JPH0451966B2 - - Google Patents

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JPH0451966B2
JPH0451966B2 JP62236980A JP23698087A JPH0451966B2 JP H0451966 B2 JPH0451966 B2 JP H0451966B2 JP 62236980 A JP62236980 A JP 62236980A JP 23698087 A JP23698087 A JP 23698087A JP H0451966 B2 JPH0451966 B2 JP H0451966B2
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salt
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acid
silver
carboxylic acid
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Hideki Shimamoto
Hisao Nagara
Keiji Mori
Shingo Yoshida
Yoshiteru Kuwae
Kazuji Shiono
Takaaki Kishi
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は電解液、詳しくは電解コンデンサ駆動
用電解液に関するものである。 [従来の技術] 従来、電解液として、ジカルボン酸と四級アン
モニウム塩基との塩が知られている(米国特許第
4473864明細書)。 [発明が解決しようとする問題点] このような塩は、四級アンモニウム塩基が四級
アンモニウムハライドと水酸化アルカリとから合
成されるためハロゲンイオンを多量に含有してい
るが、通常の方法ではハロゲンイオンの除去は困
難であり、これを電解液に使用する場合、電解コ
ンデンサの陽極箔および引出しリードタブ部が腐
蝕を起こす等の問題点がある。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは上記問題点のない電解液を見出す
べく検討を重ねた結果、上記の塩を特定の方法で
精製したものがハロゲンイオンを実質的に含ま
ず、腐蝕を起こすことなく、しかも比電導度が高
い電解液を与えることを見出し、本発明に至つ
た。 すなわち、本発明は: 四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩aの
溶液を、金属銀、酸化銀、炭酸銀および有機酸銀
からなる群から選ばれる物質bで処理してなる、
ハロゲンイオンを実質的に含有しない四級アンモ
ニウム塩基とカルボン酸との塩の溶液からなるこ
とを特徴とする、電解コンデンサ駆動用電解液
(第1発明); 四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩aの
溶液を、金属銀、酸化銀、炭酸銀および有機酸銀
からなる群から選ばれる物質bで処理してハロゲ
ンイオンを実質的に除去し、次いでハロゲン化水
素cで処理してなる、ハロゲンイオンおよび銀イ
オンを実質的に含有しない四級アンモニウム塩基
とカルボン酸との塩の溶液からなることを特徴と
する、電解コンデンサ駆動用電解液(第2発
明); および 四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩aの
溶液を、下記()および()の工程で精製し
てなる、アルカリ金属イオン、ハロゲンイオンお
よび銀イオンを実質的に含有しない四級アンモニ
ウム塩基とカルボン酸との塩の溶液からなること
を特徴とする、電解コンデンサ駆動用電解液: () 塩aの溶液を、有機極性溶媒中で実質的
に無水の状態にしてアルカリ金属イオンをカル
ボン酸塩として除去する工程、および () 塩aの溶液を、金属銀、酸化銀、炭酸銀
および有機酸銀からなる群から選ばれる物質b
で処理してハロゲンイオンを実質的に除去し、
次いでハロゲン化水素cで処理して銀イオンを
除去する工程(第3発明)である。 本発明において四級アンモニウム塩基として
は、テトラアルキル(アルキルの炭素数は通常1
〜12)アンモニウムヒドロキシド、たとえばテト
ラメチレンアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピル
アンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモ
ニウムヒドロキシド、メチルトリエチルアンモニ
ウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウ
ムヒドロキシド;アリール(フエニルなど)トリ
アルキルアンモニウムヒドロキシド、たとえばフ
エニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド;シ
