JPH0468344B2 - - Google Patents

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JPH0468344B2
JPH0468344B2 JP2906988A JP2906988A JPH0468344B2 JP H0468344 B2 JPH0468344 B2 JP H0468344B2 JP 2906988 A JP2906988 A JP 2906988A JP 2906988 A JP2906988 A JP 2906988A JP H0468344 B2 JPH0468344 B2 JP H0468344B2
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acid
oxymethylene copolymer
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Seinosuke Sato
Minoru Hamada
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は新規な安定化オキシメチレン共重合体
組成物に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、本発明は、従来のオキシメチレン共重合体組
成物に比べて、長期安定性、特に長期耐熱水性及
び長期耐熱エージング特性に優れ、かつ成形加工
時における金型への析出物が極めて少ない安定化
オキシメチレン共重合体組成物に関するものであ
る。 従来の技術 オキシメチレン共重合体は優れた機械特性や成
形性などを有するため、エンジニアリング樹脂と
して、種々の分野で幅広く利用されているプラス
チツクである。 しかし、このオキシメチレン共重合体自体は安
定性が不十分で、その重合体の末端部より解重合
を起こしたり、あるいは高温雰囲気下や熱水中で
主鎖切断をひき起こしたりすぬなどの欠点を有し
ているため、通常、種々の末端処理を施した上
に、酸化防止剤や熱安定剤などの添加剤を配合し
て安定化することが必要とされている。 特に、該オキシメチレン共重合体をエンジニア
リング樹脂として用いる場合、熱酸化安定剤を配
合することがその品質の保持及び向上に必要不可
欠であり、これまで種々の安定剤が提案されてい
る。 例えば、少なくとも1個のカルボキシル基を有
する炭素数2〜30の窒素を含まない有機酸の金属
塩と炭素数2〜30の窒素を含まないアルコールの
金属塩の少なくとも1種から成る安定剤(米国特
許第3484399号明細書)、アルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の水酸化物、無機酸塩及びアルコキシ
ドの中から選ばれた少なくとも1種の化合物と、
含窒素高分子化合物と、立体障害性フエノールと
から成る安定剤(特公昭56−10939号公報)など
が提案されている。 他方、オキシメチレン共重合体の帯電防止剤と
して、グリセリンモノ脂肪酸エステルのホウ酸エ
ステルが提案されているが(特公昭57−15616号
公報)、安定剤としては必ずしも満足できるもの
ではない。 また、成形加工時における金型表面への析出物
を抑制する方法として、ポリアミド(米国特許第
2993025号明細書、特開昭50−145458号公報)や、
アミド化合物又はヒドラジン化合物のような窒素
化合物(特開昭57−102943号公報、特開昭57−
111346号公報、特開昭59−33353号公報、特公昭
54−32658号公報)などを添加する方法が提案さ
れている。 しかしながら、脂肪酸金属塩や脂肪族アルコー
ルの金属塩をオキシメチレン共重合体に配合した
場合は、長期耐熱エージング特性及び長期耐熱水
性については有効であが著しく変色するいう欠点
を有している。また、金属の水酸化物、無機酸塩
又はアルコキシドと含窒素高分子化合物と立体障
害性フエノールとを含むオキシメチレン共重合体
も、長期耐熱エージング特性については、ある程
度の効果が認められるものの、長期にわたつて熱
水中に保持する斑点が生じる上に、機械的強度も
低下するという欠点がある。 また、成形加工時における金型表面への析出防
止に対して有効なポリアミドは、ホルムアルデヒ
ドの捕捉剤としては効果があり、ホルムアルデヒ
ドに起因する金型表面の析出は抑制されるが、ポ
リアミド自体が金型に付着しやすいという欠点が
