JPH046752Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、浴槽内の湯水を浴槽外に配置した揚
水ポンプで汲み上げ、浴槽壁に設けた噴出ノズル
で浴中に噴出させる噴流式浴中マツサージ装置の
揚水ポンプ装置に関するものである。

〔従来の技術〕

浴槽内の湯水を吸引して空気と混合するか、も
しくは空気を混合させないまま湯水を所要の圧力
で噴出ノズルから噴出させ、この噴出流で入浴者
の肌を刺激して、マツサージを行う噴流式浴中マ
ツサージ装置は公知である。

この種の従来の装置は揚水ポンプの設置場所の
如何に拘わらず、呼び水が必要であり、使用に際
しては、特に、最初の使用に際しては呼び水差し
が必要であつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この種の従来の装置においては、揚水ポンプの
スイツチを入れれば浴槽内の湯水が吸引されて噴
出ノズルから噴出する湯水の噴出流によつて浴中
マツサージを受けることができるものであるが、
揚水ポンプを浴槽外に設置したものにあつては、
揚水ポンプが湯水に浸漬されていないため、噴流
式浴中マツサージ装置を起動させるに際して、人
為的手段で呼び水を揚水ポンプに差していた。

この呼び水供給手段としては第１２図に示すよ
うに、呼び水を適な容器７に入れて揚水ポンプ１
に差すのが一般的であるため、取り扱いが面倒で
あり、また、容器７はポンプ本体と分離している
ため不意に呼び水が必要になつた場合、容器７が
ないと噴流式浴中マツサージ装置が使用できない
という不便があつた。

本考案は上記実情に鑑みなされたものであり、
その目的は、呼び水の供給操作が極めて容易な噴
流式浴中マツサージ装置の揚水ポンプ装置を供給
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するため次のような手
段を採用している。すなわち、本考案は、浴槽内
の湯水を揚水するポンプを浴槽外に設置する噴流
式浴中マツサージ装置において、揚水ポンプの吸
入口から浴中に達する揚水管路を設け、該揚水管
路の適宜の位置には浴槽内の湯水を呼び水として
揚水ポンプに供給する補助ポンプを介在させるこ
とをもつて、問題点を解決する手段としている。

〔作用〕

上記のように構成されている本考案において、
揚水ポンプを起動するに際して、補助ポンプを操
作すると、この補助ポンプの動作により、浴槽内
の湯水は揚水ポンプの吸水管路を通つて吸引さ
れ、ポンプ室に送り込まれる。そこで、噴流式浴
中マツサージ装置を起動すると、補助ポンプによ
つて揚水ポンプに送り込まれた湯水はポンプ起動
の呼び水として機能して、同揚水ポンプは直ちに
ポンプ動作を行い、浴槽中の湯水を吸引して噴出
ノズルから所要の圧力をもつて噴出させることが
可能になる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図には本考案の一実施例を示す斜視図が示
されている。

揚水ポンプ１は浴槽８の外に設置されるが、こ
の揚水ポンプ１のハウジングのコーナー部の外形
は浴槽８の上面縁部の隅角部９の形状に合わせて
形成されている。すなわち、第２図ａ，ｂに示す
ように、例えば、浴槽８の上面縁部の隅角部９が
円弧形をしている場合はポンプハウジングの背面
部の形状を弓形に、また、浴槽８の上面縁部の隅
角部９が角形をしている場合は同部の形状を直角
二等辺三角形にそれぞれ形成して、揚水ポンプ１
を浴槽８外に取り付けている。

揚水ポンプ１の適位置（例えば、第３図に示す
ように同ポンプ１の下面）には装着手段としての
吸盤装置１０が設けられている。この吸盤装置１
０は弾性変形可能な平椀状の吸盤１１と、この吸
盤に一端部が固定され、他端部が揚水ポンプ１の
枠体に螺合されている支持棒１２とからなり、こ
の支持棒１２を所定の方向に回転することによつ
て該支持棒１２は螺合進退し、揚水ポンプ１の高
さを任意に調整できるようになつている。本実施
例においては、この吸盤装置１０は３個設けら
れ、最も安定な３点支持によつて揚水ポンプ１は
浴槽８の上面縁部１３の隅角部９に吸着固定され
ている。