クロアルキル(シクロヘキシルなど)トリアルキ
ルアンモニウムヒドロキシド、たとえばシクロヘ
キシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド;ア
ラルキル(ベンジルなど)トリアルキルアンモニ
ウムヒドロキシド、たとえばベンジルトリメチル
アンモニウムヒドロキシド;およびN,N−ジア
ルキルピペリジニウムヒドロキシド、たとえば
N,N−ジメチルピペリジニウムヒドロキシ
ド);およびこれらの2種以上の混合物が挙げら
れる。 これらのうちで好ましいのは、テトラアルキル
アンモニウムヒドロキシド、とくにテトラエチル
アンモニウムヒドロキシドである。 四級アンモニウム塩基は、通常の方法、たとえ
ば三級アミンとハライド(アルキルハライド、ア
リールハライド、アラルキルハライドなど)とを
反応させて四級アンモニウムハライドとし、次い
でこれを水酸化アルカリと反応させることによ
り、製造することができる。 このようにして得られた四級アンモニウム塩基
は、たとえば20重量%の水またはメタノール溶液
とした場合には、溶液中にハロゲンイオンが通常
500〜3000ppm存在している。 本発明において、カルボン酸の例としては、ポ
リカルボン酸(2〜4価):脂肪族ポリカルボン
酸[飽和ポリカルボン酸、たとえばシユウ酸、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン
酸;不飽和ポリカルボン酸、たとえばマレイン
酸、フマール酸、イタコン酸、など];芳香族ポ
リカルボン酸、たとえばフタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、トリメリツト酸、ピロメリツ
ト酸;脂環式ポリカルボン酸、たとえばテトラヒ
ドロフタル酸(シクロヘキセン−1,2−ジカル
ボン酸、シクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸
など)、ヘキサヒドロフタル酸;これらのポリカ
ルボン酸のアルキル(炭素数1〜3)もしくはニ
トロ置換体、たとえばシトラコン酸、ジメチルマ
レイン酸、ニトロフタル酸(3−ニトロフタル
酸、4−ニトロフタル酸など;および硫黄含有ポ
リカルボン酸、たとえばチオジプロピオン酸; モノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸(炭素数
1〜30)[飽和モノカルボン酸、たとえばギ酸、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、
カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸;不飽和モノカルボン酸、たとえば
アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸];芳香
族モノカルボン酸、たとえば安息香酸、ケイ皮
酸、ナフトエ酸;オキシカルボン酸:脂肪族オキ
シカルボン酸、たとえばグリコール酸、乳酸、酒
石酸;芳香族オキシカルボン酸、たとえばサリチ
ル酸、マンデル酸、レゾルシル酸; およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。 これらのうちで好ましいのは、ポリカルボン酸
(とくにジカルボン酸)であり、更に好ましいの
はマレイン酸、フタル酸、およびテトラヒドロフ
タル酸(とくにシクロヘキサン−4,5−ジカル
ボン酸)である。 四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩の溶
液に使用される溶剤の例としては、アルコール類
[1価アルコール、たとえばブチルアルコール、
ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、ア
ミノアルコール;2価アルコール、たとえばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチ
レングリコール、ヘキシレングリコール、フエニ
ルグリコール;3価アルコール、たとえばグリセ
リン、トリメチロールプロパン、3−メチルペン
タン−1,3,5−トリオール、1,2,6−ヘ
キサントリオール;ヘキシトール、たとえばソル
ビトール等];エーテル類[モノエーテル、たと
えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルフエニルエーテル;ジエーテル、たとえばエチ
レングリコールジメチルエーテル、エチレングリ
コールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル];アミド類[ホルムアミド類、たと
えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,
N,−ジエチルホルムアミド;アセトアミド類、
たとえばN−メチルアセトアミド、N,N,−ジ
メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、
N,N,−ジエチルアセトアミド;プロピオンア
ミド類、たとえばN,N,−ジメチルプロピオン
アミド;ヘキサメチルホスホリルアミド等];オ
キサゾリジノン類、たとえばN−メチル−2−オ
キサゾリジノン、N−エチル−2−オキサゾリジ
ノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノ
ン;ラクトン類、たとえばγ−ブチロラクトン、
γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン;;カ
ーボネート類、たとえばエチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート;ニトリル類、たとえば
アセトニトリル、アクリロニトリル、3−メトキ
シプロピオニトリル;イミダゾリジノン類、たと
えば1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンス
ルホキシド類、たとえばジメチルスルホキシド
等;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。 また、必要により水を含有させることもでき
る。 これらの溶剤のうち好ましいのは、アミド類
(とくにジメチルホルムアミド)、オキサゾリジノ
ン類(とくに3−メチル−1,3−オキサゾリジ
ノン−2−オン)、ラクトン類(とくにγ−ブチ
ロラクトン)、およびイミダゾリジノン類(とく
に1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)で
ある。 四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩aを
形成するに当り、四級アンモニウム塩基に対する
カルボン酸のモル比は、通常0.95以上、好ましく
は1.0〜1.2である。モル比が0.95未満では、ハロ
ゲンイオンの除去率が低下する。 塩aの溶液は、例えば溶剤中にカルボン酸およ
び四級アンモニウム塩基の水またはメタノール溶
液(濃度は通常5〜40重量%)を投入し、均一に
攪拌することによつて、得ることができる。 このようにして得られる塩aの溶液中のハロゲ
ンの含量は通常50〜3000ppmである。 塩aの含有量は、溶液の重量に基づいて、通常
50%以下、好ましくは5〜30%である。50%を越
えると溶解性が悪くなる。 本発明で用いられる物質bのうち、有機酸銀と
しては、ポリカルボン酸(たとえばシユウ酸、コ
ハク酸)、モノカルボン酸(炭素数1〜10:たと
えばギ酸、酢酸、プロピオン酸)などのような有
機酸の銀塩が挙げられる。 本発明において、四級アンモニウム塩基とカル
ボン酸との塩aの溶液の処理に用いられる、金属
銀、酸化銀、炭酸銀および有機酸銀からなる群か
ら選ばれる物質bの添加量は、溶液中に存在する
ハロゲンイオンの当量に基づいて、銀の当量とし
て通常1〜3、好ましくは1.0〜1.5である。上記
範囲より少ない添加量ではハロゲンイオンが残存
し、また上記範囲より多く添加すると銀イオンが
多量残存する。 塩aの溶液への物質bの添加は、通常、常温で
行なわれる。反応(物質bによる処理)の時間は
通常1〜10時間である。この反応により溶液中の
ハロゲンイオンはハロゲン化銀として沈澱する。 反応後、水またはメタノールを減圧留去した
後、濾過してハロゲン化銀塩を除去することによ
り、ハロゲンイオンを実質的に含有しない、四級
アンモニウム塩基とカルボン酸との塩の溶液を製
造することができ、本発明(第1発明)の電解液
に供することができる。 かくして得られる溶液中のハロゲンイオンの含
有量は、通常5ppm以下であり、条件の選定によ
り1ppm以下にすることができる。 また、四級アンモニウム塩基とカルボン酸との
塩aの溶液を金属銀、酸化銀、炭酸銀および有機
酸銀からなる群から選ばれる物質bで処理し、更
にハロゲン化水素cで処理することにより、ハロ
ゲンイオンおよび銀イオンを実質的に含有しな
い、四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩の
溶液からなる本発明(第2発明)の電解液とする
ことができる。 第2発明において、塩aの溶液の処理に用いら
れる物質bの添加量は、溶液中に存在するハロゲ
ンイオンの当量に基づいて、銀の当量として通常
1以上、好ましくは1.0〜1.5である。1未満では
ハロゲンイオンが残存する。得られる溶液中のハ
ロゲンイオンの含有量は、通常5ppm以下であり、
条件の選定により1ppm以下にすることができる。
この溶液中の銀イオンの含有量は通常10〜
400ppmである。塩の含有量は溶液の重量に基づ
いて通常50%以下、好ましくは5〜30%である。 この溶液の処理に用いられるハロゲン化水素c
としては、弗化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ
化水素、およびそれらの水溶液が挙げられる。通
常は塩化水素、好ましくはその水溶液である。 cの添加量は溶液中に存在する銀イオンと等当
量である。cは、塩の溶液に、攪拌下に一括また
は分割して添加することができる。添加は、通常
常温で行なわれる。反応(cによる処理)の時間
は通常30分〜10時間である。攪拌後、濾過してハ
ロゲン化銀塩を除去することにより、ハロゲンイ
オンおよび銀イオンを実質的に含有しない、四級
アンモニウム塩基とカルボン酸との塩の溶液を製
造することができる。 かくして得られる溶液中の銀イオンの含有量
は、通常2ppm以下であり、条件の選定により
1ppm以下にすることができる。 前述の方法で(三級アミンとハライドとを反応
させ次いで水酸基化アルカリと反応させて)得ら
れる四級アンモニウム塩基は、例えば20重量%水
またはメタノール溶液とした場合には、溶液中に
アルカリ金属イオンが通常500〜5000ppm程度存
在しており、これをカルボン酸と反応させて得ら
れる塩aの溶液中にアルカリ金属イオンが残存し
ているが、このような塩aの溶液は、()有機
極性溶媒中で実質的に無水の状態にする工程、お
よび()bで処理し次いでcで処理する工程と
を組合せることにより、アルカリ金属イオン、ハ
ロゲンイオンおよび銀イオンを実質的に含有しな
い、四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩の
溶液からなる本発明(第3発明)の電解液とする
ことができる。 第3発明において、工程()に使用される有
機極性溶媒としては前述の溶剤が挙げられる。 第3発明において、工程()および工程
()は何れが先行してもよい。 工程()に次いで工程()を行う場合にお
いて、四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩
aを形成するに当り、四級アンモニウム塩基に対
するカルボン酸のモル比は、通常1.0以下、好ま
しくは0.9〜1.0である。モル比が1.0を越えると、
有機極性溶媒中で実質的に無水の状態にしてアル
カリ金属をカルボン酸塩として除去する場合の除
去率が低下する。塩aの溶液は、例えば有機極性
溶媒中にカルボン酸および四級アンモニウム塩基
の水またはメタノール溶液(濃度は通常5〜40重
量%)を投入し、均一に攪拌することによつて、
得ることができる。このようにして得られる塩a
の溶液中のアルカリ金属イオンの含量は通常50〜
4000ppmである。塩aの含有量は、溶液の重量に
基づいて、通常50%以下、好ましくは5〜30%で
ある。50%を越えると溶解性が悪くなる。 この場合の工程()において、塩aの溶液が
有機極性溶媒を含有するときは、水またはメタノ
ールを減圧留去して実質的に無水(水分含量:通
常1%以下、好ましくは0.2%以下)の状態にし
て、形成されるアルカリ金属カルボン酸塩を濾別
することにより、アルカリ金属イオンを実質的に
含有しない塩aの溶液を製造することができる。
また、水またはメタノール中で形成した塩aの溶
液(有機極性溶媒不含)では、水またはメタノー
ルを減圧留去して実質的に無水の状態にした後、
有機極性溶媒を投入し、形成されるアルカリ金属
カルボン酸塩を濾別することにより、アルカリ金
属イオンを実質的に含有しない塩aの溶液を製造
することができる。かくして得られる溶液中のア
ルカリ金属イオンの含有量は通常100ppm以下で
あり、条件の選定により50ppm以下にすることが
できる。 アルカリ金属イオンを実質的に含有しない塩a
の溶液は、次いで工程()において、bで処理
し次いでcで処理されるが、その方法、条件は前
記(第2発明)と同様でよい。 また、工程()で次いで工程()を行う場
合において、工程()は前記(第2発明)と同
様にして行なうことができ;得られたハロゲンイ
オンおよび銀イオンを実質的に含有しない塩aの
溶液は、次いで工程()におて、有機極性溶媒
中で実質的に無水の状態にしてアルカリ金属をカ
ルボン酸塩として除去するが、その方法、条件は
前記の場合の工程()と同様でよい。 本発明の電解液は、このようにして得られた、
実質的にハロゲンイオンを含有しない、四級アン
モニウム塩基とカルボン酸との塩の溶液からな
り、その塩の含有量は通常1〜50重量%好ましく
は5〜30重量%である。該塩の含量が1%より少
ないと電解液の比電導度が上がらず、また50%を
越えると溶解性が悪くなる。 本発明の電解液は、電解コンデンサ用電解液
(たとえばアルミ電解コンデンサ用電解液)とし
て使用できる。アルミ電解コンデンサ用電解液に
用いる方法は例えば米国特許第4432612号明細書
に記載の方法が挙げられる。 [実施例] 以下、実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。 実施例において部および%はそれぞれ重量部お
よび重量%を示す。 実施例 1 γ−ブチロラクトン750部にフタル酸158部を分
