JPH0452645Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ 本願考案は直管部分から膨出した受口を有する
鋳鉄管、主として遠心力法で製造した水道、ガス
に使用する鋳鉄管のボルト孔寸法を計測する装置
に係る技術である。 ［従来の技術］ 鋳鉄管のさし口（直管部分の先端）を次に接続
する鋳鉄管の受口へさし込んで管路を形成してい
く上に、受口、さし口の各部寸法がある範囲内に
入つていなければ接続が困難となる。そのため鋳
鉄管の出荷前にすべての単品について受口の必要
な箇所の寸法を計測する検査工程が不可欠とな
る。 本願で対象とする鋳鉄管受口の検査部分は受口
フランジに穿設されたボルト孔の数Ｎとその内径
Ｅであつて、その一例として寸法とその許容され
る公差（上限、下限）は第１表に示すような管理
基準が設定されている。

【表】 ボルト孔の数Ｎは検査員の目視により、内径Ｅ
は最大、最小の限界ゲージをボルト孔の一つ一つ
に嵌入して（又は嵌入しようとして）所定の範囲
内に入つているかどうかの判定をしていた。これ
らのゲージ類が各管径ごとに作製され保管され必
要に応じて取出されて使用されてきた。 ［考案が解決しようとする問題点］ 鋳鉄管を所定の場所へ搬入し手作業により判定
するときは以下に述べるような問題点がある。 (1) すべて人力手働によりゲージを用いて行うた
め、１本当り25秒〜45秒の所要時間であり、こ
れ以上の能率アツプはできない。 (2) ゲージはかなりの重量があり１時間145本
（75φ管）、80本（250φ管）の検査を行うので腕
力、握力の消耗によりかなりの疲労となる。 (3) ゲージの精度管理、識別管理が繁雑である。 (4) ゲージ・チエツクの結果により良否の判別、
マーク付けが繁雑である。 本願考案は以上に述べた問題を解決するために
検査員の手作業によるゲージ合わせを解消し、自
動的に、より正確なボルト孔寸法を計測する装置
の提供を目的とする。 ［問題点を解決するための手段］ 本願考案に係る鋳鉄管ボルト孔の自動計測装置
は、計測管を管軸中心に回動する駆動力と、該フ
ランジを挟む発光、受光の一対の光センサと、該
光センサからの信号をうけてボルト孔の数Ｎとボ
ルト孔の内径Ｅをカウントし所定の基準範囲を逸
脱するときは警告を発信する手段とからなること
によつて前記の問題点を解決した。 ［作用と実施例］ 第１図は本願考案の実施例を示す全体の平面図
（レイアウト）であり、第２図は自動計測部のみ
の正面図である。この図に基いて本願考案の作用
を説明する。 第１図において自動計測装置１は、計測すべき
鋳鉄管の搬入と位置決め、検査後の搬出を行なう
公知手段２とボルト孔個数、内径部（以下単に
「計測部」と言う）３と、この計測結果を入力し
て計測管の合否を自動的に判定する電子回路４と
より成り立つている。なお、この計測部３は同日
出願したその他の受口各寸法自動測定具と平行に
並列設備され、流れ作業的に次々と作動するもの
である。 第４図は計測部の詳細であり、計測管Ｔが計測
装置の図示するような所定の位置に搬入される。
このとき計測管Ｔはこの位置に配設された駆動ロ
ーラ（図示せず）の駆動によつて管軸中心に回動
できる。この計測位置に対し、光センサ５が降下
してきて計測管受口フランジを発光と受光の両部
材で挟む形となる。この実施例では空圧シリンダ
６、位置決めローラ７、光センサ支持金具８によ
つて、光センサ５はフランジに穿設したボルト孔
のピツチ４円弧上に位置決めするが、勿論このた
めにはその他の部材の組み合わせによつて目的を
達することも可能である。光センサの作用は公知
のとおり、一方から光電管により発光して中間に
挟んだ計測管Ｔを１回転させ、この１回転するの
に費す時間中に連続的に他方で受光する度数をカ
ウントし、さらに１個のボルト孔については受光
のスタートから遮断されるまでの時間をカウント
する。 この実施例ではエンコーダを使用して計測管Ｔ
の１回転当たり600パルスに設定したパルスカウ
ンタ９からマイクロコンピユータ１０へ入力す
る。孔径については第１表のように管種別の寸法
と公差がそれぞれ決められており、これらの情報
は予め入力されて記憶されているから、計測管の
計測値と比較して 下限Ａ＜計測値Ｂ＜上限Ｃの
関係が成立すれば表示とプリントアウトし、成立
しなければ機械を停止し、回転灯を点灯して警告
を発信する。 第３図はボルト孔個数の、第４図はボルト孔内
径計測の電子回路４の作用の実施例を示したフロ
ーチヤートであるが警告の手段が回転灯の点灯に
限らず警告ブザーの鳴動でもよく、単に装置の一
旦停止のみでも目的に叶うと言える。 ［考案の効果］ 本願考案に係る自動計測装置は以上に述べたよ
うな構成と作用を有するから、従来の検査員の手
作業を完全に排除し自動的に検査判定を連続的に
代行する。肉体を使用する単純労働から解放され
て作業能率の向上（１本当り20秒以下）と心身の
疲労追放が実現する。さらに大きいのは検査員の
個人差による合否判定のばらつきがなくなり、物
理的正確さを以て判定精度の向上に直結すること
である。 また、前に掲げた第１表のように多種類の鋳鉄
管ごとのボルト孔部における基準値と許容公差
（上限、下限）を一旦コンピユータ内に初期条件
として記憶させておけば、以後の検査は管種のみ
特定すれば足りるから、各種検査ゲージの保管も
その精度管理も不要のものとなる。 実施例特有の効果として良品はプリントアウト
し、不良品が出たときは回転灯の点灯によつて直
ちに管理人に知得させ装置の流れを停止するから
見落しがなく品質管理効果が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は装置全体の平面図、第２図はボルト孔
個数および内径の計測部の正面図、第３図と第４
図は本願電子回路の実施例における作用を示すフ
ローチヤート。 １……自動計測装置、２……搬入位置決め手
段、３……ボルト孔個数、内径計測部、４……電
子回路、５……光センサ、６……空圧シリンダ、
７……位置決めローラ、８……支持金具カウン
タ、９……パルスカウンタ、１０……マイクロコ
ンピユータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直管部分から膨出した受口を有する鋳鉄管を装
   置内の所定の位置に搬入して位置決めし、受口の
   フランジに穿設されたボルト孔の数とその内径を
   測定するボルト孔の自動計測装置において、計測
   管を管軸中心に回動する駆動力と、該フランジを
   挟む発光、受光の一対の光センサと、該光センサ
   からの信号をうけてボルト孔の数Ｎとボルト孔の
   内径Ｅをカウントし所定の基準範囲を逸脱すると
   きは警告を発信する手段とからなることを特徴と
   する鋳鉄管ボルト孔の自動計測装置。