JPH0457606B2 - - Google Patents

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JPH0457606B2
JPH0457606B2 JP59061742A JP6174284A JPH0457606B2 JP H0457606 B2 JPH0457606 B2 JP H0457606B2 JP 59061742 A JP59061742 A JP 59061742A JP 6174284 A JP6174284 A JP 6174284A JP H0457606 B2 JPH0457606 B2 JP H0457606B2
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hydrated silicate
silicate raw
mineral acid
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Hiroyuki Tamenori
Akihiko Hatsutori
Mitsugi Yoshagawa
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
a 産業上の利用分野 本発明は二酸化珪素の製造方法に関し、特に高
純度な二酸化珪素を製造するのに適した方法に関
する。 b 発明の背景 現在、次世代のエネルギー資源に関し太陽エネ
ルギーが注目され、太陽光発電に関する研究が進
められている。とりわけシリコン太陽電池は最も
有望視されており品質の向上および安価な製造方
法の開発が急がれている。 シリコン太陽電池に使うシリコンは高純度であ
ることが要求されているため、現在は半導体用に
製造されたシリコンを用いている。したがつてシ
リコン原料自体が非常に高価であり、このことが
太陽電池のコストを高くしている。 そこで高純度の二酸化珪素を高純度の炭素を用
いて汚染なく還元し太陽電池に使用出来るシリコ
ンを製造する試みがなされている。この方法によ
れば金属シリコンを一度トリクロルシランに換え
精製後還元を行なう半導体用シリコンの製造法に
比べエネルギー、コスト共大きく削減できる利点
を持つている。 しかし、この方法に用いられる天然の高純度の
二酸化珪素としては一部高級品として産出される
水晶があげられるだけであり、その資源量は限ら
れている。大量の太陽電池の製造に対し豊富に存
在するけい砂など純度の悪いけい酸塩原料を精製
し、高純度の二酸化珪素に変える技術が望まれて
いる。 一方アルカリ珪酸塩(通称水ガラス)を酸と反
応させてシリカゲルを得るという方法が知られて
いる。シリカゲルは純度の高いSiO2から出来て
おり、この様なシリカゲルを上記直接還元に使用
することも考えられるが、これらシリカゲルは通
常SiO2純度が99.5wt%程度、高純度といわれる
ものでも99.95wt%程度であり、そのままの状態
では上記直接還元による太陽電池用シリコンの製
造に使用出来なかつた。 これは通常のシリカゲルではシリカゲル中に含
まれるSiO2以外の不純物(Na+,Ca2+,Mg2+
ど)がシリカゲルの外部洗浄液中にぬけにくく、
高純度化が難かしいことに起因していた。 c 発明の目的 本発明の目的は、太陽電池用シリコン製造など
に使用することの出来る高純度の二酸化珪素の製
造方法を提供することにある。 d 発明の構成 本発明は、含水珪酸塩原料を最小寸法50μm〜
10mmを有する形状に保ちながら鉱酸と接触させて
該含水珪酸塩原料表面からシラノール基の縮合反
応を起こさせ、それにより該含水珪酸塩原料を多
孔質状の二酸化珪素に変えることを特徴とする高
純度二酸化珪素の製造方法である。 ここで最小寸法50μm〜10mmを有する形状とは、
例えば板状体又はフレーク状であれば厚みが
50μm〜10mm、角棒又は丸棒であればその辺又は
直径が50μm〜10mm、粒形であれば粒子短辺が
50μm〜10mmなどの、その物体の中心部の表面層
