JPH046616Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は酒の徳利に係り、内容器とこの内容器
を取り出し自在に収納する外容器とにより徳利を
構成したものである。

（従来の技術） 従来の徳利は、燗をするときはこれをそのまま
熱湯につけ、所望の温度まで暖めたならば、これ
を熱湯から取り出して客など提供し、客などはそ
の上端部に末広がり状に形成された注口部を手に
保持して盃などに注ぐようになつていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら上記従来のものは、注口部も熱湯
により加熱されているため、盃に注ぐために手に
保持すると手が熱くて保持しにくいものであり、
また胴部は熱湯に濡れているため、客などに提供
する前に布巾などにより拭かねばならない等の問
題点があつた。

また熱湯から取り出すと急速に冷えるため、燗
ができ次第速かに客に出さねばならず、したがつ
て大量の燗を予め同時につけてストツクしてお
き、追加の所望があつたときに速かに提供するこ
とができない問題点があつた。

（課題を解決するための手段） 上記問題点を解決するために、本考案は、内容
器１と、該内容器１を下端開口部１１から取り出
し自在に収納する外容器２とから徳利を構成して
いる。そしてこの内容器１の内面下部と外容器２
の外面下部に、これらを着脱自在に結合する結合
手段３，５を形成し、且つ該外容器２の上端部に
該内容器１の上端注口部７の上方へ末広がり状に
拡開する末広がり部６を形成するとともに、内容
器１の下面側に外容器２から側方へ露呈する接地
部４を設け、且つこの接地部４を上記結合手段
３，５の着脱操作のための握り部としている。

（作用） 上記構成において、内容器１は外容器２に着脱
されて、外容器２の下端開口部１１から出し入れ
されるが、この着脱操作は外容器２から側方へ露
呈する内容器１の接地部４を保持することにより
簡単に行える。

また徳利の燗をするときは、内容器１を外容器
２から取り出したうえで、内容器１のみを熱湯に
つける。燗をつけ終つたならば、内容器１を熱湯
から取り出し、これに外容器２を装着したうえで
客など提供する。この場合内容器１は熱湯に濡れ
ているが、これには外容器１が装着されるのでわ
ざわざ布巾などで拭かなくてもよい。

また外容器２を内容器１に装着した状態で、外
容器２の上端末広がり部６は内容器１に密接して
いないので、これが内容器１に直接加熱されて熱
くなることはなく、したがつて客などは末広がり
部６を手に保持して盃などに注ぐことができる。

更には外容器２の保温作用により、内容器１の
内部の酒は冷めにくいので、予め多量に燗をつけ
てストツクしておき、客などの所望に応じて順次
客に提供していつてもよく、このことは多数の客
に多量の酒を提供するとする飲酒業用の徳利とし
て特に有利である。

（実施例） 次に図面を参照しながら本考案の実施例を説明
する。

第１図及び第２図において、１は略々円錐形状
の内容器、２は該内容器１を取り出し自在に収納
する外容器である。外容器２は無底であつて内容
器１を出し入れするための下端開口部１１が形成
されているが、その外観形状は周知の徳利とほぼ
同様の所謂徳利形状であり、これを内容器１に装
着すると、その内壁面は内容器１の外壁面にほぼ
合致する。

４は下端部に膨出形成された接地部であり、該
接地部４は外容器２から側方へ突出して露呈して
いる。３は内容器１の外面下部に形成されたねじ
部、５は外容器２の内面下部に形成されたねじ部
であり、両器１，２を着脱自在に結合する結合手
段となつている。外容器２と内容器１の着脱は、
外容器２から側方へ露呈する接地部４を手に保持
して両器１，２を相対的に回転させ、ねじ部３と
ねじ部５を適宜螺合させることにより行われるが
（第２図鎖線の指ａ参照）、かかる着脱操作は接地
部４を保持することにより簡単迅速に行える。

６は外容器２の上端部に、内容器１の上端注口
部７の上方へ向つて末広がり状に延設された末広
がり部であつて、該末広がり部６は内容器１に当
接せず、したがつて内容器１の熱により直接加熱
されてきわめて熱くなることはない。８はＯリン
グから成る止水部であつて、注口部７の外周に装
着されており、末広がり部６の基端部すなわち外
容器２の最小内径部の内周面に密接している（第
３図も併せて参照）。この止水部８は、酒を注い
だ後に徳利を立てた場合に、外容器２と内容器１
の間に酒が入り込むのを防止する。９は注口部７
に着脱自在に装着される栓であり、その胴部には
滑り止め部１０が形成されている。

この徳利は上記のような構成より成るので、燗
をするときは内容器１を外容器２から取り出した
うえで、内容器１のみを熱湯につける。この場
合、栓９をすれば風味が失われない利点がある。
つけ終つたならば内容器１を熱湯から取り出して
外容器１を装着して客などに提供すればよく、そ
の取り扱いはきわめて簡単である。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、内容器１と、該
内容器１を下端開口部１１から取り出し自在に収
納する外容器２とから成り、この内容器１の内面
下部と外容器２の外面下部に、これらを着脱自在
に結合する結合手段３，５を形成し、且つ該外容
器２の上端部に該内容器１の上端注口部７の上方
へ末広がり状に拡開する末広がり部６を形成する
とともに、内容器１の下面側に外容器２から側方
へ露呈する接地部４を設け、且つこの接地部４を
上記結合手段３，５の着脱操作のための握り部と
しているので、内容器１と外容器２の着脱や、内
容器１の出し入れを簡単に行うことができ、取り
扱い性や保温性にすぐれたきわめて使い勝手のよ
い徳利を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は内容器と外容器の分離状態での側面図、第２
図は装着状態での側面図、第３図は部分断面図で
ある。 １……内容器、２……外容器、４……接地部、
３，５……結合手段、６……末広がり部、７……
上端注口部、１１……下端開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内容器１と、該内容器１を下端開口部１１から
   取り出し自在に収納する外容器２とから成り、こ
   の内容器１の内面下部と外容器２の外面下部に、
   これらを着脱自在に結合する結合手段３，５を形
   成し、且つ該外容器２の上端部に該内容器１の上
   端注口部７の上方へ末広がり状に拡開する末広が
   り部６を形成するとともに、内容器１の下面側に
   外容器２から側方へ露呈する接地部４を設け、且
   つこの接地部４を上記結合手段３，５の着脱操作
   のための握り部としたことを特徴とする徳利。