あるし、一方、アミド化合物やヒドラジン化合物
のような窒素化合物は、前記ポリアミドに比べ
て、金型への付着性は少ないが、ホルムアルデヒ
ドの捕捉能力が劣るため、金型表面への析出物の
発生を十分に抑制することができない。 発明が解決しようとする課題 本発明は、このような従来のオキシメチレン共
重合体組成物が有する欠点を克服し、長期耐熱水
性及び長期耐熱エージング特性に優れ、かつ成形
加工時における金型への析出物が極めて少ない安
定化オキシメチレン共重合体組成物を提供するこ
とを目的としてなされたものである。 課題を解決するための手段 本発明者らは、オキシメチレン共重合体のもつ
好ましい物性をそこなうことなく、長期耐熱エー
ジング特性及び長期耐熱水性を向上させ、かつ成
形加工時における金型への析出物の発生を効果的
に抑制したオキシメチレン共重合体組成物を開発
するために鋭意研究を重ねた結果、オキシメチレ
ン共重合体に、安定剤として特定の化合物を配合
することにより、前記目的を達成しうることを見
い出し、この知見に基づいて、本発明を完成する
に至つた。 すなわち、本発明は、(A)オキシメチレン共重合
体に対し、(B)一般式 (式中のRは二価のアルキレン基又はヒドロキ
シル基置換アルキレン基、R′はアルキル基、X
はB又はP、Mはアルカリ土類金属である) で表わされる多価アルコールモノ脂肪酸エステル
と三塩基性無機酸とのエステルのアルカリ土類金
属塩及び場合によりさらに(C)成分としてポリアミ
ド類、トリアジン類及びジシアンジアミドの中か
ら選ばれた少なくとも1種の含窒素化合物を配合
して成る安定化オキシメチレン共重合体組成物を
提供するものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明組成物において、(A)成分として用いられ
るオキシメチレン共重合体は、一般式 [―CH2−O]― …() で示されるオキシメチレン単位と、一般式 (式中のR1及びR2は、それぞれ水素原子、ア
ルキル基又はアリール基であつて、それらはたが
いに同一であつてもよいし、異なつていてもよ
く、mは2〜6の整数である) で表わされるオキシアルキレン単位がランダムに
結合した構造を有する共重合体であり、このオキ
シアルキレン単位の割合については、特に制限は
ないが、オキシメチレン単位100モルに対して、
好ましくは0.05〜50モル、より好ましくは0.1〜
20モルの範囲である。このオキシアルキレン単位
としては、例えばオキシエチレン単位、オキシプ
ロピレン単位、オキシテトラメチレン単位、オキ
シフエニルエチレン単位などが挙げられる。これ
らのオキシアルキレン単位の中でも、オキシメチ
レン重体の物性を向上させる観点より、オキシエ
チレン単位[―(CH22O]―及びオキシテトラメチ
レン単位[―(CH24O]―が特に好ましい。 このオキシメチレン共重合体は、ホルムアルデ
ヒド、トリオキサン、オキシメチレン単独重合体
と、環状エーテル、環状ホルマールとを共重合若
しくは反応させることによつて得られる。ここで
得られるオキシメチレン共重合体は、分子末端の
安定化処理を行うことが望ましい。この安定化処
理方法としては、通常重合体末端の−OHをエス
テル化処理したり、各末端に比較的安定な炭素−
炭素結合が存在するようになるまで、加水分解さ
せる方法などが用いられる。 本発明組成物においては、安定剤として(B)成
分、すなわち、一般式 (式中のR,R′,Xを及びMは前記と同じ意
味をもつ) で表わされる多価アルコールモノ脂肪酸エステル
と三塩基性無機酸とのエステルのアルカリ土類金
属塩(以下、安定剤と略す)が用いられる。 この安定剤を構成する多価アルコールとして
は、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
5−ペンタンジオールなどの二価アルコール、グ
リセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパンなどの三価アルコール、ペンタエリス
リトール、ソルビタン、ソルビトール、マンニト
ール、シヨ糖などの多価アルコール、スチレング
リコール、フエニルグリセリンエーテルなどのフ
エニル基、フエノキシ基置換体、及びビスフエノ
ールAなどのビスフエノール類などが挙げられる
が、これらの中でグリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ソルビタン、ソルビトール、マンニトー