からの最短距離が25μm〜5mmの物体の形状を言
う。 ここで、鉱酸中に添加して多孔質の二酸化珪素
の得られる含水珪酸塩原料(固体状含水珪酸塩原
料(含水珪酸塩ガラス,ゲル状含水珪酸塩),液
体状含水珪酸塩(珪酸塩水溶液、ゾル状含水珪酸
塩))は水分含有量が総重量の4〜72wt%であ
り、かつSiO2含有量が総重量の21〜72wt%のも
のが好まれる。 水分含有量が72wt%より多くなるか又はSiO2
含有量が21wt%より少なくなると、鉱酸に含水
珪酸塩原料がとけてしまつて多孔質の二酸化珪素
が得られにくく、又水分含有量が4wt%未満であ
るか又はSiO2含有量が72wt%より多くなると、
洗浄により高純度化するのに十分な多孔質状の二
酸化珪素が得られにくい。 水分含有量の少ない含水珪酸塩原料は固形のガ
ラス状などとして、又含水量が多くなるに従つて
固形状態から液体状態となつた珪酸塩水溶液など
が使用されるが、そのいずれであつても鉱酸と接
触することにより不純物成分(Na+,Ca2+
Ti4+など)のみが鉱酸中に溶出され、含水珪酸
塩原料の外観形状を反映した多孔質状の純粋な二
酸化珪素が得られる。概して水分含有量が多い珪
酸塩原料がより高純度化しやすいので好まれる。 この様な含水珪酸塩原料は、固体の場合には鉱
酸内に沈める形で、又液体の場合には鉱酸内へ流
し込む形で鉱酸と接触させることが好まれる。 含水珪酸塩の珪酸塩原料としては、アルカリ金
属およびアルカリ土類金属などを用いたガラス
(R2O−RO−RnOm−SiO2ガラス)が使用出来
るが、上記理由により水分を多く含んだ通常水ガ
ラスと呼ばれるアルカリ珪酸塩が好まれ使用され
る。これらアルカリ珪酸塩は比較的洗浄のしにく
いアルカリ土類金属が少ないため99.99wt%以上
の純度の二酸化珪素を得るために好ましく、又容
易に手に入れられるので好ましい。アルカリ珪酸
塩としては経済的にナトリウム珪酸塩が好まし
く、又アルカリ珪酸塩作成の際SiO2/Na2O比が
2〜3.5の範囲の物が溶融がし易いなどの点で望
ましい。 含水珪酸塩原料は、固体ガラスの場合には熱圧
水処理、水溶液の場合には通常の希釈・濃縮操作
など従来知られている操作によつて目的の水分量
およびSiO2濃度に調整される。 上記水分量に調整された含水珪酸塩原料は、鉱
酸と接触させられるが、鉱酸としては塩酸、硫
酸、硝酸およびこれらの混合溶液が使用出来る。
ここで硫酸および硝酸が含水珪酸塩原料中に含ま
れるTi,Zrの各元素を抽出除去する効果が大き
いので好まれる。中でも硫酸は、高濃度液として
もガスの蒸気圧が硝酸とくらべ低いため、金属製
の器具の腐蝕防止の点、作業環境の悪化防止の点
で好ましい。鉱酸の濃度は、塩酸の場合には1〜
12規定、硝酸では1〜14規定、硫酸では1〜36規
定、混合酸で1〜36規定が好まれ、内でも6〜18
規定の硫酸が望ましい。これら鉱酸は室温〜100
℃の温度として使用される。 鉱酸と鉱酸に加えられる含水珪酸塩原料との比
率としては、生成した二酸化珪素と鉱酸量とを考
えて含水珪酸塩100重量部に対して鉱酸150重量部
以上を使用することが好ましい。 該最小寸法を持つた含水珪酸塩原料が鉱酸と接
触すると、まず含水珪酸塩原料の表面でイオン交
換とシラノール基の縮合反応が行なわれ二酸化珪
素の殻が生成する。殻の生成後も水素イオンの内
部への浸入によつて、内部の珪素のシラノール基
の縮合反応が進んでいくが、その際外側の殻が内
部のシラノール基の縮合反応の進行に伴なう収縮
を妨げ、内部は非常にポーラスな多孔質状とな
る。内部の収縮力および外部からの力により殻に
微細なクラツクも生じるが、上述と同様の殻生成
が該クラツクによつて生じた新しい含水珪酸塩原
料表面に起こるため、出来あがる二酸化珪素はク
ラツクが生じる生じないにかかわらず非常に多孔
質なものとなる。 含水珪酸塩原料を鉱酸に添加する際に鉱酸を激
しくかくはんすると、含水珪酸塩原料が液状の場
合などは含水珪酸塩原料表面に殻が生成するひま
