JPH0449911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は製菓・製パン工程において使用する
柔軟な生地玉のパンニング装置に関する。

〔従来の技術〕

周知のように、製菓・製パン工程においては、
マーフインの生地玉のように柔軟な生地玉をバケ
ツトに入れて醗酵装置内を循環させ、醗酵後に次
工程の生地焼成装置の焼成カツプへパンニングす
る工程がある。

従来のパンニング装置は実公昭56−44385号公
報に開示されるように、バケツトを反転させて中
の生地玉を落下させ、この生地玉を間欠運動する
ドラムで受け取り下方の焼成カツプへパンニング
するものであつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、従来は、生地玉にまぶされたコーン粉
などの粉体のまぶし量が過多になつていてもその
まま生地玉が焼成工程へ送られてしまい、焼成不
均一を生じたり粉体の消費量が必要以上に多くな
つたりする欠点があつた。

この考案は、生地玉をパンニングするときに同
時にその生地玉にまぶされた過多の粉体が除去さ
れるようにすることにより、生地玉の焼成不均一
や粉体の無駄な消費を無くすることが可能なパン
ニング装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による生地玉のパンニング装置は、柔軟
な生地玉を収納したバケツトを反転させて上記生
地玉を落下させる反転機構の下方に上記バケツト
と同一方向に同一速度で進行する変速自在なバー
コンベアまたはネツトコンベアが設けられ、この
コンベアの前方端下方に、このコンベアから生地
玉が移乗される反転可能なカツプが設けられ、こ
のカツプの反転位置の下方に生地玉を収納して生
地焼成装置へ移送する焼成カツプを備えたコンベ
アが設けられてなる。

〔実施例〕

この考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。

１は生地玉を収納するバケツトで、醗酵装置内
を循環するチエーンコンベア２に多数懸架されて
いる。このバケツト１に収納されて運ばれる生地
玉Ａはマーフインの生地のように柔軟でしかも粘
着性を持つている。上記バケツト１は、醗酵装置
の出口付近で図外の反転機構によりチエーンコン
ベア２の進行に従つて徐々に反転して生地玉Ａを
下方へ落下させるものである。

上記反転機構の下方にはチエーンコンベア２に
懸架したバケツト１と同一方向に同速度で進行す
る変速自在なバーコンベア３が設置されている。
このバーコンベア３の代わりにネツトコンベアを
用いてもよい。バーコンベア３の前方端下方に、
バーコンベア３から滑り落ちた生地玉Ａが移乗す
る反転可能なカツプ４が設けられている。このカ
ツプ４の底面はその周囲４ａが第３図のように湾
曲状に傾斜している。また、カツプ４の底面を含
む内面全体に生地玉Ａの粘着を防ぐフツ素樹脂コ
ーテイング層が形成されている。

上記カツプ４の反転位置（図中仮想線で示して
ある。）の下方にコンベア５が設けられている。
このコンベア５は、上記バケツト１と同一速度で
進行して生地焼成装置内を循環する多数の焼成カ
ツプ６を有する。７は醗酵装置のスプロケツト、
８は生地焼成装置のスプロケツトをそれぞれ示
す。

上記構成からなるこの考案の動作について説明
する。醗酵装置において醗酵を終えた生地玉Ａは
バケツト１に収納されて反転機構まで進行し、こ
こでバケツト１が反転すると生地玉Ａがバケツト
１より落下する。このとき、生地玉Ａにまぶされ
ている余分な粉体、たとえばコーン粉は、第２図
の矢印ｃで示すように生地玉Ａがバーコンベア３
の上に落下したとき、あるいはバーコンベア３に
より移送されている間にバーの隙間（ネツトコン
ベアの場合はネツトの網目）から下方へ落下し、
回収ホツパ９に回収される。また、生地玉Ａは粘
着性を有しているため、バケツト１からたれ下が
つてバケツト１と同一方向、同速で進行している
バーコンベア３上に移り、バケツト１とバーコン
ベア３が進行中に徐々に生地玉Ａのすべてがバー
コンベア３上に移る。この場合、生地玉Ａは柔軟
なため、バーコンベア３に落下したとき、あるい
はバーコンベア３で移送されている間にバーに当
たらない個所が下方に垂れて脹らみ出し、その下
面に凹凸ａが生じることがあるが、バーコンベア
３に落下したときに生じる下面の凹凸ａは、バケ
ツト１から落下した生地玉Ａの一部がバーコンベ
ア３上に配設した滑り性のよいシート１０の上に
落下するようにしておけば最小限度に抑えられ
る。また、上記シート１０はバケツト１からバー
コンベア３への乗り移りをスムーズに行わせるこ
とにも役立つ。

