JPH0449511Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主にごみ焼却炉における湿式除塵後の
放出ガスを蒸気によつて加熱する竪形上部遊動頭
形熱交換器に関するものである。

（従来の技術） 都市におけるごみ焼却に関しては、特に冬期煙
道から排出される放出ガスの水蒸気による白煙の
発生を防ぐため、水蒸気のミストを含むガスの再
加熱が行われており、その再加熱器は温度が高い
のでメタリツクベローズ付の通常の竪形遊動頭形
熱交換器が採用されている。

従来の遊動頭形熱交換器は、第２図、第３図に
示すように、上部ボンネツトＡで被覆した上部固
定管板Ｂと、下部ボンネツトＣに固定した下部遊
動管板Ｄとの間に多数の蒸気加熱管Ｅが並列し、
ボンネツト締付ボルトＦ、ボルトヘツダー等はメ
タルカバーＧ、メタルベローズＨによつて被われ
た構造であつて、例えば入口Ｉより導入された水
蒸気ミストを含むガスが蒸気入口管Ｊに連絡する
蒸気加熱管Ｅにより加熱され、ガス中の比較湿度
が低減された後ガスは出口Ｋより排出され、白煙
の排出は防止される。

しかしながら、この構造ではボンネツト締付ボ
ルトＦがカバーＧ内にあるため、遊動管板のボン
ネツト側ヘツダの熱膨張に対する増締めが困難で
あり、その結果カバーに管内側流体、例えば蒸気
が洩れてカバー内にドレンがたまり腐食事故を起
すことがあつた。

（考案が解決しようとする問題点） よつて本考案は上記の問題点を解決するため、
遊動頭形熱交換器を従来の慣用とは逆位置とし
て、下部管板をガス通路ダクト上に置く構造と
し、更にボンネツト用カバーを従来の金属ベロー
ズに代えて簡単非金属製ベローズとして工作・補
修を容易にし、また、固定管板とガス導入管との
間の段差に対し乱流を防止する特徴を備えてお
り、その特徴は略水平流のガス通路ダクトに設置
され、該ダクトの上下に上部管板及び下部管板を
設置し、両管板間に伝熱管束を架渡した竪形熱交
換器において、下部管板は該ダクト底面に設けた
管板載置孔の上に設置され、該下部管板周囲とダ
クト内面との段差を解消するように管板の四周縁
のうちの少なくともガス上流側縁部に傾斜板を設
置し、該ダクト天井面には伝熱管束孔が設けら
れ、その上部に上部管板を設置し、該上部管板の
周囲と該伝熱管束孔の周囲とを連絡するネツク部
の一部または全体をベローズで構成して、上部管
板を遊動可能とし、かつ上部管板へのボンネツト
締付ボルトは外部へ露出した構造を有することを
特徴とする竪形上部遊動頭形熱交換器を要旨とす
るものである。

（作用効果） 本考案の竪形上部遊動頭形熱交換器はガス通路
ダクト下部に設けた管板載置孔に固定管板を載
せ、外部よりボルト締めできる構造としたから、
ボンネツト側ヘツダーの熱膨張に対する増締めは
従来のカバーなどを外す必要はなく外部から簡単
に出来るから、万一漏洩しても外部より容易に増
締めでき、蒸気洩れによる腐食事故も防止でき
る。

ボンネツト側ヘツダーの熱膨張に対する増締め
は、下方に限らず、上方の遊動頭管板においても
同様外部より操作できる。

また下部固定管板をガス通路ダクトに設けた載
置孔の上に載置したから管板は高い位置となり、
ガスから生成した水分は管板から落下して流出
し、管板上に溜ることがないので管板の腐食は無
くなる。

一方この単なる載置では胴体と管板との間に段
差を生ずるが、この段差は傾斜板を設けることに
よつてガスの流動を円滑となし、渦流の発生を防
ぎ、流動抵抗の防止に効果がある。

（実施例） 第１図において、竪形上部遊動頭熱交換器１は
ミスト含有排ガス用のほぼ水平流のガス通路ダク
ト２内に直交して設けられた形状をなし、竪形上
部遊動頭熱交換器の固定管板３は水平流のガス通
路ダクト２に設けた該管板より小さい載置孔４に
載せて溶接５によつて固定している。

ガス通路ダクト２の上部に設けた複数の孔に管
６′が挿通し、該ガス通路ダクト２と、遊動管板
６、ベローズ取付フランジ７との間はベローズ８
によつて被われている。

このベローズ８は耐熱性可撓製でガスの漏洩は
少ない特性を有する。更には上記のとおり下部固
定管板３は水平流のガス通路ダクトの載置孔４上
に載置したから段差を生ずるが、傾斜板９を設け
ることによつて渦流の発生を防止できる。なお、
第１図では下部管板のガス流に対して上流側にの
み傾斜板を設置しているが、下部管板の全周囲に
傾斜板を設置してもよい。

上記の構成において、例えば水平流のガス通路
ダクト２に90℃のミストを含むガスが流れ、管束
を横切つて加熱され出口ノズルより130℃となつ
て流れ、一方遊動管板側ボンネツト入口ノズル１
０より蒸気が入り、熱交換後約208℃となつて固
定管板側ボンネツト出口ノズル１１より流出す
る。

更に固定管板３は水平導管２の壁面上に突出設
置されているので、運転の開始時、及び停止時に
起り得る凝縮ミストが耐圧部材である管板上に滞
留せずガス通路ダクト２より適宜排出が可能とな
り、防食上有利となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一部を省略した縦断面図を示
し、第２図、第３図はそれぞれ従来例における正
面図及び側面図の略図である。 Ａ……上部ボンネツト、Ｂ……上部固定管板、
Ｃ……下部ボンネツト、Ｄ……下部遊動管板、Ｅ
……蒸気加熱管、Ｆ……ボンネツト締付ボルト、
Ｇ……カバー、Ｈ……メタルベローズ、Ｉ……ガ
ス入口、Ｊ……蒸気入口管、Ｋ……ガス出口、１
……竪形上部遊動頭熱交換器、２……ガス通路ダ
クト、３……固定管板、４……載置孔、５……溶
接、６……遊動管板、７……ベローズ取付フラン
ジ、８……ベローズ、９……傾斜板、１０……入
口ノズル、１１……出口ノズル、１２……ボンネ
ツト取付ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略水平流のガス通路ダクトに設置され、該ダク
   トの上下に上部管板及び下部管板を設置し、両管
   板間に伝熱管束を架渡した竪形熱交換器におい
   て、下部管板は該ダクト底面に設けた管板載置孔
   の上に設置され、該下部管板周囲とダクト内面と
   の段差を解消するように管板の四周縁のうちの少
   なくともガス上流側縁部に傾斜板を設置し、該ダ
   クト天井面には伝熱管束孔が設けられ、その上部
   に上部管板を設置し、該上部管板の周囲と該伝熱
   管束孔の周囲とを連絡するネツク部の一部または
   全体をベローズで構成して、上部管板を遊動可能
   とし、かつ上部管板へのボンネツト締付ボルトは
   外部へ露出した構造を有することを特徴とする竪
   形上部遊動頭形熱交換器。