JPH046670B2 - - Google Patents
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- JPH046670B2 JPH046670B2 JP58162432A JP16243283A JPH046670B2 JP H046670 B2 JPH046670 B2 JP H046670B2 JP 58162432 A JP58162432 A JP 58162432A JP 16243283 A JP16243283 A JP 16243283A JP H046670 B2 JPH046670 B2 JP H046670B2
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Description
(イ) 技術分野
本発明は切削工具、岩石堀削工具として使用す
るのに適した高強度でかつ耐熱性を有したダイヤ
モンド立方晶窒化硼素(以下CBNと記す)複合
焼結体およびその製造方法に関するものである。 (ロ) 従来技術とその問題点 現在、ダイヤモンドの含有量が70容量%以上で
ダイヤモンド粒子が互いに接合した焼結体が販売
され、非鉄金属、プラスチツク、セラミツクの切
削、ドレツサー、ドリルビツト、伸線ダイスとし
て使用されている。特に非鉄金属の切削や銅線な
どの比較的軟かい線材を伸線するダイスとしてこ
れらのダイヤモンド焼結体を使用した場合、その
性能は非常に優れている。しかしながら、ドリル
ビツトなどに使用された場合、今のところ満足さ
れる性能を有するダイヤモンド焼結体はないのが
現状である。本発明者等は市販のダイヤモンド焼
結体を安山岩や花崗岩等の硬質岩石堀削用ドリル
ビツトとして使用した場合に十分な性能が発揮さ
れない原因がCo等の鉄族金属を結合材として用
いている点にあることを見出した。すなわち、硬
質岩石堀削時には堀削力が高くなり、焼結ダイヤ
モンドは高温となるため (1) Co等の鉄族金属結合材の存在により、ダイ
ヤモンドの黒鉛化が促進されて粒子間の結合力
が低下する。 (2) Co等の鉄族金属結合材の熱膨張率(例えば
Coの線膨張率は18×10-6)とダイヤモンドの
それ(線膨張率で4.5×10-6)の差が大きいた
め、高温使用時にその熱膨張差に起因した亀裂
が発生して粒子間の結合力が低下する。 ことが判明した。ダイヤモンド焼結体の耐熱性を
向上させる方法としては、特開昭53−114589号に
記載されている如く高温時にダイヤモンの黒鉛化
を促進するCo等の鉄族金属を取り除けば良い。
しかしながらダイヤモンド焼結体からCo等の鉄
族金属を溶出した場合、ダイヤモンド焼結体の強
度は20〜30%低下する。特にダイヤモンド焼結体
をビツトとして使用した場合、強度と耐摩耗性と
耐熱性が要求され特開昭53−114589号に記載され
ているようなダイヤモンド焼結体を用いたドリル
ビツトではダイヤモンド焼結体の強度不足のた
め、刃先が欠損し寿命が短い。 上記(1)及び(2)の欠点を改善する他の方法として
は、Co等の鉄族金属結合材の代わりにCBNを結
合材とすることが考えられる。CBNは、ダイヤ
モンドとの熱膨張差が僅少であり、かつ熱伝導
率、熱的安定性とも良好であるが、ダイヤモンド
粉末とCBN粉末のみからなる焼結体は、ダイヤ
モンドとCBNの結合が弱いため工具として使用
した場合には粒子の脱落が生じ易く耐磨耗性が低
下する。このため、従来、切削工具材料として開
発されてきたダイヤモンドとCBNとを含む焼結
体はCo等の鉄族金属相を含み、これを介して結
合せしめたものである。 本発明者らは結合材の種類を検討することによ
つて、高強度で、耐磨耗性ならびに耐熱性に優れ
たダイヤモンドCBN複合焼結体を開発すべく鋭
意研究を重ねた。 (ハ) 発明の開示 研究の結果、チタンの炭化物、硼化物、窒化物
および/またはこれらの固溶体の1種以上で個々
の粒子表面を強固に結合被覆されたダイヤモンド
粒子30〜80容量%を含有し、該チタン化合物が容
量で0.2〜10.0%であり、残部が立方晶窒化硼素