ル、シヨ糖などの三価以上の多価アルコールが好
ましく、特に、グリセリン及びソルビタンが好適
である。 また、これらの多価アルコールとモノ脂肪酸エ
ステルを構成する脂肪酸としては、例えば酢酸、
プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベ
ヘニン酸などが挙げられるが、これらの中でカプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベ
ヘニン酸などの炭素数8〜22の脂肪酸が好まし
く、特にラウリン酸及びステアリン酸が好適であ
る。また、該安定剤を構成する三塩基性無機酸と
しては、例えばリン酸やホウ酸などが好ましく、
さらに塩を形成させるアルカリ土類金属として
は、例えばマグネシウム、カルシウム、バリウ
ム、ストロンチウムなどが挙げられるが、これら
の中で特にマグネシウム、カルシウム及びバリウ
ムが好ましい。 該安定剤の具体例としては、エチレングリコー
ルモノラウレートのモノホウ酸エステルマグネシ
ウム塩、1,6−ヘキサンジオールモノステアレ
ートのモノホウ酸エステルカルシウム塩、グリセ
リンモノプロピオネートのモノホウ酸エステルカ
ルシウム塩、グリセリンモノステアレートのモノ
ホウ酸エステルカルシウム塩、グリセリンモノス
テアレートのモノホウ酸エステルマグネシウム
塩、グリセリンモノステアレートのモノホウ酸エ
ステルバリウム塩、グリセリンモノラウレートの
モノホウ酸エステルカルシウム塩、グリセリンモ
ノラウレートのモノホウ酸エステルマグネシウム
塩、グリセリンモノステアレートのモノリン酸エ
ステルカルシウム塩、グリセリンモノステアレー
トのモノリン酸エステルマグネシウム塩、グリセ
リンモノラウレートのモノリン酸エステルカルシ
ウム塩、グリセリンモノラウレートのモノリン酸
エステルマグネシウム塩、グリセリンモノベヘネ
ートのモノホウ酸エステルカルシウム塩、ソルビ
タンモノステアレートのモノホウ酸エステルカル
シウム塩、ソルビタンモノステアレートのモノホ
ウ酸エステルマグネシウム塩、ソルビタンモノス
テアレートのモノホウ酸エステルバリウム塩、ソ
ルビタンモノラウレートのモノホウ酸エステルカ
ルシウム塩、ソルビタンモノラウレートのモノホ
ウ酸エステルマグネシウム塩、ソルビタンモノラ
ウレートのモノホウ酸エステルバリウム塩、ソル
ビタンモノラウレートのモノリン酸エステルカル
シウム塩、ソルビタンモノラウレートのモノリン
酸エステルマグネシウム塩、ソルビタンモノラウ
レートのモノリン酸エステルバリウム塩などが挙
げられる。これらの安定剤は、それぞれ単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。 該安定剤の製造方法については特に制限はない
が、例えば多価アルコールモノ脂肪酸エステル
に、三塩基性無機酸を加え、加熱して縮合水を除
去し、次いで得られた化合物を適当に溶媒に溶解
したのち、アルカリ土類金属の水酸化物で中和し
て目的物を得る方法や、多価アルコールモノ脂肪
酸エステルに、三塩基性無機酸のアルカリ土類金
属塩を混合し、加熱して縮合させる方法などが挙
げられる(特公昭43−14322号公報、特公昭48−
43371号公報)。 本発明組成物における安定剤の配合量は、通常
オキシメチレン共重合体100重量部に対して、
0.01〜5重量部、好ましくは0.03〜1重量部、さ
らに好ましくは0.05〜0.5重量部の範囲で選ばれ
る。この配合量が0.01重量部未満では、長期耐熱
エージング特性や長期耐熱水性の向上効果及び成
形加工時における金型への析出物の発生抑制効果
が十分に発揮されないし、5重量部を超えると射
出成形加工時に、シルバーストリークス(銀条)
や滞留着色が発生する傾向がでてくるので好まし
くない。 本発明組成物においては、成形加工時における
金型への析出物の発生抑制効果をさらに高めるた
めに、所望に応じ、(C)成分として、ポリアミド
類、トリアジン類及びジシアンジアミドの中から
選ばれた少なくとも1種の含窒素化合物を配合す
ることができる。 該ポリアミド類は、分子鎖中に、一般式 (式中のRは水素原子又はアルキル基である) で表わされる結合を有する高分子量化合物であつ
て、このようなものとしては、例えばカプロラク
タム、ラウロラクタムなどのラクタムからの重合
