JPH0452522B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気テープにヘリカルスキヤンによる
記録再生を行う回転ヘツド方式磁気記録再生装置
に関する。

背景技術とその問題点 従来、この種の回転ヘツド方式磁気記録再生装
置においては、回転ヘツドドラムに磁気テープを
ヘリカル状に巻装するための固定ドラム、即ち下
ドラムの周面には、ヘリカル状にテープリードを
形成しているが、このテープリードの加工は多く
の工数を要し、又特殊な切削刃物とマスターカム
及びNC旋盤等が必要となり加工設備が複雑で、
しかもこの様に形成するテープリードは、互換性
がマスターカム、NC旋盤等により異なる不都合
があり、更にテープリード部は、肉薄段状に形成
するのでテープリード部のみを耐摩耗性の材料に
より形成することはほとんど不可能で、そのため
テープリード部は部所により摩耗の度合が異なり
直線性に難点があつた。

発明の目的 本発明は斯かる点に鑑み、テープパスを磁気テ
ープが回転ヘツドドラムに対して直交方向に巻装
されるように形成し、回転ヘツドドラムに巻装さ
れる磁気テープを支持するテープガイドの耐摩耗
性を向上させた回転ヘツド方式磁気記録再生装置
を提供するものである。

発明の概要 本発明は磁気テープの長手方向の中心線が回転
ドラム軸と直交するテープパスを形成し、且つ磁
気ヘツドを単独又は回転ドラムと一体的に回転ド
ラムの回転に伴い軸方向に移動させるように構成
すると共に回転ドラムと対応して回転ドラム軸と
直交する平坦状の耐摩耗性テープガイドを配設
し、磁気テープの一端縁を摺接させて直線状に走
行ガイドさせることにより、磁気テープに磁気ヘ
ツドによるヘリカルスキヤンの記録再生を行うよ
うにしたもので、テープガイドの加工の簡素化と
テープガイドの耐摩耗性の向上を図るものであ
る。

実施例 以下、本発明の磁気記録再生装置の実施例を図
面を参照しながら説明する。

図において１は回転ドラムでドラム軸２の上半
部に固定されており、ドラム軸２は外周面に水平
状のフランジ３ａを有するベアリングハウジング
３により軸支されている。この回転ドラム１に対
するテープパス系は磁気テープＴの長手方向の中
心線を通る平面と同方向の平面即ちドラム軸２と
直交する平面上に設定してあり、このテープパス
系を走行する磁気テープＴ上にヘリカルスキヤン
で記録を行うように回転ドラム１には磁気テープ
Ｔの幅方向に可動する幅方向可動形磁気ヘツド
４，４′が直径方向に対称的に搭載されている。
この幅方向可動形磁気ヘツド４，４′はヘツドチ
ツプ４ａ，４a′を電気−機械変換素子、例えばバ
イモルフ素子５，５′の一端部に固着して構成さ
れ、この磁気ヘツド４，４′はバイモルフ素子５，
５′の他端をヘツドチツプ４ａ，４a′の先端部が
回転ドラム１の周面にテープの摺接方向と直交す
る方向に形成した窓６，６′から突出するように
回転ドラム１に形成した支持部７，７′に接着剤
で固着し、片持バネ状に設置されている。

この幅方向可動形磁気ヘツド４，４′のバイモ
ルフ素子５，５′の駆動用リード端子は回転ドラ
ム１の中央部の通孔１ａ，１a′を通し、回転ドラ
ム１に同軸的に取り付けられた中継基板８に接続
され、ドラム軸２の上端に取り付けられたスリツ
プリング９を介して外部の駆動電圧制御回路（図
示せず）に接続される。そしてこのバイモルフ素
子５，５′は両面電極に駆動電圧を印加すること
により伸縮効果により変形して自由端部が振れ、
ヘツドチツプ４，４′は回転ドラム１に対して軸
方向、即ち窓６，６′に沿つて可動されることに
なる。このバイモルフ素子５，５′の振れは印加
電圧にほぼ比例するので回転ドラム１の角速度に
対応して印加電圧を可変することにより磁気テー
プＴ上にヘツドチツプ４ａ，４a′によるヘリカル
スキヤンの記録パターンが形成され、又記録パタ
ーンに沿つたトラツキングが可能となる。

この磁気ヘツド４，４′のヘツドチツプ４ａ，
４a′には、回転ドラム１の軸着部１ｂとベアリン
グハウジング３の口部３ｂとの間に配設されたロ
ータリートランス１０を介して記録再生信号の入
出力が行われる。

又、ベアリングハウジング３のフランジ３ａ上
には回転ドラム１より大径の平坦円板状のテープ
ガイド１１が載置固定されている。このテープガ
イド１１はセラミツク、ステンレス鋼、アルミ過
共晶体等の耐摩耗性材から形成され接着材により
ベアリングハウジング３に嵌合した状態でフラン
ジ３ａ上に接着固定されている。尚、テープガイ
ド１１の平坦度は数μm程度に設定してある。

