JPH0449001Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両の急停止または衝突の際、乗員に
対する危険防止のため所定以上の外力に対し、脱
落可能としたルームミラーの取付け構造に関す
る。

［従来の技術］ 車両用脱落式ルームミラーの取付けはその要求
特性上、例えば第９図に示すようにミラーを適当
トルクにて回動可能にセツトするステー３を、皿
ばね４を介してベースステー２にセツトスクリユ
ー５で脱落可能にセツトしたのち、そのベースス
テーをフロントガラスまたは車室天井前方端部付
近８にあらかじめ固着させたベース１にビス６に
て取付けるか、またはベースステー２を直接車両
パネルに複数本のビスにて取付ける装着手段をも
つものが用いられている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来の取付け構造のものは、脱落機構がス
テー３とベースステー２との取付部の皿ばね４お
よびセツトスクリユー５により形成されているた
め、取付部の設定位置に制約があり、第１０図に
示すように車両進行方向Ｘ−Ｘに対し斜め上方４
５°方向のピボツト中心Ｐをよぎる外力作用線Ｚ
−Ｚよりも上方位置にステーの基部を配設する必
要があり、状況によつては運転者の視界もさえぎ
る場合もある。

また、車両に組込む際には１本ないし複数本の
ビスで取付けるわけであるが、取付位置の関係か
ら作業性が悪く手数のかゝるものである。

本考案は上記の課題を解決して設定位置の制約
を受けることもなく、かつ車両への組込みの簡単
なルームミラーの取付け機構の提供を目的とする
ものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上記の目的を達成するため、次のよう
な手段を採用したものである。すなわち、車両の
フロントガラス上部または車室天井前縁端部付近
に固着したベース１０と、前記ベースに対し着脱
自在に固定するベースステー２０と、前記ベース
ステー上にネジにて固定する弾性材料製の薄板状
プレート３０とよりなり、 前記ベース１０はそのベースステー側に、後部
と下部が開口された嵌合凸部を形成し、その前縁
内側にテーパ状係合溝１３を形成し、また両サイ
ドの挿入ガイド１１の後端部外側面に前記ベース
ステーに設ける球状係止部材２５ａと係合する係
合凸部１５を設け、 前記ベースステー２０は、ベース１０の嵌合突
部に嵌合される形状に形成され、中央に貫通孔２
４を設けるとともに、前縁に前記テーパ状係合溝
１３に当接して係合する爪状凸部２３ａを、後部
両側に球状係止部材２５ａを保持する収納凸部２
１をそれぞれ設け、 前記薄板状プレート３０は、前記ベースステー
の内側に取り付けられる形状に形成して、中央に
皿ばね状締付座３４を設けるとともに、後部両側
には前記収納凸部２１をはめこむ貫通孔３１ａ
と、その貫通孔の脇に前記収納凸部２１に差し込
まれ、前記球状係止部材２５ａと係合する弾性押
圧片３１を形成し、この薄板状プレート３０とル
ームミラーのステー４０の基部との間に前記ベー
スステー２０を介置した状態でセツトスクリユー
３４ａにより前記皿ばね状締付座３４の上より薄
板状プレート３０とステー４０の基部とベースス
テー２０を仮組し、 前記ベースステーの爪状凸部２３ａを前記ベー
スのテーパ状係合溝１３に係合させるとともに、
同じくベースステーの球状係止部材２５ａをベー
スの係合凹部１５に係合したことを特徴としてい
る。

［作用］ 本考案は上記の手段を採用したので、ベース下
面の嵌合凸部とベースステー側との嵌合及びテー
パ状係合溝とベースステーに形成された爪状凸部
との案内により、ベースステーに形成された爪状
凸部をベースの取付面と平行にテーパ状係合溝に
向かつて挿入して係合させ、あるいは前記の爪状
凸部をテーパ状係合溝に向かつて挿入させなが
ら、ベースステーを上向きに回転すれば、前記ベ
ースステーの球状係止部材とベースの係合凹部と
は弾性的に係合する（第７ａ図、第７ｂ図）。

