JPH0451533Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、運転席の側方でポジシヨンコントロ
ールや耕深制御等の作業部の姿勢制御が出来るよ
うにした農用トラクタにおける制御操作部構造に
関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする問題点］ 従来、この種農用トラクタのなかには、走行機
体に設けた作業部の高さ制御をするポジシヨンコ
ントロールや耕耘深さを制御する耕深制御、機体
に対する作業部の水平制御を行う水平制御等の姿
勢制御を行うようにしたものがある。そしてこの
場合、これら姿勢制御用の操作部材を、運転席の
側方に集中的に配して調整制御ができるようにす
ることが操作上の観点からもも好ましいものであ
る。しかるにこの様にした場合、前記操作部材を
集中的に配備するためのスペースを運転席の側方
に確保することが難しく、制御部材がどうしても
分散配置されてしまい操作性に劣るという欠点が
ある。しかも操作部材がダイヤル等の調整を要す
るものについては、何れも水平なパネル面上に設
置されていることもあつて、作業時や洗車時等の
際に水や泥土が浸入しやすく、かつ浸入したもの
の排出が迅速に行われない許りか、泥や砂が作動
部に詰つて故障の大きな要因になつている。しか
も例えば後方確認をしながら作業するような場合
に、操作部材の向きが作業者姿勢に合わず、無理
な作業姿勢を強いられるなどの欠点があり問題に
なつている。

［問題を解決するための手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点
を一掃することができる農用トラクタにおける制
御操作部構造を提供することを目的として創案さ
れたものであつて、走行機体に設けた作業部の姿
勢制御を、ポジシヨンコントロール、耕深制御等
の制御をする操作部材の調整によつて行うように
構成した農用トラクタにおいて、前記走行機体の
運転席側方に操作パネル部を形成し、該操作パネ
ル部には、前側にポジシヨンコントロール用操作
レバーのガイド部を、またこのガイド部に続く後
方に後側ほど低い傾斜部をそれぞれ設けると共
に、前記傾斜部には、耕深制御等の姿勢制御をす
る操作部品を配したことを特徴とするものであ
る。

そして本考案は、この構成によつて、姿勢制御
用の操作部材を運転席側方にコンパクトにしかも
操作性の良い状態に集中配置でき、かつ水等から
の保護をも確実に計ることができる様にしたもの
である。

［実施例］ 次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。図面において、１は農用トラクタの走行機体
であつて、該走行機体１の後方にはロータリ式の
耕耘作業部２がリンク機構３を介して上下昇降動
自在に設けられている。４は走行機体１のフエン
ダー部であつて、該フエンダー部４は、実施例で
はステツプ部５も含めて左右一体成形されたもの
であるが、左右のフエンダー部４に挟まれる中央
部には座席６が設けられている。ここで、７は運
転ハンドル、８はフエンダー部４によつて覆われ
る後輪、９は前輪である。

前記フエンダー部（実施例では右側のもの）４
と座席６との間にユニツト化された操作パネル部
１０が形成されている。即ち、この操作パネル部
１０は、一体成形されたパネル板１１にポジシヨ
ンコントロール用の操作レバー１２、耕耘深さを
自動的に制御する耕深自動制御の制御深さを設定
する操作ダイヤル１３、機体に対する作業部２の
左右姿勢を自動的に制御する水平自動制御の左右
傾斜量を設定する操作ダイヤル１４、傾斜手動制
御用の切換えスイツチ１５、並びに傾斜感度を切
換える感度切換えスイツチ１６、耕深感度を切換
える耕深切換えスイツチ１６ａが集中配設される
ことによつて構成されているが、前記ポジシヨン
レバー１２は、基部がパネル板１１の前側裏面に
緊着固定された取付け板１２ａに一体的に組付け
られており、そして前側が低く後側が高くなる円
弧状のレバーガイド部１１ａにガイドされて、前
方略水平状の倒伏姿勢から上方略垂直状の起立姿
勢に揺動操作できるようになつている。さらに前
記パネル板１１は、レバーガイド部１１ａの後側
において段差状に低く、かつ後方ほど低くなるよ
う傾斜した傾斜部１１ｂが形成されており、該傾
斜部１１ｂには、上側に耕深制御用操作ダイヤル
１３が下側に水平制御用操作ダイヤル１４が前後
にそれぞれ配されている。そしてこの傾斜部１１
ｂは、その位置と傾斜角とを、座席６に座した作
業者が右下方を向いた際の視線と略直行するよう
に設定されている。さらに傾斜部１１ｂの後方に
は水平部１１ｃが延長状に形成されており、ここ
には前述の切換えスイツチ１５，１６，１６ａが
前後に設けられている。そしてこれらダイヤル１
３，１４、並びにスイツチ１５，１６，１６ａ
は、ポジシヨンレバー１２よりも機体外側方に偏
寄する状態で前後方向に直列的に配されている。

１７はカバー体であつて、該カバー体１７は、
内部が見えるよう透光性の部材によつて形成され
るものであるが、その後端部をパネル板水平部１
１ｃにヒンジ１８を介して前後方向に開閉自在に
蝶着されている。しかもカバー体１７の前端部に
は鉄やニツケル等の強磁性金属によつて形成され
るプレート１９が一体的に設けられている。そし
てカバー体１７は、これを閉塞した場合に、プレ
ート１９が傾斜部１１ｂの頂部に設けた磁性体２
０に吸着されることによつて該閉塞姿勢に保持さ
れるようになつている。しかもカバー体１７は、
上記閉塞状態で、その前側上面がレバーガイド部
１１ａの上端部から殆ど段差のない状態で続くよ
うになつている。