回転ドラム１のドラム軸２はベアリングハウジ
ング３においてベアリング１２，１３により軸支
され、その下端部はベアリングハウジング３の下
部より突出されてBSLモータ１４のロータ１４
ａに軸着されており、又このモータ１４のステー
タコイル１４ｂはベアリングハウジング３が取り
付けられる取付板１５の下面に固定されている。
１６はベアリングハウジング３に固定したPGコ
イル、１７は回転ドラム１に固定したPGマグネ
ツトであつて、このPGコイル１６とPGマグネツ
ト１７により回転ドラム１、即ち回転ヘツドの位
相周波数制御を行うようにしてある。

次に本例装置の動作について説明する。

先ず磁気テープＴは、回転ドラム１の軸方向に
対して直交方向に形成されるテープパス系を通し
て回転ドラム１の周面に下端縁がテープガイド１
１の上面に摺接された状態で巻き付けられ即ちロ
ーデイングされる。

このローデイング後、回転ドラム１をBSLモ
ータ１４により回転させると共に磁気ヘツド４，
４′のバイモルフ素子５，５′に駆動電圧をスリツ
プリング９を介して印加することにより、磁気ヘ
ツド４，４′のヘツドチツプ４ａ，４a′は回転ド
ラム１の窓６，６′に沿つて上下方向に一定の周
期で移動し、一方磁気テープＴは上述の如く回転
ドラム１に所定の角度巻き付けられ、ベアリング
ハウジング３に固定したテープガイド１１の上面
により幅方向に規制されて走行される。

この様にして磁気ヘツド４，４′のヘツドチツ
プ４ａ，４a′の上下方向の移動と磁気テープＴの
回転ドラム１の周面方向の走行によりヘリカルス
キヤンの記録再生が行われる。

第３図は幅広磁気テープT′を用いる磁気記録
再生装置における回転ヘツド装置であつて本例に
おいてはテープガイド１１の上面側に回転ドラム
１と同径の周縁面１１ａを形成したものである。

尚、他の部材は第１図及び第２図に示す第１の
実施例と同一に構成されるので、対応する部材に
は同一符号を付してその説明を省略する。

本例においては磁気テープT′は回転ドラム１
の周面からテープガイド１１の周縁面１１ａにか
けて巻き付けられ、下端縁部がテープガイド１１
の上面外周部に摺接して幅規制され走行されるこ
とになる。

第４図を示す回転ヘツド装置は回転ドラムに磁
気ヘツドを固定し、この回転ドラムを回転に伴い
上下方向に移動させ磁気ヘツドを磁気テープに対
して幅方向に回転ドラムと一体に移動させるよう
に構成したものである。

本例の回転ヘツド装置は回転ドラム２１を固定
したドラム軸２２がベアリングハウジング２３に
軸方向に移動可能に軸支されており、回転ドラム
２１に磁気ヘツド２４，２４′が直径方向に対称
的に固定されている。即ち回転ドラム２１の周面
にはその高さ方向のほぼ中央に位置し、直径方向
に対向して一対の窓孔２６，２６′が形成されて
おり磁気ヘツド２４，２４′はこの夫々の窓孔２
６，２６′からヘツドチツプ２４ａ，２４a′の先
端が所要の長さ突出するように基板２５，２５′
をドラム内面に固定ネジ２７，２７′と高さ調整
ネジ２８，２８′とにより取り付けられている。

ドラム軸２２とベアリングハウジング２３の上
口部との間にはロータリートランス３０が配さ
れ、このロータリートランス３０のステータ側３
０ａはベアリングハウジング２３の上口部の内周
に固定され又、ロータ側３０ｂはドラム軸２２に
取付リング３１を介して取り付けられており、取
付リング３１には軸方向に溝部３１ａを形成し
て、ドラム軸２２に突設したピン３２を係合させ
てあり、このロータリートランス３０のロータ側
３０ｂはドラム軸２２と一体的に回動され、軸方
向には押板３３により係止され、一方ドラム軸２
２はベアリングハウジング２３内に内蔵されたベ
アリング３４，３５により回動自在で軸方向にも
可動し得るように支持されている。

このベアリングハウジング２３の外周には上述
の実施例と同様に水平フランジ２３ａが突設され
この水平フランジ２３ａの上面側に回転ドラム２
１より大径のテープガイド１１が載置固定されて
いる。