であるダイヤモンドCBN複合焼結体が靭性、耐
磨耗性及び耐熱性を兼ねそなえたものであること
が判明した。 すなわち本発明焼結体ではCo等の鉄族金属結
合材を使用していないため、ダイヤモンド粒子の
黒鉛化を抑制することができまたダイヤモンド粒
子とCBNはチタンの炭化物、窒化物、硼化物の
1種以上および/またはこれらの固溶体を介して
極めて強固に結合しているため、耐摩耗性が良好
である。本発明焼結体のCBN相は六方晶窒化硼
素(以下、bBNと略記する)を高温高圧焼結中
に変換せしめたものであるため、CBN粉末を出
発原料とした従来焼結体に比べ、CBN同志の結
合力が著しく高くなつている。また上記チタンの
化合物とダイヤモンド或はCBNとの熱膨張差は、
Co等の鉄族金属とダイヤモンド或はCBNとのそ
れの約1/2であるため、工具として使用した場合
の熱応力による亀裂発生に関しても改善されてい
る。 本発明焼結体においては、特に10〜100μmの
粒度のダイヤモンド粒子を用いた場合、靭性、耐
摩耗性共、最も優れている。使用するダイヤモン
ドは合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンドのいず
れでもよい。 ダイヤモンドの含有量は30〜80%が好ましい。
この含有量が30%未満であると耐摩耗性が低下
し、80%を越えると靭性が落ちる。該ダイヤモン
ド粒子はその表面をチタンによつて被覆された後
hBN粉末とボールミル等の手段で均一に混合さ
れる。 ここで、ダイヤモンド粒子表面に被覆するチタ
ンの厚さは0.1〜5μmであり、これによつて焼結
後、ダイヤモンドCBN界面には0.2〜10.0容量%
のチタンの炭化物、硼化物、窒化物および/また
はこれらの固溶体が形成される。 チタン被膜の厚さが0.1μm以下であると、ダイ
ヤモンド−CBN界面が完全に上記チタン化合物
を介して結合されず、また、5μm以上であると、
未反応チタンが残留して結合力を低下させる。 また、ここで使用するhBN粉末は通常平均粒
径1〜10μmのものであり、予めその不純物酸素
含有量が0.3重量%以下、好ましくは0.08重量%
以下になるように高純度化処理を行つたものであ
る。酸素不純物の除去は例えば特公昭58−60603
号に示される方法で容易に達せられる。この
hBNの高純度化により、hBN→CBN変換は極め
て高効率となる。上記混合物には、高温高圧下に
おいてhBN→CBN変換触媒となるリチウムの或
はアルカリ土類金属の窒化物乃至は硼窒化物と接
触下、常圧非酸化性雰囲気中、好ましくは窒素雰
囲気中にて加熱処理することにより、該触媒物質
を拡散担持せしめる。触媒は後述する如く焼結中
に折出したCBN、ダイヤモンド及びチタン化合
物との漏れ性の悪さにより、焼結体外部へ速やか
に拡散流出するため、触媒が適当量拡散浸入して
いれば折出した、CBNは極めて緻密かつ強固に
結合し、粒界に空洞や触媒物質が残存することは
殆んどない。拡散浸入量としては、0.5〜1.5重量
%であることが好ましい。0.5重量%以下では
hBN→CBN変換が短時間で完全には終結しな
い。また1.5重量%以上では焼結体中に残存する
触媒量が増加し、焼結体の性能を劣化させる。 触媒物質を0.5〜1.5重量%拡散担持したもので
あれば、触媒物質が窒化物、硼窒化物乃至は酸化
物の1種以上の形態で焼結体中に残留する量は、
結合材重量の0.01%以下であり、この量は焼結体
の性能を劣化合させるには至らない。触媒物質を
拡散担持せしめた焼結体原料は、焼結条件下では
これら原料と化学反応を起しにくい金属反応容器
例えばモリブデン等の中に充填し、その容器を高
温高圧発生室内に配し熱力学的にCBNとダイヤ
モンドが同時に安定で、かつ拡散担持せしめた触
媒物質と窒化硼素の共晶温度以上の条件に数分間
曝す。この間に、拡散担持せしめた触媒物質の作
用によりhBN−CBN変換反応が進行し、それに
伴つてダイヤモンド粒子を被覆していたチタンが
被覆基体であるダイヤモンドと、またhBNなら
びに析出したCBNと反応し、最終的に、ダイヤ
