JPH0450020B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、医療現場で使用されて細菌、ヴイ
ールス等に汚染された注射針、注射筒、使いすて
メス等の医療廃棄物の処理装置に関するものであ
る。

［発明の背景］ 医療現場では、種々の医療行為がなされるが、
最近、医療従事者間における患者からの感染が問
題になつている。特にＢ型肝炎、エイズ等、ヴイ
ールスによる伝染力が極めて強いケースで特に問
題が顕著となつている。

例えば、Ｂ型肝炎あるいはエイズの感染者に使
用した注射器等には血液をはじめとする体液が付
着しており、これらに存在するヴイールスは、粘
膜、微細な傷口等を侵入経路として健常者の細胞
内に容易に侵入する。したがつて、使用により汚
染された注射器その他についての取扱い、廃棄に
関しては細心の注意と特別の措置がなされる必要
がある。

しかしながら、現状では、上述のような感染の
有無に関係なく極く一般的な取扱いがなされてい
るにすぎない。

すなわち、使用済みの注射器等は、通常のゴミ
容器等に捨てられ、これらがいつぱいになると樹
脂製のゴム袋に入れて通常のゴミ処理経路に搬出
されている。

勿論、このような場合、危険を顧慮してそれな
りの注意はなされるが、日常的に繰り返えされる
慣れと、注意はしても注射針等の突刺により感染
する虞れが常に存在しているのが現状である。

［発明の概要］ この発明は、上述の背景にもとづいてなされた
もので、細菌、ヴイールス等で汚染された注射器
その他の医療廃棄物を消毒して二次感染の虞れを
なくしたうえで、これらを粉砕し、次いで金属と
その他の破砕物に分別し、それぞれを樹脂製の袋
に密封することにより、医療廃棄物の安全迅速な
処理を目的としている。

すなわち、この発明に係る廃棄物処理装置は、
細菌、ヴイールス等で汚染された注射器等の廃棄
物を加熱あるいは薬液浸漬により消毒する消毒手
段と、 消毒された廃棄物を粉砕するための破砕手段
と、金属、樹脂、ガラス等の混在する破砕物を金
属とその他に分別するための分別手段と、 分別された破砕廃棄物をそれぞれに樹脂製の袋
等に充填密封する密封手段とから構成されてい
る。

［実施例］ 図面に基づいてこの発明の実施例を説明する。

第１図ないし第５図はこの発明の一実施例を示
す図である。

第１図は、この発明の構成を示すブロツク図
で、１は、注射器等の廃棄物の消毒手段、２は消
毒された廃棄物を粉砕するための破砕手段、３は
粉砕された廃棄物を金属とその他のものに選別す
るための分別手段、４は分別された廃棄物をそれ
ぞれに樹脂製袋等に充填封入するための密封手
段、５は破砕手段２、分別手段３、密封手段４の
ための駆動源としてのモーターである。

第２図は、装置の概略構成を示す一部断面正面
図である。

１は、消毒容器としての加圧タイプの煮沸なべ
で、底部には熱源としての電気ヒータが装着され
ている。（不図示） １ｂは、煮沸されて消毒作業を終えた廃棄物を
次段の破砕手段へ投入するために煮沸なべ１を逆
転させるための回転ハンドルである。

１１は、煮沸なべ１から送り出される廃棄物を
破砕手段２へ導くための第１のガイド板、２は互
いに噛合する有刃ローラＲ１およびＲ２からなる
破砕手段である。有刃ローラＲ１およびＲ２の間
を通つて粉砕された廃棄物は、第２のガイド板２
２により分別手段としての遠心分離機３に投入さ
れる。

遠心分離機３によつて金属とその他の物質に分
別された粉状ないし細片状となつた廃棄物は送出
管により密封手段に送られる。送出管３ａ，３ａ
は金属用、３ｂはその他の物質用である。

４は、廃棄物の密封手段としての袋充填機で、
粉状あるいは細片状のものをプラスチツク袋に自
動的に封入していくものとして周知の機構を採用
している。なお、充填用のプラスチツク袋は、安
全性のため厚手のもの、あるいは金属フオイール
で裏打ちしたものを用いるのが好ましい。なお、
３０は装置の外殻容器である。

第３図は、装置の上部に設置された加圧タイプ
の煮沸なべ１を示す一部切欠斜視図である。図に
おいて、３０ａは外殻容器３０の蓋で、この蓋３
０の内面には、煮沸なべ１の加圧蓋１ａが設けら
れている。

第４図は、破砕手段２の説明図である。この実
施例において破砕手段２は同図ａに示すように一
対の有刃ローラＲ１とＲ２により構成されてい
る。各ローラＲ１，Ｒ２はそれぞれの表面に刻設
された螺旋状の刃部２ａを有していて、各ローラ
の刃部が互いに噛合するように設置されている。
なお、これらの有刃ローラＲ１，Ｒ２は注射針の
金属材も容易に破砕できるように超硬材で形成さ
れている。