がなく加えられた含水珪酸塩原料が鉱酸中に溶解
してしまう様な欠点となる。又含水珪酸塩原料が
液状の場合など激しいいきおいで流し込むと同様
に鉱酸中に全て溶けてしまう。この様に珪酸塩が
溶解した混合液は、適当なSiO2濃度、適当な縮
合度になると混合液全体がゼリー状となつて固ま
り通常のシリカゲルとなる。この様なシリカゲル
は洗浄を行ないにくく又高純度となりにくい。 含水珪酸塩原料は、上記理由のため鉱酸による
シラール基の縮合反応による表面の殻が形成され
ある程度破壊されない様な状態で鉱酸と接触させ
られる。含水珪酸塩原料が固形の場合の添加方法
としては、最小寸法50μm〜3mm、より好ましく
は最小寸法100μm〜2mmの形状(例えば厚さ
50μm〜3mmの板状体、又は粒径50μm〜3mmの粒
状体)として鉱酸中に沈めることが好ましい。 固形の含水珪酸塩原料の場合、50μm未満の厚
みを持つた板状体又は50μm未満の粒径の粒状体
では作成した二酸化珪素が小粒となるためろ過性
が悪くなり、3mmより厚い板状体又は3mmより大
きな粒状体では、作成した二酸化珪素が大粒とな
りすぎて洗浄性が悪くなる。 液状の含水珪酸塩原料の場合も上記理由と同様
の理由で最小寸法50μm〜10mm、より好ましくは
最小寸法100μm〜3mm(例えば50μm〜10mmの口
径の丸形ノズル又は50μm〜10mmの辺を有するス
リツト形ノズルなど)を有するノズルから鉱酸中
に流し込むことが好ましいが、さらに、該液状含
水珪酸塩原料の流出方向、流出速度に対してほぼ
同方向、1〜20倍の速度を持つた鉱酸中に流し込
むことが好ましい。 液状含水珪酸塩原料の流出速度が鉱酸の流速よ
り速いと、含水珪酸塩原料のノズルの出口付近で
だんご状の二酸化珪素となり、この様なだんご状
の二酸化珪素は比較的洗浄性が悪くなり好ましく
ない。鉱酸の流速が液状含水珪酸塩原料の流出速
度の20倍より速くなると、ノズル出口から流出し
た液状含水珪酸塩原料が鉱酸と接触して殻を生成
するひまなくつぎつぎと流されてしまい鉱酸中に
溶けてしまう欠点となる。流出方向と鉱酸の流れ
の方向は同一であることが好ましいが、多少ずれ
ていても障害はない。 流出速度および鉱酸の流れの速度はノズルに対
する速度として決定され、鉱酸がノズルに対して
流れるものであつても、鉱酸に対してノズルが移
動するものであつてもかまわないが、流出速度お
よび鉱酸の流動速度としては、上記条件を満足す
る範囲内であり、かつ0.01〜0.2m/s,0.01〜
2m/sの範囲内であることが望ましい。 上記方法で作成された多孔質状の二酸化珪素は
鉱酸中からろ過等の通常の方法で分取され洗浄さ
れる。洗浄には、通常の純水洗浄の前段として酸
洗浄を行なうことが好まれる。酸洗浄を行なうこ
とにより、該多孔質状二酸化珪素中のCa2+
Ti4+などの不純物が洗浄され、又縮合反応がさ
らに促進される。その後該二酸化珪素は純水洗浄
され非常に高純度な二酸化珪素となる。 上記酸洗浄に使用される酸としては、珪酸塩原
料を添加する鉱酸と同様に、塩酸、硫酸、硝酸お
よびリン酸およびこれらの混合物が使用出来、中
でも1〜12規定の硫酸または塩酸およびこれらの
混合物が好まれ、さらに3〜8規定のものが望ま
しい。 e 実施例 実施例 1 500mlのガラスビーカー中の20℃6規定の硫酸
220mlを回転式かくはん機を用いてかくはんしな
がら、内径1.59mmのプラスチツクチユーブ(タイ
ゴンチユーブ)からチユーブポンプ(ペリスタリ
ツクポンプ)を用いてJIS3号水ガラス(水分含有
量60〜63wt%,SiO2含有量28〜30wt%)100gを
5g/minの速度で該硫酸中に流し込んだ。(チユ
ーブ先での液体含水珪酸塩原料の流出速度約
0.04m/s)該プラスチツクチユーブは先端が硫
酸の流れの方向に向く様に硫酸中に沈めて固定し
ておき、又硫酸の流れの速度はかくはん機の回転
を調整して液状含水珪酸塩原料の流出速度の約3
〜5倍となる様に設定した。 該液状含水珪酸塩原料は、鉱酸にプラスチツク