バーコンベア３上に乗つた生地玉Ａは、その後
バーコンベア３が急速進行することによつて、そ
の前方端から飛び出すようにして、その前方端か
ら反転可能なカツプ４に移乗される。これにより
凹凸ａを生じている生地玉Ａの下面がカツプ４の
平坦な底面に当たつて平坦にならされる。同時
に、生地玉ａがカツプ４の内面に沿うように変形
して形状の修正がなされる。

生地玉Ａを受け取つたカツプ４が第３図の仮想
線の位置まで反転する間に、生地玉Ａが焼成カツ
プ６に受け渡される。これにより生地玉Ａも反転
されるから、その表面の凹凸ｂも解消し、きれい
な形に保形される。なお、カツプ４は生地玉Ａを
焼成カツプ６に受け渡した後、元の状態に戻り次
の生地玉Ａの移乗に備えられる。

なお、生地玉Ａの種類により醗酵装置及び生地
焼成装置をそれぞれ循環する生地玉Ａの通過時間
が異る場合には、バーコンベア３の最初の進行速
度を変化させればよい。

第４図は反転可能なカツプ４の平面図である。
同図のカツプ４は円形であるが、これは四角にし
ても他の種類の多角形にしてもよい。

なお、上記バケツト１やカツプ４は、複数の生
地玉Ａを横に並べて収容し得るようになつてい
る。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、この考案によ
ると、バケツトからバーコンベア又はネツトコン
ベアに生地玉が落下したとき、あるいはそのコン
ベアによつて生地玉が送られているときに、生地
玉にまぶされている余分なコーン粉などの粉体が
払い落とされる。そのため、次工程での焼成が不
均一になることを回避でき、同時に粉体の無駄な
消費を抑制することができる。

また、バーコンベア又はネツトコンベアを用い
たことによつて生地玉の下面には凹凸が生じやす
くなるが、その凹凸は生地玉がバーコンベア又は
ネツトコンベアから反転可能なカツプへ移乗され
ることにより平坦に修正され、さらに生地玉自体
の柔軟性によつてその表面に生じる凹凸も上記カ
ツプの反転に伴つて生地玉が反転して焼成カツプ
に収納されるため修正されて生地玉の下面や表面
がきれいに仕上がる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の側面図、第２図は
第１図の一部を拡大した側面図、第３図は第１図
の他の一部を拡大した側面図、第４図はカツプの
平面図である。 Ａ……生地玉、１……バケツト、３……バーコ
ンベアまたはネツトコンベア、４……カツプ、５
……焼成カツプを備えたコンベア、６……焼成カ
ツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 柔軟な生地玉を収納したバケツトを反転させて
   上記生地玉を落下させる反転機構の下方に上記バ
   ケツトと同一方向に同一速度で進行する変速自在
   なバーコンベアまたはネツトコンベアが設けら
   れ、このコンベアの前方端下方に、このコンベア
   から生地玉が移乗される反転可能なカツプが設け
   られ、このカツプの反転位置の下方に生地玉を収
   納して生地焼成装置へ移送する焼成カツプを備え
   たコンベアが設けられてなる生地玉のパンニング
   装置。