JPH045380Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、デフケースとアクスルシヤフトをロ
ツクさせるに好適な車両のデフロツク装置に関す
る。

〔従来の技術〕 トラツクなどの大型車両においては、悪路走行
時などにおいて差動装置のサイドギアに連結され
る左右のアクスルシヤフトの相対回転をロツクし
て左右両輪を一体で駆動させるデフロツク装置が
設けられている。

従来この種の装置としては、例えばデフケース
とアクスルシヤフトの各軸方向対向面にクラツチ
ギアを設け、アクスルシヤフト側クラツチギアの
外周面に環状溝を形成し、該環状溝内にシフトフ
オークの先端部を挿着し、シフトフオークの基端
部をピンを介して回動自在に固定すると共にシフ
トフオークの基端部にレバーを固定し、かつアク
スルハウジングにレバーを回動させるためのアク
チユエータを配設し、アクチユエータの作動によ
つてレバーを回動させ、シフトフオークのシフト
によつてアクスルシヤフトとデフケースとをクラ
ツチギアを介してロツクさせるようにしたものや
実公昭60−15011号公報に記載されているもの等
が提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら従来の装置においては、アクチユ
エータにエア排気口が設けられていたため、アク
チユエータ内にゴミなどが吸い込まれ、ダイヤフ
ラムが損傷したりあるいはアクスルハウジング内
のオイルがアクチユエータを介して外部へ洩れた
りするという不具合があつた。

〔考案の目的〕

本考案は前記従来の課題に鑑みて為されたもの
であり、その目的は、ダイヤフラムの損傷及びオ
イル洩れを防止することができる車両のデフロツ
ク装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するために本考案は、デフケー
スとアクスルシヤフトの各軸方向対向面にクラツ
チギアを設け、アクスルシヤフト側クラツチギア
の外周面に環状溝を形成し、該環状溝内にシフト
フオークの先端部を挿着し、シフトフオークの基
端部をピンを介して回動自在に固定すると共に、
シフトフオークの基端部には一対のレバーをシフ
トフオークを境に相対向させて一体に固定し、か
つシフトフオークには各レバーの回動を阻止する
方向に付勢力を蓄積するリターンスプリングを巻
装し、各レバーを臨むアクスルハウジングに、操
作に応答して一方のレバーとの当接により各レバ
ーをエア圧で回動させるアクチユエータを配設
し、アクチユエータの作動に伴う各レバーの回動
によりシフトフオークをシフトさせてアクスルシ
ヤフトとデフケースとをクラツチギアを介してロ
ツクさせる車両のデフロツク装置において、アク
チユエータのシヤフトとアクスルハウジングとの
間にエアを通過させる通路を形成した構成とした
ものである。

〔考案の作用〕

アクチユエータが作動すると、アクチユエータ
の作動に伴つて各レバーが回動し、各レバーの回
動によりシフトフオークがシフトし、アクスルシ
ヤフトとデフケースとがクラツチギアを介してロ
ツクされる。その際、アクチユエータの作動に伴
うエアがブリーザを介して吸排気され、エアがア
クチユエータのシヤフトとアクスルハウジングと
の間に形成された通路を通してアクチユエータ内
とアクスルハウジング内間を移動する。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図乃至第３図には、本考案の好適な実施例
の構成が示されている。同図において、デフケー
ス１０とアクスルシヤフト１２の各軸方向対向面
には、クラツチギア１４，１６が配設されてい
る。そしてクラツチギア１６の外周面には環状溝
１８が形成されており、環状溝１８内にはシフト
フオーク２０の先端部がピン２２を介して挿着さ
れている。シフトフオーク２０の基端部は、ピン
２４を介してアクスルハウジング２６に回動自在
に固定されている。又、シフトフオーク２０の基
端部には、ピン２４（シフトフオーク２０の軸
心）を境に相対向して配設された一対のレバー２
８，３０が一体に固定されている。そしてさらに
シフトフオーク２０の基端部のピン２４外周側に
は、各レバー２８，３０の回動を阻止する方向に
付勢力を蓄積するリターンスプリング３２が巻装
されている。

アクスルハウジング２６のレバー２８を臨む部
位には、アクチユエータ３４が設けられている。
アクチユエータ３４は、操作に応答してエア導入
口３６からエアを導入してダイヤフラム３８を作
動させ、レバー２８と当接するシヤフト４０を矢
印Ｘ方向に移動させてレバー２８をピン２４を中
心として回動させ、同時にそれと一体になつたシ
フトフオーク２０を矢印Ｙ方向に回動させるよう
になつている。