尚、図中、２２は運転席６の前方に配した操作
パネル、２２ａ，ｂは操縦パネル２２にそれぞれ
設けた耕深自動モニタランプ、傾斜自動モニタラ
ンプ、２３はポジシヨンコントロールレバー１２
の操作範囲を規制するレバー規制体である。

叙述の如く構成された本考案の実施例におい
て、ポジシヨンコントロール、耕深自動制御、傾
斜自動制御による作業部２の姿勢制御は前述した
レバーやダイヤル、スイツチの操作によつて随意
に行うことができるものであるが、それらの操作
は、座席６の側方において集中して行うことがで
きる。即ち、ポジシヨンコントロールによる作業
部２の高さ制御は、操作パネル部２の前方に配し
たポジシヨンレバー１２のレバー操作によつて行
うことができ、またその後方に集中して配された
ダイヤル１３，１４、スイツチ１５，１６類の操
作で、作業部の作業姿勢を任意に制御できること
になる。

この様に本考案においては、作業部２の姿勢制
御をする操作部材を座席６の側方に集中配備した
ものでありながら、特に微調整操作が必要なダイ
ヤル類については、ガイドレバー部１１ａの後方
に形成した傾斜部１１ｂに設けたため、作業者が
座席６に座した状態で、手をパネル体１１にその
ままおいた自然の姿勢で操作することができ、従
つて、微調整操作を必要とするダイヤル操作を正
確にしかも容易に行うことができる。さらにこれ
らのダイヤル操作部は、その取付けスペースを傾
斜した部位に取付けた分、コンパクトなものにで
き、もつて狭いスペースでの集中配備を可能とす
る許りでなく、雨水や洗浄水が付着したとして
も、これらは傾斜面を伝わつて積極的に流されて
しまうため、水と共に浸入する泥や砂がダイヤル
内に入り込んで円滑な操作が損われてしまうこと
を効果的に防止でき、部材の長寿命化が計れて長
期に亘つて信頼性の高い確実な操作ができること
となる。

そのうえ、作業に際して最も頻繁に使用するダ
イヤル類が座席６に座した作業者の視線に略直行
する状態で前後に配されているので、作業者がダ
イヤル類を目視しやすくなつて、誤操作の防止に
大いに寄与できることになる。

さらにカバー体１７は、閉鎖した状態では、前
側上面がレバーガイド部１１ａから段差のない略
フラツトな構成になつているので、レバーガイド
部１１ａの後側を段差状に低くしたとしても、カ
バー体１７で蓋をした場合には突出している部所
が各別にあるわけではなく、従つてポジシヨンレ
バー１１の操作の際に、カバー体１７で蓋をして
いるときは勿論、蓋を開けているときにはダイヤ
ル類は低い位置にあるので、何れにしろ作業着の
袖が引掛つてしまうようなことはない。そのう
え、ポジシヨンレバー１２の後方に配された前記
ダイヤル類等は、さらにポジシヨンレバー１２よ
りも機体外側にあるため、前方にあるポジシヨン
レバー１２を操作しやすいよう内側に配したとし
ても、ダイヤル類が座席に座する作業者の足の影
になつて見にくくなることを防止できることにな
る。

尚、本考案は前記実施例に限定されるものでな
いことは勿論であるが、操作パネル部としては、
フエンダーと運転席との間にこれらの設置スペー
スが確保できるもの（中型クラスのものであれば
機幅も広く可能）であれば前記実施例のようにそ
のスペースに設けることができるが、それができ
ないものは、フエンダーに設けることもできる。
また、傾斜部に設ける操作部材としては、ダイヤ
ル式ではなくスライド式のものであつても良く、
また必要においてスイツチ類も設けることができ
ることは言うまでもない。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成したも
のであるから、作業部の姿勢制御を行うダイヤル
等の操作部材は、ポジシヨンコントロール用レバ
ーのレバーガイド部後方の、後側ほど低く傾斜し
た傾斜部に設けられることとなり、この結果、そ
の設置スペースが傾斜している分だけコンパクト
にできる許りでなく、運転席に座した作業者から
の操作と目視が極めて自然に成されることとな
る。従つて、操作性が向上して誤操作防止を計る
ことができ、さらに操作パネル部にかかつた水滴
等は、傾斜部では積極的に流されて操作部材に浸
入してしまう不具合を効果的に回避できて、故障
の発生を少なくし得、もつて長期に亘つて円滑か
つ確実な作動を行わしめて、信頼性の極めて高い
ものにできることとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る農用トラクタにおける制
御操作部構造の一実施例を示すものであつて、第
１図は農用トラクタの全体側面図、第２図は座席
部の側面図、第３図は同上正面図、第４図は同上
平面図、第５図は操作パネル部の断面側面図、第
６図は同上断面正面図、第７図は操作パネルの正
面図である。 図中、１は走行機体、２は作業部、１０は操作
ハネル部、１１はパネル板、１１ａはレバーガイ
ド部、１１ｂは傾斜部、１２はポジシヨンコント
ロールレバー、１３，１４はダイヤル類である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行機体に設けた作業部の姿勢制御を、ポジシ
   ヨンコントロール、耕深制御等の制御をする操作
   部材の調整によつて行うように構成した農用トラ
   クタにおいて、前記走行機体の運転席側方に操作
   パネル部を形成し、該操作パネル部には、前側に
   ポジシヨンコントロール用操作レバーのガイド部
   を、またこのガイド部に続く後方に後側ほど低い
   傾斜部をそれぞれ設けると共に、前記傾斜部に
   は、耕深制御等の姿勢制御をする操作部品を配し
   たこと特徴とする農用トラクタにおける制御操作
   部構造。