JPH0450775B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はSS（衛星切換）−TDMA（時分割多元
接続）衛星通信地球局に備える同期維持装置に関
する。

（従来の技術） 周知のように、SS−TDMA衛星通信方式は、
TDMA方式における周波数利用効率等を一層高
めるために案出されたもので、通信衛星に周波数
再利用による多数の送受信用スポツトビームを構
成し、多数のトランスポンダと多数の送受信用ビ
ームとの接続切換を衛星搭載のマトリツクススイ
ツチにて行い、各地球局は自ビームと目的ビーム
が接続されるタイミングに合わせてバーストを送
出する方式である。そして、通常基準局が同期維
持装置を備えて衛星上の切換シーケンスの切換周
期との同期をとり、一般の地球局（従局）は衛星
スイツチの存在を気にかけることなく通常の
TDMA方式と同様な動作を行えるようにし、以
てTDMA方式からSS−TDMA方式への円滑な
移行を可能にしている。

次に、第２図を参照して従来の同期維持方式を
説明する。衛星搭載のマトリツクススイツチは予
め定められたシーケンスに従つて接続切り換えを
行うが、同じシーケンスの各TDMAフレームご
と繰り返される。そして、マトリツクススイツチ
の切換シーケンスには、毎フレームに少なくとも
１回、同じ時刻に自ビーム折返し（ループバツ
ク）となるような接続が予め設定されており、こ
のタイムスロツトは同期維持用のウインドと称さ
れている。基準局はこの同期維持用のウインドに
て同期用バーストをループバツク送受信し、マト
リツクススイツチの切換シーケンスの開始タイミ
ングを検出し、フレーム同期を確立するのであ
る。

同期用バーストは、第２図ａ１に示す如く、３
つの信号領域からなり、前段の信号領域にはキヤ
リア再生やクロツク再生のためのリカバリが、中
段の信号領域には当該信号が同期用バーストであ
ることを示すユニークワードが、後段の信号領域
には同期制御のための特定のビツトパターン（メ
トリツクビツトパターンと呼ばれる）がそれぞれ
設定される。そして、メトリツクビツトパターン
は前半メトリツクビツトパターンと後半メトリツ
クビツトパターンに区分され、その境界位置が送
信位置誤差検出の基準位置となつている。

即ち、第２図ａ２に示す如き同期維持用のウイ
ンドにて同期用バーストをループバツク送受信す
るのであるが、受信した同期用バーストのメトリ
ツクビツトパターンが設定される後段信号領域の
後半部分がウインドの後縁端で切り取られるよう
に制御して（第２図ａ３）同期用バーストを送信
する。そして、予め固定的に設定したメトリツク
ビツトパターンと衛星トランスポンダを介して受
信されたメトリツクビツトパターンとの一致不一
致をビツト単位に逐一比較する。

以上の動作を所定フレーム数の期間内において
フレームごとに行い、前記比較結果を順次加算す
る。そうすると、第２図ｂに示す如く、送受メト
リツクビツトパターンの一致した部分は高い値で
示され、送受メトリツクビツトパターンの不一致
部分は低い値で示される特性図が得られ、一致部
分から不一致部分への変化点がメトリツクビツト
パターンの切り取られ位置を示すことになる。

この変化点のメトリツクビツトパターンにおけ
る位置とメトリツクビツトパターンにおける前記
境界位置との差から送信位置誤差を求め、送信タ
イミングを補整し、同期を維持するのである。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、メトリツクビツトパターンの切り取
られ位置を検出するために、第２図ｂに示す如き
メトリツクビツトパターンの一致不一致を示す特
性図を取得する場合、その取得した特性図の精度
は衛星回線の品質、復調器の特性および設定した
メトリツクビツトパターンの種類に大きく依存す
るので、切り取られた位置の正確な判定が困難で
あり、送信タイミング制御の精度を劣化させると
いう問題点がある。即ち、受信された同期用バー
ストのメトリツクビツトパターンのうち同期維持
用のウインドの後縁部で切り取られ消失した部分
が、設定されているメトリツクビツトパターンの
比較対象のデータとして再生されるときに、その
メトリツクビツトパターンに対してランダムな
“１”，“０”データとして再生されれば問題はな
いが、衛星回線の品質や復調器の特性等の要因に
よつて“１”または“０”データとして偏つて再
生される場合には、設定されているメトリツクビ
ツトパターンの種類によつては特性図における一
致部分と不一致部分の境界位置が変動し正確な切
り取り位置を示さなくなるのである。

