JPH0461187B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、燃料の通流する燃料圧送ユニツト
と、燃料流内に配置されていてフイルタ部と前記
燃料流に内在する圧力波を減衰する圧力波減衰部
とから成りかつケーシング内に収容された構成ユ
ニツトとを備えた形式の、燃料貯蔵タンクから自
動車内燃機関への燃料搬送装置に関するものであ
る。

前記形式の燃料搬送装置は、前記構成ユニツト
を組込むためのスペースを必要とするだけでな
く、組付け自在性も必要であり、この組付けは
往々にして意のままにならない場合がある。とこ
ろで実開昭57−172162号公報に基づいて燃料フイ
ルタのフイルタ室に並設されたダイヤフラムを有
する脈動吸収室が公知になつているが、該脈動吸
収室は一方の側では剛性壁によつて密閉されてい
る。しかもダイヤフラムは圧力波減衰動作中、外
縁域において前記剛性壁に接触しているので、減
衰作用は決定的に低下される。これは剛性壁とダ
イヤフラムとによつて囲まれた空気室の不都合な
形状のために他ならない。

本発明の課題は、前記組付けに関する問題点を
申し分なく解決すると共に圧力波の減衰を特に良
好にすることである。

前記課題を解決する本発明の構成手段は、ケー
シング内に収容された構成ユニツトが、フイルタ
エレメントと圧力波減衰部とを配置したプラスチ
ツク製の支持フレームを有し、前記圧力波減衰部
がガス充填室から成り、該ガス充填室が、少なく
とも２つのケーシング部分によつて取囲まれてお
り、該ケーシング部分の一方が前記支持フレーム
に一体にコツプ形断面に成形されており、該コツ
プ形ケーシング部分の底部が前記支持フレームの
内部に位置しかつ前記コツプ形ケーシング部分の
外向きフランジ状の縁部が前記支持フレームと結
合されており、また他方のケーシング部分が、前
記コツプ形ケーシング部分内に侵入する蓋として
構成されており、該蓋のリング状縁部が前記コツ
プ形ケーシング部分のフランジ状縁部の面に接し
て結合されており、かつ前記構成ユニツトの保持
リングの外縁部が管形スクリーンを超えて張出し
かつ構成ユニツト用のケーシングの内壁に圧着す
るシールリツプとして構成されている点にある。

本発明の燃料搬送装置は、前記構成手段から明
らかなように構成ユニツトが一体的に燃料圧送ユ
ニツト内に組込まれているので、自動車内への該
燃料圧送ユニツトの組付けは、いずれにしても必
要なことであるが、構成ユニツトに関するすべて
の組付け作業段階はすべての自動車への燃料圧送
ユニツトの組付けをもつて完了することになる。
燃料圧送ユニツト内への、特に簡単に構成された
構成ユニツトの組込みは、空間的条件がまだ制約
を受けていないような組立工場で行なわれる。従
つて、損傷を受けやすく故障し易いポンプユニツ
トが輸送、組付け及び保守・アフターサービス取
扱いによつて汚されることは無くなる。また２つ
のケーシング部分をほぼコツプ形断面に構成した
結果、ガス充填室に関しては弾性的な壁面が大き
く成り、圧力波の特に良好な減衰作用を生ぜしめ
る。

次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説す
る。

第１図に示した燃料貯蔵タンク１０は吸込み導
管１２を介して燃料圧送ユニツト１４の吸込み側
と接続されている。燃料圧送ユニツト１４の吐出
側には吐出導管１６が接続されており、該吐出導
管は内燃機関１８に達している。該内燃機関１８
の運転中、燃料圧送ユニツト１４は燃料を燃料貯
蔵タンク１０から内燃機関１８へ圧送し、該内燃
機関は例えば、図示を省いた自動車のエンジンル
ーム内に組付けられている。

