JPH0462152A - 食品包装用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はプラスチック容器に関するものであって、食品
包装用途として優れた容器である。さらに詳しくは、ポ
リカーボネートを少くとも容器壁の表面に、ポリエチレ
ンテレフタレートを主体とする素材を外層又は／及び中
間１としてなる多層で、しかも耐熱性に優れ、ガスバリ
ヤ−性の高い包装容器である。

〈従来の技術〉 ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂はいずれも包装用素材として優れており、例えばフィ
ルム又はシートから熟成形された容器として広く使用さ
れて来ている。

しかしながら、これら容器は優れた点を多く有するもの
の、欠点をも有している。

ポリカーボネート容器について云えば、耐熱性。

寸法安定性、保香性等に優れているが、ガス透過性は優
れているとは云い難い。また、ポリエチレンテレフタレ
ート容器は耐熱性、成形性、ガスバリヤ−性等に優れて
いるが、カレーを含んだ食品に高温で接触した場合、黄
色に着色する欠点を有している。これらの欠点を改良す
るため例えばポリエチレンテレフタレートに他の熱可塑
性樹脂をブレンドする等が試みられたが、十分な成果は
上っていない。またポリカーボネートにも他の熱可塑性
樹脂をブレンドしてガス透過性を改良する事も試みられ
たが、これも満足できる結果になっていない。

〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明者は、ポリエチレンテレフタレートが耐熱性に優
れている事とガスバリヤ−性に優れている（ガス透過性
が低い）事に着目し、該樹脂を用いて電子レンジ用の食
品包装用容器を製造しようと研究を進めていたが、容器
に包装する内容物にカレーが含まれている場合、該内容
物が高温で容器壁に接すると、その接した部分のみ黄色
に着色し、この着色は通常使用される洗剤を用いても脱
色できないという現象に遭遇した。本発明は、この問題
点を解決して、優れた耐熱性と低いガス透過性を具備し
、しかもカレーを含んだ内容物が高温で接しても黄色に
着色しない食品包装用容器を得ようとするものである。

〈問題を解決するための手段〉 ガス透過性のみについて云えば、ガス透過性の高い素材
を用いたとしても、容器壁を厚くすれば本特性は補償さ
れる事は云う迄もない。もつとも、この場合はプラスチ
ック容器を用いる基本的な理由である軽量化にそぐわな
い事になる。

そして、食品の保存性の点から、ガスとくに酸素透過性
の低い容器を用いれば軽量化の要請を充足できる。

本発明はこれら先に述べた諸種の問題点を、ポリカーボ
ネート層を少くとも内容物に接する面に配置してカレー
による着色を防止し、かつポリエチレンテレフタレート
を主体とする素材を外層又は中間層に配置する事によっ
て優れたガスバリヤ−性と耐熱性を付与するという手段
によって、これらの問題を解決したものである。

即ち、本発明は、ポリエチレンテレフタレートの優れた
耐熱性を低いガス透過性を失わないためポリエチレンテ
レフタレート樹脂からなる層と、高温においてもカレー
によって着色しないポリカーボネート樹脂からなる層と
を組合せ、且つ該ポリカーボネート層を内容物に接する
面に配置してなる多層の壁にて構成される食品包装用容
器である。

本発明を説明する。

本発明の容器を構成するポリエチレンテレフタレートと
ポリカーボネートとよりなる容器壁において、該容器壁
の全壁厚さのうちポリエチレンテレフタレートよりなる
層が５０％以上を占めることが必要であって、とくにガ
ス透過性の点から７０％以上がさβに好ましい。

本発明の容器を作成するには、例えばポリエチレンテレ
フタレートとポリカーボネートとを別個に溶融し、共押
出用ダイから押出してキャスティングドラム上にて冷却
、固化せしめた所謂多層押出しフィルム又はシートを作
成し、次いで該フィルム又はシートを予熱の後、真空、
圧空或いは真空圧空法にてトレーやカップ、椀等の形状
に成形する事によって得られる。

本発明の容器壁は、ポリカーボネート層を内容物に接す
る面に配置する事（以下内面に配＠すると記述する）以
外にポリエチレンテレフタレート層の配置に関してはと
くに限定する必要はない。