体、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン2酸、リ
ノール酸の二量体などのジカルボン酸とエチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのジ
アミンとの反応により得られる重合体、及びポリ
−β−アラニン(特開昭59−213722号公報、同59
−213752号公報)やそれらの重合体の共重合体な
どが用いられる。具体的にはナイロン6、12、
46、66、610、612、ポリ(キシリレンアジパミ
ド)などが挙げられる。 また、トリアジン類としては、例えばメラミ
ン、アセトグアナミン、アクリログアナミンなど
が用いられる。 これらの含窒素化合物は1種用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前
記含窒素化合物の中で、好ましいものはポリアミ
ド類である。 本発明組成物においては、前記(C)成分の含窒素
化合物の配合量は、通常オキシメチレン共重合体
100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましく
は0.01〜1重量部、さらに好ましくは0.05〜0.5重
量部の範囲で選ばれる。 本発明組成物には、さらに、オキシメチレン共
重合体組成物に慣用されている酸化防止剤を添加
することができる。この酸化防止剤としては、立
体障害性フエノール類や立体障害性アミン類など
が用いられ、具体的には2,2′−メチレン−ビス
(4−メチル−6−t−ブチルフエノール)、トリ
エチレングリコール−ビス[3−(3t−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオ
ネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
エニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジ
オール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート]、ジ
ステアリル−3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジルホスホネートなどのフエノール類、及
び3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエ
ニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルア
ミン、N−フエニル−N′−イソプロピル−p−
フエニレンジアミン、N,N′−ジフエニル−p
−フエニレンジアミン、4,4′−ビス(4−α,
α−ジメチルベンジル)ジフエニルアミン、N,
N′−ジ−β−ナフチル−p−フエニレンジアミ
ンなどのアミン類を用いることができる。これら
の酸化防止剤の中で、特に2,2′−メチチレン−
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフエノール)、
トリエチレングリコール−ビス[3−t−ブチル
−5−メチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピ
オネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フエニル)プロピオネート]が効果的である。 本発明組成物においては、(A)成分のオキシメチ
レン共重合体に対して配合される前記各成分の添
加順序については、特に制限はない。また配合さ
れる前記各成分の形状についても特に制限はな
く、粉体、液体又は溶液のいずれでもよい。 本発明組成物には、通常オキシメチレン共重合
体組成物に配合されている他の添加剤、例えば帯
電防止剤、滑剤、あるいはガラス繊維、ガラスビ
ーズなどの無機充填剤や炭素繊維などの補強材、
顔料などを所望に応じ配合することができる。 発明の効果 本発明のオキシメチレン共重合体組成物は、オ
キシメチレン共重合体に、安定剤を添加すること
により、従来のオキシメチレン共重合体組成物に
比べて、140℃長期耐熱エージング特性テスト、
120℃長期耐熱水性テストにおいて引張強さ、伸
度、重量保持率が著しく向上し、テスト成形品の
外観変化も極めて少ない。さらに、連続成形を実
施する場合、従来のオキシメチレン共重合体組成