第２図に示したように、燃料圧送ユニツト１４
に配置された吸込み口２０の近くに構成ユニツト
２２が配置されており、該構成ユニツトはフイル
タ部２４と、燃料流に内在する圧力波を減衰する
ための圧力波減衰部２６（第５図）とを有してい
る。構成ユニツト２２はデイスク状に構成されて
おり、かつ、ケーシング３０に所属する内壁２８
に支持されており、前記ケーシングは、燃料圧送
ユニツト１４に所属するフイードポンプ（図示せ
ず）並びに前記構成ユニツト２２を共に取囲んで
いる。構成ユニツト２２は、燃料の流動方向（矢
印３２）で見て燃料圧送ユニツト１４の吸込み口
２０の下流側に同心的に位置するように、前記ケ
ーシング３０内に配置されている。構成ユニツト
２２に沿つて支障なく燃料を流動させうるように
するために、構成ユニツト２２はケーシング３０
の一方の端壁３１に、要するに流動方向とは逆向
きの側でも付設部３３によつて支持されている。
第２図乃至第５図から判るように構成ユニツト２
２はプラスチツク製の支持フレーム３４を有し、
該支持フレームには、フイルタエレメントとして
のスクリーン３６，３８が固定されている。支持
フレーム３４は、同一平面内に位置するスポーク
状の、本実施例では３本のステー４０を有し、該
ステーは外端部で１つの支持リング４２と結合さ
れている。該支持リング４２を起点としてスペー
サ４４が保持リング４６（第５図）へ延在し、該
保持リングは前記支持リング４２に対して同心的
にかつ該支持リングから間隔をおいて配置されて
いる。保持リング４６の内部に圧力波減衰部２６
が配置されている。該圧力波減衰部は実質的にガ
ス充填室４８によつて形成される。該ガス充填室
４８は２つのケーシング部分５０，５２によつて
包囲されており、両ケーシング部分のうちケーシ
ング部分５０は前記保持リング４６と結合されて
おり、殊に有利には該保持シリングに一体成形さ
れている。該ケーシング部分５０はコツプ形断面
に構成されている。該コツプ形ケーシング部分
は、その底部５４がステー４０の近くに位置する
ように支持フレーム３４内に配置されている。コ
ツプ形ケーシング部分５０は外向きに延びるフラ
ンジ状の縁部５６を有し、該縁部は保持リング４
６の面に接しているか、又は該保持リングへ移行
している。他方のケーシング部分５２は絞り込ま
れた中央区域６０を有し、これによつて蓋が形成
される。該蓋のリング状縁部６２は前記フランジ
状縁部５６の面に接触している。該フランジ状縁
部５６と保持リング４６との間の移行区域には複
数のセグメント状の切欠き部５８が穿設されてお
り、該切欠き部は構成ユニツト２２を燃料が規則
正しく通流することを保証する。要するに保持リ
ング４６は、前記切欠き部５８間に残存している
ウエブ５９によつて、該ウエブ数に相応して所々
でフランジ状縁部５６と結合されている。蓋のリ
ング状縁部６２はフランジ状縁部５６と固定的に
結合されている。支持フレーム３４はステー４
０、支持リング４２、スペーサ４４及び保持リン
グ４６と共に或る所定の弾性を有するプラスチツ
クから製作されている。コツプ形ケーシング部分
５０は、ダイヤフラム状の弾性を有するように肉
薄に構成されている。蓋を形成するケーシング部
分５２は固定的な構造を有し、該ケーシング部分
５２のリング状縁部６２はフランジ状縁部５６と
接着又は溶着され、あるいは超音波によつて分離
不能に接合される。支持リング４２によつて取囲
まれた開口はデイスクスクリーン３８によつて被
覆されており、該デイスクスクリーンは管形スク
リーン３６と相俟つてフイルタ部２４を形成して
いる。しかしながら該フイルタ部２４は一体に構
成されていてもよく、この場合は、該フイルタ部
２４はあらかじめ製作されて支持フレーム３４に
単に被せ嵌められて該支持フレームと結合されね
ばならない。特に第５図に示したように、圧力波
減衰部２６は実質的に、コツプ形に構成されたフ
イルタ部２４の内部に位置している。更に第２図
からも判るように、保持リング４６の外縁部は管
形スクリーン３６の外径を超えて張出しており、
かつ、ケーシング３０の内壁面に密着するシール
リツプ６６として構成されている。

