JPH0448979Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は運転席のアクセルペダルの踏込み量を
検出して、これを自動車の電子制御系に伝達する
回路に関する。

本考案はプログラム制御を行う自動車の制御回
路に利用するに適する。

特にエンジン、クラツチおよび変速機などをマ
イクロコンピユータを用いて制御する自動変速装
置に利用するに適する。

〔概要〕

本考案は、アクセルペダルに連結され、アクセ
ルペダルの機械的変位を電気信号に変換する機械
電気変換装置とこの電気信号が入力するマイクロ
プロセツサを含む制御回路とを備えたアクセルペ
ダルの変位検出回路において、 同等の特性を有する複数個の装置をアクセルペ
ダルに連動するように連結し、この複数個の装置
がそれぞれ出力する電気信号のうちのアクセルペ
ダルの踏込み量が最も小さい値を送出する装置の
出力を選択して制御回路に与えることにより、 １個の機械電気変換装置が不具合となつても、
燃料制御装置から過大な燃料供給量をエンジンに
与えないことができるものである。

他の正常な機械電気変換装置に切り換えること
によつて、自動変速操作を継続に行うことができ
るようにしたものである。

〔従来の技術〕

運転者が操作するアクセルペダルの踏込み量と
エンジンの回転速度および他の自動車の走行特性
データ（車両速度や変速ギアの位置など）をそれ
ぞれ検出して、マイクロプロセツサおよびメモリ
を含む制御回路により、自動車のプログラム制御
運転を行う自動変速装置が知られている。

この場合エンジンに供給する燃料の供給量を制
御するため、運転者が自ら操作するアクセルペダ
ルの踏込み量を第一の制御パラメータとして取り
込んでいる。このためアクセルペダルの踏込み量
を検出する機械電気変換装置がアクセルペダルに
連結されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしアクセルペダルに連結された機械電気変
換装置の装備がただ１個であると、この装置が不
具合となつたとき、自動車の運転継続が不可能と
なる。

本考案はこの欠点を解決するもので、機械電気
変換装置が故障しても運転を継続できるアクセル
ペダルの変位検出回路を提供することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、アクセルペダルに連結され、アクセ
ルペダルの踏込みによる機械的変位を電気信号に
変換する機械電気変換装置と、上記電気信号を入
力するマイクロプロセツサを含む制御回路とを備
え、上記制御回路は、上記アクセルペダルの踏込
み量が変換された電気信号に基づいてエンジンの
燃料噴射量制御またはクラツチの接断および変速
機の制御のための制御信号を出力する手段を備え
る自動車のアクセルペダルの変位検出回路におい
て、 上記機械電気変換装置はほぼ同等の特性の装置
が複数個上記アクセルペダルに連動するように連
結され、この複数個の装置の出力電気信号のう
ち、アクセルペダルの踏込み量が最も小さい値を
送出している素子の出力を取り込む比較選択手段
を備えたことを特徴とする。

比較選択手段はマイクロプロセツサの制御手段
の一つであることが好ましい。

〔作用〕

ほぼ同等の特性を有する複数個の機械電気変換
装置を同一のアクセルペダルに連動するように同
一の方法で連結してあるので、これらの各装置が
正常であれば、アクセルペダルの各機械的な変位
量に対してはそれぞれほぼ同等の電気信号を発生
する。これらの複数の電気信号のうちから、もつ
ともアクセルペダルの変位量が少ないものに相当
する電気信号を選択して、これを基準として制御
回路で燃料供給量を制御し、さらにクラツチの接
断および変速機の変速を制御する。これにより制
御は常に安全側に行われる。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案の第一実施例のブロツク構成図
を示す。

本図において、アクセルペダル１のロツド部１
Ａには機械電気変換装置２Ａはレバー３Ａにより
ロツド部１Ａに連結されている。運転者がアクセ
ルペダル１を踏むと、ロツド部１Ａは下方に変位
する。このアクセルペダルによる変位はレバー３
Ａに機械的な変位を与える構成となつている。

