JPH0452347B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来の技術 従来の鍵で操作される鍵は外部ケーシング内に
回転するよう設けられたシリンダと、シリンダの
長手方向に沿つて配置された一群のタンブラー板
とよりなる。

ある種の錠では、鍵が錠から引きぬかれると、
サイドバー施錠部材がタンブラー板側縁と係合し
て施錠状態となり、サイドバーが外部ケーシング
のにげみぞと係合しシリンダがケーシングに対し
て回転しないようになつている。鍵が錠に挿入さ
れると、鍵の歯がそれぞれのタンブラー板を動か
し、タンブラー板側縁に設けられた切欠きをサイ
ドバーの内端部に合致させ、サイドバーが内側へ
動けるようにしてにげみぞとの係合を外し、ばね
の作用を用いてシリンダを外部ケーシングから解
錠するようになつている。

必要な数の鍵の組み合わせを得るために、従来
の鍵で操作される錠は複数のタンブラー板を使
い、各ダンプラー板が別のばねにより内側へ付勢
されている。ある場合にはばねがタンブラー板外
端に係合し、一方別の錠ではタンブラー板が横に
出たラグないし耳を有していてばねがそのラグに
係合している。

発明が解決しようとする問題点 近年、車輌等の設計変更により、従来形式のド
ア錠を取りつける空間が実質的に減少しタンブラ
ー板錠は限られた空間に適合しない。

本発明は、鍵で操作され、保安面、鍵の大き
さ、鍵の組み合わせの数、及び天候しや断性にお
いて従来の錠と同等の性能を有しながら、実質的
に長さが短かく、従来の錠が設置不可能な部位に
設置可能な改良された錠を提供するものである。

問題点を解決するための手段 本発明になる錠では２対のタンブラー板がシリ
ンダ内の案内路を滑動するよう設けられている。
各対のタンブラー板は平面接触するよう設けられ
各々シリンダ内のキーみぞに沿つて整列した開口
が備えられている。

タンブラー板が中立の位置へ付勢するために圧
縮ばねが各タンブラー板対毎にそれぞれ設けられ
た一列に整列したスロツトへ取りつけられ、ばね
の軸はタンブラー板の縦方向ないしキーみぞに直
角方向に向いている。ばねの端は案内路内に作ら
れた肩部にあたつており、鍵をぬき取るとばねは
各タンブラー板を中立の位置へ付勢し、中立位置
で各タンブラー板に設けられた開口部はシリンダ
内のキーみぞに沿つて整列するようになる。両歯
の非対称な鍵をキーみぞへ挿入すると鍵歯がタン
ブラー板を相対的に動かし、各ばねは圧縮されタ
ンブラー板は作動位置へと移動される。その際こ
の位置でタンブラー板側縁に作られている切欠き
がサイドバー施錠部材と合致する。切欠きがサイ
ドバーと合わさると、サイドバーは内側へと動け
るようになりシリンダと外部ケーシングの施錠が
解放され、シリンダがケーシングに対して回転で
きるようになる。

鍵が錠からぬかれるとばねがタンブラー板を案
内路内の中立位置へと戻しタンブラー板中の開口
部がキーみぞに沿つて整列するようになる。

両歯の非対称な鍵を平行接触したタンブラー板
と組み合わせて使うことにより従来の錠より錠の
長さを実質的に減少させることができる。

本発明になる錠はさらにキーみぞをふさぐよう
に付勢されている天候しや断用のシヤツターを有
している。

本発明の構成ではキーみぞはシリンダの中心線
上に位置しタンブラー板はサイドバー構造部と連
結してシリンダを外部ケーシングに対して施錠す
るようになつている。

産業上の利用分野 本発明にかかる錠は改良された種々の装着可能
性を有し、突出部やクリツプスロツト、あるいは
翼面などにも装着可能であり、さらにドアハンド
ル内に一体化することもできる。

本発明の他の目的は以下の説明中で明らかにな
るであろう。

実施例 図面は差し込み深さが浅く従来の錠よりも全長
が短い回転シリンダないしバレル２を包囲する外
部ケーシング１を含む錠を示す。シリンダ外端３
はケーシング１より突出しており、関連した作動
機能を行うべく作動部材への通常の連結を行うの
に用いられる。