またステーの基部とベースステーを離す方向に
衝撃外力が作用したときは、セツトスクリユーと
皿ばね状締付座による保持が外れ、ベースにベー
スステーを残したまま回転し脱落する（第８ｂ
図）。

またこのステーにベースの取付面と平行に移動
させる衝撃外力が作用したときは、ベースステー
の球状係止部材とベースの係合凹部との係合が解
かれ、ベースステーはステーとともにベースの取
付面と平行にスライドし脱落する（第８ａ図）。

［実施例］ 以下、実施例について図面を参照して説明す
る。第１図は本考案ルームミラー取付け機構の１
部縦断側面図、第２図は第１図の−線におけ
る横断断面図、第３図は本考案取付け機構の分解
斜視図、第４図は同じくステー組立体をベースに
組付けるときの状況を示す斜視図である。

本考案はベース１０とベースステー２０と薄板
状プレート３０およびステー４０とセツトスクリ
ユー３４ａ、球状係止部材２５ａとよりなる。薄
板状プレート３０をベースステー２０の嵌合凹部
の内側に取付け、ステー４０をベースステー２０
に脱落可能にセツトする脱落機構を形成するとと
もに、球状係止部材２５ａをベースステーに設け
た収納凸部２１に突出自在にセツトし、弾性係合
用の球状突出部２５を形成させ、ベースステーの
挿入端の爪状凸部２３ａに併設させて弾性押圧爪
３３を設け、ベースのテーパ状係合溝１３に押圧
係止する爪状突出部２３を形成させている。

すなわち、ベース１０はベースステー２０の取
付側に後部と下面が開口された嵌合凸部を形成し
て、その前縁内側にテーパ状係合溝１３を形成
し、また両サイドの挿入ガイド１１，１１の後端
部外側面には前記ベースステーに設ける球状係止
部材２５ａと係合する係合凹部１５を設ける。

ベースステー２０は、前記ベースの嵌合凸部に
嵌合挿入する嵌合凹部よりなり、該嵌合凹部の内
側には、前記したように薄板状プレート３０を取
付凸部２２，２２と取付部３２，３２を介してネ
ジ３２ｄにより取付けるようにしてある。該嵌合
凹部の反対側にはステー４０の取付面を設け、整
合用凹部２０ａ、ステーの整合用小突起４０ａと
によりステー４０を位置決めセツトするようにし
てある。

また、ベースステー２０の前縁には複数の爪状
凸部２３ａ，２３ａを設け、前記薄板状プレート
の弾性押圧爪３３を併設させ、前縁部の係止用の
爪状突出部２３を形成させるとともにベースのテ
ーパ状係合溝に押圧するようにしている。

またベースステー２０の後部両側には、球状係
止部材２５ａ、２５ａを保持する収納凸部２１，
２１を設けている。該凸部２１，２１には薄板状
プレートの弾性押圧片３１，３１により前記係止
部材２５ａ，２５ａを収納し、その先端を第６ａ
図に示すように収納凸部より突出自在に設けて弾
性係合用の球状突出部２５，２５を形成させてい
る。

前記ベースステー２０の内側に取付けられた薄
板状プレート３０中央には、皿ばね状締付座３４
を設けてあり、セツトスクリユー３４ａにより、
ベースステーの貫通孔２４を介して前記ステー取
付面に位置決めされたステー４０を脱落機構を形
成させながら取付けるようにしてある。なお、前
記薄板状プレートの後部両側の貫通孔３１ａの脇
には収納凸部２１，２１に差し込まれる弾性押圧
片３１，３１が立設されている。

