JPH0453974Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は水性ボールペンの替芯である所謂リフ
イールに関する。

（従来の技術） 第３図に示すように従来の一般的な水性ボール
ペンリフイール１は、筆記部２を有する先端小径
部３の後方に中径部４及び大径部５が延設され、
中径部４の先端面に空気置換孔６が穿設された構
造を有している。そしてこのリフイール１が外筒
内の装着される場合は第４図に示すように外筒７
内に固着されたゴム製のＯリング８等のシール材
に中径部４の肩部４ａを当接させて、外筒内に於
ける中径部４及び大径部５の外周部の空間と空気
置換孔６とを隔離するようにして装着されてい
る。従つて外筒先端口内面と筆記体９外面との隙
間から外筒内のリフイール小径部３の外周部の空
間に侵入した空気は、リフイール１の後端側へ回
ることなく空気置換孔６から直接リフイール内部
へ入り込むものである。そして非筆記時には外筒
７の先端部にキヤツプ１０を装着して空気置換孔
６からのインクの蒸発を防いでいる。従つて従来
のリフイール１ではキヤツプ１０の装着を忘れた
りすると空気置換孔６の近傍に配されてインク吸
蔵体１１からチツプ１２へインクを誘導する中継
芯１３の乾燥が急激に進んで筆記不能になる等の
事故が多かつた。そこで斯る欠点を解消するた
め、或はキヤツプレス方式への転換を図るため
に、最近は、リフイールの後端側に空気置換孔を
設け、且つその空気置換孔を長くしたり又は中径
を小さくする等の乾燥防止手段が講じられてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） ところで前記の如くリフイールの後端側に空気
置換孔を配して、空気置換孔を長く又は中径を小
さくする等の手段を講じたリフイールはリフイー
ル単体として使用する限り前記欠点が解消される
効果があるが、その反面、従来の外筒に装着する
と空気置換が行われず使用不能となる弊が生じる
ので、キヤツプレス方式のボールペンとして専用
に使用されているのが現状であつて、又キヤツプ
方式のボールペンに誤つて使用されないように形
状を変化させるようになつている。従つて従来の
キヤツプ方式の外筒に装着できる互換性を有する
もので、然も乾燥が防止されながら空気置換が行
われるリフイールは未だ存在せず、強く要望され
ている。本考案の目的は斯る要望に応え得る水性
ボールペンのリフイールを提供することである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の水性ボー
ルペンのリフイールは、筆記部を有する先端小径
部の後方に中径部及び大径部を夫々有し、その中
径部の先端肩部の一部に凹部を設け、その大径部
の側面部又は後端面部に通気孔を設けた構成を具
えて、内部に上記先端肩部が当接する部位を有す
る外筒内に収納した場合においても、その小径部
の外周部空間へ外筒先端口から入り込んだ空気を
上記の凹部を介して中径部及び大径部の外周部空
間へと導通可能としたものである。

（実施例） 第１図及び第２図に示した本考案実施例のリフ
イール１４について以下説明する。当該リフイー
ル１４は、筆記部１５を有する先端小径部１６の
後方に中径部１７及び大径部１８が延設され、前
記した従来の外筒７内に装着された場合にその中
径部１７の先端肩部１９が外筒７内に固着された
Ｏリング８等のシール材に当接するように、従来
のリフイール１と殆ど同一の形状及び寸法を有し
ており、但、中径部１７の先端面には空気置換孔
が設けられておらず、その代わり中径部１７の先
端肩部１９にＯリング８との間に隙間を生じさせ
る凹部２０が形成されると共に、大径部１８の後
端口に嵌着された尾栓２１に大径部１８の外部と
内部を通気する内径が小さくて所要長さの通気孔
２２が開設されたことを特徴として構成されたも
のである。

（作用） 前記実施例に基づき以下作用について説明す
る。即ち本考案のリフイール１４は第２図に示す
如く、従来のキヤツプ１０装着方式の外筒７にも
装着可能な互換性を先ず有するものであり、外筒
７内に装着された状態では、外筒先端口内面と筆
記体２３外面との隙間から外筒内の小径部１６の
外周部に入りこんだ空気は、中径部１７の先端肩
部１９に形成された凹部２０によるＯリング８と
の隙間を通過して、更に中径部１７及び大径部１
８の外周部空間を通過して大径部１８の後端面後
方空間へと導かれ、最後に尾栓２１の通気孔２２
を通つて大径部内部に内蔵されたインク吸蔵体２
４の後端面に達することになる。従つて従来例の
如く中継芯２５に直接外気が触れることを回避で
きその乾燥を防止する作用がある。

（考案の効果） 本考案は叙上の構成及び作用を有するものであ
り、中継芯の乾燥を防止して筆記不能を回避でき
る性質を有するにも拘らず、従来の外筒に装着で
きる互換性も併有する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の実施例に係るもの
で、第１図はリフイール先端部の斜視図、第２図
は外筒にリフイールが装着された状態の縦断面図
である。又、第３図は従来例のリフイール先端部
の斜視図、第４図は外筒に従来例のリフイールが
装着された状態の縦断面図である。 １……リフイール、２……筆記部、３……小径
部、４……中径部、４ａ……中径部の肩部、５…
…大径部、６……空気置換孔、７……外筒、８…
…Ｏリング、９……筆記体、１０……キヤツプ、
１１……インク吸蔵体、１２……チツプ、１３…
…中継芯、１４……リフイール、１５……筆記
部、１６……小径部、１７……中径部、１８……
大径部、１９……中径部の先端肩部、２０……凹
部、２１……尾栓、２２……通気孔、２３……筆
記体、２４……インク吸蔵体、２５……中継芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筆記部を有する先端小径部の後方に中径部及び
   大径部を夫々有し、その中径部の先端肩部の一部
   に凹部を設け、その大径部の側面部又は後端面部
   に通気孔を設けた構成を具えて、内部に上記先端
   肩部が当接する部位を有する外筒内に収納した場
   合においても、その小径部の外周部空間へ外筒先
   端口から入り込んだ空気を上記の凹部を介して中
   径部及び大径部の外周部空間へと導通可能とした
   水性ボールペンのリフイール。