シリンダ２はシリンダ中心線に沿つて設けられ
たキー溝４を備え、両歯の非対称な鍵５が錠を操
作するためにキーみぞ４へ差し込まれる。

ケーシング１の外端はケースキヤツプ６で閉じ
られており、カツプ状のシリンダキヤツプ７がケ
ースキヤツプ６の内側へ向けかつキヤツプの中央
開口を横切つて延在している。シリンダキヤツプ
７は１対の内側へ向いて曲つているフランジ８を
備え、フランジ８はキーみぞ４を横切り、シリン
ダ２の壁面に取りつけられた棒９に装着されてい
る。第１図及び第２図に示すようにシリンダキヤ
ツプ７はシリンダ２のキーみぞ４と整列した細長
い鍵穴１０を備えている。

錠を天候しや断するためシヤツター１１がシリ
ンダキヤツプ７の内側に取りつけられ、鍵５が錠
から引きぬかれている際鍵穴１０を閉鎖する働き
をする。第１図に示したようにシヤツタ１１は棒
９に枢支されている一対の側面フランジ１２を設
けられている。ねじりばね１３が棒９の回りに設
けられシヤツター１１を閉鎖すべく付勢してい
る。第２図に示す如くねじりばね１３の一端１４
はシリンダキヤツプ７の内面に係合しており、他
端１５はシヤツター１１の内面と係合している。
本構成によりばねの力がシヤツター１１を閉鎖す
べく付勢し、鍵穴１０を天候からしや断する。鍵
５を鍵穴１０へ差し込むとシヤツター１１は内側
へと回動し第１図に示したように鍵の差し込みが
可能となる。

本発明ではシリンダ２はキーみぞ４と交差する
向きに一対の平行な案内路１６及び１７を有し、
１対のタンブラー板１８及び１９がそれぞれの案
内路１６及び１７の中で各々滑動するように設け
られている。第３図に最も良く示されるように各
タンブラー板１８及び１９には中心開口部２０が
設けられキーみぞ４がこの開口部と一致してい
る。

タンブラー板１８及び１９の両端２１は第３図
に示す如く円形をしておりシリンダ２の内壁の曲
率と適合している。

中心開口部２０に加え、各タンブラー板１８，
１９はスロツト２２を有し、この細窓は第４図に
最も良く示されるように整列している。圧縮ばね
２３が各タンブラー板対に設けられた整列したス
ロツト内へ取りつけられ、ばねの軸は案内１６，
１７に平行になつている。第３及び４図に示す如
く、ばね２３はそれぞれスロツト２２の一端と案
内路１６及び１７に隣接してシリンダ２に設けら
れた肩部２４及び２５を支えている。各バネ２３
は固定された肩部２４と２５とに係合しているた
めタンブラー板１８と１９は鍵５が引きぬかれた
場合あらかじめ設定された中立位置に戻ることに
なる。

鍵５がキーみぞ４へ差し込まれると鍵刃の両側
の鍵歯２６がそれぞれのタンブラー板対１８と１
９を相対的に動かすことになり、その際第５図に
示すごとくばね２３が圧縮される。タンブラー板
１８と１９の側縁にＶ字型をした切欠き２７が設
けられており、鍵が錠に差し込まれるとタンブラ
ー板１８と１９は鍵歯２６により操作位置へと動
かされ、切欠き２７が一列に整列する。整列した
切欠き２７はシリンダ２内の通路２９を滑動する
よう設けられているサイドバー２８を受け入れ
る。第３図に最も良く示される如くサイドバー２
８の内端の頭部３０はＶ字型をしていて整列した
切欠き２７に合致する。

サイドバー２８は、サイドバーの両脚部３２と
３２間にある、基部３３とシリンダ２の内壁に固
定されたばね保持器３４との間に配置されたばね
３１により内側へと付勢されている。施錠状態で
は、鍵がキーみぞからぬかれているのでサイドバ
ー２８は外寄りの施錠位置にありサイドバー脚部
３２の外端がケーシング１の内側凹部３５とかみ
あい、ケーシング１内でのシリンダ２の回転を妨
げている。

鍵５をキーみぞ４からぬくとばね２３はタンブ
ラー板１８と１９を中立位置に保ち、タンブラー
板に設けられた開口部２０はキーみぞに沿つて整
列する。この状態でタンブラー板１８と１９の側
縁の切欠き２７は整列をくずしサイドバー２８は
外寄りの施錠位置へと動き、脚部３２の外端が凹
部３５に係合しシリンダがケーシング１の内部で
回転するのが妨げられる。