従って例えば内面にポリカーボネートを、次いでポリエ
チレンテレフタレートを配置する２層壁。

内面にポリカーボネート、次いでポリエチレンテレフタ
レート、さらにポリカーボネートをこの順に配置する３
層壁、或いは内面より順次ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン
テレフタレートと配置する４層壁、さらに５層壁、６層
壁等々、種々の組合せがある。

本発明に用いられるポリエチレンテレフタレートは純ポ
リエチレンテレフタレート（ホモポリマー）のみならず
１０モル％以下、好ましくは５モル％以下の第３成分が
共重合されていてもよい。

この第３成分としては、例えばブチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、ジエチレングリコール２ネオ
ペンチルグリコール　シクロへキシルグリコール等、ま
た例えば、イソフタル酸。

ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸等、あるいはヒド
ロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸等が挙げられる
。

本発明に用いられるポリエチレンテレフタレート樹脂は
ポリエチレンテレフタレートのみから成る樹脂であって
もよいが、２０％程度以下の吊の他の熱可塑性樹脂、例
えばポリブチレンテレフタレート、ポリへキサメチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチ
レンナフタレート、ポリへキサメチレンナフタレート、
ポリカーボネートやマレイン酸等で変性されたポリエチ
レンやポリプロピレン等がブレンドされていてもよい。

また本発明に用いられるポリエチレンテレフタレートは
分子量の大きさが、オルトクロロフェノールを溶媒とし
て３５℃にて測定した固有粘度が０．５〜１．２で表さ
れる範囲のものを用いる事が好ましい。

本発明に用いられるポリカーボネート樹脂は、ポリカー
ボネートのみからなる樹脂であってもよいが、２０％程
度以下の量の他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート。ポリへキ
サメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
、ポリブチレンナフタレート、ポリへキサメチレンナフ
タレート等がブレンドされていてもよい。

また、本発明に用いられるポリカーボネートの分子量は
、塩化メチレン中、２３℃にて測定した固有粘度を基に
Ｈ，５ｃｈｎｅｌｌの式（△ｎｇｅｗ。

ＣｈｅＩｌｌ、、　Ｖｏｌ、６８．６３３＜１９５６）
　）によって算出した値が１５，０００〜４０，０００
の範囲にあるものを用いるのが好ましい。

本発明による容器は、優れた耐熱性と低いガス透過性と
を有し、食品包装用に優れているが、とくにカレーを含
んだ内容物に高温で接しても容器が着色する事がなく、
内容物を電子レンジにて包装容器ごとに加熱することが
でき、このような内容物の包装にとくに優れている。

〈実施例〉 以下、実施例を挙げて本発明の詳細な説明する。

なお、実施例中の各試験方法は次の通りである。

く試験１・熱変形温度〉 容器容量の約８０％に相当する量の市販サラダオイルを
該容器に入れ、電子オーブンレンジ（ナショナル、　Ｎ
Ｅ−Ｍ　６００）中に置いた。

次いで該オーブンレンジのグリルヒーターに通電し、オ
ーブン窓を通して該容器を観察した。オイル温度が上昇
し容器が歪み始めると直ちに電気を切り扉を開けてオイ
ル中に熱電対を入れてオイル温度を測定し、該温度を熱
変形温度とした。

尚、サラダオイルの昇温速度は８〜ｂ あった。

く試験２・ガス透過性〉 約１００μｍの未延伸フィルムを、ｌ　ｏｎｇ社製延伸
機を用いてタテ・ヨコ同時に各２．５倍延伸した。

該フィルムについてガス透過試験機（Ｌ　ｙｓｓｙ社。

Ｇ　Ｍ　Ｐ−２００）を用いて酸素透過係数を測定した
。

く試験３・カレー着色テスト〉 容器に市販の固形カレールウを入れた後、所定温度に設
定したオーブン中に置いて加熱した。

２０分経過後取出してカレールウを除去し、さらに洗剤
く商品名、ママレモン）を用いて容器洗浄し、未テスト
の容器と比較してカレールウ接触部分の着色の有無を目
視判定した。

