を示す。ここで、２２はノズル
部、２３はノズル部２２に供給するためのインク
２４を収容するインク収容部であり、収容された
インク２４の上方を空気層２８としている。２６
はノズル部の目詰りや混入した気泡を除去するた
めに設けたインク収容部２３の加圧手段としての
ダイヤフラム、２５はダイヤフラム２６により形
成される気室２９とインク収容部２３とを連通す
る連通孔、２７は気室２９と大気とを連通するた
めにダイアフラム２６に設けた通気孔である。

しかしながら、着脱自在の液体噴射記録ユニツ
トを備えた従来のインクジエツトプリンタにおい
ては、ユニツトを未使用時に保管する場合、例え
ば、色の異なつたインクを吐出するためのユニツ
トに交換する場合やユニツトの運搬時において、
ユニツトを保管する場合、ノズル部や大気連通口
を閉塞しなければならない。ここで、ノズル部
は、一般に、そのオリフイス開口直径が100μｍ
以下であり、インク表面張力により十分にインク
漏洩を防止できるが、このノズル部に比して大気
連通口はその断面積が大きく、保管中にユニツト
が転倒した場合等においては、インクが漏洩し、
保管場所を汚染することになる。そこで、大気連
通口を、例えばゴム栓を用いて閉塞することが考
えられるが、これでは操作者に煩雑な手間を強い
ることになる。

［目的］ 本発明は、かかる従来の問題点を除去し、液体
噴射記録ユニツトの着脱動作に応じて、それぞれ
大気との連通口の開放および閉塞がなされるよう
にしたインクジエツトプリンタを提供することを
目的とする。

かかる目的を達成するために、本発明は、記録
媒体の記録面の所定方向に移動可能なキヤリツジ
と、オリフイスよりインク液滴を吐出するインク
吐出手段と、前記インク吐出手段に供給されるイ
ンクを収容するインク収容部の内部を大気に連通
するための連通部を備えたインク収容手段と、を
有し、前記キヤリツジの移動に応じて前記記録面
に対して記録を行う液体噴射記録ユニツトと、前
記液体噴射記録ユニツトを前記キヤリツジに固定
する固定手段と、前記インク収容手段に設けら
れ、前記固定手段による前記液体噴射記録ユニツ
トの固定に応じて前記連通部を開放させ、前記固
定手段による固定の解除に応じて前記連通部を閉
鎖させる開閉手段と、を備えたことを特徴とす
る。

〔実施例〕 以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。

第３図および第４図は、それぞれ本発明に係る
インクジエツトプリンタの液体噴射記録ユニツト
３１（以下、単に記録ユニツトと言う）の構成の
一例を示す斜視図および断面図である。ここで、
３２はノズル部、３２Ａはノズル部３２を保持す
るノズルプレート、３２Ｂはノズル部３２と、イ
ンク３４を収容するインク収容部を有するインク
収容手段３３と、を接続してインク３４をノズル
部３２に導く連通路である。

４０は連通路３２Ｂのインク収容手段３３側の
開口を蓋うように設けたダイアフラムであり、イ
ンクを連通路３２Ｂに導入するための開口４０Ａ
を有する。このダイアフラム４０としては、ゴ
ム、プラスチツク等可撓性材料で構成することが
できる。

３９は図中上下方向に移動が可能なダイアフラ
ム用押圧部材であり、開口４０Ａを閉塞しつつダ
イアフラム４０を下方に押圧する端部３９Ａを有
する。押圧部材３９にはフランジ部３９Ｂを設
け、このフランジ部３９Ｂを端部３９Ａをダイア
フラム４０から離脱させる方向に付勢されたばね
４１に支持させる。さらに、本実施例においては
押圧部材３９の端部３９Ａとは反対側の他端側の
突出部３９Ｃを、収容部蓋３３Ａに設けた封止部
３３Ｂから外方に突出させ、突出部３９Ｃの押下
に応じて端部３９Ａによりダイアフラム４０が押
圧されるようにする。４２は封止部３３Ｂに設け
られ、押圧部材３９の押下がなされていない図示
の状態において押圧部材３９の側面に当接し、イ
ンクの液密を保持するＯリングである。３９Ｄは
突出部３９Ｃに設けた通気溝であり、押圧部材３
９が所定の位置以下に押下されたときにこの通気
溝３９Ｄの部分においてＯリング４２との当接が
解除されて空気層３８が大気に連通するようにす
る。

本実施例における記録ユニツトでは、インクジ
エツトプリンタの使用時においては、空気層３８
を大気に開放し、ノズル部３２からのインク吐出
が行えるように押圧部材３９を所定位置まで押下
し、その位置で押圧部材３９を係止する係止手段
を設けるのが好適である。

第５図および第６図は、それぞれ、そのような
係止手段の構成の一例を示す側面図および断面図
である。これら図に示すように、本実施例におい
ては、キヤリツジ２に立上げ部５２を設け、その
立上げ部５２にレバー５３を軸５７により軸着す
る。さらに、立上げ部５２とレバー５３との間に
はばね５９を張架し、レバー５３がインク収容手
段３３に当接して記録ユニツトを固定し、インク
ジエツトプリンタの使用時における記録ユニツト
の安定が得られるようにする。

６４はレバー５３の押圧部材突出部３９Ｃに対
応する位置に設けたボタンであり、ボタン復帰用
ばね６５を介してレバー５３に支持されるように
する。このばね６５は、そのばね力がばね４１の
ばね力より大であるものを選択するのが好適であ
る。また、６６は押圧部材３９を押下するための
ボタン先端の係止部であり、レバー５３が図示の
位置に固定され、ボタン６４が押下されていない
状態にあつては、係止部６６が、インク収容手段
３３の内部が大気に開放される所定の位置まで、
ばね４１のばね力に抗して押圧部材３９を押下げ
るようにする。