モンドとCBNの界面に、チタンの炭化物、硼化
物、窒化物および/またはこれらの固溶体を生成
する。一方、触媒物質はこれら化合物との漏れ性
の悪さにより、焼結体外表面へ流出するものであ
る。 焼結時間は触媒物質のhBN→CBN変換作用を
伴つた焼結体外部への拡散流出ならびにチタン−
ダイヤモンド、チタン−hBN、チタン−CBNの
反応が著しく速いため極めて短時間でよく、5分
程度で十分である。焼結終了後、圧力を保持した
状態で加熱のみを停止し、高温高圧発生室内が室
温付近まで冷却された後に、保持圧力を徐々に解
除して常圧に戻す。 回収された試料は金属反応容器を酸処理するこ
とにより極めて強固に焼結した硬質ダイヤモンド
焼結体のみを得ることができる。 本発明焼結体の用途としてはビツトの他に伸線
用ダイズ、セラミツク、切削加工用バイト、ドレ
ツサーなどがある。 以下実施例により具体的に説明する。 実施例 1 個々の粒子表面を厚さ0.1μmのチタンで被覆し
た粒度30μの合成ダイヤモンド粉末と不純物酸素
含有量が0.06重量%で粒径5μmのhBN粉末を容
積で65:35に混合し、均一混合した。この混合粉
末を窒化マグネシウムと共に、窒素気流中1150℃
で3時間加熱処理を行つたところ、hBN粉末重
量の0.8%の窒化マグネシウムが該混合粉末中に
拡散した。 この完成粉末をMo製の容器に詰め、超高圧装
置を用いて先ず圧力を55kb加え、引続いて1450
℃に加熱して3分間保持した。焼結完了後、試料
をとりだし加熱した王水中でMo製容器を溶解さ
せ焼結体を回収した。この焼結体の組成を分析し
たところダイヤモンド67容量%、CBN27容量
%及びTi(C,B,N)固溶体6容量%であつ
た。 また、結合材中には、微量不純物として残留触
媒Mg3B2N4が結合材重量の0.005%含有されてい
た。このダイヤモンド焼結体を真空中で1000℃に
30分加熱し、抗折力試験により強度を測定した。
その結果を表1に示す。なお比較のため表1に示
すダイヤモンド焼結体の強度も同時に測定した。
るのに適した高強度でかつ耐熱性を有したダイヤ
モンド立方晶窒化硼素(以下CBNと記す)複合
焼結体およびその製造方法に関するものである。 (ロ) 従来技術とその問題点 現在、ダイヤモンドの含有量が70容量%以上で
ダイヤモンド粒子が互いに接合した焼結体が販売
され、非鉄金属、プラスチツク、セラミツクの切
削、ドレツサー、ドリルビツト、伸線ダイスとし
て使用されている。特に非鉄金属の切削や銅線な
どの比較的軟かい線材を伸線するダイスとしてこ
れらのダイヤモンド焼結体を使用した場合、その
性能は非常に優れている。しかしながら、ドリル
ビツトなどに使用された場合、今のところ満足さ
れる性能を有するダイヤモンド焼結体はないのが
現状である。本発明者等は市販のダイヤモンド焼
結体を安山岩や花崗岩等の硬質岩石堀削用ドリル
ビツトとして使用した場合に十分な性能が発揮さ
れない原因がCo等の鉄族金属を結合材として用
いている点にあることを見出した。すなわち、硬
質岩石堀削時には堀削力が高くなり、焼結ダイヤ
モンドは高温となるため (1) Co等の鉄族金属結合材の存在により、ダイ
ヤモンドの黒鉛化が促進されて粒子間の結合力
が低下する。 (2) Co等の鉄族金属結合材の熱膨張率(例えば
Coの線膨張率は18×10-6)とダイヤモンドの
それ(線膨張率で4.5×10-6)の差が大きいた
め、高温使用時にその熱膨張差に起因した亀裂
が発生して粒子間の結合力が低下する。 ことが判明した。ダイヤモンド焼結体の耐熱性を
向上させる方法としては、特開昭53−114589号に
記載されている如く高温時にダイヤモンの黒鉛化
を促進するCo等の鉄族金属を取り除けば良い。
しかしながらダイヤモンド焼結体からCo等の鉄
族金属を溶出した場合、ダイヤモンド焼結体の強
度は20〜30%低下する。特にダイヤモンド焼結体
をビツトとして使用した場合、強度と耐摩耗性と
耐熱性が要求され特開昭53−114589号に記載され
ているようなダイヤモンド焼結体を用いたドリル
