JPH046377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、自動車のベルトモール取付構造に関
する。

従来技術 自動車の車体に枢着されたドアにベルトモール
を装着し、ドアの美感を向上させることは従来よ
り周知である。

第４図は自動車の一例を示し、その車体１に枢
着されたドア２の本体３は、車外側のアウタパネ
ル４と車内側のインナパネル８（第５図参照）を
有している。ドア本体３の上方には窓開口５が区
画され、この開口５は窓ガラス６によつて開閉さ
れる。アウタパネル４の窓開口側上縁部にはベル
トモール７ａが取付けられている。

第５図は従来のベルトモール取付構造の一例を
示す。第５図から判るように、アウタパネル４の
窓開口側上縁部９と、該パネルに必要に応じて設
けられる補強板１０とにクリツプ１１ａが嵌着さ
れ、このクリツプ１１ａと、ベルトモール７ａの
フランジ状取付部１２と、ウエザストリツプ１３
とがねじ１４によつてアウタパネル４の上縁部９
に固定されている。

また第５図の例では、表皮４０、クツシヨン材
４１、ハードボード４２及びベース部材４３を有
するドアトリム４４がクリツプ４５によつてイン
ナパネル８に固定され、ベース部材４３にインナ
パネル側のウエザストリツプ１５が取付けられて
おり、このウエザストリツプ１５と前述のウエザ
ストリツプ１３が窓ガラス６の面に摺接してガラ
ス６とドア本体３とのシール性を保証する。

上述のように従来のベルトモール取付構造によ
つても、モール７ａをドア本体３に強固に固定す
ることができるが、このモール７ａの形態のばら
つきや、ねじ１４をベルトモール７ａの孔１６に
嵌入する位置のばらつき等によつて、ベルトモー
ル７ａの車外側の縁部１７がアウタパネル４の外
面に密接せず、ここに間隙Ｇができ、ドアの外観
を低下させる恐れがあつた。

またベルトモール７ａをアウタパネル４に取付
けるとき、通常これをたたき込んで取付けている
が、強くたたきすぎるとアウタパネル上縁部最上
端及びクリツプ１１ａの最上端にベルトモール７
ａの上部内面４５が干渉し、該上部が上方にへこ
み、モール上部に凸部ができる恐れもあつた。

目 的 本考案の目的は上記従来の欠点を除去した自動
車のベルトモール取付構造を提供することであ
る。

構 成 本考案は上記目的を達成するため、ドア本体ア
ウタパネルの窓開口側上縁部にクリツプを固定
し、該クリツプに形成された挟持部にベルトモー
ルのフランジ状取付部を挟み込み、該取付部の上
端をアウタパネルの上縁部上端に形成したストツ
パ部に当接させると共に、取付部上端より下方の
ベルトモール当接部をクリツプの加圧部に圧接せ
しめ、該加圧部の弾性によつてベルトモール当接
部を上方に加圧することにより、ベルトモールに
対して前記取付部上端を中心とするモーメントを
与え、ベルトモールの車外側縁部をアウタパネル
外面に圧接せしめた構成を提案する。

作 用 上記取付構造によれば、ベルトモールの当接部
がクリツプの加圧部により上方に加圧され、これ
により生じたモーメントによつてモールの車外側
縁部がアウタパネル外面に圧接するため、これら
の間に隙間が形成されることはなく、ドアの外観
を美しく保つことができる。またベルトモールが
クリツプの加圧部とアウタパネルのストツパ部に
当たり、モールが所定の位置に位置決めされるの
で、従来のようにベルトモール取付時に、これを
強くたたきすぎることにより、該モールの上部が
上方にへこむようなこともない。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。第１図は本考案に係る取付構造によつてベル
トモール７がドア２に取付けられた状態を示す断
面図であり、このモール７が取付けられた自動車
の外観は第４図に示した状態と変りはない。取付
構造の詳細をベルトモールの取付操作を説明する
ことにより明らかにする。

第２図に示すようにドアアウタパネル４の窓開
口側上縁部９には予め角穴２０が穿設さており、
この穴２０にたとえば合成樹脂から成るクリツプ
１１の差込み部２１（第３図）を車内側から第３
図に示すように挿入する。次いで差込み部２１に
形成されたねじ込み孔２２にタツピングスクリユ
ー２３をねじ込む。これによりねじ込み孔２２の
内面にねじが切られ、差込み部２１が半径方向外
方に開拡して、クリツプ１１がアウタパネル４の
上縁部９に固定される。

