JPH046626B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 利用分野 本発明は、船や鉄道や自動車などを使つて、少
なくとも２台のトラクタを運ぶのに、それらトラ
クタを輸送コンテナに積込む方法に関する。

技術分野 従来の方法では、トラクタなどの駆動可能の車
輛は、車輛自体の駆動装置によつて、トラツクの
積込台や船の荷物保持部などのコンテナ内に駆動
され積み込まれる。そして、それらの車輛は通常
の運転可能状態で運ばれ、その駆動装置の通常の
運転によつて目的地に降される。

しかし、このような方法は、運転室やロールバ
ー（roll bar）が無いトラクタのような比較的に
低い車輛の運搬にのみ適している。運搬される車
輛が運転室やロールバーなどを有している場合に
は、それらを外して運ぶ場合もある。運転室の取
外しは、エンジンやトラクタのトランスミツシヨ
ンの操作部品を取外すことになり、従つて、トラ
クタをそれ自体の駆動装置でコンテナ内に積込む
ことができなくなる。更に、70キロワツト以上の
エンジン出力を有するトラクタでは、その大きい
外部寸法のため、標準的コンテナ内に入れるには
高すぎる。そのような車輛を収納できる大きなコ
ンテナを使用すれば、運送費用が高くなる。高い
運送費は、コンテナ内の車輛間の大きなスペース
の合計がかなりのものになることによる。

発明の摘要 したがつて、本発明は、コンテナよりも高いト
ラクタを、その駆動力を使つて駆動し、同コンテ
ナ内にその内部空間を最大限に利用できるように
積み込む方法を提供することを目的としている。

すなわち、本発明に係る方法においては、横断
方向で間隔をあけて設けられた一対の駆動後輪を
備える後方部分と、該後方に連結された幅の狭い
前方部分と、該前方部分の前端に取り付けられ該
前方部分の両側を越えて横断方向で伸びる前輪車
軸と、該前輪車軸の両端に取り付けられた前輪
と、上記後輪を駆動するための駆動手段とを備え
る少なくとも２台のトラクタを、高さが該トラク
タよりも低く、幅が同トラクタよりもわずかに広
い輸送用コンテナ内に積み込む方法であつて、 上記後輪を該後輪よりも直径が小さい補助後輪
に取り替え、 上記前輪と前輪車軸とを上記前方部分から外
し、 上記前方部分の前端にフレームを取り付け、 該フレームに前輪よりも直径の小さい単一補助
前輪を取り付け、それにより当該トラクタの高さ
をコンテナの高さより低くし、 その後、第１のトラクタをその駆動手段によつ
て後ろ向きにして駆動し、補助後輪の制動操作を
行うことによつて当該トラクタを操縦して上記コ
ンテナ内の後壁に近い位置で同トラクタの長さ方
向軸線が上記コンテナに長さ方向軸線に対して斜
めとなつた状態に積み込み、 第２のトラクタをその駆動手段によつて前向き
にして駆動し、補助前輪の制動操作を行うことに
よつて当該トラクタを上記トラクタ内で操縦し
て、該トラクタの上記前方部分が第１のトラクタ
の前方部分と逆向きで平行に横並びになるように
して積み込むことを特徴とする。

従つて、本発明に係る本発明では、積込みの際
のトラクタの寸法を本来のトラクタより小さくし
て、コンテナ内の内部空間に有効に利用すること
ができるように積み込むことができる。

実施例 以下、本発明を添付図面に示した実施例に基づ
き詳細に説明する。

第１図には、本発明に係る方法によつて運送す
るのに適した通常のトラクタ１０が示されてい
る。トラクタ１０はトランスミツシヨンハウジン
グ１６によつて形成される下部縁１６を備えるシ
ヤーシ１２と、運転室１８と、後輪２０と前輪２
０とを有している。前輪２３は前輪車軸２２に取
り付けられ、後輪２０と同じ高さで接地するよう
にされている。後輪２０は、運転室１８から操作
されるトランスミツシヨンハウジング１６内の
（図示しない）トランスミツシヨンによつて駆動
される。トラクタ１０はその後端２６にヒツチ２
８、前端３０に前輪車軸ブロツク３２を有してい
る。ベースウエート（図示せず）がボルトによつ
て前輪車軸ブロツク３２に取り付けられている。
後輪２０は後輪車軸シヤフト３４に取り付けら
れ、フエンダ３６によつて部分的にカバーされて
いる。エンジン３７が（図示しない）トランスミ
ツシヨンを駆動する。容易に外すことができる排
気パイプ３８がエンジン３７の（図示しない）排
気接続部に取り付けられている。