チユーブの先から流し込まれると直径約1.5mmの
細長い半透明のひも状となつてプラスチツクチユ
ーブの先から硫酸の流れに乗つて漂よう。やがて
チユーブポンプの脈動、流れによる力、先に流出
した二酸化珪素との衝突によつて、3〜15mmの長
さで流出する。流れ出した液状含水珪酸塩原料
は、その形状を保ちながらシラノール基の縮合反
応を起こして多孔質状の二酸化珪素となる。外観
変化はほとんどないが、数分後には硬い殻生成が
完了している様である。液状含水珪酸塩原料を添
加終了する20分後には流出した二酸化珪素は相互
の衝突などによつてさらに細かくなるが、全体的
には1mm以上の長さのものが大半であつた。殻の
出来た含水珪酸塩原料は、殻の内部への鉱酸の進
入によりシラノール基の縮合反応を起こして二酸
化珪素の多孔質骨格を形成すると共にアルカリ分
が鉱酸中に溶出して純度の高い二酸化珪素とな
る。液状含水珪酸塩原料流し込み終了後の硫酸濃
度は約3.4規定であつた。 ここで該鉱酸の粘度はほとんど増加しないこと
から該液状含水珪酸塩原料中の珪酸がほとんど鉱
酸に溶解せずに多孔質状の二酸化珪素となつてい
ることがわかる。 該多孔質状二酸化珪素の入つた鉱酸に水120ml
を加え95〜100℃の温浴中で6時間保ち、該多孔
質状二酸化珪素のシラノール基の縮合反応の促進
と二酸化珪素中の不純物の洗浄を計つた。得られ
た多孔質の二酸化珪素をブフナーロートに定性濾
紙をひいた分離装置で分取し、得られた二酸化珪
素重量(硫酸を内部に含んだ状態)およびろ液容
量及びろ液中のNa2O,Al,Zr量をプラズマ発
光分析装置で測定した。結果を第1表に示す。 得られた硫酸を内部に含んだ二酸化珪素に6規
定の塩酸200mlを加え95〜100℃の温浴中で4時間
保持し、その後再び二酸化珪素と塩酸を濾過によ
り分離した。得られた二酸化珪素重量(塩酸を内
部に含んだ状態)およびろ液容量及びろ液中の
Na2O,Al,Zr量を同様に測定した。 上記塩酸による洗浄を上記を含めて合計3回実
施し、そのつど上記項目を測定した。得られた結
果を第1表に示す。 比較例 1 実施例1で用いた物と同様な3号水ガラス
100gと水120mlとを混ぜ合せて20℃に保持し、溶
液をかくはんしながら6規定の硫酸20mlを5ml/
分の速度で加えた。溶液全体はしだいに粘度が増
加しやがて全体が固まりゲル状態となつた。ゲル
状態となつてもさらにかくはんを続けてゲルを粉
砕し、ゲル粒子が3mm以下(大半は1mm以下)と
なる様にした。このシリカゲルに6規定の硫酸
200mlを加え95〜100℃の温浴中で6時間加熱し
た。作成したシリカゲルをブフナーロートおよび
定性濾紙を用いて分離し、得られたシリカゲルの
重量(硫酸を含んだ重量)、ろ液容量、ろ液中の
不純物濃度を実施例1と同様測定した。更に実施
例1と同様に6規定の塩酸200mlによる95〜100℃
4時間の酸洗浄を4回行なつた。毎回得られたシ
リカゲル重量、ろ液容量、およびろ液不純物濃度
を測定した。結果を実施例1と同様第1表に示
す。 本比較例1では、実施例1とくらべブフナーロ
ートによる吸引ろ過に数倍の時間を要し、又洗浄
による酸中の不純物の濃度からも推定される様に
実施例1よりも純度の向上が遅く、手間を要する
ものであつた。 実施例 2 3号水ガラスをポリエチレンの型に流し込み1
昼夜室温で乾燥させて大きさ8×10ミリ,厚さ約
1ミリの含水珪酸塩ガラスを得た。水分含有率は
23.4%,SiO2含有量57.6%であつた。この含水珪
酸塩ガラス25gを6規定の塩酸200ml中へ加え95
〜100℃の温浴中で6時間加熱した。加熱をはじ
めて数十分後には含水珪酸塩ガラス表面に多数の
クラツクが発生し、含水珪酸塩ガラスは白色に見
られた。シラノール基の縮合反応がある程度完了
して得られた白色板状の二酸化珪素をろ過し、更
に実施例1と同様に3回塩酸(6規定)200mlを
用いて洗浄しさらに純水を用いてろ紙上で、その
水洗液のPHが3.5以上になる迄水洗した。最後に