散させた中へ、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド20%メタノール溶液675部を投入した。(テ
トラエチルアンモニウムヒドロキシドに対してフ
タル酸は1.04モル使用した。) 得られた均一な溶液の塩素イオン含有量は
800ppmであつた。 この溶液1000部に酸化銀2.8部(銀の当量とし
て塩素イオンの1.07倍)投入し、室温で4時間攪
拌した。メタノールを減圧留去後、濾過してγ−
ブチロラクトン溶液からなる本発明の電解液600
部を得た。 実施例 2 ジメチルホルムアミド900部にマレイン酸45.6
部を溶解させた中へテトラエチルアンモニウムヒ
ドロキシド20%水溶液272部投入した。(テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシドに対してマレイン
酸は1.06モル使用した。) 得られた均一な溶液の塩素イオン含有量は
450ppmであつた。 この溶液1000部に酸化銀1.8部(銀の当量とし
て塩素イオンの1.3倍)投入し、室温で2時間攪
拌した。水を減圧留去後、濾過してジメチルホル
ムアミド溶液からなる本発明の電解液530部を得
た。 比較例 1 マレイン酸を38.7部使用した以外は実施例2と
同じ操作を行ない(テトラエチルアンモニウムヒ
ドロキシドに対してマレイン酸は0.9モル使用)、
ジメチルホルムアミド溶液600部を得た。 これらの電解液の塩素イオン含量および比電導
度は表1の通りであつた。
【表】 実施例 3 γ−ブチロラクトン750部にフタル酸158部を分
散させた中へ、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド20%メタノール溶液675部を投入した。(テ
トラエチルアンモニウムヒドロキシドに対してフ
タル酸は1.04モル使用した。) 得られた均一な溶液の塩素イオン含有量は
800ppmであつた。 この溶液1000部に酸化銀2.8部(銀の当量とし
て塩素イオンの1.07倍)投入し、室温で4時間攪
拌した。メタノールを減圧留去後、濾過してγ−
ブチロラクトン溶液550部を得た。 次いで、この溶液500部にN/10塩酸水9.3部
(残存する銀200ppmと等当量)を投入し、室温で
4時間攪拌した。水を減圧留去した後、濾過して
γ−ブチロラクトン溶液からなる本発明の電解液
480部を得た。 比較例 2 フタル酸を137部使用した以外は、実施例3と
同じ操作を行ない(テトラエチルアンモニウムヒ
ドロキシドに対してフタル酸は0.9モル使用)、γ
−ブチロラクトン溶液485部を得た。 これらの電解液の塩素イオンおよび銀イオンの
含量、および比電導度は表2の通りであつた。
【表】 実施例 4 γ−ブチロラクトン800部にマレイン酸127部を
溶解させた中へ、テトラエチルアンモニウムヒド
ロキシド20%水溶液820部を投入した。(テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシドに対してマレイン
酸は0.98モル使用した。) 得られた均一な溶液のカリウムイオン含有量は
1320ppm、塩素イオンは520ppmであつた。 この溶液から、水分が0.2%になるまで水を減
圧留去した後、マレイン酸カリウムを濾別して、
溶液1050部を得た。得られた溶液のカリウムイオ
ンは28ppm、塩素イオンは830ppmであつた。 次いで、この溶液にマレイン酸6部と酸化銀6
部を投入し、室温で8時間攪拌した後、濾過し
て、γ−ブチロラクトン溶液を得た。 得られた溶液の塩素イオン含量は1ppm以下、
銀イオン含量は240ppmであつた。 次いで、この溶液1000部にN/10塩酸水22.2部
を投入し、室温で5時間攪拌した後、濾過してγ
−ブチロラクトン溶液からなる本発明の電解液
950部を得た。 実施例 5 γ−ブチロラクトン800部にフタル酸193部を分
散させた中へ、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド20%水溶液820部を投入した。(テトラエチ
ルアンモニウムヒドロキシドに対してフタル酸は
1.04モル使用した。) 得られた均一な溶液のカリウムイオン含有量は
1280ppm、塩素イオンは500ppmであつた。 この溶液に酸化銀3.6部を投入し、室温で10時
間攪拌した後、濾過した。得られた溶液のカリウ
ムイオンは1280ppm、銀イオンは200ppm、塩素
イオンは1ppm以下であつた。 次いで、この溶液1750部にN/10塩酸水32.4部
を投入し、室温で8時間攪拌した後、濾過した。
得られた溶液のカリウムイオンは1270ppmで、銀
イオン、塩素イオンはともに1ppm以下であつた。 次いで、この溶液1700部から、水分が0.15%に
なるまで水を減圧留去した後、フタル酸カリウム
を濾別して、γ−ブチロラクトン溶液からなる本
発明の電解液980部を得た。 これらの電解液のアルカリ金属イオン、塩素イ
オンおよび銀イオンの含量、および比電導度は表
3の通りであつた。