トラクタ１０は、低い位置にあるヒツチ２８の
後端と前輪２４の前輪との間が約4.2メートルあ
る。また、後部フエンダ３６の外側縁間の幅は約
2.05メートルある。後輪２０の底面から運転室１
８の上縁までは約2.84メートル、排気パイプ３８
の上縁までは約3.04メートルある。それらの寸法
は71キロワツトのエンジン出力で６気筒エンジン
のトラクタにおけるものである。第３図及び第４
図に示すように標準的輸送コンテナ４０内にでき
るだけ多くのトラクタ１０を積み込むには、各ト
ラクタ１０を第２図に示すような“積込み（準
備）”状態にする。標準的コンテナ４０は一般的
に40フイート（12.19メートル）長の頂部開放コ
ンテナを意味し、2.33メートルの内側幅、2.37メ
ートルの内部高さ、そして12.01メートルの内部
長さを有している。コンテナ４０は底部４８、側
壁５０，５１、後壁５２、前壁５６そして開放屋
根５８を有している。前壁５６は２つの枢着ドア
５４，５５を有している。屋根５８は横断ビーム
６０と、該ビームの上に設けられて、雨、雪、ゴ
ミなどが入らないようにする防水布６２を有して
いる。ビーム６４がドア５４，５５を横切つて設
けられており、車輛の積込み、積降しの間は、ド
アが開かれることによつて生じる出入口の寸法を
大きくするため外される。出入口は通常、底部４
８の上縁、側壁５０，５１及びビーム６４の底縁
によつて画定されている。コンテナ４０は、自動
車、鉄道、船で運ぶのに適している。輸送の間
は、コンテナ４０を積み重ねることができる。

第２図に示す“積込み（準備）”状態のトラク
タは、第１図に示す“運転（準備）”状態のトラ
クタと比べて次のように相違している。第１に、
前輪車軸２２及び前輪２４が外され、前部補助輪
４２が取り付けられている。車輪４２はフレーム
４４によつて前輪車軸ケース３２に接続されてい
る。第２に、後輪２０が、鋼または鋳鉄で作られ
た補助輪４６によつて取り替えられている。補助
輪４６は、標準的車輪２０よりかなり小さい外径
を有している。これらの部品交替がされても、こ
のトラクタ１０はまだ駆動可能で操縦可能であ
る。補助輪４２，４６及びフレーム４４の寸法
は、(1)トラクタ１０がコンテナ４０内に積み込ま
れたときにほぼ水平の状態になり、(2)その高さが
ドア５４，５５を開いた入口の高さより低くなる
程度になるように選択される。トラクタ１０は、
エンジン３７及びトランスミツシヨン内の潤滑油
が、その中に設定されている（図示しない）オイ
ルポンプの入口を覆うように、ほぼ水平の状態に
保持されなければならない。オイルポンプの入口
に潤滑油がかぶらない状態になると、油圧機器の
作動に支障を来たす。トラクタ１０が積込みの準
備状態になると、トランスミツシヨンハウジング
１６の底縁１４と車輪４６の接地面との間に約１
〜２センチメートルのスペースが残る。このスペ
ースは、コンテナの底部４８から突きでているか
も知れないビームや棒などとの接触によりトラン
スミツシヨンハウジング１６に傷付くのを防ぐ。
最後に、前輪車軸２２は前輪２４から外されてお
り、トラクタ１０の前後方向軸線を横切るように
してヒツチ２８に取り付けられている。

第１図に示す操作可能状態から第２図に示す積
込準備状態にするには、次のように行われる。

トラクタ１０がクレーンやホイストなどによつ
て前端部３０において持ち上げられる。

前輪２４が取り外される。

車軸２２が車軸ブロツク３２から取り外され
る。

補助輪４２を備えるフレーム４４がボルトなど
によつて車軸ブロツク３２に取り付けられる。そ
のようなボルトは、トラクタ１０の前部にベース
ウエイト（図示せず）を取り付けるためにブロツ
ク３２に既に設けられている螺孔に螺合される。

トラクタ１０はそれから前端部３０が補助輪４
２によつて支持されるまで下げられる。それか
ら、トラクタ１０の後輪２６がクレーンやホイス
ト等により持ち上げられる。

後輪２０が外され、補助輪４６が後輪シヤフト
３４に取り付けられる。

それから、トラクタ１０の後端部２６は、それ
が補助輪４６によつて支持されるまで下げられ
る。それから、前輪車軸２２がヒツチ２８上に載
置され、固定される。

排気パイプ３８は外されてシヤーシ１２に取り
付けられる。

もちろん、トラクタの前端部３０及び後端部２
６を同時に持ち上げたり、後端部２６を初めに、
それから前端部３０を持ち上げることもできる。

積込み（準備）状態において、トラクタは１０
は、上から見て、シヤーシ１２及び後端部２６に
よつてＴ型になつている。前端部の幅はシヤーシ
１２の幅だけを対応しており、それは前輪及び前
輪車軸を備えた“操作（準備）”状態にある完成
トラクタ１０の幅よりも極めて小さい。トラクタ
１０の操作及び駆動部品には全く変更が加えられ
ない。従つて、トラクタ１０は駆動可能であり、
それ自体の動力でコンテナに出入りできる。前輪
２４及び車軸２２の取外しの後でも、トラクタ１
０は“操作（準備”状態では各後輪２０に、ま
た、“積込み（準備）”状態では補輪４６にそれぞ
れ作用する（図示しない）標準準備の第１及び第
２単輪ブレーキによつて操縦可能である。（ブレ
ーキは後輪２０や補助輪４６に直接作用しない
が、後車軸シヤフト３４に作用する。）ブレーキ
はトラクタ１０をスキツド若しくはスキツドステ
アリングする。コンテナ４０からトラクタを降す
ときには、上述の操作を逆に行う。