ビツトではダイヤモンド焼結体の強度不足のた
め、刃先が欠損し寿命が短い。 上記(1)及び(2)の欠点を改善する他の方法として
は、Co等の鉄族金属結合材の代わりにCBNを結
合材とすることが考えられる。CBNは、ダイヤ
モンドとの熱膨張差が僅少であり、かつ熱伝導
率、熱的安定性とも良好であるが、ダイヤモンド
粉末とCBN粉末のみからなる焼結体は、ダイヤ
モンドとCBNの結合が弱いため工具として使用
した場合には粒子の脱落が生じ易く耐磨耗性が低
下する。このため、従来、切削工具材料として開
発されてきたダイヤモンドとCBNとを含む焼結
体はCo等の鉄族金属相を含み、これを介して結
合せしめたものである。 本発明者らは結合材の種類を検討することによ
つて、高強度で、耐磨耗性ならびに耐熱性に優れ
たダイヤモンドCBN複合焼結体を開発すべく鋭
意研究を重ねた。 (ハ) 発明の開示 研究の結果、チタンの炭化物、硼化物、窒化物
および/またはこれらの固溶体の1種以上で個々
の粒子表面を強固に結合被覆されたダイヤモンド
粒子30〜80容量%を含有し、該チタン化合物が容
量で0.2〜10.0%であり、残部が立方晶窒化硼素
であるダイヤモンドCBN複合焼結体が靭性、耐
磨耗性及び耐熱性を兼ねそなえたものであること
が判明した。 すなわち本発明焼結体ではCo等の鉄族金属結
合材を使用していないため、ダイヤモンド粒子の
黒鉛化を抑制することができまたダイヤモンド粒
子とCBNはチタンの炭化物、窒化物、硼化物の
1種以上および/またはこれらの固溶体を介して
極めて強固に結合しているため、耐摩耗性が良好
である。本発明焼結体のCBN相は六方晶窒化硼
素(以下、bBNと略記する)を高温高圧焼結中
に変換せしめたものであるため、CBN粉末を出
発原料とした従来焼結体に比べ、CBN同志の結
合力が著しく高くなつている。また上記チタンの
化合物とダイヤモンド或はCBNとの熱膨張差は、
Co等の鉄族金属とダイヤモンド或はCBNとのそ
れの約1/2であるため、工具として使用した場合
の熱応力による亀裂発生に関しても改善されてい
る。 本発明焼結体においては、特に10〜100μmの
粒度のダイヤモンド粒子を用いた場合、靭性、耐
摩耗性共、最も優れている。使用するダイヤモン
ドは合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンドのいず
れでもよい。 ダイヤモンドの含有量は30〜80%が好ましい。
この含有量が30%未満であると耐摩耗性が低下
し、80%を越えると靭性が落ちる。該ダイヤモン
ド粒子はその表面をチタンによつて被覆された後
hBN粉末とボールミル等の手段で均一に混合さ
れる。 ここで、ダイヤモンド粒子表面に被覆するチタ
ンの厚さは0.1〜5μmであり、これによつて焼結
後、ダイヤモンドCBN界面には0.2〜10.0容量%
のチタンの炭化物、硼化物、窒化物および/また
はこれらの固溶体が形成される。 チタン被膜の厚さが0.1μm以下であると、ダイ
ヤモンド−CBN界面が完全に上記チタン化合物
を介して結合されず、また、5μm以上であると、
未反応チタンが残留して結合力を低下させる。 また、ここで使用するhBN粉末は通常平均粒
径1〜10μmのものであり、予めその不純物酸素
含有量が0.3重量%以下、好ましくは0.08重量%
以下になるように高純度化処理を行つたものであ
る。酸素不純物の除去は例えば特公昭58−60603
号に示される方法で容易に達せられる。この
hBNの高純度化により、hBN→CBN変換は極め
て高効率となる。上記混合物には、高温高圧下に
おいてhBN→CBN変換触媒となるリチウムの或
はアルカリ土類金属の窒化物乃至は硼窒化物と接
触下、常圧非酸化性雰囲気中、好ましくは窒素雰
囲気中にて加熱処理することにより、該触媒物質
を拡散担持せしめる。触媒は後述する如く焼結中
に折出したCBN、ダイヤモンド及びチタン化合
物との漏れ性の悪さにより、焼結体外部へ速やか
に拡散流出するため、触媒が適当量拡散浸入して
いれば折出した、CBNは極めて緻密かつ強固に
