JPH0454297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、主として玄関ドア等に用いる重装
備の蝶番に関するものである。

〔従来の技術〕

この種の従来の蝶番として、第３図に示すよう
に、一端縁に円管３１を備えた対の上位板部材３
２・下位板部材３３と、一列に並ぶ円管３１を挿
通し両板部材を回動自在に連結する軸３４とから
形成され、軸３４の尖がつた下端に凹面のスラス
ト軸受３５を内蔵したものがある。

軸３４及びスラスト軸受３５は、円管３１に打
込み固着されており、材質は何れもステンレス等
の金属製で軸３４の尖がつた下端に金属ボール３
６を嵌着して荷重を支え例えばドアの円滑な開閉
を維持するようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕。

ところが、この金属製スラスト軸受を備えた蝶
番においては、例えば玄関ドアに用いた場合、室
外にあるため錆が発生しやすく開閉時異常音が発
生し、このため定期的に点検を行つて軸部に注油
をしなければならず、油切れするとスラスト軸受
が焼付き摩滅して早期にがたがくる等の問題点が
あつた。

また、錆止めめつきを施したものでも、軸受部
は荷重がかかり強く擦られるためめつきが剥離し
やすく、上述のような現象が早期に発生する問題
点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記のような問題点を解決するた
めに、前記軸及びスラスト軸受を硬質プラスチツ
クから成形したものである。

〔作用〕

この考案によれば、室外にあつてもスラスト軸
受部に錆が発生するようなことがなく、給油が無
用で焼付かず耐摩耗性も大きく、ドアの開閉が長
期にわたつて円滑である。

〔実施例〕

第１図及び第２図は、この考案の実施例を示す
ものである。この蝶番は、左端縁に円管１が連設
された方形状上位板部材２と、右端縁に円管３が
連設された方形状下位板部材４と、一列に並ぶ円
管１，３に挿通して両板部材を回動自在に連結す
る硬質プラスチツク成形品の軸５とからなり、下
位板部材４の円管３の下端部には硬質プラスチツ
ク成形品のスラスト軸受６が嵌入内蔵されていて
軸５尖がつた先端を支持し、上下の円管１，３の
間には滑動用リング７が嵌入されている。

前記上下の板部材には、複数の取付用ビス孔８
が規則正しく配設されている。

前記軸５は、丸棒形のもので軸心部に補強用金
属芯棒９が埋設され、外面長手方向に、巻いて形
成された円管１の継ぎ目の凹所に嵌着回り止めす
る突条１０が連設され、スラスト軸受６に当接す
る逆円錐体の尖がつた下端には丸み１１が付けて
あり、上端面中央に凹所１２が設けられこの凹所
１２にぎぼし１３が嵌着される。

前記スラスト軸受６は、上面にくぼんだ球面状
凹面１４が設けられ、円管３の継ぎ目の凹所に嵌
着回り止めする突条１５が外面長手方向に連設さ
れ、下端面中央に凹所１２が設けられこの凹所１
２に下方のぎぼし１３が嵌着される。

この硬質プラスチツク製軸５及びスラスト軸受
６は、プラスチツク特有の自己潤滑性を有し潤滑
油の定期給油が不必要で、滑り摩擦抵抗が少なく
且つ耐摩耗性耐腐食性耐衝撃性に優れ、金型成形
で製作されるため安価に提供することができる。

なお、この考案の蝶番は、上述のような上下対
の板部材からなる形式のもののほか、複数の円管
を噛合させた左右対の板部材からなる形式のもの
等にも適用される。また、軸受部は、軸及び軸受
が面接触するもの等接触面の構造を適宜選択する
ことができる。

〔効果〕

以上のように，この考案に係る蝶番は、軸及び
スラスト軸受の両部材を硬質プラスチツクから成
形したものであつて、室外にあつてもこの軸受部
には錆が発生せず潤滑油の給油が不必要で、しか
も滑り摩擦抵抗が少なく、例えば重い玄関ドアで
あつても長期にわたつて開閉が円滑で異常音が発
生するようなことがなく、耐摩耗性耐腐食性があ
るため優れた耐久性を備え、金型成形で製造され
るため安価に提供することができる等の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例を示す一部切欠平
面図、第２図は第１図−線に沿つた断面図、
第３図は従来例を示す要部平面図である。 １，３，３１……円管、２，３２……上位板部
材、４，３３……下位板部材、５，３４……軸、
６，３５……スラスト軸受、１０，１５……突
条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端縁に円管を備えた対の板部材と、一列に並
   ぶ円管に挿通し両板部材を回動自在に連結する軸
   とからなり、軸の下端にスラスト軸受を内蔵した
   蝶番において、前記軸及びスラスト軸受を硬質プ
   ラスチツクから成形したことを特徴とする蝶番。