なお、この揚水ポンプ１の固定は必ずしも浴槽
８の上面縁部１３に直接固定する必要はない。

ポンプハウジングの内部に例えば第４図に示す
ように収容されている揚水ポンプ１のポンプ本体
１６はモータ回転によつて回転するロータ１７を
ポンプ室に有しており、このロータ１７の回転に
よつて吸入口１８から吸引した湯水を吐出口２０
から排出するようになつている。そして、吸入口
１８には吸水管路としてのホース２が気密に嵌め
込まれて固定されており、同様に、吐出口２０に
は送水管路としてのホース２１の基端部が嵌合固
定されている。このホース２１の先端部には浴槽
壁に固定した噴出ノズル２２が装着されており、
この噴出ノズル２２は噴出口が浴槽の中心に向け
られている。２３は噴出ノズル２２を浴槽８の内
壁面に固定する吸盤である。前記吸入口１８に嵌
め込まれたホース２の先端部は浴槽８内の湯水の
中まで伸びている。

このホース２の適当な位置には手動ポンプ２４
を設け、このポンプを手動操作することによつて
湯水を揚水ポンプ１のポンプ室に汲み上げること
ができるようになつている。この手動ポンプ２４
の構成は特に限定されるものではなく、様々な態
様のものが使用可能であるが、一例として第５図
はその代表的な構成例を示している。

同図に示す手動ポンプ２４は、プラスチツク等
の弾性材料によつて形成された作動筒２５と、こ
の作動筒２５の開口端側に接続された弁箱２６
と、一端がこの弁箱２６の吸入側開口部に接続さ
れ、他端が浴槽８の湯水６中に入れられる第１の
ホース２ａと、一端が弁箱２６の吐出側開口部
に、他端が揚水ポンプ１の吸入口１８側にそれぞ
れ接続された第２のホース２ｂとを有し、前記吸
入側開口部には吸入弁２７が、吐出側開口部には
吐出弁２８が設けられている。かかる構成におい
て、作動筒２５を押圧変形することにより、吸入
弁２７が閉じ、該作動筒２５内の空気は吐出弁２
８を開き、第２のホース２ｂを通つて揚水ポンプ
１に送られる。次に、作動筒２５から手を離せ
ば、同筒２５は弾性復元力によつて元の状態に復
帰する。この形状復帰に際して作動筒２５内が負
圧化するから、吐出弁２８が閉じ吸入弁２７が開
いて浴槽８内の湯水６が第１のホース２ａを通つ
て作動筒２５内に流入する。次に作動筒２５を再
度押圧変形すれば同筒２５内の湯水は第２のホー
ス２ｂを通つて揚水ポンプ１に送られることにな
る。したがつて、この作動筒２５の押圧変形操作
を繰り返すことにより、湯水は次々と揚水ポンプ
１のポンプ室内に送られ、これが揚水ポンプ起動
時の呼び水となる。

この手動ポンプ２４の作動筒２５としては、上
記の例の他に、同筒２５の壁面に凹凸部がないも
の（第６図）、同筒２５内にスプリング３０を収
容してなるもの（第７図）、プラスチツクの筒体
２９にばね３１を同時成形したもの（第８図）、
軟質のプラスチツク筒体３２に硬質のプラスチツ
ク３３を螺線状に一体成形したもの（第９図）等
が挙げられるが、いずれの機能も開放状態（各図
ａ）と押圧変形状態（各図ｂ）の繰り返しによつ
てポンプ動作が行われることは同一である。ま
た、第１０図に示す手動ポンプ２４は、第９図に
示す作動筒２５を利用し、該作動筒２５の一方側
端面に吸入弁２７を、他方側端面に吐出弁２８を
設けたもので、かかる構成のポンプ２４は作動筒
２５を両ホース２ａ，２ｂと同一軸線上に配設で
きるから、同筒２５がホース２ａ，２ｂの経路か
ら出張つて邪魔になるということがなく、見た目
にもスマートで、その上、ポンプ動作（作動筒２
５の伸縮動作）も同筒２５の両側を両手で持つて
軸方向に伸縮できるからやり易くなる。

なお、本考案は上記実施例に限定されることは
なく、様々な態様を採り得るものである。例え
ば、上記実施例では、揚水ポンプ１の装着手段と
して着脱自在の吸盤装置を採用しているが、これ
を例えば、ボルト締結等、他の着脱可能な手段に
より構成してもよく、また、場合によつては、溶
接等により着脱不能に取り付けてもよい。さら
に、本実施例では揚水ポンプ１のハウジングを浴
槽８や浴室の隅角部９の形状に合わせて該隅角部
９に配設しているが、必ずしもそうする必要はな
く、揚水ポンプ１のポンプハウジングの形状は任
意に設定できるものであり、また、そのポンプ配
設位置も浴槽外の任意の場所に配置できるもので
ある。