結合し、粒界に空洞や触媒物質が残存することは
殆んどない。拡散浸入量としては、0.5〜1.5重量
%であることが好ましい。0.5重量%以下では
hBN→CBN変換が短時間で完全には終結しな
い。また1.5重量%以上では焼結体中に残存する
触媒量が増加し、焼結体の性能を劣化させる。 触媒物質を0.5〜1.5重量%拡散担持したもので
あれば、触媒物質が窒化物、硼窒化物乃至は酸化
物の1種以上の形態で焼結体中に残留する量は、
結合材重量の0.01%以下であり、この量は焼結体
の性能を劣化合させるには至らない。触媒物質を
拡散担持せしめた焼結体原料は、焼結条件下では
これら原料と化学反応を起しにくい金属反応容器
例えばモリブデン等の中に充填し、その容器を高
温高圧発生室内に配し熱力学的にCBNとダイヤ
モンドが同時に安定で、かつ拡散担持せしめた触
媒物質と窒化硼素の共晶温度以上の条件に数分間
曝す。この間に、拡散担持せしめた触媒物質の作
用によりhBN−CBN変換反応が進行し、それに
伴つてダイヤモンド粒子を被覆していたチタンが
被覆基体であるダイヤモンドと、またhBNなら
びに析出したCBNと反応し、最終的に、ダイヤ
モンドとCBNの界面に、チタンの炭化物、硼化
物、窒化物および/またはこれらの固溶体を生成
する。一方、触媒物質はこれら化合物との漏れ性
の悪さにより、焼結体外表面へ流出するものであ
る。 焼結時間は触媒物質のhBN→CBN変換作用を
伴つた焼結体外部への拡散流出ならびにチタン−
ダイヤモンド、チタン−hBN、チタン−CBNの
反応が著しく速いため極めて短時間でよく、5分
程度で十分である。焼結終了後、圧力を保持した
状態で加熱のみを停止し、高温高圧発生室内が室
温付近まで冷却された後に、保持圧力を徐々に解
除して常圧に戻す。 回収された試料は金属反応容器を酸処理するこ
とにより極めて強固に焼結した硬質ダイヤモンド
焼結体のみを得ることができる。 本発明焼結体の用途としてはビツトの他に伸線
用ダイズ、セラミツク、切削加工用バイト、ドレ
ツサーなどがある。 以下実施例により具体的に説明する。 実施例 1 個々の粒子表面を厚さ0.1μmのチタンで被覆し
た粒度30μの合成ダイヤモンド粉末と不純物酸素
含有量が0.06重量%で粒径5μmのhBN粉末を容
積で65:35に混合し、均一混合した。この混合粉
末を窒化マグネシウムと共に、窒素気流中1150℃
で3時間加熱処理を行つたところ、hBN粉末重
量の0.8%の窒化マグネシウムが該混合粉末中に
拡散した。 この完成粉末をMo製の容器に詰め、超高圧装
置を用いて先ず圧力を55kb加え、引続いて1450
℃に加熱して3分間保持した。焼結完了後、試料
をとりだし加熱した王水中でMo製容器を溶解さ
せ焼結体を回収した。この焼結体の組成を分析し
たところダイヤモンド67容量%、CBN27容量
%及びTi(C,B,N)固溶体6容量%であつ
た。 また、結合材中には、微量不純物として残留触
媒Mg3B2N4が結合材重量の0.005%含有されてい
た。このダイヤモンド焼結体を真空中で1000℃に
30分加熱し、抗折力試験により強度を測定した。
その結果を表1に示す。なお比較のため表1に示
すダイヤモンド焼結体の強度も同時に測定した。
【表】
実施例 2
表2に示す割合で完成粉末を作成し、実施例1
と同様にして焼結した。これらの焼結体を用いて
切削加工用のバイトを作成し、花崗岩を300m/
minの速度で乾式で20分間切削した。その結果も
合わせて表2に記す。 尚、比較のための従来の金属結合材を用いたダ
イヤモンド焼結体の結果も示す。
と同様にして焼結した。これらの焼結体を用いて
切削加工用のバイトを作成し、花崗岩を300m/
minの速度で乾式で20分間切削した。その結果も
合わせて表2に記す。 尚、比較のための従来の金属結合材を用いたダ
イヤモンド焼結体の結果も示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 チタンの炭化物、硼化物、窒化物および/ま
たはこれらの固溶体の1種または2種以上で被覆