100℃で乾燥して約15gの二酸化珪素を得た。酸
による洗浄を行う間及び乾燥によつて白色板状の
二酸化珪素は元の寸法から3割程度の収縮がみら
れたが、かくはんによつて破砕されたものを除い
てほぼ元の形状を保つていた。しかしながら板状
体の表面には無数の細かなひび割れがみられた。
得られた多孔質状の二酸化珪素を弗化水素酸によ
つて分解したのち不純物をプラズマ発光分析法で
分析した。結果を第2表に示す。比較例2および
3として市販シリカゲル(メルク社製:薄層クロ
マト用シリカゲル60HR)および原料として用い
た3号水ガラスの分析結果も合せて示した。
【表】
【表】 ここで3号水ガラスの場合SiO2含有量に対す
る濃度として表わした。 第2表からわかる様に本実施例により得られた
二酸化珪素は、従来3号水ガラス等から作成され
た純度の高いシリカゲルとくらべて非常に高純度
なものとなつている。 実施例 3 3号水ガラスをポリエチレン網を5枚重ねた上
に注ぎ室温で一夜乾燥させたのち網をはがし網を
変形させるなどしてうすいフレーク状(厚さ1mm
以下,大きさ10mm角以下)の含水珪酸塩ガラス片
を得た。水分含有率は33.5%であり実施例2
(23.4%)とくらべると多かつた。SiO2濃度は、
49.5%であつた。この含水珪酸塩ガラス25gを実
施例2と同じ条件で多孔質状二酸化珪素の作成、
抽出洗浄を行ない乾燥重量約9gの二酸化珪素を
得た。不純物分析結果は第2表に示す通りであ
り、得られた二酸化珪素は高い純度を有してい
る。 ここで実施例2で得られた二酸化珪素と実施例
3で得られた二酸化珪素では実施例3で得られた
二酸化珪素の方が純度が高く、水分含有量が多い
珪酸塩原料の方が純度の高い二酸化珪素が得られ
る。 実施例 4 3号水ガラス(水分含有量60〜63wt%,SiO2
含有量28〜30wt%)200gを6規定の塩酸200ml中
に実施例1と同様チユーブポンプを用いて添加し
95〜100℃の温浴中で加熱した。実施例2と同様
塩酸による洗浄を更に3回行なつた。その後水
500mlを加えて95〜100℃で2時間加熱する酸洗浄
と類似した水洗を3回行ない、1回目の水洗後サ
ンプルの1部を分取し最後迄洗浄したものと共に
不純物を分析した。結果を1回水洗後を実施例4
−1、3回水洗後を実施例4−2として第2表に
示す。 得られた二酸化珪素は約55gであつた。第2表
からわかる様に得られる二酸化珪素は、上記水洗
1回で充分に高純度なものとなつている。 実施例 5 3号水ガラス200gを18規定の硫酸100ml中に添
加し実施例4と同様に塩酸による洗浄3回と水洗
を3回行なつた。得られた二酸化珪素量は約55g
であり、分析結果を第2表に示す。第2表にはス
パークソース質量分析法によるB,Pについての
分析結果も合せて示す。 第2表からもわかる様に本実施例および実施例
4によれば、固形の含水珪酸塩原料を用いた実施
例2〜3とくらべてTi,Zr,Alなどの不純物濃
度が低い二酸化珪素が得られ、特に本実施例と実
施例4とを比較してわかる様に濃度の高い硫酸を
用いた方がより高純度のものが得られる。又B,
Pの分析値も低く、特にB,Pの不純物濃度の低
い二酸化珪素が要求される太陽電池用シリコンの
原料用二酸化珪素としての条件を本実施例の二酸
化珪素が満足していることがわかる。 実施例 6 水分含有量を60.6〜70.5wt%と変化させた4種
類の珪酸塩原料を、3号水ガラスの水分を乾燥さ
せたり、水を加えたりして作成した。この珪酸塩
原料を20℃および60℃の2規定、3規定、6規定
のかくはん中の塩酸50ml中に、1.5mm直径のノズ
ルから元の水ガラスとして5ml相当分づつ注入し
多孔質状二酸化珪素試料24種を作成した。多孔質
二酸化珪素の作成条件としては、塩酸への添加終
了後1分間かくはんを続けその後かくはんを停止
して4分間放置し、その後ガラスフイルター
(1G2)でろ過し、ろ紙上でPHが3.5以上になるま
で水洗した後150℃で2時間乾燥するという一定