一方、ベルトモール７はフランジ状取付部１２
を有し、この取付部１２には切欠２４（第２図）
が形成されており、この切欠２４をクリツプ１１
の基板２８に突設されたガイド突起２５に第３図
に示す如く嵌合する。この状態でベルトモール７
の上部２６を矢印Ａで示す方向に押し込む。これ
によりフランジ状取付部１２は、クリツプ１１の
２つの舌片２７と、基板２８との間に形成された
挟持部２９にガタ付くことなく挟み込まれ、第１
図に示した状態に取付けられる。この取付操作時
に、アウタパネル上縁部９の上端を水平に曲折し
て形成したストツパ部３０が、第３図のようにベ
ルトモール７の取付部１２に当るが、ベルトモー
ル７を押し込むに従ってクリツプ１１の舌部２７
が第３図に鎖線で示す如く弾性変形し、モール７
をさらに押すとその当接部３３がクリツプ１１の
加圧部３４に当たると共に、取付部１２の上端３
１がストツパ部３０の先端３２を乗り超えて上端
３１がストツパ部３０に当接し、第１図の状態に
セツトされる。このため、ストツパ部３０によつ
てベルトモール７の抜け出しが防止され、モール
７がアウタパネル４に固定される。

ベルトモール７を第１図のように取付けたと
き、このモール７はその取付部上端３１よりも下
方に位置する前述のベルトモール当接部３３がク
リツプ１１の加圧部３４に圧接してこれを弾性変
形させる。この加圧部３４の内側には空洞３５が
形成されていて、加圧部３４は弾性変形しやすく
構成されており、加圧部３４に圧接した当接部３
３は、加圧部３４の弾性によつて上方に加圧され
る。このためベルトモール７は、その上端３１が
ストツパ部３０に隙間なく密接すると共に、上端
３１を中心として、第１図における時計方向のモ
ーメントを受け、これによりベルトモール７の車
外側縁部１７がアウタパネル４の外面に圧接し、
密接する。よつて、ベルトモール７の形態が製造
上の誤差等により多少ばらついていたり、クリツ
プ１１の取付位置に多少ばらつきがあつても、縁
部１７とアウタパネル外面に隙間ができることは
なく、ドアの外観が低下することはない。

またベルトモール７の取付部１２の上端３１が
アウタパネル４のストツパ部３０に当たり、当接
部３３がクリツプ１１の加圧部３４に圧接して、
ベルトモールが位置決めされるので、従来のよう
にベルトモール上部２６がアウタパネル４に干渉
して該上部２６に上方に突出するへこみが形成さ
れることもない。

尚、ベルトモール７には、第３図に明示する如
くウエザストリツプ１３が接着剤、ねじ又は該モ
ール７の切り起こしによるカシメ等により予め取
付けられているが、第２図には図の煩雑さを避け
るため、ウエザストリツプ１３は省略してある。
また第５図の場合と同様に通常は補強板１０を設
けるのが普通であるが、その際この補強板とアウ
タパネルの上縁部とにクリツプの差込み部２１を
嵌合してもよい。第１図における他の構成は第５
図と変りはなく、同様な部分には第５図と同一の
符号を付してその説明は省略する。

効 果 本考案によれば簡単な構成によつて、ドアのア
ウタパネル外面とベルトモールの車外側縁部との
間の隙間をなくすことができる。またベルトモー
ル上部が上方にへこむ欠点も除去できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るベルトモール取付構造を
示す、第５図と同様な断面図、第２図は取付前の
ベルトモール、クリツプ及びアウタパネルを示す
斜視図、第３図はベルトモール取付時の状況を示
す、第１図と同様な断面図、第４図はベルトモー
ルの取付けられた自動車の側面図、第５図は従来
のベルトモール取付構造を示す、第４図のＶ−Ｖ
線断面図である。 ３……ドア本体、４……アウタパネル、５……
窓開口、９……上縁部、１１……クリツプ、１２
……取付部、１７……縁部、２９……挟持部、３
０……ストツパ部、３１……上端、３３……当接
部、３４……加圧部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドア本体アウタパネルの窓開口側上縁部にクリ
   ツプを固定し、該クリツプに形成された挟持部に
   ベルトモールのフランジ状取付部を挟み込み、該
   取付部の上端をアウタパネルの上縁部上端に形成
   したストツパ部に当接させると共に、取付部上端
   より下方のベルトモール当接部をクリツプの加圧
   部に圧接せしめ、該加圧部の弾性によつてベルト
   モール当接部を上方に加圧することにより、ベル
   トモールに対して前記取付部上端を中心とするモ
   ーメントを与え、ベルトモールの車外側縁部をア
   ウタパネル外面に圧接せしめたことを特徴とする
   自動車のベルトモール取付構造。