本発明はこのような問題点に鑑みなされたもの
で、その目的は、衛星回線の品質の変化、復調器
の特性変化などに応じて同期用バーストの最適な
メトリツクビツトパターンを自動的に生成するこ
とによつて、常に最適な同期用バーストによる同
期維持を行うことができるSS−TDMA衛星通信
地球局における同期維持装置を提供することにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するために、本発明のSS−
TDMA衛星通信地球局における同期維持装置は
次の如き構成を有する。

即ち、本発明のSS−TDMA衛星通信地球局に
おける同期維持装置は、多数のトランスポンダと
多数の送受信用ビームとの接続切換を衛星内で行
うためのスイツチの切換シーケンスにおいて形成
される同期維持用ウインドにて同期用バーストを
衛星回線を介してループバツク送受信し、その送
受信した同期用バーストの同期ビツトパターンの
一致不一致を比較し、その比較結果から求めた送
信位置誤差に基づき同期用バーストの送信タイミ
ングを修正し、以て衛星搭載の前記スイツチの切
換シーケンスの開始タイミングと地球局TDMA
（時分割多元接続）装置のフレームタイミング間
の同期維持を行うSS（衛星切換）−TDMA衛星通
信地球局における同期維持装置において；送信し
た同期用バーストの同期ビツトパターンの適否を
前記比較結果に基づき判定する判定手段と；前記
判定手段の判定結果に基づき前記比較結果を適正
なものにする同期ビツトパターンを次回に送信す
べき同期用バーストの同期ビツトパターンとして
生成する生成手段と；を備えたことを特徴とする
ものである。

（作用） 次に、前記の如く構成される本発明のSS−
TDMA衛星通信地球局における同期維持装置の
作用を説明する。

まず、判定手段は、同期維持用ウインドにて送
受信した同期用バーストの同期ビツトパターンの
一致不一致の比較結果に基づき送信した同期用バ
ーストの同期ビツトパターンの適否を判定する。

受信した同期用バーストの同期ビツトパターン
は後部がウインドの後端部にて切り取られ消失し
ているが、この消失部分は本来ノイズのみであ
り、再生された信号は“１”，“０”がランダムに
生起するものである。そこで、判定方法である
が、例えばこの消失部分、即ちバースト受信のな
い区間における平均値を求め、送信した同期用バ
ーストの同期ビツトパターンのうち前記比較結果
消失部分とされた部分の信号レベルと前記平均値
とを比較し、この平均値を大きく超えた信号レベ
ルが位置する部分の設定ビツトは不適当と判定す
るのである。

そして、生成手段は、前記の如く不適当と判定
された設定ビツトを極性反転することを行い、新
たな同期ビツトパターンを生成する。ここで生成
された同期ビツトパターンはその時間における最
適なものであり、衛星回線の品質の変化や復調器
の特性変化等の不確定変動要素を吸収したものと
なる。即ち、前記比較結果を適正なものにする同
期ビツトパターンが得られたのであり、それを次
回に送信すべき同期用バーストの同期ビツトパタ
ーンとするのである。

以上説明したように、本発明のSS−TDMA衛
星通信地球局における同期維持装置によれば、衛
星回線品質の変化、あるいは復調器を含めた地球
局設備の系の特性変化などに応じて常に最適な同
期ビツトパターンを自動的に生成し、それを次回
送信の同期用バーストの同期ビツトパターンとし
て使用するようにしたので、各種の不確定な変動
要因を同期維持装置自体で吸収でき、固定的に設
定された同期ビツトパターンを使用する場合に比
してその切り取られた位置検出を高精度に行うこ
とができる。故に、同期用バーストの送信タイミ
ング制御の精度を劣化させることなしに、衛星の
切換周期に対する同期を維持できるという利点が
ある。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図は本発明の一実施例に係る同期維持装置
を示す。第１図において、１０は復調回路、１１
はバースト信号検出回路、１２は受信タイミング
発生回路、１３は受信バーストバツフア、１４は
ビツトパターン比較回路、１５は送信タイミング
補整回路、１６はビツトパターン生成回路、１７
は送信タイミング発生回路、１８は送信バースト
発生回路、１９は変調回路である。