物に比べて、金型へ析出物の発生が極めて少な
く、かつ成形品外観も良好である。 このような長期特性における物性保持率の向上
については、必ずしも明確ではないが、安定剤に
含まれるアルカリ土類金属塩がオキシメチレン共
重合体の熱分解により発生するギ酸受容体として
有効に作用しているためと考えられる。さらに、
アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、酸
化物がホルモース生成の触媒になるのに対し、安
定剤がホルモース生成触媒になりにくいことも、
物性保持率の向上に影響しているものと考えられ
る。また、連続成形における金型への析出物の発
生が少ないことにいては、安定剤がホルムアルデ
ヒドガスの金型表面への付着を抑制していると考
えられる。さらに、含窒素化合物の配合により、
相乗的に該析出物の発生が抑制される。 これらのことにより、本発明のオキシメチレン
共重合体組成物は、高温下や熱水中などの過酷な
使用環境に長期間、耐えることができ、さらに、
長時間の連続成形においても金型への析出物の発
生が少なく、生産性の向上に大きく寄与すること
ができる。 実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によつてなんら限定さ
れるものではない。 なお、実施例及び比較例における組成物の各特
性は次のようにして求めた。 (1) 長期熱水環境試験 圧力調整弁付きオートクレーブを用いて、120
℃で耐熱水試験を行つた。ただし試験水は、イオ
ン交換水を使用し、温度調整装置と流量計をセツ
トし、120℃流水方式で行つた。 評価については、初期成形品と滞留後成形品に
ついて、引張強度(ASTM D−638に準拠)、引
張伸度(ASTM D−638に準拠)、重量(10mg単
位で測定)の保持率及び成形品の外観変化の程度
を求めた。 (2) 成形品外観変化 初期成形品と滞留後成形品について、その外観
の変化を肉眼にて観察し、次の判定基準に従つて
評価した。 判定基準 〇:肉眼によつてわずかに色調変化が認めら
れる。 △:肉眼によつて明確に黄変が認められる。
あるいは、成形品表面にあばた模様がと
ころどころに認められる。 ×:茶色変色が見られる。あるいは、成形品
表面にあばた模様が全面に認められる。 (3) 長期熱風環境試験 ギヤーオープン[(株)田葉井製作所製、GPS−
222型、排気ダクト20゜開放]を用いて140℃長期
熱風環境試験を行つた。評価項目及び方法は、長
期熱水環境試験と同様である。 (4) 連続成形試験による評価 射出成形機 日鋼N70A(日本製鋼(株)製) シリンダー温度 200℃ 射出圧力 40Kg/cmG 射出時間 5sec冷却5sec 金型温度 90℃及び30℃ 上記成形条件でJIS−3号引張試験片の連続成
形5000shot実施後、金型の析出物の状態を肉眼に
より観察し、次の判定基準に従つて評価した。 判定基準 0:モールドデポジツトが全く認められな
い。 1:モールドデポジツトがほとんど認められ
ない。 2:モールドデポジツトがうつすらと認めら
れる。 3:モールドデポジツトがはつきりと認めら
れる。 4:モールドデポジツトが金型全面に厚く付
着している。 (5) 成形滞留後の成形品外観変化 射出成形機(アーブルグ社製221−55−250)内
に材料温度230℃で1時間滞留させたのち、試験
片形状約3×12×120mmの短ざく片を成形し、そ
の成形品に銀条の発生程度を観察し、次の判定基
準に従つて評価した。 判定基準 〇:成形品表面に銀条あるいは黄変が認めら
れない。 △:成形品表面に銀条が部分的に認められ
る。あるいは、成形品の黄変が認められ
る。 ×:成形品表面の全面に銀条が認められる。
あるいは、成形品の黄変が明らかに強く
認められる。 また、表中の記号は次のものを示す。 安定剤 G−1:グリセリンモノステアレートのモノホウ
酸エステルカルシウム塩 G−2:グリセリンモノステアレートのモノホウ
酸エステルマグネシウム塩 G−3:グリセリンモノラウレートのモノホウ酸
エステルカルシウム塩 G−4:グリセリンモノステアレートのモノリン
酸エステルカルシウム塩 G−5:グリセリンモノラウレートのモノリン酸
エステルマグネシウム塩 G−6:グリセリンモノステアレートのモノホウ
酸エステルバリウム塩 G−7:ソルビタンモノステアレートのモノホウ
酸エステルカルシウム塩 G−8:ソルビタンモノステアレートのモノリン
