JPH045792Y2

JPH045792Y2 -

Info

Publication number: JPH045792Y2
Application number: JP14441585U
Authority: JP
Priority date: 1985-09-20
Filing date: 1985-09-20
Publication date: 1992-02-18
Also published as: JPS6252349U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、一般家庭で使用される洗濯機の減速
装置に関するものである。

従来の技術一槽式洗濯機は第２図に示すように洗濯機本体
１の内に水受槽２を配設し、この水受槽２内には
上部にバランサー４を装備し、内底部に攪拌翼５
を配設した洗濯兼脱水槽３を設けている。水受槽
２の下部にはモータ６からの回転ベルト７を介し
て洗濯兼脱水槽３、あるいは攪拌翼５へ伝達する
駆動部８が装着されている。

攪拌翼５へモータ６の回転を伝達する場合に
は、第３図に示すように、駆動部８の下部に取付
けられたプーリ９の回転が、ギヤーシヤフト１０
へ伝達される。このギヤーシヤフト１０の上方先
端は、太陽歯車（以下サンギヤと称す）１１が一
体に形成され、このサンギヤ１１にかみ合う遊星
歯車（以下プラネツトギヤと称す）１２があり、
このプラネツトギヤ１２の外径にてかみ合うイン
ターナルギヤ１３が内面に設けられているリング
１４がある。プラネツトギヤ１２は軸１５により
軸支され、この軸１５は合成樹脂製の上支持体１
６と下支持体１７により挾持されている。また、
上支持体１６の中央上部には、セレーシヨン１８
が設けられ、一方、下端が、このセレーシヨン１
８に合致すべく加工された洗たくシヤフト１９を
通じて攪拌翼５へ回転伝達している。リング１４
は、下部外周部に設けた凹部２０とブレーキホイ
ール２１と加締等で固定されたギヤケース２２に
設けられた突起２３による回転方向に係止してい
る。また、上支持体１６と下支持体１７は、固定
されている。駆動側のギヤーシヤフト１０の回転
が、サンギヤー１１よりプラネツトギヤ１２へ伝
わり、このサンギヤー１１が回転するとともにサ
ンギヤー１１の周囲をインターナルギヤ１３とか
み合いながら公転する。この公転周期と同じ周期
で上支持体１６、下支持体１７も回転し、上支持
体１６に設けたセレーシヨン１８を介して洗さく
シヤフト１９と連結された攪拌翼５に回転を伝達
する。

このとき、上支持体１６と下支持体１７の固定
は、通常、合成樹脂により成形される場合には、
超音波等による溶着にて行なわれる。従来この溶
着は、第４図および第５図に示すように、下支持
体１７より、上支持体１６との高さを確保する目
的で、座２４を設け、その上部には、廻り止めの
意図で、略扇形の突出部２５を設け、かつその上
部には、上支持体１６を挿入するときのガイド軸
２６を一体に設けてある。一方、上支持体１６に
は、ガイド軸２６に対応する穴２７および、内側
形状を、前記下支持体１７の略扇形の突出部２５
とほぼ同一で、若干大きくし、略扇形の突出部２
５を覆うボス部２８が、穴２７の下部に一体に形
成されている。そして、溶着は、上方の上支持体
１６側より超音波のホーンを当て、下支持体１７
のガイド軸２６を、上支持体１６の穴２７に圧入
しながら、ガイド軸２６の外周面と、穴２７の内
周の間で溶着する場合と、また、ガイド軸２６の
根元面である略扇形の突出部２５の上面を溶着面
とする場合との２つの方法が行なわれている。

考案が解決しようとする問題点しかし従来のように、下支持体１７のガイド軸
２６の外周面と、上支持体１６の穴２７の内周の
間で溶着する場合には、超音波により、それぞれ
の面を溶かしながら圧入していくが、このときに
は、溶着するための力は上下方向にかかり、それ
に対して溶着面はこの溶着時加える力と平行であ
り確実に溶着をするための力を受けにくいという
問題点があつた。また、溶着代としては、圧入代
のみであり、圧入力を考慮すればあまり多くの溶
着代はとれず、強度的に問題を生ずる恐れがあつ
た。したがつて、溶着後の特に引張り方向に対す
る力に弱く、洗濯機の使用中に溶着が外れれば、
回転方向には、略扇形部が、廻り止めとなるが、
軸方向には何らかの止める手段がなく、軸１５に
スラスト方向にガタを生じ、プラネツトギヤ１２
が傾き、異常な力が加わり、正常な回転の伝達が
できず、異常音を発生したり、また、歯形を破損
し、回転が伝わらないという恐れがあつた。ま
た、ガイド軸２６を穴２７に対し圧入しているた
め、互いの形の僅かなバラツキでも、圧入力が高
くなり過ぎ、生産設備で対応できなくなつたり、
また、逆に圧入力が少なくなる。すなわち、本来
圧入代が、溶着時の溶け代になつていたが、この
溶け代が少なくなり、やはり引張り強度が低下
し、前述したような結果となる恐れがあつた。し
たがつて、このガイド軸２６と穴２７の径の管理
が難しく、品質も不安定になる可能性があつた。