復調回路１０は、受信された受信バースト２０
について復調処理をし、その復調されたデジタル
信号からなる受信バースト情報２１をバースト信
号検出回路１１および受信バーストバツフア１３
に対して出力する。

バースト信号検出回路１１は、受信バースト情
報２１に含まれるユニークワードに基づき同期用
バーストを検出し、同期用バースト検出信号２２
を受信タイミング発生回路１２および受信バース
トバツフア１３に対して出力する。

受信タイミング発生回路１２では、同期用バー
スト検出信号２２およびシステムロツク３０を受
けてTDMAフレーム周期を確立し、受信バース
トバツフア１３およびビツトパターン比較回路１
４に対して、受信フレームタイミング２３を出力
する。受信バーストバツフア１３では、受信フレ
ームタイミング２３および同期用バースト検出信
号２２を基準に、受信バースト情報２１の中か
ら、同期用バーストの中に含まれるメトリツクビ
ツトパターンを取り出し蓄える。蓄えられた受信
メトリツクビツトパターン２４は、フレーム周期
ごとにビツトパターン比較回路１４に対して出力
される。

ビツトパターン比較回路１４は、毎フレーム入
力される受信メトリツクビツトパターン２４と、
ビツトパターン生成回路１６が生成したメトリツ
クビツトパターン２７をビツト単位で比較し、そ
の比較結果である一致不一致の情報をある一定フ
レーム数の間、蓄積する。蓄えた結果は、前記第
２図ｂに示す如きカーブを描き、前述した如くし
て同期用バーストの切り取り位置、すなわち同期
用バーストの送信位置誤差が求められる。

求められた同期用バーストの位置誤差情報２５
は、送信タイミング補整回路１５に対して出力さ
れる。また、第２図ｂに示す如きカーブからなる
バースト切り取り位置判定カーブデータ２６は、
ビツトパターン生成回路１６に対して出力され
る。

ビツトパターン生成回路１６は、ビツトパター
ン比較回路１４から転送されたバースト切り取り
位置判定カーブデータ２６に基づき、このカーブ
が最適かどうかの判定を行う（判定手段の動作）
と、バースト切り取り位置判定カーブデータ２６
が最適となるようなメトリツクビツトパターンを
前記判定結果に基づき生成する生成手段の動作と
を主として行う。受信メトリツクビツトパターン
２４は、前述した如く、後部がウインドの後端部
にて切り取られ消失しているが、この消失部分は
本来ノズルのみであり、再生された信号は“１”，
“０”がランダムに生起するものである。つまり、
第２図ｂにおいて、不一致部分を示すカーブは図
示では平坦であるかの如く描いてあるが、実際に
は一定値ではなく起伏がある。そこで、判定方法
であるが、例えばこの消失部分、即ちバースト受
信のない区間における平均値を求め、送信した同
期用バーストのメトリツクビツトパターンのうち
前記比較結果消失部分とされた部分の信号レベル
と前記平均値とを比較し、この平均値を大きく超
えた信号レベルが位置する部分の設定ビツトは不
適当と判定するのである。

そして、生成手段は、前記の如く不適当と判定
された設定ビツトを極性反転することを行い、新
たなメトリツクビツトパターンを生成する。

ここで生成されたメトリツクビツトパターンは
その時間における最適なものであり、衛星回線の
品質の変化や復調器の特性変化等の不確定変動要
素を吸収したものとなる。斯く生成されたメトリ
ツクビツトパターン２７は、送信バースト発生回
路１８およびビツトパターン比較回路に対して出
力される。