されたダイヤモンド粒子および立方晶窒化硼素よ
りなり、かつダイヤモンド粒子が30〜80容量%、
該チタン化合物が0.2〜10容量%であり、残部が
立方晶窒化硼素であることを特徴とする硬質ダイ
ヤモンド焼結体。 2 ダイヤモンド粒子の粒径が10〜100μmであ
る特許請求の範囲第1項記載の硬質ダイヤモンド
焼結体。 3 チタンの炭化物、硼化物、窒化物および/ま
たはこれらの固溶体の1種または2種以上で被覆
されたダイヤモンド粒子と不純物酸素含有量が
0.3重量%以下である六方晶窒化硼素とからなり、
かつダイヤモンド粒子が30〜80容量%、該チタン
化合物が0.2〜10容量%であり残部が六方晶窒化
硼素である混合物中へ、リチウムあるいはアルカ
リ土類金属の窒化物あるいは硼窒化物の1種また
は2種以上を六方晶窒化硼素の0.5〜1.5重量%拡
散担持せしめた混合粉末を、該混合粉末と反応し
にくい金属容器中に充填し、その容器を高温高圧
発生室内に配し、ダイヤモンドおよび立方晶窒化
硼素の両者が安定な温度および圧力下に数分間以
上保持した後、温度のみを室温付近まで冷却した
後保持圧力を解除することを特徴とする硬質ダイ
ヤモンド焼結体の製造方法。 4 ダイヤモンド粒子の粒径が10〜100μmであ
る特許請求の範囲第3項記載の硬質ダイヤモンド
焼結体の製造方法。 5 両者が安定な温度および圧力が立方晶窒化硼
素とリチウムあるいはアルカリ土類金属の窒化物
あるいは硼窒化物の共晶温度以上であることを特
徴とする特許請求の範囲第3項記載の硬質ダイヤ
モンド焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58162432A JPS6054973A (ja) | 1983-09-03 | 1983-09-03 | 硬質ダイヤモンド焼結体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58162432A JPS6054973A (ja) | 1983-09-03 | 1983-09-03 | 硬質ダイヤモンド焼結体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6054973A JPS6054973A (ja) | 1985-03-29 |
JPH046670B2 true JPH046670B2 (ja) | 1992-02-06 |
Family
ID=15754495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58162432A Granted JPS6054973A (ja) | 1983-09-03 | 1983-09-03 | 硬質ダイヤモンド焼結体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6054973A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02302367A (ja) * | 1989-05-17 | 1990-12-14 | Agency Of Ind Science & Technol | ダイヤモンド含有高密度無機複合焼結体の製造法 |
JP3482321B2 (ja) * | 1996-10-15 | 2003-12-22 | 新日本製鐵株式会社 | 半導体基板用研磨布のドレッサーおよびその製造方法 |
JP2003095743A (ja) * | 2001-09-21 | 2003-04-03 | Ishizuka Kenkyusho:Kk | ダイヤモンド焼結体及びその製造法 |
-
1983
- 1983-09-03 JP JP58162432A patent/JPS6054973A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6054973A (ja) | 1985-03-29 |
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