JPH047264Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、洗面台等における排水装置の改良
に関し、特に、該排水装置の排水通路に嵌装させ
た該通路の開閉用弁本体に対する開閉操作機構の
構成に改善を加えたものであり、この種装置類の
製造技術産業の分野において利用されるものであ
る。

（従来の技術） 一般に洗面台等における排水装置は、その洗面
台等に水を貯溜して用いるときは、上記弁によつ
て排水栓本体の排水通路を閉塞し、また、その排
水を行なうときは、上記弁を操作して該通路を連
通開放させるように設けられていることは周知で
ある。

そして、弁の開閉機構は、弁と操作釦とを連係
手段より連係させ、操作釦を押すことによつて弁
を押上げて開放状態とし、逆に操作釦を引くこと
によつて弁を引き下げて閉塞状態とするようにし
ていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、かかる従来技術にあつては、次のよう
な問題があつた。即ち、弁の開閉操作は、操作釦
の押下げと引き上げという異なつた動作を繰り返
さなければならないため、操作ミスの原因とな
る。また、この引上げ動作は、一旦操作釦を手で
確実に握つた後に行なうものであるため、操作釦
を上から押え付けるだけの押下げ動作に比べて操
作が面倒であり、特に非力な子供や老人にとつて
は煩しく、また石けんの付いた手で操作釦を握ろ
うとすると滑り易く、弁の開閉不良の原因ともな
つていた。

本考案は、上記問題点を解決するために開発さ
れたものであつて、その目的とするところは、押
釦を押すだけで弁の開閉が可能となり、しかも弁
の開閉機構が大型化することもない洗面台等にお
ける排水装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案に係る洗
面台Ａ等における排水装置は、排水通路内に排水
口の開閉用弁本体と該弁本体を所要高さまで押上
げる押上げレバーとを夫々配設すると共に、押上
げレバーと連係するプランジヤーを、該押上げレ
バーが復動するようにばね付勢して排水通路の外
側に配設し、また、基端がわに押釦を有する操作
ワイヤーの先端を上記プランジヤーに取着け、且
つプランジヤーから係止ピンを外側に向つて突出
させると共に、該係止ピンを係止して上記押上げ
レバーの復動を規制する規制体をプランジヤーに
近接して配設してあり、さらにこの規制体は、押
上げレバーの押上げ方向にプランジヤーを押すこ
とにより係止ピンを係止させる係止部と、同方向
にプランジヤーを更に押すことにより該係止状態
を解除する解除部とから構成されていることを特
徴としている。

（作用） 本考案の構成によれば、排水通路内に排水口の
開閉用弁本体と該弁本体を所要高さまで押上げる
押上げレバーとを夫々配設すると共に、押上げレ
バーと連係するプランジヤーを、該押上げレバー
が復動するようにばね付勢して排水通路の外側に
配設し、また、基端がわに押釦を有する操作ワイ
ヤーの先端を上記プランジヤーに取着けたので、
押釦を押すと操作ワイヤーを介してプランジヤー
がばね力に抗して押され、押上げレバーを押上げ
て弁本体を開く、また、プランジヤーから係止ピ
ンを外側に向つて突出させると共に、該係止ピン
を係止して上記押上げレバーの復動を規制する規
制体をプランジヤーに近接して配設してあり、さ
らにこの規制体は、押上げレバーの押上げ方向に
プランジヤーを押すことにより係止ピンを係止さ
せる係止部を備えているので、押釦で押されたプ
ランジヤーは規制体によつて戻りが規制され、押
上げレバーの押上げ状態が保持される。

更に、規制体は、同方向にプランジヤーを更に
押すことにより該係止状態を解除する解除部を備
えているので、押釦の押圧によつてプランジヤー
の係止ピンは係止部から解除され、したがつてプ
ランジヤーはばね力によつて元の位置に復動し、
押上げレバーの降下によつて弁本体は閉塞状態と
なる。

（実施例） 次に、本考案を実施例図に基づいて説明する。

第１図は本考案に係る排水装置１を洗面台Ａに
おける排水口A₁に嵌装させた状態を示している。

上記排水装置１は、内部に排水通路２ａを形成
した排水栓本体２と、該排水栓本体２の上記排水
通路２ａに対して着脱自在に嵌装させた弁本体３
と、該弁本体３の長手軸方向へ摺動自在に嵌合さ
せた排水中のコンタクトレンズ等の落下物捕捉用
の目皿４と、上記弁本体３を所要高さ位置にまで
押し上げる該弁本体３の押上げレバー５と、該押
上げレバー５の操作機構６と、操作機構６に付設
されるワンウエイ機構Ｂとから構成されている。