一方、送信タイミング補整回路１５は、ビツト
パターン比較回路１４から転送された位置誤差情
報２５によつて本装置の送信タイミングのずれを
認識し、送信タイミング補整データ２８を、送信
タイミング発生回路１７に対して出力する。

送信タイミング発生回路１７は、システムクロ
ツク３０を基準に送信フレームタイミングを発生
しているが、送信タイミング補整データ２８の入
力に応答して送信フレームタイミングを補整す
る。

この制御された結果である送信タイミング２９
は、送信バースト発生回路１８に対して出力され
るとともに、本装置によつて、衛星上のスイツチ
フレーム（切換周期）に対して同期を維持してい
る図外のTDMA装置に対しても出力される。

送信バースト発生回路１８では、入力した送信
タイミング２９およびシステムロツク３０を基準
に同期用バースト３１を発生し変調回路１９に対
して出力する。このとき、ビツトパターン生成回
路１６から、メトリツクビツトパターン２７が転
送されるのに応答して同期用バーストの中のメト
リツクビツトパターンを新メトリツクビツトパタ
ーンへ書き換える。その結果、同期用バーストの
メトリツクビツトパターンが無瞬断で切り替えら
れる。

変調回路１９では、入力した同期用バースト３
１に変調をかけ、出力する。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明のSS−TDMA衛
星通信地球局における同期維持装置によれば、衛
星回線品質の変化、あるいは復調器を含めた地球
局設備の系の特性変化などに応じて常に最適な同
期ビツトパターンを自動的に生成し、それを次回
送信の同期用バーストの同期ビツトパターンとし
て使用するようにしたので、各種の不確定な変動
要因を同期維持装置自体で吸収でき、固定的に設
定された同期ビツトパターンを使用する場合に比
してその切り取られた位置検出を高精度に行うこ
とができる。故に、同期用バーストの送信タイミ
ング制御の精度を劣化させることなしに、衛星の
切換周期に対する同期を維持できるという利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係るSS−TDMA
衛星通信地球局における同期維持装置の構成ブロ
ツク図、第２図は同期維持方式の説明図である。 １０……復調回路、１１……バースト信号検出
回路、１２……受信タイミング発生回路、１３…
…受信バーストバツフア、１４……ビツトパター
ン比較回路、１５……送信タイミング補整回路、
１６……ビツトパターン生成回路、１７……送信
タイミング発生回路、１８……送信バースト発生
回路、１９……変調回路、２０……受信バース
ト、２１……受信バースト情報、２２……同期用
バースト検出信号、２３……受信フレームタイミ
ング、２４……受信メトリツクビツトパターン、
２５……位置誤差情報、２６……バースト切り取
り位置判定カーブデータ、２７……メトリツクビ
ツトパターン、２８……送信タイミング補整デー
タ、２９……送信タイミング、３０……システム
クロツク、３１……同期用バースト、３２……変
調された同期用バースト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数のトランスポンダと多数の送受信用ビー
   ムとの接続切換を衛星内で行うためのスイツチの
   切換シーケンスにおいて形成される同期維持用ウ
   インドにて同期用バーストを衛星回線を介してル
   ープバツク送受信し、その送受信した同期用バー
   ストの同期ビツトパターンの一致不一致を比較
   し、その比較結果から求めた送信位置誤差に基づ
   き同期用バーストの送信タイミングを修正し、以
   て衛星搭載の前記スイツチの切換シーケンスの開
   始タイミングと地球局TDMA（時分割多元接続）
   装置のフレームタイミング間の同期維持を行う
   SS（衛星切換）−TDMA衛星通信地球局における
   同期維持装置において；送信した同期用バースト
   の同期ビツトパターンの適否を前記比較結果に基
   づき判定する判定手段と；前記判定手段の判定結
   果に基づき前記比較結果を適正なものにする同期
   ビツトパターンを次回に送信すべき同期用バース
   トの同期ビツトパターンとして生成する生成手段
   と；を備えたことを特徴とするSS−TDMA衛星
   通信地球局における同期維持装置。