又、ドラム軸２２の下端はベアリングハウジン
グ２３の下面から突出されてプーリ３６が取り付
けられ、このプーリ３６とモータ（図示せず）と
の間にベルト３７を巻回してドラム軸２２を間接
駆動させるようになされている。このプーリ３６
の下面には回転ドラム２１に対するテープ巻付角
に相当するリード面３６ａが形成されており、こ
のリード面３６ａ以外の部面には逃げ面３６ｂが
形成されている。そしてこのプーリ３６の下面に
はベアリングハウジング２３のフランジ２３ａの
下面に固定された支持体３８により支持されるス
チールボール等の転動体３９が転接されており、
プーリ３６がベルト３７により回転駆動されると
リード面３６ａと逃げ面３６ｂとの高低差により
上下方向に移動されてドラム軸２２をベアリング
ハウジング２３に対して軸方向に摺動させること
になる。この摺動を円滑に行わせるためにプーリ
３６の上面には、ポリスライダ等の滑性板４０
［４０ａ，４０ｂ］を重ねて載置し、この滑性板
４０の上面とベアリングハウジング２３のフラン
ジ２３ａの下面との間にコイルスプリング４１を
ベアリングハウジング２３に嵌挿して介在し、プ
ーリ３６を常時下方へ偏倚させている。尚、支持
体３８には位相周波数検出器４２が取り付けられ
ておりこれと対応してプーリ３６の周面に軸方向
に長いマグネツト４３が埋設されている。

以上の様に構成される本例においても回転ドラ
ム２１にローデイングされる磁気テープＴは、ベ
アリングハウジング２３のフランジ２３ａに載置
固定されるテープガイド１１に摺接支持されて幅
方向に規制される。この磁気テープＴのローデイ
ング状態において回転ドラム２１は、プーリ３６
のリード面３６ａの形態によつて軸方向に移動さ
れながら回転し、そのため磁気ヘツド２４，２
４′は回転ドラム２１と一体的に上下方向、即ち
磁気テープＴの幅方向に位相周波数制御されなが
ら移動されて、ヘリカルスキヤンによる記録パタ
ーンが得られる。

尚、幅広磁気テープを用いる場合は第３図に示
す第２の実施例の如くテープガイド１１に周縁面
１１ａを形成し幅広磁気テープを回転ドラム２１
の周面からテープガイド１１の周縁面１１ａにか
けてローデイングさせ下端縁をテープガイド１１
の上面外周面により摺接支持するように構成すれ
ばよい。

以上の各実施例においては、テープガイド１１
をベアリングハウジング３及び２３に形成したフ
ランジ３ａ及び２３ａ上に載置固定する様に構成
されているがこのテープガイド１１をベアリング
ハウジング３及び２３と一体構造とすることもで
きる。

発明の効果 以上の様に本発明によれば回転ヘツド方式磁気
記録再生装置において、テープパス系を回転ヘツ
ドドラムの軸方向と直交する方向に形成すると共
にテープガイドを耐摩耗性材により回転ヘツドド
ラムの軸方向と直交する方向に平坦状に形成する
ので磁気テープは回転ヘツドドラムに対して直交
方向にローデイングされテープパス系の簡略化と
短縮化が可能となり又、磁気テープの端縁はテー
プガイドに対して局部的に摺接して、局部摺動圧
を加えることなく、テープ巻付角全体に亘つて均
一に摺接して側圧が分散され、テープガイド面が
局部的に摩耗されることなく、テープガイド面は
テープガイド自体の耐摩耗性とあいまつて直線性
を保持し常に磁気テープを円滑に走行させること
ができ又、テープガイドは平坦状に形成するので
加工においても特殊の切削治具、旋盤等を用いる
ことなく汎用される平面切削治具により簡単でし
かも高精度に加工でき、テープ互換性が向上する
と共に量産性も良好となる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による回転ヘツド方式磁気記録
再生装置に適用する回転ヘツドドラム装置の平面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は
回転ヘツド装置の他例の断面図、第４図は回転ヘ
ツドドラム装置の更に他例の断面図である。 図中、１及び２１は回転ドラム、２及び２２は
ドラム軸、３及び２３はベアリングハウジング、
３ａ及び２３ａはフランジ、４，４′及び２４，
２４′は磁気ヘツド、１１はテープガイド、１１
ａは周縁面、Ｔは磁気テープである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転ヘツドドラムに磁気テープを巻装し、ヘ
   リカルスキヤンにより記録するようにした回転ヘ
   ツド方式磁気記録再生装置において、上記磁気テ
   ープの長手方向の中心線が回転ドラム軸と直交す
   るテープパスを形成し、且つ磁気ヘツドを単独又
   は回転ドラムと一体的に回転ドラムの回転に伴い
   軸方向に移動させるように構成すると共に、上記
   回転ドラムと対応して上記回転ドラム軸と直交す
   る平坦状の耐摩耗性テープガイドを配設し、上記
   磁気テープの一端を摺接させて直線状に走行ガイ
   ドさせることにより磁気テープに磁気ヘツドによ
   るヘリカルスキヤンの記録再生を行うようにした
   ことを特徴とする回転ヘツド方式磁気記録再生装
   置。