JPH0644887Y2 - 卵の排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、１段又は複数段数のケージ内で産卵された
卵を、集卵ベルトで集卵したあと、集卵盆、或いは、他
の集卵コンベァへ移送する為の移送装置に於いて、該移
送装置に設けられている 卵の排出装置 に関する。

（従来の技術） 一般に、大規模鶏舎を有する採卵農場では、集卵作業の
省力化を目的として、集卵装置を備えて居り、第１図
に、その装置の構成を示す。産卵ケージ内で産卵された
卵は、集卵ベルト２上へ転出し、移送装置３のある方向
へ集卵される。移送装置３は、ケージ１が多段に設置さ
れている為に生じる集卵ベルト２の上下段差を伴って集
卵される卵を、集卵コンベァ4,又は、集卵盆（図示せ
ず）の上へ移送する為に設けられて居り、該集卵コンベ
ァ４に依り、洗卵選別機或いは、ファーム・パッカー等
（図示せず）に移送されるのである。

上記移送装置３に設けられた移送棚31より、集卵コンベ
ァ４上へ卵を排出する部分に設けられている排出装置32
は、図示の如く、移送棚31の下向方向の動きに対し、移
送棚31に接する時に従動的に回転するものや、第２図に
示す如く、長毛のブラシ33を駆動して排出するもの、更
に、第３図に示す如く、単に移送棚31より 掬い出すよ
うに構成された卵排出板34のみを設けているもの等 が
実施されている。

（考案が解決しょうとする問題点） 然し乍ら、第１図に示す従動方式の排出装置にあって
は、移送棚31上に載っている卵の方向、大きさ等に依
り、排出装置32の一部で卵が押圧されたり、又、駆動さ
れた回転ではないことに起因して、該排出装置32の回転
が不安定となり、卵の排出時に卵殻に強い衝撃を与え、
キズ卵を発生することがある。

第２図に示すブラシ33に依る排出装置は、長期使用中
に、ブラシ33の構成毛が変曲、変形を来たし、正常な排
出作用をしなくなるようになり、又、第３図に示す実施
例では、卵排出板34上の卵の載り方に依り、次位の移送
棚が到達した時に未だ、前位の移送棚より掬い出した卵
が排出されずに残っていることがあり、この卵は、次位
の移送棚と、卵排出板34との間に挟まれて、破卵するこ
とになる。

（問題点を解決する為の手段） 本考案では、上述の問題点を解決する為に、集卵ベルト
２より、卵移送部５への移行、及び、卵移送部５からの
卵の排出作用に好都合となるように、移送棚と卵排出板
とは互いに噛み合う様に位置して 櫛刃状 に構成さ
れ、該卵排出板の櫛刃間に、緩衝撃性の材料で製作され
た複数の歯を備えた排出歯車を装着し、該排出歯車は、
卵移送部の移送棚の下向運動に同期的に連動して駆動さ
れるようにする。

（作用） 複数の歯に依り構成される排出歯車には、歯数と同数の
歯谷が構成されるから、各移送棚より排出された卵は、
排出歯車が移送棚と同期的に回転駆動されているので、
卵の排出される時の卵の長径、短径の位置を問わず、確
実に歯谷へはまり込み、安定した状態で保持され乍ら、
排出歯車の回転に伴った速さで、排出方向へ移動してい
くことが出来る。

（実施例） 以下、この考案の適切な実施例を示す図面に従って詳細
に説明する。

第４図は、本考案の卵の排出装置Ｂを有する卵移送部の
概略図、第５図は、卵の排出装置Ｂの断面詳細図であ
る。

櫛刃状の構造をもつ移送棚51に載って下向していく卵Ａ
は、移送棚51の櫛刃と互いに噛み合うように構成され、
且つ、卵移送部５のフレーム52等の構造体に固設されて
いる卵排出板６の急斜部61に依り、移送棚51より卵排出
板６へ掬い取られる。そして、急斜部61から緩斜部62へ
移動していくが、該緩斜部62の略中間部下方に位置する
支軸74にて支承されている ３枚の歯71,72,73を有する
排出歯車７を、卵排出板６の櫛刃の間より歯71,72,73の
総て，及び歯谷75,76,77が卵排出板６の表面と略同一に
なるようにして設ける。該排出歯車７は、卵に対し強い
衝撃を与えないように、軟質の材料、例えば、ゴム、軟
質プラスチック等を採用することが適する。