上記弁本体３の上端部には排水栓本体２の排水
通路２ａを開閉させる弁部７が固着されると共
に、該弁本体３の下端部には該弁本体３の押上げ
レバー５との自在係合部材８が固着されている。

上記弁本体３の中央部には該弁本体３を上記通
路２ａに嵌入するときのガイド及び支持部材を兼
ねる排水流動規制部材９が固着されており、上記
した目皿４は、該流動規制部材９と上記弁部７と
の間において摺動自在に嵌合されている。

押上げレバー５は弁本体の下端部に固着した自
在係合部材８と自在に、且つ、直交状に係合する
ものであつて、該レバー５の回動軸１０を軸支店
として上下方向へ回動するものである。また、回
動軸１０には回動操作レバー１０₁が固着されて
いる。また、上記排水通路２ａ内に嵌入された該
押上げレバーの先端部５ａは、弁本体３の下端部
に固着した自在係合部材８の下方位置に突出させ
て設けられている。なお、上記自在係合部材８の
下面部には、第７図に示すように、上記押上げレ
バーの先端部５ａと自在に係合する二叉状の係合
曲面８ａが形成されている。従つて、弁本体３を
排水栓本体２の排水通路２ａ内に嵌入させると、
該弁本体３がその自重により押上げレバー５の先
端部５ａを下方に回動させると共に、その弁部７
が上記通路２ａの開口周縁部即ち排水口A₁の周
縁部に密着し、弁が閉じる。また、逆に上記操作
機構６によつて押上げレバー５の先端部５ａを上
方へ回動させると、該先端部５ａは上記係合曲面
８ａに確実に当接するため、弁本体３を上方へ押
し上げて弁が開く。

また、上記実施例図において、弁本体３は所要
重量の軸金具３ａと、該軸金具３ａの上端に固着
した弁金具３ｂと、上記軸金具３ａの下端部とそ
の中央部及び上記弁金具３ｂの下面部に夫々固着
した合成樹脂材料から成る自在係合部材８と排水
流動規制部材９及びＯリング１１の嵌合部材１２
とから構成されており、また、目皿４は金属板材
に所要大きさの排水孔４ａは多数形成し、更に、
該目皿４を上記排水流動規制部材９の上部位置と
なる軸金具３ａに嵌合させて構成したものを示し
ている。

操作機構には、後述するワンウエイ機構Ｂのプ
ランジヤー１３をワイヤーによる遠隔操作によつ
て押圧して弁を開閉する機構が採用されている。

操作用ワイヤー１４の先端の押圧部材１５はプ
ランジヤー１３の基端がわの端面に対設させてお
り、操作用ワイヤー１４の基端の受圧部材１６は
押釦１７の押圧棒１８に対設すると共に、圧縮ば
ね１９にて押釦１７の方向にばね付勢されてい
る。２０は押釦１７を支持し且つ押圧棒１８及び
受圧部材１６を収納する支持部材であつて、ボル
ト・ナツト形式によつて洗面台Ａに取着けられて
おり、支持部材２０の上端に押釦１７が被嵌され
ている。したがつて、ばね力に抗して押釦１７を
押圧すると操作用ワイヤー１４を介して押圧部材
１５がプランジヤー１３を押圧し、逆に押圧力を
除くとばね力によつて押釦１７が復帰する。２１
はワイヤーを保護するフレキシブル管である。

次にワンウエイ機構Ｂについて説明する。第３
図に示すように、排水栓本体２の外壁に取着され
たケース２２内にはプランジヤー１３が往復動自
在に且つ圧縮ばね２３によつて常態では同図に向
つて左側に押動するように弾性付勢されて収納さ
れており、プランジヤー１３の先端に形成された
フツク部２４はケース２２の貫通孔２５から突出
して前記回動操作レバー１０₁の係合孔２６に掛
止されている。また、プランジヤー１３の外周に
は外壁２７が一体的に囲繞形成され、この外壁２
７から係止ピン２８が突出している。ケース２２
の内壁面には係止ピン２８をガイドするガイド溝
２９が凹設されており、このガイド溝２９におけ
るプランジヤー１３の往動側端部には規制体３０
が嵌着されている。この規制体３０は第４図及び
第５図に示すように係止ピン２８の通路溝３１と
係止部３２と解除部３３とから構成されている。
通路溝３１は略Ｍ字状に形成され、左右の両角部
の内側を係止ピン２８の第１及び第２のストツパ
ー３４，３５としている。係止部３２は、ばね力
に抗したプランジヤー１３の往動によつて係止ピ
ン２８を係止させてプランジヤー１３のフツク部
２４の突出状態を保持する機能を有し、テーパ面
T₁と戻り防止段部イと係止部３６とから成つて
いる、解除部３３はプランジヤー１３の往動によ
つて係止ピン２８を係止部３６から離脱させる機
能を有し、上記係止部３２側への戻り防止段部
ロ，ハ，ニとテーパ面T₂とから成つている。

