JPH0449064Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、箱に下げ紐を取付けるために用いる
下げ紐挿通用止め具装置に関し、特にダンボール
等の柔軟な素材で作られた箱に適用して有効であ
るように改良したものである。

【従来の技術】

ダンボール等の柔軟な素材で作られている箱に
下げ紐を取付ける場合は、箱側板部にあけた孔に
鳩目金具を挿着し、この鳩目金具に紐を挿通して
いた。この場合、ダンボール製の箱は、鳩目金具
の装着部分が該鳩目金具による締めつけ力や箱に
物品を収容した際の重量によつて破損し易いの
で、鳩目金具の装着部分に補強板を貼りつけてい
た。

【考案が解決しようとする問題点】

鳩目金具は２個用いて箱側板部に固定するた
め、予め補強板を貼りつける作業に加えて手間が
かかり、また、補強板と箱側板部に設けた孔を一
致させて補強板を箱側板部に貼りつける関係上、
孔のセンター合わせが面倒であつた。更にまた、
鳩目金具を取付ける作業は雌雄金具をかしめて行
なうため、一方の金具の口縁が外方に開き、この
口縁（菊座）によつて指先を傷つけるとか、口縁
に収容物品が引つかかるという心配があつた。

【問題点を解決するための手段】

本考案は上記の問題を解決したものであつて、
その目的は、箱の側板部片面に添設される補強板
に該補強板と一体に雌雄両筒体を一連的に設け、
この雌雄両筒体をワンタツチ操作により嵌合係着
できるようにして、箱の側板部に下げ紐の挿通部
を簡単かつ強固に構成できるように改良した箱の
下げ紐挿通用止め具装置を提供することにある。 しかして、本考案の上記目的は補強板と、この
補強板の両面にわたつて開口しその一面側に突出
するように該補強板の両端部に設けた雌筒体と、
この雌筒体に二つ折り自在である連結片を介して
連設され該雌筒体に挿着できる雄筒体とから成
り、上記雌筒体の孔部には、この孔部に上記雄筒
体を挿着したときに、その雄筒体の拡開作用によ
つて該雄筒体の先端に設けた係合縁が係合できる
肩部を設ける一方、上記連結片と雌雄両筒体とは
ヒンジ部により接続されている箱の下げ紐挿通用
止め具装置により達成される。

【実施例】 以下に、本考案の実施例を添付図面を参照しな
がら説明する。 ダンボール箱等の箱側板部１に添設される補強
板２はポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹
脂製であつて、この補強板２の両端部には、その
両面にわたつて開口した雌筒体３を該補強体の一
面側から突出するように設けてあり、雌筒体３の
孔部４は補強板２側の口部３ａ寄り部分が孔径を
若干大きくした肩部５に形成されている。 雌筒体３の突出側口部３ｂには中央部６ａの部
分から二つ折り自在である連結片６の一端がヒン
ジ部７によつて折曲げ自在に接続され、また、上
記連結片６の他端はヒンジ部８によつて雄筒体９
の基端部を形成する鍔部１１に接続されており、
雌筒体３、連結片６及び雄筒体９と上記補強板２
とは一体成形物であつて、連結片６の中央部６ａ
とヒンジ部７，８は折曲げできるように何れも肉
薄く形成されている。一方、雄筒体９の先端部
は、雄筒体９が雌筒体３に挿着されたときに該雌
筒体３の肩部５と係合できる係合縁１２に形成さ
れており、この係合縁１２はテーパー面１２ａを
備えている。また、雄筒体９の筒部９ａには係合
縁１２を含めて複数個（図示の場合は３個）のス
リツト１３を長手方向に設けてある。 次に、上記構成に係る本下げ紐挿通用止め具装
置の作用を説明する。 先ず、箱側板部１にあけた孔１ａ（第１図では
仮想線により示す）に対し、連結片６を真直ぐに
伸ばした状態で、雄筒体９を箱側板部１の裏面１
ｃ側から表面１ｂ側に向かつて差し込む（第２図
参照）。次いで、雌筒体３が孔１ａに嵌合した時
点で雄筒体９を雌筒体３に挿着すると（第３図参
照）、第４図に示すように補強板２は箱側面部１
の裏面１ｃに、また連結片６は二つ折りされて箱
側板部１の表面１ｂにそれぞれ接合すると同時
に、雄筒体９の弾発性による拡開作用によつて係
合縁１２は雌筒体３の肩部５と係合し、この係合
作用によつて雌雄両筒体３，９の間に抜け止めが
果される。したがつて、その取付け状態は強固に
確定し、雄筒体９に紐条体１４を挿着することに
よつて箱側板部１に下げ手を構成できる。そし
て、雌筒体３に雄筒体９を挿着する操作は、係合
縁１２のテーパー面１２ａとスリツト１１の存在
によつて、雄筒体９の筒部９ａの外径が若干縮小
することにより容易に行なうことができる。 なお、雌筒体３の孔部４の小径部分と雄筒体９
の筒部９ａの外径はほぼ同一である。

【考案の効果】

本考案は上記の如くであつて、補強板、雌雄両
筒体及び雌雄両筒体の連結片からなる構成部材が
一連的に結合し、１個の独立した装置体として構
成されているため、箱側板部に対する取付け作業
は雌雄両筒体を嵌合係着させるだけの、いわゆる
ワンタツチ操作によつて素早くできる使用上の利
点があり、従来の紐取付け装置と異なつて補強板
を予め箱側板部に貼りつける手間が省ける一方、
箱側板部にあけた孔とのセンター合わせも容易で
あつて、箱側板部に強固な下げ紐取付け部を簡単
に構成できる。また、本止め具装置は合成樹脂に
よる一体成形が可能であり、安価に提供できる経
済性を発揮できる等、その実用的価値は極めて多
大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
斜視図、第２図、第３図及び第４図は本止め具装
置を箱側板部に取付ける操作を段階的に示す側断
面図である。 図中、２は補強板、３は雌筒体、４は孔部、５
は肩部、６は連結片、６ａは中央部、７，８はヒ
ンジ部、９は雄筒体、１２は係合縁である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 補強板と、この補強板の両面にわたつて開口し
   その一面側に突出するように該補強板の両端部に
   設けた雌筒体と、この雌筒体に二つ折り自在であ
   る連結片を介して連設され該雌筒体に挿着できる
   雄筒体とから成り、上記雌筒体の孔部には、この
   孔部に上記雄筒体を挿着したときに、その雄筒体
   の拡開作用によつて該雄筒体の先端に設けた係合
   縁が係合できる肩部を設ける一方、上記連結片と
   雌雄両筒体とはヒンジ部により接続されているこ
   とを特徴とする箱の下げ紐挿通用止め具装置。