また、上記実施例では、噴出ノズル２２を浴槽
内に固定しているが、この噴出ノズルを浴槽に対
して着脱できるようにして、必要に応じてこれを
浴槽外に配置してもよく、あるいは浴槽内と浴槽
外の両方に配置し、この噴出ノズルの流路を切り
換えることによつて入浴をする者が好みに応じて
いずれかの噴出ノズルを選択できるようにしても
よい。

さらに、上記実施例では、補助ポンプとして手
動式のポンプを用いているが、これを電動式のポ
ンプとしてもよい。この場合はできるだけ小型の
ものが望ましく、例えば、第１１図に示す電池式
のポンプが使用可能となる。同図において、３４
は電池ケース、３５はモータ、３６は本体筒部、
３７はポンプシヤフト、３８は羽根車、４０はポ
ンプケース、４１は吸入口、４２はスイツチを示
し、揚水ポンプ１に呼び水を供給するときは、モ
ータ３５によつて羽根車３８を回転し、この羽根
車３８の回転によつて湯水６を吸入口４１から吸
引し、この湯水を第１のホース２ａおよび第２の
ホース２ｂを介して揚水ポンプ１に送り込めばよ
い。なお、この電池式のポンプを使用する場合
は、電池ケース３４、モータ３５、スイツチ４２
等の電気系統の部分を完全に防水する必要があ
る。

〔考案の効果〕

本考案は噴流式浴中マツサージ装置の揚水ポン
プに呼び水を供給する補助ポンプを配設したもの
であるから、その補助ポンプを動作させるだけの
極めて簡単な操作で呼び水を面倒なく揚水ポンプ
に供給することができる。また、前記補助ポンプ
は揚水ポンプの吸水管路に介設されるものである
から、この吸水管路を補助ポンプの吸水管路とし
て兼用することができ、したがつて、管路の簡素
化が図られ、美感を損なうこともない。さらに、
補助ポンプは浴槽の内外いずれの場所にも設置す
ることができ、たとえ濡れた手で操作しても、ま
た、入浴中に操作しても、一切の危険をともなう
ことがないので、手軽に揚水ポンプを扱うことが
できて便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を噴流式浴中マツサ
ージ装置と共に示す斜視図、第２図ａ，ｂは同実
施例の揚水ポンプの外形と浴槽への取り付け位置
を平面図をもつて示した説明図、第３図は揚水ポ
ンプの装着例を一部を切断して示す説明図、第４
図は揚水ポンプ本体の縦断側面図、第５図は手動
操作式の補助ポンプの一例を示す縦断側面図、第
６図乃至第９図は同補助ポンプを構成する各種作
動筒の動作を示す断面図、第１０は第９図に示す
作動筒を用いた補助ポンプの縦断側面図で、同図
ａは伸張状態を示す縦断側面図、同図ｂは圧縮状
態を示す縦断側面図、第１１図は電池式の補助ポ
ンプの一例を示す断面図、第１２図は揚水ポンプ
に呼び水を供給する従前の一態様を示す説明図で
ある。 １……揚水ポンプ、２，４……ホース、２ａ…
…第１のホース、２ｂ……第２のホース、６……
湯水、８……浴槽、１６……ポンプ本体、１７…
…ロータ、１８……吸入口、２０……吐出口、２
１……ホース、２２……噴出ノズル、２４……手
動操作式補助ポンプ、２５……作動筒、２６……
弁箱、２７……吸入弁、２８……吐出弁、３０…
…筒体、３１……ばね、３２……プラスチツク筒
体、３３……硬質のプラスチツク、３４……電池
ケース、３５……モータ、３６……本体筒部、３
７……ポンプシヤフト、３８……羽根車、４０…
…ポンプケース、４１……吸入口、４２……スイ
ツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽内の湯水を揚水するポンプを浴槽外に設置
   する噴流式浴中マツサージ装置において、揚水ポ
   ンプの吸入口から浴中に達する揚水管路を設け、
   該揚水管路の適宜の位置には浴槽内の湯水を吸び
   水として該揚水ポンプに供給する補助ポンプを介
   在させたことを特徴とする噴流式浴中マツサージ
   装置の揚水ポンプ装置。