次にワンウエイ機構Ｂに基づく弁の開閉動作を
説明する。まず、押釦１７を押すと、操作用ワイ
ヤー１４を介してプランジヤー１３が押されてば
ね力に抗して往動し、第３図の二点鎖線で示すよ
うにプランジヤー１３のフツク部２４がケース２
２から大きく突出し、それに伴ない係止ピン２８
が第４図に示すようにテーパ面T₁を登つて段部
イに落ち、ストツパー３４で止まる。そしてこれ
によつて第１図及び第２図の二点鎖線で示すよう
に押上げレバー５を介して片本体３が押上げら
れ、排水口A₁が開口される。次に、押釦１７の
押圧力を取り除くと、プランジヤー１３は圧縮ば
ね１９にて僅かに復動してフツク部２４が第３図
の破線で示すように僅かに後退し、それに伴なつ
て係止ピンは第４図で示すように段部口から落ち
て掛止部３６に達する。そして、これによつて押
上げレバー５が僅かに下動して弁本体３が僅かに
下がり、第１図及び第２図の破線で示すように弁
の開放状態が保持される。そして、更に押釦１７
を押すと、プランジヤー１３が押されて係止ピン
２８が第４図に示すように段部ハから落ちてスト
ツパー３５で止まる。次に、押釦１７の押圧力を
取り除くと、係止ピン２８はテーパ面T₂を登つ
て段部二から落ちて元の位置に戻り、それによつ
てプランジヤー１３は元の位置まで戻ることがで
き、その結果プランジヤー１３のフツク部２４が
後退して押上レバー５が下動し、弁本体３が落下
して弁が閉じ、排水口A₁が閉塞される。

尚、係止ピン２８は、以上の動作をスムーズに
行なえるように、プランジヤー１３から外方に向
つて弾性的に突出させてガイド溝２９に弾接さ
せ、また、左右方向にも弾接状態を保つて摺動可
能となし、無負荷の常態ではガイド溝２９の略中
央に位置するように調整しておくと良い。

（考案の効果） 本考案は前記のように構成され、前記のように
作用するものであるから、その結果、押釦の押下
げ操作だけで弁の開閉が可能となつて誤操作の発
生を防止でき、子供や老人にとつても非常に使用
し易いと言つた利点があると共に、押釦の引上げ
操作を全く必要としないため極めて楽に弁の開閉
を行ない得る利点がある。

また、上記の効果をもたらす所謂ワンウエイ機
構は、プランジヤーの往復動に伴う係止ピンの動
作によつて規制体に係止及び解除されるように構
成されているので、その配設のスペースはプラン
ジヤーの往復動が確保されれば足り、ワンウエイ
機構の小型化が可能となつて設置スペースも従来
の排水装置のものとは変らず、施工費を低く押さ
えることができ、更にプランジヤーを排水通路の
外側に配設するものであるから、排水の邪魔にも
ならず、排水路が十分に確保できるという効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図
は排水装置の取付状態を示す一部切欠縦断面図、
第２図は排水栓本体の一部切欠縦断面図、第３図
は第１図のＡ−Ａ線に沿う拡大断面図、第４図は
第３図のＢ−Ｂ線に沿う拡大断面図、第５図は第
４図のＣ，Ｄ，Ｅ，Ｆ，Ｇに沿つた断面展開図、
第６図はワンウエイ機構の分解斜視図、第７図は
弁本体の一部切欠正面図である。 符号の説明、２ａ……排水通路、３……弁本
体、５……押上げレバー、１３……プランジヤ
ー、１４……操作用ワイヤー、１７……押釦、２
８……係止ピン、３０……規制体、３２……係止
部、３３……解除部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排水通路内に排水口の開閉用弁本体と該弁本体
   を所要高さまで押上げる押上げレバーとを夫々配
   設すると共に、押上げレバーと連係するプランジ
   ヤーを、該押上げレバーが復動するようにばね付
   勢して排水通路の外側に配設し、また、基端がわ
   に押釦を有する操作ワイヤーの先端を上記プラン
   ジヤーに取着け、且つプランジヤーから係止ピン
   を外側に向つて突出させると共に、該係止ピンを
   係止して上記押上げレバーの復動を規制する規制
   体をプランジヤーに近接して配設してあり、さら
   にこの規制体は、押上げレバーの押上げ方向にプ
   ランジヤーを押すことにより係止ピンを係止させ
   る係止部と、同方向にプランジヤーを更に押すこ
   とにより該係止状態を解除する解除部から構成さ
   れていることを特徴とする洗面台等における排水
   装置。