また、この実施例では、破砕手段２を構成する
有刃ローラは一対となつているが、第４図ｂに示
すように、上段、下段に各一対ずつ設置しても良
い。

さらに、この破砕手段２には、前述の有刃ロー
ラＲ１，Ｒ２に加えてカツター機構ｃを前処理段
階として設けられている。すなわち、第４図ｃ，
ｄは、破砕手段２を構成するカツター機構ｃの説
明図で、同図ｃは平面図、同図ｄは縦断面図であ
る。

図において、２３は外筒、２４はその内周面に
複数のカツター２５を有し高速回転する内筒であ
る。カツター２５の下部には、それぞれ三角形の
貫通孔部２５ａが内筒壁に設けられていてカツタ
ー２５による被破砕物が、この貫通孔部２５ａか
ら外筒２３に噴出される。

外筒２３に噴出された被破砕物は、前述の有刃
ローラＲ１，Ｒ２に送出され、さらに破砕されて
容易に粉粒状になる。

次にこの装置の作用を説明する。

まづ、使用済みの注射器等の廃棄物を煮沸なべ
１に投入し、次いで少量の水を加えて蓋３０ａを
閉じることにより加圧蓋１ａで煮沸なべ１を密封
する。

図示しない電気ヒーターのスイツチをONとす
ることにより、廃棄物は高温・高圧下で完全に消
毒される。

次いで蓋３０ａを開き、回転ハンドル１ｂをま
わして煮沸なべ１を反転させ廃棄物を破砕手段２
に送り込む。

廃棄物は、カツター機構Ｃで前処理された後、
互いに噛合する有刃ローラＲ１，Ｒ２により粉砕
されて分別手段としての遠心分離器３に投入され
る。

なお、廃棄物を破砕手段２に送り込む際、被破
砕物が円滑・容易に各ローラ間に位置するように
なんらかの押え又は押圧手段を設けても良い。

遠心分離器３において、粉状あるいは粒状の金
属材その他の物質は、金属材とその他の物質に分
別される。

ここで分別された廃棄物は、第５図に示すよう
に密封手段４により金属材は金属材のみでパツク
４０として、プラスチツク材その他は別のパツク
５０として自動的に密封処理される。

なお、上述の実施例で、加熱手段は煮沸による
場合を述べたが、これにかぎらず、高周波の電磁
波によつて廃棄物を加熱してもよい。

また、消毒手段は加熱によらず廃棄物を薬液に
浸漬する形式のものでも良い。いずれの場合に
も、その基本的構成は、上述の実施例と変るとこ
ろはない。

［発明の効果］ この発明は、以上述べた構成により、細菌、ヴ
イールス等に汚染された医療廃棄物を安全・確
実・容易にしかも低コストで処理することがで
き、医療廃棄物から生じる感染事故を確実に防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の概念構成を示すブロツク
図、第２図は、この発明の係る廃棄物処理装置の
概略を示す一部断面正面図、第３図は加熱手段と
しての煮沸なべを示す一部切欠斜視図、第４図は
破砕手段の説明図で、同図ａは破砕手段を構成す
る一対の有刃ローラの斜視図、同図ｂは有刃ロー
ラを二対設けた場合を示す側面図、同図ｃ，ｄは
それぞれカツター機構の平面図、一部切欠縦断面
図、第５図は最終処理工程を終えて粉状の廃棄物
が樹脂袋に充填密封された状態を示す一部切欠斜
視図である。 １……消毒手段、２……破砕手段、３……分別
手段、４……密封手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 密閉可能な外殻容器と、この外殻容器の上方
   で逆転可能に軸支された消毒容器と、 この消毒容器の下方に設置され第１のガイド板
   を介して逆転された消毒容器から落下する消毒済
   み廃棄物を粉砕するための破砕手段と、 この破砕手段の下方に設けられ第２のガイド板
   を介して前記破砕手段から落下する粉砕廃棄物を
   金属と非金属とに分別するための遠心分離機と、 この遠心分離機の下方に設置され送出管を介し
   て遠心分離機から落下する金属粉砕物および非金
   属粉砕物をそれぞれ各別に密封するための袋充填
   機とを具えてなり、 前記破砕手段は、廃棄物を前処理するカツター
   機構と超硬材で形成され互いに噛み合う一対以上
   の有刃ローラとで構成するとともに、 前記カツター機構は、外筒と、この外筒内で高
   速回転し内周面に多数のカツターおよびそれぞれ
   のカツター下部に設けた貫通孔を有する内筒とを
   具えたことを特徴とする廃棄物処理装置。