【表】 使用例 上記の実施例4および5の電解液と比較例1お
よび2の電解液を、電解コンデンサに適用し、初
期および125℃1000時間後の特性値[静電容量、
tanδ、漏れ電流(n=20の平均)]と125℃×1000
時間後の腐蝕発生数を測定した。その結果を表4
に示す。なお、試料コンデンサは、定格
35V470μF(φ16×l32)のアルミ電解コンデンサ
で125℃高温負荷のデータである。
【表】 [発明の効果] 本発明の電解液は、ハロゲンイオンを実質的に
含有しない(ハロゲンイオンの含量:5ppm以下
とくに1ppm以下)ため、ハロゲンイオンによる
金属の腐蝕を起こすことなく、高温でも安定な電
解コンデンサを得ることができ、且つ、比電導度
の高い電解液を低コストで製造することができ、
コンデンサの高信頼化、低損失化、低コスト化に
有効である。 上記効果を奏することから、本発明の電解液
は、電解コンデンサ用電解液、たとえばアルミ電
解コンデンサ用電解液などの用途において有効性
を発揮し、工業的価値は大きい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩a
    の溶液を、金属銀、酸化銀、炭酸銀および有機酸
    銀からなる群から選ばれる物質bで処理してな
    る、ハロゲンイオンを実質的に含有しない四級ア
    ンモニウム塩基とカルボン酸との塩の溶液からな
    ることを特徴とする、電解コンデンサ駆動用電解
    液。 2 塩aが四級アンモニウム塩基1モルに対しカ
    ルボン酸を0.95モル以上使用して形成した塩であ
    る、特許請求の範囲第1項記載の電解液。 3 カルボン酸がジカルボン酸である、特許請求
    の範囲第1または2項記載の電解液。 4 ハロゲンイオン含有率が5ppm以下である、
    特許請求の範囲第1,2または3項記載の電解
    液。 5 四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩a
    の溶液を、金属銀、酸化銀、炭酸銀および有機酸
    銀からなる群から選ばれる物質bで処理してハロ
    ゲンイオンを実質的に除去し、次いでハロゲン化
    水素cで処理してなる、ハロゲンイオンおよび銀
    イオンを実質的に含有しない四級アンモニウム塩
    基とカルボン酸との塩の溶液からなることを特徴
    とする、電解コンデンサ駆動用電解液。 6 塩aが四級アンモニウム塩基1モルに対しカ
    ルボン酸を0.95モル以上使用して形成した塩であ
    る、特許請求の範囲第5項記載の電解液。 7 カルボン酸がジカルボン酸である、特許請求
    の範囲第5または6項記載の電解液。 8 ハロゲンイオン含有率が5ppm以下である、
    特許請求の範囲第5,6または7項記載の電解
    液。 9 四級アンモニウム塩基とカルボン酸との塩a
    の溶液を、下記()および()の工程で精製
    してなる、アルカリ金属イオン、ハロゲンイオン
    および銀イオンを実質的に含有しない四級アンモ
    ニウム塩基とカルボン酸との塩の溶液からなるこ
    とを特徴とする、電解コンデンサ駆動用電解液: () 塩aの溶液を、有機極性溶媒中で実質的
    に無水の状態にしてアルカリ金属イオンをカル
    ボン酸塩として除去する工程、および () 塩aの溶液を、金属銀、酸化銀、炭酸銀
    および有機酸銀からなる群から選ばれる物質b
    で処理してハロゲンイオンを実質的に除去し、
    次いでハロゲン化水素cで処理して銀イオンを
    除去する工程。 10 工程()における塩aが四級アンモニウ
    ム塩基1モルに対しカルボン酸を1.0モル以下使
    用して形成した塩である、特許請求の範囲第9項
    記載の電解液。 11 工程()における塩aが四級アンモニウ
    ム塩基1モルに対しカルボン酸を0.95モル以上使
    用して形成した塩である、特許請求の範囲第9項
    記載の電解液。 12 工程()に次いで工程()の処理を行
    なつた特許請求の範囲第9,10または11項記
    載の電解液。 13 工程()に次いで工程()の処理を行
    なつた特許請求の範囲第9,10または11項記
    載の電解液。 14 カルボン酸がジカルボン酸である、特許請
    求の範囲第9〜13項の何れか記載の電解液。 15 ハロゲンイオン含有率が5ppm以下である、
    特許請求の範囲第9〜14項の何れか記載の電解
    液。
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JPS5423960A (en) * 1977-07-22 1979-02-22 Marukon Denshi Kk Electrolyte for driving electrolytic capacitor
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