本試験は加熱温度７５℃及び９５℃にてそれぞれ実施し
た。

実施例１ ポリエチレンテレフタレートとポリカーボネートを別個
の押出機にて溶融し、共押出用ダイを通してキャスティ
ングドラム上にて冷却してポリカーボネート層（２０μ
ｍ）、ポリエチレンテレフタレート層（１６０μｍ）　
、ポリカーボネート層（２０μｍ）の順に構成された３
層２００ｔｌＴｒＬのフィルム（フィルム１）を作成し
た。次いでフィルム引取速度等を調整して各層の厚さ比
率はフィルム１と同一で、全厚さが１０１μｍのフィル
ム（フィルム２）を作成した。まず、フィルム１を用い
−でプラグアシストの真空成形法にてトレー形状の容器
を作成′し、試験１及Ｔｊ３に供した。一方、フィルム
２は試験２に供した。

結果を表−１にまとめた。

実施例２ ポリエチレンテレフタレート９３部と無水マレイン酸に
よる変性ポリプロピレン（三菱油化。

Ｍｏｄｉｃ　　Ｐ−３００Ｆ　）　７部をブレンドした
樹脂とポリカーボネートを別個の押出機にて溶融し、共
押出用ダイを通してキャスティングドラム上にて冷却し
、ブレンドポリエチレンテレフタレート樹脂層（４７５
μｍ）とポリカーボネート層（１６０μｍ）とよりなる
フィルム（フィルム３）を作成した。

次いでフィルム引取速度等を調整してフィルム３と各層
の厚さ比率は同じで全厚さのみ１０３μｍとなるフィル
ム（フィルム４）を作成した。

フィルム３はプラグアシストによる圧空成形法にてトレ
ー形状の容器を作成した。尚、この際ポリカーボネート
層が容器内面になるよう配慮した。

該容器は試１１ｉ１及び３に、フィルム４は試験２にそ
れぞれ供した。

結果は表−１にまとめた。

比較例１ ポリエチレンテレフタレートのみを、溶融押出して２３
５μｍのフィルムを作成し、フィルム５とし、同じり１
０３μｍのフィルムをフィルム６とした。

フィルム５を用い、実施例１と同じくプラグアシストに
よる真空成形法にてトレー形状の容器を作成し、試Ｊｉ
１１及び３に、またフィルム６を試験２に供した。

結果は表−１にまとめた。

比較例２ ポリカーボネートを溶融し、ダイスを通してキャスティ
ングドラム上に冷却して２２０μｍのフィルムを作成し
た（フィルム７）。次いでフィルム引取速度等を調整し
て９８μｍのフィルムを作成した（フィルム８）。

フィルム７は、実施例１と同じくプラグアシストによる
真空成形法にてトレー形状の容器を作成し、試験１及び
３に供した。一方、フィルム８は試験２に供した。

結果は表−１にまとめた。

比較例３ 実施例２にて作成したフィルム３を用い、ブレンドポリ
エチレンテレフタレート樹脂層が容器内面になるように
して、実施例２と同じくプラグアシストによる圧空成形
法にてトレー形状の容器を作成した。

該容器を試験１及び３に供した。結果は表−１にまとめ
た。

実施例３ ポリエチレンテレフタレートとポリカーボネート９０部
にポリエチレンテレフタレート１０部をブレンドした樹
脂とをそれぞれ別個の押出機を用いて溶融し、共押出用
ダイを通してキャスティングドラム上にて冷却し、ポリ
エチレンテレフタレート層（３０５μｍ）とブレンドポ
リカーボネート樹脂＠（５５μｍ）よりなる２＠フイル
ム（フィルム９）を作成し、さらにフィルム引取速度等
を調整し、各層の厚さ比率はフィルム９と同じにして全
厚さのみ９９μｍのフィルム（フィルム１０）を作成し
た。

フィルム９はプラグアシストによる圧空成形法にてブレ
ンド樹脂層が容器内面になるようにトレー形状の容器を
作成した。該容器を試験１及び３にフィルム１０を試験
２に供した。

結果は表−１にまとめた。

表−１

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）ポリカーボネート層とポリエチレンテレフタレー
   ト層とよりなる多層の壁を備えた容器であり、且つ内容
   物に接する該壁の表面がポリカーボネートである食品包
   装用容器。
2. （２）ポリエチレンテレフタレート層の厚さが容器壁の
   全厚さの５０％以上である請求項１に記載の食品包装用
   容器。
3. （３）ポリカーボネート層とポリエチレンテレフタレー
   ト層とよりなる多層のフィルム又はシートを熱成形して
   得られる請求項１又は２に記載の食品包装用容器。
4. （４）カレーを含んだ食品を充填ないし包装し得る請求
   項１〜３のいずれかに記載の食品包装用容器。