この状態では、押圧部材３９の通気溝３９Ｄが
Ｏリング４２の位置に至るので、インク収容手段
内部は、通気溝３９Ｄ、突出部３９Ｃを受容する
ためにレバー５３に設けた凹部５３Ｂ、およびレ
バー５３に設けた通気孔５３Ａを介して大気に連
通し、ノズル部３２からのインク噴射による記録
が可能となる。なお、溝３９Ｄの大きさを適切に
定めて、記録時におけるキヤリツジ２の走行によ
り溝３９Ｄからインクが漏洩しないようにする。
また、第６図に示すように、凹部５３Ｂにインク
の吸収体を設けることもできる。これにより、キ
ヤリツジに着脱自在な記録ユニツトにあつては、
着脱時にＯリング４２の部分等から染み出したイ
ンクを確実に捕集することができる。

かかる構成の記録ユニツト３１において、ノズ
ル部３２に目詰まりが生じた場合や気泡が混入し
た場合等、吐出異常が発生したときには、例えば
指等によりボタン６４をＤ方向に押下する。この
押下に応じて押圧部材３９はばね４１を圧縮しつ
つＤ方向に移動し、端部３９Ａがダイアフラム４
０に当接して開口４０Ａを閉塞しつつ図中破線で
示す位置に至る。これにより、一定容積のインク
をインク残量に関わりなく加圧することができ
る。

この加圧後にボタン６４の押下を解除すると、
ボタン６４および押圧部材３９はばね６５および
ばね４１により所定の位置に復帰する。ここで、
前述のように、ダイアフラム４０がゴム、プラス
チツク等で構成した部材であれば、ばね４１よる
押圧部材３９の復帰よりダイアフラム４０の形状
回復が遅いので、復帰時には開口４０Ａが速かに
インク３４と連通し、ノズル部３２に悪影響を及
ぼす負圧が生じないこととなる。

また、レバー５３を記録ユニツト３１から離脱
させて係止部と押圧部材３９との係止を解除すれ
ば、ばね４１により押圧部材３９が上方に移動
し、大気との連通が断たれ、インク収容手段３３
内部は密閉されることになる。

なお、本実施例においては、第４図および第６
図示のように、連通溝を設けた押圧部材を用いた
が、押圧部材の形状はかかる実施例にのみ限られ
るものではない。例えば、第７図に示すように、
押圧部材１３９を、突出部先端に向けて断面積を
漸減するテーパ形状となし、係止部材の下降に応
じて、Ｏリング４２との当接状態が解かれ、イン
ク収容手段が大気に連通するようにした形状とす
ることもできる。これによれば、加圧後および係
止部材による係止状態の解除後には、押圧部材１
３９無負荷で復帰動作を行うことができる。

また、上述の実施例においては、加圧手段を設
けた記録ユニツトを有するインクジエツトプリン
タについて説明したが、加圧手段を有さない記録
ユニツトに対しても本発明を適用できることは勿
論である。例えば、第８図に示すように、押圧部
材１０９に連通口１０７を閉塞するためのシール
部材１０９Ｆを設け記録ユニツトの未使用時に
は、ばね１４１により押圧部材１０９を図中上方
に押上げてシール部材１０９Ｆが連通口１０７を
閉塞するようになし、記録ユニツトの装着時には
レバー５３に固定したボタンにより押圧部材を下
方に移動させることにより、インク収容手段１３
３内を大気と連通させるようにすることもでき
る。

［効果］ 以上説明したように、本発明によれば、液体噴
射記録ユニツトの着脱動作に応じて、それぞれ、
自動的にそのインク収容手段の大気への開放およ
び密閉が行われるようにしたので、安全性および
操作性の高いインクジエツトプリンタを実現でき
る効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はインクジエツトプリンタの一般的構成
の一例を示す斜視図、第２図は従来のインクジエ
ツトプリンタにおける液体噴射記録ユニツトの構
成例を示す断面図、第３図および第４図は、それ
ぞれ、本発明に係るインクジエツトプリンタにお
ける液体噴射記録ユニツトの構成の一例を示す斜
視図および断面図、第５図および第６図は、それ
ぞれ、その記録ユニツトを本体に装着したときの
状態を示す側面図および断面図、第７図はその記
録ユニツトにおける押圧部材の他の構成例を示す
断面図、第８図は本発明の主要部の他の構成例を
示す断面図である。 ３１……液体噴射記録ユニツト、３２……ノズ
ル部、３３……インク収容手段、３９……押圧部
材、４０……加圧手段、４１……ばね、５３……
レバー、６４……ボタン、６６……係止部、６９
……吸収体、１３９……押圧部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 記録媒体の記録面の所定方向に移動可能なキ
   ヤリツジと、 オリフイスよりインク液滴を吐出するインク吐
   出手段と、前記インク吐出手段に供給されるイン
   クを収容するインク収容部の内部を大気に連通す
   るための連通部を備えたインク収容手段と、を有
   し、前記キヤリツジの移動に応じて前記記録面に
   対して記録を行う液体噴射記録ユニツトと、 前記液体噴射記録ユニツトを前記キヤリツジに
   固定する固定手段と、 前記インク収容手段に設けられ、前記固定手段
   による前記液体噴射ユニツトの固定に応じて前記
   連通部を開放させ、前記固定手段による固定の解
   除に応じて前記連通部を閉鎖させる開閉手段と、 を備えたことを特徴とするインクジエツトプリン
   タ。