機械電気変換装置２Ａの電気信号出力は、イン
タフエース５を介してメモリ７を含むマイクロプ
ロセツサ６に接続される。このさい運転者のアク
セルペダル１の踏込み量、すなわちレバー３Ａの
機械的変位の大きさに対応する電気信号がマイク
ロプロセツサ６に伝えられるので、この変位量を
エンジン回転速度センサ８Ｂなど車両の走行特性
の条件と比較し、かつメモリ７に記憶されたデー
タに従つて、マイクロプロセツサ６はエンジン８
の燃料噴射装置８Ａを制御し、またクラツチ１１
の接断および変速機１２のセレクト、シフトを制
御する。

ここで本考案の特徴とするところは、機械電気
変換装置２Ａとほぼ同等の他の機械電気変換装置
２Ｂがレバー３Ｂを介して、アクセルペダル１の
ロツド部１Ａに連動するように連結されており、
これら２個の機械電気変換装置２Ａまたは２Ｂが
出力する電気信号ａまたはｂのうち、アクセルペ
ダルの踏込み量が最も小さい値を送出している装
置の出力を取り込む比較選択回路４を備えたこと
にある。

機械電気変換装置２Ａおよび２Ｂはほぼ同等の
特性のものであり、同一形状のレバー３Ａおよび
３Ｂを介して同一のロツド部１Ａに連結している
ので、それぞれのレバーの変位量は同一である。
従つてアクセルペダル１の同一操作によつて２個
の機械電気変換装置２Ａおよび２Ｂがそれぞれ出
力する電気信号ａおよびｂは実用上等しいもので
ある。このため一方の機械電気変換装置の電気信
号の出力が何らかの原因で不具合となり、何れか
一方の機械電気変換装置の電気信号出力が実際に
運転者が踏込んでいるアクセルペダルの踏込み量
よりも大きい値に対応する電気信号が出力されて
も、比較選択回路４によりこの電気信号は排除さ
れる。したがつて正常な機械電気変換装置の電気
信号がインタフエース５を介してマイクロプロセ
ツサ６に入力するので、燃料噴射装置８Ａはエン
ジン８に過大な燃料を供給することがない。

比較選択回路４は、比較器４Ａで各電気信号の
それぞれの変位量の大小に対する電圧値を比較
し、選択回路４Ｂにより変位量の小さいものを選
択し出力する。

第２図は本考案の第二実施例のブロツク構成図
を示し、第３図は本実施例の流れ図を示す。

本実施例では、２個の機械電気変換装置２Ａま
たは２Ｂの各電気信号の比較選択制御はマイクロ
プロセツサ６で行う。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によればアクセル
ペダルの機械的変位を検出する機械電気変換装置
が不具合になつても、安全側に動作し、エンジン
に燃料の過大供給をすることなく、自動車の運転
が継続できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第一実施例のブロツク構成図。
第２図は本考案第二実施例のブロツク構成図。第
３図は上記第二実施例の流れ図。 １……アクセルペダル、１Ａ……ロツド部、２
Ａ，２Ｂ……機械電気変換装置、３Ａ，３Ｂ……
レバー、４……比較選択回路、４Ａ……比較器、
４Ｂ……選択回路、５……インタフエース（Ｉ／
Ｏ）、６……マイクロプロセツサ（CPU）、７…
…メモリ（MEM）、８……エンジン、８Ａ……
燃料噴射装置、８Ｂ……エンジン回転速度セン
サ、９……電源、１０……表示灯、１１……クラ
ツチ、１２……変速機、１３……車両速度セン
サ、ａ，ｂ……電気信号。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) アクセルペダルに連結され、アクセルペダル
   の踏込みによる機械的変位を電気信号に変換す
   る機械電気変換装置と、 上記電気信号を入力するマイクロプロセツサ
   を含む制御回路と を備え、 上記制御回路は、上記アクセルペダルの踏込
   み量が変換された電気信号に基づいてエンジン
   の燃料噴射量制御またはクラツチの接断および
   変速機の制御のための制御信号を出力する手段
   を備える自動車のアクセルペダルの変位検出回
   路において、 上記機械電気変換装置はほぼ同等の特性の装
   置が複数個上記アクセルペダルに連動するよう
   に連結され、 この複数個の装置の出力電気信号のうち、ア
   クセルペダルの踏込み量が最も小さい値を送出
   している素子の出力を取り込む比較選択手段を
   備えたことを特徴とするアクセルペダルの変位
   検出回路。 (2) 比較選択手段はマイクロプロセツサの制御手
   段の一つである実用新案登録請求の範囲第(1)項
   に記載のアクセルペダルの変位検出回路。