なお、薄板状プレート３０は弾性部材よりな
り、前記弾性押圧爪３３、弾性押圧片３１，３
１、皿ばね状締付座３４にそれぞれ弾性機能を与
えている。

また球状係止部材２５ａは、第６ａ図に示すよ
うにスチールボールを用い、または第６ｂ図に示
すように取付用ボス２５ｂを持ち球状頭部を持つ
ピンでもよい。第６ｃ図には第６ｂ図のピン２５
ａの拡大側面図を示し、第６ｄ図には第６ｂ図の
変形例の断面図を示してある。

また、前記ベースの嵌合凸部の挿入ガイド１
１、１１に設けた係合凹部１５，１５には第５図
に示すように係合斜面１５ａ，１５ｂ、１５ａ，
１５ｂをそれぞれ設け、嵌合時にベースステーに
設けた球状突出部との係合がベースに平行または
直角の２方向より容易にできるようにしてある。

上記構成であるので、取付けに際してはベース
１０を取付部材５０に接着剤等によりあらかじめ
固着させる。ついで、第３図に示すようにステー
４０をベースステー２０の嵌合凹部のステー取付
面に位置整合用の凹部２０ａと小突起４０ａとに
より取付位置を整合させる。一方、嵌合凹部の内
側の取付凸部２２，２２に取付部３２，３２を介
して薄板状プレート３０を取付ける。ついで、該
プレートの皿ばね状締付座３４を介してセツトス
クリユー３４ａにより脱落可能にベースステー２
０にステー４０をセツトする。ベースステー２０
と薄板状プレート３０の組付けに際しては、第６
ａ図または第６ｂ図に示すように、薄板状プレー
トの貫通孔３１ａ，３１ａに、ベースステーの収
納凸部２１をはめ込み、かつその収納凸部２１内
に薄板状プレートの弾性押圧片３１を差し込むこ
とにより、球状係止部材であるボール２５ａ，２
５ａにより差し込んだ押圧片３１を強く抱き込ん
で弾性的に係合させて固定する。

ついで、第７ａ図のようにベース１０の取付面
と平行な矢印方向に押圧しながら爪状突出部２３
をベース１０のテーパ状係合溝１３に挿入すれ
ば、ベースステーの先端はベースに押圧係止され
る。同時に球状突出部２５はベース１０の係合斜
面１５ａを介して係合凹部１５に弾性係合して前
縁部位に形成された爪状係止部と後端部位に形成
された球状係止部によりベースステー２０はステ
ー４０とともに装着される。

また、第７ｂ図に示すようにあらかじめ爪状突
出部２３をテーパ状係合溝１３に斜め下方より係
合させたのち、矢印方向に回転させながら押圧す
れば球状突出部２５は係合斜面１５ｂを介して係
合凹部１５に弾性係合し、それぞれ爪状係止部と
球状係止部とを形成させてベースステー２０はス
テー４０とともにベースに装着される。なお、テ
ーパ状係合溝１３には弾性押圧爪３３により弾性
押圧する構造にしてあるため、上記装着はガタの
発生を伴うことなく確実に行なうことができる。

上記取付け機構を有するルームミラーに外力が
作用した場合は第８ａ図、第８ｂ図に示すように
車両進行方向に対する取付角度により、例えば第
８ａ図の取付部材５０ａの傾斜角が浅い場合はベ
ース１０とベースステー２０との球状係止部材に
よる弾性係合および爪状係止部による押圧係合が
解かれ、ステー４０はベースステー２０とともに
矢印方向にスライドして斜め下方へ脱落し、第８
ｂ図の取付部材５０ｂの傾斜角の深い場合はステ
ー４０とベースステー２０との間に設けた脱落機
構によりベースステー２０をベース１０に残した
まま矢印方向へ脱落する。

［考案の効果］ 本考案は上記のように、ルームミラーのステー
４０をベース１０に組み付けるにあたり、ベース
ステー２０をベース１０にビス止めする必要がな
く、べーす下面の嵌合凸部とベースステー側との
嵌合及びテーパ状係合溝とベースステーに形成さ
れた爪状凸部との案内作用により中心が出し易
く、かつ円滑に回動するとともに、ベースステー
の球状係止部材とベースの係合凹部は弾性的に係
合し固定するので組付けがきわめて容易である。