酸エステルカルシウム塩 G−9:ソルビタンモノラウレートのモノホウ酸
エステルバリウム塩 G−10:グリセリンモノプロピオネートのモノホ
ウ酸エステルカルシウム塩 G−11:エチレングリコールモノラウレートのモ
ノホウ酸エステルマグネシウム塩 G−12:1,6−ヘキサンジオールモノステアレ
ートのモノホウ酸エステルカルシウム塩 G−13:グリセリンモノベヘネートのモノホウ酸
エステルカルシウム塩 酸化防止剤 A−1:トリエチレングリコール−ビス[3−
(3−第三ブチル−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフエニル)プロピオネート]
(商品名:イルガノツクス245(チバガイ
ギー社製)) A−2:ペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロ
キシフエニル)プロピオネート](商品
名:イルガノツクス1010(チバガイギー
社製)) A−3:2,2′−メチレン−ビス(4−メチチル
−6−第三ブチルフエノール)(商品
名:ヨシノツクス2246(吉富製葉社製)) 含窒素化合物 C−1:ナイロン66 C−2:ナイロン6/66/610(40%/30%/30
%) C−3:ポリ−β−アラニン C−4:メラミン C−5:ジシアンジアミド その他安定剤 D−1:グリセリンモノステアレートのモノホウ
酸エステル D−2:ステアリン酸カルシウム D−3:リシノール酸カルシウム D−4:水酸化カルシウム D−5:グリセリンモノステアレートのモノホウ
酸エステルナトリウム塩 製造例 オキシメチレン共重合体の製造 98重量%のトリオキサンと2重量%のエチレン
オキシドとをフツ化ホウ素ブチルエーテルコンプ
レツクスを触媒として用いて重合させ、粗オキシ
メチレン共重合体を得、これにトリエチルアミン
を加え反応を停止させ、重合体を分離した。次い
でこの重合体にトリエチルアミン−水の混合物を
加え、ベント付65φ押出機中で末端の不安定部分
の除去を行つた。末端安定化後の重合体のMIは、
9.5(g/10分)であつた。この重合体をB−1と
する。 また、97重量%のトリオキサンと重量%の1,
3−ジオキセパンを用いて、前記と同様に重合
し、末端安定化したオキシメチレン共重合体
[MI9.0(g/10分)]を得た。この重合体をB−
2とする。 実施例1〜36、比較例1〜11 第1〜第4表に示す組成を、ヘンシエルミキサ
ーにより均質に混合し、この混合物を50φ押出機
に通し、溶融、安定化し、ダイヘツドから樹脂を
ストランドとして得た。ストランドはただちにペ
レツトとし、乾燥後、各評価を実施した。その結
果を第1〜第4表に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 〓注〓 不*:測定不能を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A)オキシメチレン共重合体に対し、(B)一般式 (式中のRは二価のアルキレン基又はヒドロキ
    シル基置換アルキレン基、R′はアルキル基、X
    はB又はP、Mはアルカリ土類金属である) で表わされる多価アルコールモノ脂肪酸エステル
    と三塩基性無機酸とのモノエステルのアルカリ土
    類金属塩を配合して成る安定化オキシメチレン共
    重合体組成物。 2 (A)成分100重量部に対し、(B)成分0.01〜5重
    量部を配合して成る特許請求の範囲第1項記載の
    組成物。 3 (A)オキシメチレン共重合体に対し、(B)一般式 (式中のRは二価のアルキレン基又はヒドロキ
    シル基置換アルキレン基、R′はアルキル基、X
    はB又はP、Mはアルカリ土類金属である) で表わされる多価アルコールモノ脂肪酸エステル
    と三塩基性無機酸とのモノエステルのアルカリ土
    類金属塩、及び(C)ポリアミド類、トリアジン類及
    びジシアンジアミドの中から選ばれた少なくとも
    1種の含窒素化合物を配合して成る安定化オキシ
    メチレン共重合体組成物。 4 (A)成分100重量部に対し、(B)成分0.01〜5重
    量部及び(C)成分0.01〜5重量部を配合して成る特
    許請求の範囲第3項記載の組成物。
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