JPH0449732Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は自動販売機や自動両替機のように紙
幣を取り扱う機器の紙幣挿入部分に採用される紙
幣類受入装置に関する。

「従来の技術」 紙幣を取り扱う自動販売機等においては機枠の
前面に形成された挿入口から機内に挿入された紙
幣の真偽、およびその種類を判定するためのビル
チエツカを備え、このビルチエツカには紙幣挿入
台が設けられ、ビルチエツカを機内の正規の位置
にセツトした状態では前記紙幣挿入台は前記挿入
口から機外に突出し、この挿入口と共に紙幣受入
れ部を構成するようになつており、また前記挿入
口からビルチエツカに向つて挿入された紙幣が途
中で詰つた場合、係員がビルチエツカを内方に後
退させ、その紙幣を取り除き、再びビルチエツカ
を元の位置に押し出し、セツトするようになつて
いる（文献不明）。

「考案が解決しようとする問題点」 ところが上記においてビルチエツカを内方へ後
退させた状態では、このビルチエツカの紙幣挿入
台と当該売販機の前面の紙幣挿入口との間に空間
ができ、この空間部分に客や係員の手が入れられ
ている状態でビルチエツカが押し出されるとビル
チエツカの紙幣挿入台で手や指を詰めて負傷し、
不測の事故を招来することになる。したがつて、
この考案は、上述のような不測の事故を防止する
ことのできる安全性を有するとともに、加工容易
で安価な紙幣類受入装置の提供を目的とする。

「問題点を解決するための手段」 機枠の前面に形成された紙幣類挿入口に対し、
この後方から抜き差し自在に設けた紙幣類挿入台
と、前記機枠側面に固着され前記後方に向かつて
登り勾配を有するスライド溝と、前記スライド溝
にその端部が嵌着され前記紙幣類挿入口をカバー
可能とするシヤツタと、前記シヤツタに連結され
るとともに前記紙幣類挿入台の前面および底面に
より押圧されることにより前記紙幣類挿入台の進
退に応じて前記シヤツタを前記スライド溝に沿つ
てスライドさせるレバーと、前記レバーに回転力
を付与するスプリングとからなる構成とした。

「作用」 紙幣台が定位置にセツトされている状態ではレ
バーの回動が挿入台で抑制され、このレバーによ
つて連動せられるシヤツタは紙幣挿入口を開口さ
せる位置を占め、シヤツタを後退させると、この
シヤツタがスプリングの力によるレバーの回動に
よつて摺動せられ、紙幣挿入口を閉鎖し、手や指
の前記挿入口からの機内への挿入が防止される。

「実施例」 以下図面を参照し、この考案の実施例について
説明する。第１図、第２図、第３図、および第４
図は夫々この考案の一実施例を示す断面側面図、
正面図、および作動状態の断面側面図であつて、
これ等の図面において１は挿入紙幣の真偽と種類
を判定するビルチエツカで紙幣処理部２上に前後
方向（第１図において左右方向）に摺動可能とな
つており、前方に差し込まれた位置で固定されて
おり、かつ前面には紙幣挿入台３が設けられ、こ
の挿入台は、当該ビルチエツカが前方へ差し込ま
れた状態では第１図に示すように機枠４の前面に
設けられた紙幣挿入口５より前方へ突出してお
り、紙幣はこの挿入台上に挿入され、ビルチエツ
カ内に送り込まれる。６は挿入口５の下部に装着
されたシヤツタで後方に行くにつれて登り勾配と
なり、この部分で前記挿入口５を閉鎖する傾斜面
６ａと、この傾斜面の両側に垂下する側壁６ｂを
有し、この両側壁に固着された軸７、および両側
壁６ｂに亘つて設けられたピン８を有し、これ等
軸７、およびピン８を、機枠４側に傾斜面６ａと
平行に設けられたスライド溝９に係合させること
によつて支持され、このスライド溝に沿つて摺動
可能となつている。１０は機枠４に水平に設けら
れた軸１１に回動自在に支持されたレバーで自由
端部に前記ピン８に係合させた切込溝１２が形成
され、基端部に設けられたスプリング１３によつ
て時計方向の回転力が付与され、自由端部の隅部
を挿入台３の下面に圧接せられ、この挿入台との
接触によつて当該レバーの位置が規制されると同
時にこのレバーにピン８を介して連係するシヤツ
タ６の後退位置（第１図に示す位置）が規制され
ている。又ガード１４はレバー１０に固定され、
ビルチエツカー１が後方へ抜き取られる過程およ
び前方へ差し込まれる過程においてシヤツター６
と挿入台３の先端にできるすき間を規制してい
る。

この考案の実施例はこのように構成され、点検
等の理由により、ビルチエツカ１がロツクを解い
て後方へ抜き取られると、これと一体の挿入台３
の下面によるレバー１０の位置規制が解かれるの
で、このレバーはスプリング１３の力により時計
方向へ回動せられ、これに伴ない、このレバーの
回動により、シヤツタ６がピン８を介してスライ
ド溝９に沿つて斜め上方に向つて摺動せられ、こ
のシヤツタによつて挿入口５が第３図に示すよう
に閉鎖される。

またビルチエツカ１が前方へ差し込まれると挿
入台３が挿入口５から前方へ突出せられる過程で
その挿入台の先端でレバー１０が押され、このレ
バーが反時計方向へ回動せられるのでシヤツタ６
がピン８を介して斜め下方へ押し下げられ、第１
図に示す元の位置に復帰する。

なお実施例はシヤツタ６の移動をレバーとのピ
ン係合によつて連動させて行わせる場合を示した
が他の方法により、レバーの回動に基づきシヤツ
タを摺動させてもよい。

「考案の効果」 以上説明したように、この考案によればビルチ
エツカの抜き差しに伴つて挿入口を開閉するシヤ
ツタを設け、ビルチエツカが抜き取られたときシ
ヤツタにより、挿入口が閉鎖されるようにしたの
でビルチエツカが抜き取られた状態において係員
や客の手や指が挿入口から機内に挿入されること
がなく、ビルチエツカと機枠間の指詰等の不測の
事故が防止される。

特にこの考案ではシヤツタは平面から成つてい
るので平板部材によつて形成することが容易にで
き、またシヤツタによる挿入口の閉鎖面は傾斜面
のため、同一口径の挿入口に対し、その閉鎖面の
見透し面積は大きく、従つてそのシヤツタの傾斜
面に注意書等のラベル等を貼付けた場合、これが
読み取り易い等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので第１図
は断面側面図、第２図は正面図、第３図および第
４図は作動状態を示す断面側面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機枠の前面に形成された紙幣類挿入口に対し、
   この後方から抜き差し自在に設けた紙幣類挿入台
   と、前記機枠側面に固着され前記後方に向かつて
   登り勾配を有するスライド溝と、前記スライド溝
   にその端部が嵌着され前記紙幣類挿入口をカバー
   可能とするシヤツタと、前記シヤツタに連結され
   るとともに前記紙幣類挿入台の前面および底面に
   より押圧されることにより前記紙幣類挿入台の進
   退に応じて前記シヤツタを前記スライド溝に沿つ
   てスライドさせるレバーと、前記レバーに回転力
   を付与するスプリングとからなる紙幣類受入装
   置。