またステーの基部とベースステーを離す方向に
衝撃外力が作用したときは、セツトスクリユーと
皿ばね状締付座による保持が外れ、ステーにベー
スの取付面と平行に移動させる衝撃外力が作用し
たときは、ベースステーの球状係止部材とベース
の係合凹部との係合が解かれ、ベースステーはス
テーとともにベースの取付面と平行にスライドし
脱落するから、ルームミラーの設定位置の制約が
少なくなり、ルームミラーを確実に脱落させるこ
とが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ルームミラー取付け機構の１部
縦断側面図、第２図は第１図の−線における
横断断面図、第３図は本考案取付け機構の分解斜
視図、第４図は同じくステー組立体をベースに組
付けるときの状況を示す斜視図、第５図は係合凹
部の拡大斜視図、第６ａ図は球状係止部の拡大斜
視図、第６ｂ図は第６ａ図の変形実施例を示す拡
大斜視図、第６ｃ図は第６ｂ図のピン２５ａを示
す拡大側面図、第６ｄ図は第６ｂ図の変形例を示
す断面図、第７ａ，７ｂ図は本考案の取付け機構
をフロントガラスに取付ける状況を示す側面図、
第８ａ，８ｂ図は本考案ルームミラーの外力によ
る脱落の状況を示す側面図、第９図は従来の取付
け機構の分解斜視図、第１０図は従来の取付け機
構を有するルームミラーの外力作用線に対する許
容設定位置を示す側面図である。 １０……ベース、１１……挿入ガイド、１２…
…ガイド端、１３……テーパ状係合溝、１５……
係合凹部、２０……ベースステー、２１……収納
凸部、２３……爪状突出部、２５……球状突出
部、２５ａ……球状係止部材、３０……薄板状プ
レート、３１……弾性押圧片、３３……弾性押圧
爪、３４……皿ばね状締付座、３４ａ……セツト
スクリユー、４０……ステー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車両のフロントガラス上部または車室天井前縁
   端部付近に固着したベース１０と、前記ベースに
   対し着脱自在に固定するベースステー２０と、前
   記ベースステー上にネジにて固定する弾性材料製
   の薄板状プレート３０とよりなり、 前記ベース１０はそのベースステー側に、後部
   と下面が開口された嵌合凸部を形成し、その前縁
   内側にテーパ状係合溝１３を形成し、また両サイ
   ドの挿入ガイド１１の後端部外側面に前記ベース
   ステーに設ける球状係止部材２５ａと係合する係
   合凹部１５を設け、 前記ベースステー２０は、ベース１０の嵌合突
   部に嵌合される形状に形成され、中央に貫通孔２
   ４を設けるとともに、前縁に前記テーパ状係合溝
   １３に当接して係合する爪状凸部２３ａを、後部
   両側に球状係止部材２５ａを保持する収納凸部２
   １をそれぞれ設け、 前記薄板状プレート３０は、前記ベースステー
   の内側に取り付けられる形状に形成して、中央に
   皿ばね状締付座３４を設けるとともに、後部両側
   には前記収納凸部２１をはめ込む貫通孔３１ａ
   と、その貫通孔の脇に前記収納凸部２１に差し込
   まれ、前記球状係止部材２５ａと係合する弾性押
   圧片３１を形成し、この薄板状プレート３０とル
   ームミラーのステー４０の基部との間に前記ベー
   スステー２０を介置した状態でセツトスクリユー
   ３４ａにより前記皿ばね状締付座３４の上より薄
   板状プレート３０とステー４０の基部とベースス
   テー２０を仮組し、 前記ベースステーの爪状凸部２３ａを前記ベー
   スのテーパ状係合溝１３に係合させるとともに、
   同じくベースステーの球状係止部材２５ａをベー
   スの係合凹部１５に係合したことを特徴とするル
   ームミラーの取付け機構。