の条件で行なつた。得られた多孔質二酸化珪素の
重量およびNa2O含有量を測定し、珪酸塩原料中
のSiO2含有重量に対する得られた二酸化珪素重
量(SiO2回収量)および不純物量を求めた。得
られた結果を第3表に示す。第3表中で各区分の
上段はSiO2回収率であり下段はNa2O含有量であ
る。 第3表からわかる様に水分含有量がふえ、
SiO2含有量が低下するにしたがつてSiO2回収率
が低下する。しかしながら酸の温度を上昇させ、
縮合反応の速度を早めることにより、回収率を向
上させることが出来る。又、水分含有量がふえ、
SiO2含有量が低下するにしたがつて比較的不純
物濃度(Na2O含有量)が低下する傾向がある。
又総体的
【表】
【表】 には、酸による処理時間が5分と非常に短かいに
もかかわらず、純度の良い二酸化珪素が得られて
いる。 実施例 7 実施例2,4,5で得られた二酸化珪素を、自
動ポロシメーター(マイクロメトリツク社製オー
トポア9200)によりその比表面積、細孔容積、平
均細孔径を測定した。細孔径分布はシリカゲルに
見られる物と同様な粒子の外側と内側との細孔に
起因するとみられる2つのピークが見られ、本製
造方法によつて得られている二酸化珪素は多孔質
体であることがわかる。測定結果を第4表に示
す。 f 発明の効果 本発明によれば、実施例からも明らかな様に
99.99wt%以上の二酸化珪素が得られている。こ
の様な二酸化珪素は、高純度ガラスの原料あるい
は太陽電池用Siの原料として有用である。 ここで本発明により製造された二酸化珪素を太
陽電池用Si製造に使用する際には、本発明で得ら
れた二酸化珪素を炭素と混合して還元する外、微
粉状の炭素を本発明の二酸化珪素生成のための珪
酸塩原料中に均一に分散させておき、炭素の分散
された二酸化珪素を還元に使用することも出来
る。ここで微粉状炭素を二酸化珪素中に含ませる
事は、二酸化珪素と炭素がより均一に混合出来、
二酸化珪素原料と炭素原料とを同時に酸洗浄等の
高純度化操作にかけられるという利点を持つてい
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 含水珪酸塩原料を最小寸法50μm〜10mmを有
    する形状に保ちながら鉱酸と接触させて該含水珪
    酸塩原料表面からシラノール基の縮合反応を起こ
    させ、それにより該含水珪酸塩原料を多孔質状の
    二酸化珪素に変えることを特徴とする高純度二酸
    化珪素の製造方法。 2 該含水珪酸塩原料の総重量に対する水分含有
    量が4〜72wt%、SiO2含有量が21〜72wt%であ
    る特許請求の範囲第1項記載の高純度二酸化珪素
    の製造方法。 3 該含水珪酸塩原料が液体状であり、該液状含
    水珪酸塩原料を最小寸法50μm〜10mmを有する形
    状となる様に鉱酸中に流し込む特許請求の範囲第
    1項又は第2項記載の高純度二酸化珪素の製造方
    法。 4 該含水珪酸塩原料が液体状であり、該液状含
    水珪酸塩原料を50μm〜10mmの口径を有するノズ
    ルから該液状含水珪酸塩原料の流出方向、流出速
    度に対して略同方向、1〜20倍の速度を持つた鉱
    酸中に流し込む特許請求の範囲第1項ないし第3
    項記載の高純度二酸化珪素の製造方法。 5 該液状含水珪酸塩原料の流出速度が0.01〜
    0.2m/sであり、該鉱酸の速度が0.01〜2m/s
    である特許請求の範囲第4項記載の高純度二酸化
    珪素の製造方法。 6 該含水珪酸塩原料が最小寸法50μm〜3mmの
    含水珪酸塩ガラスである特許請求の範囲第1項又
    は第2項記載の高純度二酸化珪素の製造方法。
JP6174284A 1984-03-29 1984-03-29 高純度二酸化珪素の製造方法 Granted JPS60204612A (ja)

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