前記 支軸74は、移送棚51を駆動する回転軸（図示せ
ず）より、適宜の方法により、移送棚51の下向速度と同
期駆動されているので、緩斜部62に移った卵Ａは、歯71
の後歯面712によって保持され、排出歯車７の角速度に
伴った速さに減速される。そして、後歯面712と前歯面7
31との間にある歯谷75にはまり込む状態で安定して排出
方向に添って移動を続ける。

更に排出歯車７の回転が進んで、歯71が図示の位置で、
71′71″へ移行するに従い、後歯面712は、卵Ａに対
する保持力を失い、前歯面731が卵Ａの後側より押し出
す作用をする。

上述した作用 動作は、歯谷75,76,77のそれぞれで同様
に反復されるから、移送棚51のそれぞれに総て卵Ａが載
っていても、移送棚51の下向運動と、排出歯車７の回転
とは、同期的に連動しているので、効率よく確実に卵の
排出作用が連続して継続される。

第６図には、２枚の歯で構成されている他の実施例を示
しているが、作用、動作、効果は、第５図に示している
実施例と同様である。この実施例では、排出歯車８の直
径は、第５図に示す排出歯車７より小さくする事が可能
であり、卵移送部５の奥行寸法を小さくする事が出来る
から、鶏舎寸法の効率化に効果がある。考案者は、上述
の排出作用が円滑に実施されるように、歯面の曲線とし
て最も適するものとして、対数曲線の一部を採用して歯
面を構成させたが、本考案の主旨を用いて、他の種類の
曲線の一部を用いる歯面を有する歯車を排出歯車として
利用出来る事は、云う迄もない。

（考案の効果） 以上、詳述したように、本考案では、卵の排出装置に卵
排出板の櫛歯間の下方より支承する排出歯車を採用した
事に依り、卵の排出時に於ける卵に対する排出速度の制
御、及び排出作用の促進に必要な力の作動する方向を、
総て、卵の下方、及び卵の移動の後ろ側に限定している
ので、卵の排出時に於いて、卵を押し潰したりする事は
全くなく、又、卵排出板と移送棚との同期的な駆動に依
り、卵の排出移動中の、卵自身の持つ自在且つ惰性運動
に依る移動距離を短縮したから、卵同士の衝突による卵
殻の傷の防止に顕著な効果をもたらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、及び第３図は、従来の技術に依る卵の
排出装置を示す概略図、第４図は、本考案に依る卵の排
出装置を備えた卵移送部の概略図、第５図は、卵の排出
装置の断面詳細図、第６図は、他の実施例の断面詳細図
である。 Ｂ……排出装置;5……卵移送部;51……卵移送棚;6……
卵排出板;7……排出歯車、71,72,73……歯;75,76,77…
…歯谷

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】無端状に連結されて、垂直方向又は斜め方
   向に移動するコンベァを構成する櫛刃状の卵移送棚51に
   載せられた卵を、該卵移送棚51より排出させるために、
   該卵移送棚51と噛み合う形状を備えた卵排出板６を卵の
   転出方向に傾斜してなる卵の排出装置に於いて、 上記卵排出板６の櫛刃の間に噛み合うように、複数の歯
   を有する排出歯車７を配し、 該排出歯車７は、卵移送棚51の下降運動と同期的に連動
   して回転駆動されている ことを特徴とする 卵の排出装置。