“積込み（準備）”状態のトラクタ１０のＴ型
形状は、幾つかのトラクタを第３図に示すように
コンテナ４０内で互い違いに並べて収納し、コン
テナ４０内の空間を効果的に使うことを可能とす
る。そして、各トラクタ間に残された空間を、前
輪そしてまたは後輪２０，２４を収納するのに可
能な範囲で使うことができる。コンテナ１０内に
収納できない車輪２０，２４は適当な小さいコン
テナの中に収納すればよい。

もし可能ならば、前輪２４の所定の寸法及び容
積に基づき、該前輪を補助輪４６の代わりに後輪
車軸シヤフト３４に取り付けることもできる。補
助輪４６のかわりに前輪２４を取り付ければ、そ
の分だけ、当該トラクタから取外した部品を収納
するための空間が広がる。更に、補助輪４６を必
要としないので、輸送コストが低減される。

第３図及び第４図には、（上述した寸法で第２
図に示した積込み（準備）状態の４台のトラクタ
１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄがどのようにし
て最も適正な態様で頂部の開放したコンテナ１０
内に積み込まれるかが示されている。積込みを行
うには、初めにトラクタ１０ａを後退させながら
後壁５２のところまで運ぶ。後壁５２に当る直ぐ
前に、右車輪ブレーキをかけて、該トラクタ１０
の長手方向軸線を側壁５１に対して斜目になるよ
う旋回する。一つの後輪２０を前端３０ａ及び側
壁５１間に収納する。第２後輪２０が運転室１８
ａの近くで反対側の側壁５０に沿つて設定され
る。それから、第２のトラクタ１０ｂを前進して
コンテナ４０内に入れ、第１及び第２のトラクタ
１０ａ，１０ｂの前端が相互に横並びになり、ト
ラクタ１０ｂの前端部３０ｂがトラクタ１０ａの
右後部フエンダ３６ａに近づくまで、わずかに旋
回する。第３及び第４のトラクタ１０ｃ，１０ｄ
も第１及び第２のトラクタ１０ａ，１０ｂと同様
にしてコンテナ４０内に駆動して入れられる。第
２トラクタ１０ｂの後端部２６ｂは、第３トラク
タ１０ｃが隣接して位置決めされる後壁とみなさ
れる。最後に、後輪２０が第４のトラクタ１０ｄ
の後端２６ｄと枢着ドア５４，５５との間に収納
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る方法によつて輸送する
のに適した型式の車輛（トラクタ）の側面図；第
２図は、積込み準備状態にされた第１図のトラク
タの側面図；第３図は、本発明に係る方法により
コンテナ内に収納されたトラクタを示す平面図；
第４図は、第３図の側面図；である。 ２０，２２……車輪、４２，４６……補助車
輪。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 横断方向で間隔をあけて設けられた一対の駆
   動後輪を備える後方部分と、該後方に連結された
   幅の狭い前方部分と、該前方部分に取り付けられ
   該前方部分の両側を越えて横断方向で伸びる前輪
   車軸と、該前輪車軸の両端に取り付けられた前輪
   と、上記後輪を駆動するための駆動手段とを備え
   る少なくとも２台のトラクタを、高さが該トラク
   タよりも低く、幅が同トラクタよりもわずかに広
   い輸送用コンテナ内に積み込む方法であつて、 上記後輪を該後輪よりも直径が小さい補助後輪
   に取り替え、 上記前輪と前輪車軸とを上記前方部分から外
   し、 上記前方部分のフレームを取り付け、 該フレームに上記前輪よりも直径の小さい単一
   の補助前輪を取り付け、それにより当該トラクタ
   の高さを上記コンテナよりも低くし、 その後、第１のトラクタをその駆動手段によつ
   て後ろ向きにして駆動し、補助後輪の制動操作を
   行うことによつて当該トラクタを操縦して上記コ
   ンテナ内の後壁に近い位置で同トラクタの長さ方
   向軸線が上記コンテナに長さ方向軸線に対して斜
   めとなつた状態に積込み、 第２のトラクタをその駆動手段によつて前向き
   にして駆動し、補助前輪の制動操作を行うことに
   よつて当該トラクタを上記トラクタ内で操縦し
   て、該トラクタの上記前方部分が第１のトラクタ
   の前方部分と逆向きで平行に横並びになるように
   して積み込むことを特徴とするトラクタ積込み方
   法。