前記実施例とは異なつて、燃料吸込み導管１２
又は燃料圧送導管１６の一部分を形成する別個の
ケーシング内に前記構成ユニツト２２を配置する
ことも当然考えられる。

要するに本発明では、搬送すべき燃料が矢印３
２の方向に吸込み口２０を通つて燃料圧送ユニツ
ト内に流入すると、燃料はフイルタ部２４もしく
はデイスクスクリーン３８及び管形スクリーン３
６を通過しかつ切欠き部５８を通つてフイードポ
ンプ（図示せず）へ流れる。燃料圧送ユニツトを
通流中に、燃料流に内在する圧力波も圧力波減衰
部２６によつて鎮静化される。また前記実施例と
は異なつて図示の管形スクリーンの代りの所謂
「星形フイルタ」を支持フレーム３４に配置する
ことも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の内燃機関に配設された燃料貯
蔵タンクと燃料圧送ユニツトの概略図、第２図は
フイルタ部と圧力波減衰部とから成る構成ユニツ
トを内設した燃料圧送ユニツト範囲の断面図、第
３図は第２図に示した構成ユニツトの拡大平面
図、第４図はフイルタ部に所属のスクリーンを省
いて示した第３図に示した構成ユニツトの下面
図、第５図は第３図の−線に沿つた構成ユニ
ツトの断面図である。 １０…燃料貯蔵タンク、１２…吸込み導管、１
４…燃料圧送ユニツト、１６…吐出導管、１８…
内燃機関、２０…吸込み口、２２…構成ユニツ
ト、２４…フイルタ部、２６…圧力波減衰部、２
８…内壁、３０…ケーシング、３１…端壁、３２
…流動方向を示す矢印、３３…付設部、３４…支
持フレーム、３６…管形スクリーン、３８…デイ
スクスクリーン、４０…ステー、４２…支持リン
グ、４４…スペーサ、４６…保持リング、４８…
ガス充填室、５０…コツプ形ケーシング部分、５
２…蓋として構成されたケーシング部分、５４…
底部、５６…フランジ状の縁部、５８…セグメン
ト状の切欠き部、６０…中央区域、６２…リング
状縁部、６６…シールリツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 燃料の通流する燃料圧送ユニツトと、燃料流
   内に配置されていてフイルタ部と前記燃料流に内
   在する圧力波を減衰する圧力波減衰部とから成り
   かつケーシング内に収容された構成ユニツトとを
   備えた形式の、燃料貯蔵タンクから自動車内燃機
   関への燃料搬送装置において、ケーシング３０内
   に収容された構成ユニツト２２が、フイルタエレ
   メント３６，３８と圧力波減衰部２６とを配置し
   たプラスチツク製の支持フレーム３４を有し、前
   記圧力波減衰部がガス充填室４８から成り、該ガ
   ス充填室が、少なくとも２つのケーシング部分５
   ０，５２によつて取囲まれており、該ケーシング
   部分５０，５２の一方５０が前記支持フレーム３
   ４に一体にコツプ形断面に成形されており、該コ
   ツプ形ケーシング部分５０の底部５４が前記支持
   フレーム３４の内部に位置しかつ前記コツプ形ケ
   ーシング部分の外向きフランジ状の縁部５６が前
   記支持フレームと結合されており、また他方のケ
   ーシング部分５２が、前記コツプ形ケーシング部
   分５０内に侵入する蓋５２として構成されてお
   り、該蓋のリング状縁部６２が前記コツプ形ケー
   シング部分のフランジ状縁部５６の面に接して結
   合されており、かつ前記構成ユニツト２２の保持
   リング４６の外縁部６６が管形スクリーン３６を
   超えて張出しかつ構成ユニツト２２用のケーシン
   グ３０の内壁２８に圧着するシールリツプ６６と
   して構成されていることを特徴とする、燃料貯蔵
   タンクから内燃機関への燃料搬送装置。 ２ 前記支持フレーム３４が、前記コツプ形ケー
   シング部分の底部５４の外面から間隔をおいて該
   底部に対して実質的に平行にスポーク状に配置さ
   れた３本のステー４０を有し、該ステーが支持リ
   ング４２と結合されており、該支持リングを起点
   として少なくとも３本のスペーサ４４が１つの保
   持リング４６へ延在し、該保持リングが前記フラ
   ンジ状縁部５６の平面内に位置して該フランジ状
   縁部を取囲んで所々で該フランジ状縁部と結合さ
   れている、特許請求の範囲第１項記載の燃料搬送
   装置。 ３ スペーサ４４が、該スペーサに固定された管
   形スクリーン３６によつて包囲されている、特許
   請求の範囲第２項記載の燃料搬送装置。 ４ ステー４０にはデイスクスクリーン３８が固
   定されており、デイスクスクリーンの直径が管形
   スクリーン３６の直径に適合されている、特許請
   求の範囲第３項記載の燃料搬送装置。 ５ 管形スクリーン３６とデイスクスクリーン３
   ８とが互いに一体に結合されている、特許請求の
   範囲第４項記載の燃料搬送装置。 ６ 構成ユニツト２２が燃料圧送ユニツトの吸込
   み範囲に配置されている、特許請求の範囲第５項
   記載の燃料搬送装置。 ７ 構成ユニツト２２が燃料の流動方向３２で見
   て燃料圧送ユニツトの吸込み口２０の下流側で該
   吸込み口に同心的に配置されている、特許請求の
   範囲第６項記載の燃料搬送装置。 ８ 圧力波減衰部２６が実質的に、コツプ状に構
   成されたフイルタ部２４の内部に配置されてい
   る、特許請求の範囲第７項記載の燃料搬送装置。