又、アクスルハウジング２６のレバー３０を臨
む部位には、調整ねじ４２が装着されている。調
整ねじ４２は、ねじ頭４２Ａを回動させることに
よつて軸方向の突出長さが変化し、レバー３０と
の当接によりレバー３０の回動時におけるレバー
３０の移動量を規制するようになつている。なお
４２Ｂは、調整ねじ４２を調整した後、その状態
を維持固定しておくナツトである。又、アクスル
ハウジング２６のアクチユエータ３４が設けられ
た近傍の部位には、アクスルハウジング２６内の
オイルがアクスルハウジング２６外に排出される
のを阻止すると共にアクスルハウジング２６内外
を連通し、エアのみを通過させるブリーザ４４が
配設されている。

上記シヤフト４０の側部は第４図に示されるよ
うに切り欠かれており、シヤフト４０とアクスル
ハウジング２６との間に空気が通過できる通路４
６が形成されている。即ち、ダイヤフラム３８が
下部方向に作動するとダイヤフラム３８の作動に
よるエアが通路４６を通してアクスルハウジング
２６内に戻され、エアがブリーザ４４を介してア
クスルハウジング２６外に排出され、一方ダイヤ
フラム３８を元の位置に戻すとブリーザ４４を介
してエアがアクスルハウジング２６内に取り込ま
れ、オイルを含んだエアが通路４６を介してアク
チユエータ３４内に導入される。そしてアクチユ
エータ３４の作動が円滑に行なわれるようになつ
ている。このため、アクチユエータ３４内に外部
の塵などが吸い込まれたり、あるいはアクスルハ
ウジング２６内のオイルを含んだエアがアクチユ
エータ３４から外部へ洩れることがない。

又、シヤフト４０に切り欠きを形成する代わり
に、第５図に示されるようにアクスルハウジング
２６に溝を形成し、この溝を通路４８として用い
ることによつても第４図のものと同様な効果が得
られる。

以上の構成において、操作に応答してアクチユ
エータ３４が作動するとシヤフト４０が矢印Ｘ方
向に移動すると共にレバー２８，３０が回動し、
シフトフオーク２０が矢印Ｙ方向にシフトする。
これによりアクスルシヤフト１２とデフケース１
０とがクラツチギア１４，１６を介してロツクさ
れる。このときダイヤフラム３８の作動によるエ
アが通路４６又は４８を通過して流れ、その際エ
アはブリーザ４４を介してアクスルハウジング２
６内外へ吸排気され、アクチユエータの作動が円
滑に行なわれる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、アクチユ
エータのシヤフトとアクスルハウジングとの間に
エアが通過できる通路を形成したため、アクチユ
エータのダイヤフラムを損傷したり、アクスルハ
ウジング内のオイルがアクスルハウジング外へ洩
れることなくアクチユエータの作動を円滑に行な
うことができるという優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面断面図、
第２図は第１図の−線に沿う側面図、第３図
は第１図の−線に沿う断面図、第４図は通路
部分の断面図、第５図は通路部分の他の実施例の
断面図である。 １０……デフケース、１２……アクスルシヤフ
ト、１４，１６……クラツチギア、２０……シフ
トフオーク、２８，３０……レバー、３４……ア
クチユエータ、４０……シヤフト、４２……調整
ねじ、４６，４８……通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デフケースとアクスルシヤフトの各軸方向対向
   面にクラツチギアを設け、アクスルシヤフト側ク
   ラツチギア外周面に環状溝を形成し、該環状溝内
   にシフトフオークの先端部を挿着し、シフトフオ
   ークの基端部をピンを介して回動自在に固定する
   と共に、シフトフオークの基端部には一対のレバ
   ーをシフトフオークを境に相対向させて一体に固
   定し、かつシフトフオークには各レバーの回動を
   阻止する方向に付勢力を蓄積するリターンスプリ
   ングを巻装し、各レバーを臨むアクスルハウジン
   グに、操作に応答して一方のレバーとの当接によ
   り各レバーをエア圧で回動させるアクチユエータ
   を配設し、アクチユエータの作動に伴う各レバー
   の回動によりシフトフオークをシフトさせてアク
   スルシヤフトとデフケースとをクラツチギアを介
   してロツクさせる車両のデフロツク装置におい
   て、アクチユエータのシヤフトとアクスルハウジ
   ングとの間にエアを通過させる通路を形成したこ
   とを特徴とする車両のデフロツク装置。