一方、溶着面をガイド軸２６の根元面２９とし
た場合には、超音波によりガイド軸２６の根元面
２９全体を同時に均一に溶かしていくことが必要
である。したがつて、超音波を当てている時間が
長くなつたりホーンによりかなりの力が加わるた
め突出部２５あるいは座２４の根元に応力が集中
し、白化あるいは割れが生じたり、上支持体１６
と下支持体１７の僅かな傾きにより、溶着面にム
ラができたりして、やはり安定しなかつた。ま
た、超音波を当てている時間が長くなれば、生産
性も低下し、超音波のホーン自体も温度上昇し
て、その結果ホーンの熱膨張により、周波数が変
つたりして、溶着が安定かつ確実にできなくなる
恐れがあつた。したがつて、前述したような問題
を生ずる恐れがあつた。

本考案は上記問題点に鑑み、プラネツトギヤを
挾持する上支持体と下支持体との溶着による固定
の不安定を解決するものである。

問題点を解決するための手段上記目的を達成するために本考案の減速装置
は、遊星歯車による減速装置の、プラネツトギヤ
を挾持する上支持体と下支持体の超音波による溶
着において、軸方向と直交する、すなわち、超音
波のホーンを押す力と直交する溶着面に、溶着面
に対し略均一となる複数個の小突起を設ける構成
である。

作用以上のように、溶着面に小突起を設けることに
より、溶着時には、超音波によりこの小突起が最
初に溶け始め、これが起爆剤となつて溶着面全体
を短時間で均一にかつ、確実に溶着し、溶着強度
の確保と品質安定をはかるとともに、減速装置の
品質の安定と生産性の向上をはかるものである。

実施例本考案による一実施例を第１図により説明す
る。

第１図において、プラネツトギヤ３０および軸
３１を挾持する上支持体３２と下支持体３３にお
いて、下支持体３３の上部の座３４の上に設けた
略扇形の突出部３５の上部に引き続きガイド軸３
６を設ける。３７は溶着面であり、ガイド軸３６
の根元面、すなわち突出部３５の上面に設けてあ
る。この溶着面３７には、上方に突出し、ガイド
軸３６の周囲に略均等に小突起３８を複数個設け
る。この小突起３８は１mm程度の高さを有する。
この小突起３８は、溶着時に溶けてしまうが、溶
け代としては、この小突起３８の他の溶着面３７
にも適当な高さ（0.5〜1.5mm程度）を見込む。す
なわち、溶着当初は小突起３８を溶かし引き続き
溶着面３７全体を溶かす。

また、上支持体３２の、ガイド軸３６が挿入さ
れる穴３９については、ガイド軸３６と穴３９が
遊合状態となる径とする。これは圧入すると、ガ
イド軸３６の外周と穴３９の内周で溶着されるの
を防止するためである。また上支持体下面が溶着
面となる。

上記のような構成とすることにより、プラネツ
トギヤ３０、軸３１、インターナルギヤ４０を有
するリング４１を組み込み、下支持体３３のガイ
ド軸３６より上支持体３２を挿入して、上支持体
３２の上部から超音波のホーンを当てると、溶着
は、溶着面３７上に設けた小突起３８が、強度的
にも弱いことにより、この小突起３８から溶け始
め、この小突起３８が起爆剤となり、溶着面３７
全体が短時間に溶け、溶着される。この場合、ホ
ーンに加える力の方向（軸方向）と、溶着面３７
が直交し、確実に溶着の為の力が加わり、溶着強
度が向上する。また、溶け始めるのが、強度的に
弱い小突起であり、これが起爆剤となつて一気に
溶着面全体が溶けるために、溶着代が確実にとる
ことができ、また、溶着強度も向上し、しかも品
質も安定するものである。したがつて、遊星歯車
機構として品質が向上かつ安定し、使用中に溶着
が外れ、歯車のかみ合いに誤差を生じ、異常音の
発生、あるいは歯車の破損等の心配がなくり、確
実にモータの回転が攪拌翼に伝達され、洗濯機の
品質、耐久性が向上する。また、小突起が強度的
に弱いため直ぐに溶け始め、これが起爆剤となつ
て接着面全体が溶けるため、溶着時間も短縮で
き、生産性を向上させるとともに、ホーンの温度
過上昇も防止できる。

なお、本実施例では一槽式洗濯機の減速装置に
ついて説明したが、二槽式洗濯機にも用いること
ができる減速装置である。

考案の効果上記実施例でも明らかなように、本考案によれ
ば減速機構としての遊星歯車装置において、プラ
ネツトギヤ等を挾持する上支持体と下支持体の溶
着は、下支持体の溶着面に、溶着面を略均等の配
置した小突起を設けることにより、強度が向上か
つ安定し、品質が確保され、また、溶着時間も短
かくて済み、生産性の向上につながるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による一槽式洗濯機の減速機構
としての遊星歯車装置の分解斜視図、第２図は一
槽式洗濯機の断面図、第３図は同駆動部の断面
図、第４図は同駆動部における遊星歯車装置の分
解斜視図、第５図は同装置の断面図である。３１……軸、３２……上支持体、３３……下支
持体、３５……突出部、３６……ガイド軸、３７
……溶着面、３８……小突起、３９……穴。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

モータの回転を減速して伝達する遊星歯車装置
の遊星歯車を軸を介して挾持する合成樹脂製で形
成される上支持体と、下支持体を備え、前記下支
持体には、上方に突出させた突出部の上面を溶着
面とし、前記溶着面より連続でさらに上方に突出
したガイド軸を形成し、前記上支持体には、下支
持体のガイド軸と遊合する穴を設けるとともに、
前記の下支持体の溶着面には溶着面に対し略均等
に配置した小突起を設け、前記上支持体の穴に前
記ガイド軸を挿入し、溶着面を超音波溶着して前
記上支持体と下支持体を固着した減速装置。