両歯の非対称な鍵５をキーみぞ４に差し込む
と、鍵の先端がシヤツター１１に当り、シヤツタ
ーを回動させ開く。鍵歯２６は次に各対のタンブ
ラー板１８と１９を互いに動かしばね２３は第５
図に示すように圧縮される。鍵を完全にシリンダ
へ差込むとタンブラー板の切欠きが整列しサイド
バー２８のＶ字型頭部３０は切欠きへとばね３１
の力で内側に動きシリンダをケーシング１から解
錠し回転できようにする。鍵５をぬくとばね２３
が伸びてタンブラー板１８，１９を元の中立位置
へ動かし、肩部２４と２５にばね２３の端部が係
合していることによりタンブラー板は開口部２０
がキーみぞ４に沿つて整列する中立位置で保持さ
れる。

タンブラー板１８と１９は同一サイズなので案
内路内で一方又は双方のタンブラー板を入れかえ
ることでさらに別の鍵の組み合わせが得られる。

本発明は保安面、鍵の大きさ、鍵の組み合わせ
の数、及び天候しや断性において従来の錠と同等
の性能を有しながら、実質的に長さが短かく、従
来の錠では設置不可能な部位に設置可能なよう改
良された錠を提供するものである。

本発明はサイドバー施錠部材を使用する如く図
示したが、本発明にて通常のシリンダケース施錠
部材を使用することもできる。

本発明は特許請求の範囲に記載の範囲内で種々
の変形をなしうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になる錠の鍵が差し込まれた状
態の縦断面図、第２図は鍵が引きぬかれた状態の
第１図における２−２線に沿つた断面図、第３図
は第１図における３−３線に沿つた断面図、第４
図は鍵がぬかれた状態のタンブラー板対を示す第
３図における４−４線に沿つた断面図、第５図は
鍵が差し込まれた状態を示す第４図と同様の断面
図、第６図は一対のタンブラー板とこれと協働す
るばねとを示す横断面部分図である。 １……外部ケーシング、２……シリンダ、３…
…シリンダ外側端、４……キーみぞ、５……鍵、
６……ケースキヤツプ、７……シリンダキヤツ
プ、８……側面フランジ、９……棒、１０……鍵
穴、１１……シヤツター、１２……側面フラン
ジ、１３……ねじりばね、１４，１５……ねじり
ばね端部、１６，１７……案内路、１８，１９…
…タンブラー板、２０……中心開口部、２２……
スロツト、２３……ばね、２４，２５……肩部、
２６……鍵歯、２７……切欠き、２８……サイド
バー、２９……通路、３０……サイドバー頭部、
３１……ばね、３２……サイドバー脚部、３３…
…サイドバー基部、３４……ばね保持器、３５…
…凹部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外部ケーシングと、 該外部ケーシング内に回転自在に設けられて、
   作動部材と連結されるべく構成されており、中央
   にキーみぞを有し更に、該キーみぞを横切る向き
   に案内路を有するシリンダと、 該シリンダを外部ケーシングに対して解錠自在
   に施錠する施錠手段と、 該案内路内で隣接して滑動すべく設けられ、 各々は該キーみぞに沿つて整列した開口部を有
   し、さらに該開口部と離間して整列し一対の対向
   した端部を有するスロツトを設けた一対のタンブ
   ラー板と、 該一対のタンブラー板の整列したスロツト内に
   て両端が各スロツトの端部に当接しているばね
   と、 一方が該ばねの一端と係合し、他方が該ばねの
   他端と係合するように該案内路に隣接するシリン
   ダへ設けられた一対の肩部と、 キーみぞ及び該開口部に収納され、それにより
   該タンブラー板を作動位置に移動する鍵と、 該作動位置にあるタンブラー板の状態に応じて
   施錠手段を解放し、それによりシリンダが外部ケ
   ーシングに対して回転し得るようになす手段と、 鍵が該キーみぞから引き抜かれた状態では該タ
   ンブラー板を中立位置に維持する該肩部と該ばね
   を係合する手段とを含む鍵で操作される錠。 ２ 各スロツトは細長であり、各タンブラー板の
   外辺から離間である請求項１の錠。 ３ 該肩部は該鍵が引き抜かれた際、キーみぞに
   整列するような位置に設けられている請求項１の
   錠。 ４ 該鍵は両歯の非対称な鍵である請求項１の
   錠。 ５ 該開口部は該シリンダの軸線上に位置し、該
   スロツトは該軸線よりはずれた位置にある請求項
   １の錠。