JPH0448297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ホテル、リースマンシヨンなどの錠
前として有効なカード式電気錠装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来この種の装置として、カード発行機内に暗
号化装置を設け、所定の情報を暗号化してカード
上に記録すると共に、挿入されたカードによつて
解錠制御を行う制御装置内に解読装置を設け、こ
の解読装置によつてカード上に記録された暗号を
解読した後、所定の基準信号と比較して、その出
力信号によつて解錠制御を行うようにしたものが
例えば特公昭58−14910号公報において知られて
いる。

この従来の装置では、キー情報を暗号化して形
成したカード上の記録を読み取り、解読した上で
解錠制御を行うようになつているため、カードの
偽造を不可能にすることができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

叙上した従来の装置では、適正なカードであれ
ば、誰がカードを挿入しても解錠制御を行うこと
ができるため、カードを誤つて紛失してしまつた
場合には、それを拾つた人によつて不正使用され
る危険が大きい。

そこで、本考案は紛失したカードを拾つた人に
よる不正解錠を不能にしたカード式電気錠装置を
提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕 上記問題点を解決するための本考案によりなさ
れたカード式電気錠装置は、第１図の基本構成図
に示す如く、キーカードＡに記録されている情報
を読み取るカード読み取り手段Ｂを備える。キー
カードＡには時間情報と解錠すべき電気錠Ｃに対
応した特定情報とが記録されている。カード読み
取り手段Ｂにより読み取られた時間情報と特定情
報とにより、有効性判定手段Ｄがキーカードの有
効性を判定する。

有効性判定手段Ｄがキーカードの有効性を判定
したとき、入力手段Ｅにより入力される任意の番
号と暗唱番号記憶手段Ｆに記憶されている暗唱番
号とを比較手段Ｇが比較し、両者が所定の関係に
あるとき電気錠Ｃに解錠信号を出力する。

暗唱番号記憶手段Ｆへの暗唱番号の記憶、すな
わち暗唱番号の登録は、有効性判定手段Ｄがキー
カードが有効であることを判定しているとき、キ
ーカードに記録されている時間情報に基づき定め
られる期間内において、登録手段Ｈが入力手段に
より入力される任意の番号を暗唱番号として暗唱
番号記憶手段に１度だけ登録可能にすることによ
り行われる。

以上により、解錠には有効なキーカードと暗唱
番号の入力とが必要となり、また、暗唱番号の登
録は有効なキーカードによつて１度だけ行えるよ
うになつているため、他人による暗唱番号の新た
な登録の心配がないので、キーカードを紛失し、
暗唱番号を知らない他人に拾われても不正に解錠
されることがない。

〔実施例〕

以下、本考案によるカード式電気錠装置の一実
施例を図に基づいて説明する。

第２図は本考案によるカード式電気錠装置の一
実施例を示す斜視図、第３図は第２図の装置の電
気回路を示すブロツク図である。

第２図において、装置はドア１０の開閉ノブ１
１に隣接して設けられている。ドア１０は非施錠
状態においてノブ１１を回して押すことによつて
開けることができる。施錠は室内に居るときはド
ア１０の内側に設けられている図示しない施錠ノ
ブの操作により行われ、外室時の施錠はドア１０
を開けた状態で施錠ノブを施錠状態にセツトした
後ドア１０を閉じることにより行われる。

施錠状態にあるドア１０の解錠を室外で行う場
合には、キーカード１２をカード挿入口１３に差
し込んだとき表示器１４に表示されるテンキー１
５による暗唱番号の入力指示に従つて適正な暗唱
番号を入力すればよい。

上記カード挿入口１３、表示器１４及びテンキ
ー１５、装置ケース１６の外側に設けられてお
り、ケース１６の内部には、第３図に示すような
電気装置及び回路が組み込まれている。

第３図において、２０は中央処理装置（CPU）
であり、CPU２０は記憶装置２１のリードオン
リーメモリ（ROM）に記憶されている予め定め
られたプログラムに従つて動作し、カード挿入口
１３（第２図）にキーカード１２が差し込まれた
ときカード読み取り装置２２が読み取るキーカー
ド１２上に記録されている情報をカード読み取り
装置２２から受け取ると共に、テンキー１４の操
作によつて発生される信号を受け取り、これらの
情報及び信号を処理し、必要なデータを記憶装置
２１のRAMに記憶したり、電気錠２３に解錠信
号を出力したり、表示器１４に必要な表示を行わ
せる表示信号を出力したりなどする。なお、時計
２４は上記処理の過程で使用する年、月、日を含
む実時間情報を発生する。

キーカード１２が、ホテルのルームの解錠のた
めに使用するものである場合には、ホテルのフロ
ントのカウンタなどに設置されるカード発行機に
よりホテルを利用する客毎に新しく発行される。
より詳細には、第４図に示すように、キーカード
発生時にフロントにおいて、チエツクインの日付
（DATE）、ルーム番号（ROOM No.）１２ａを
記入すると共に、カード発行機のキー操作によつ
てチエツクインの日付やルーム番号を入力したデ
ータを暗号化したものを穿孔情報１２ｂとして記
録することにより、キーカード１２を作成する。
このように作成されたキーカード１２はフロント
において客に渡される。

キーカード１２を受け取つた客はキーカード１
２に記入されているルームへ行き、そのドア１０
（第２図）に設けられている装置のカード挿入口
１３にカードを差し込むと、キーカード１２上の
穿孔情報１２ｂがカード読み取り装置２２により
読み取られ、CPU２０に入力される。

CPU２０は読み取つた穿孔情報１２ｂをカー
ド発行機における暗号化と逆の処理によつてデコ
ードし、チエツクインの日付とルーム番号とを認
識し、該認識したチエツクイン日付とルーム番号
とを用いてキーカード１２が当該ルームに有効な
カードであるかどうかを判断する。

キーカード１２が有効なものであるときには、
所定の桁数からなる暗唱番号の登録操作をテンキ
ー１５によつてすべき旨を表示器１４を表示し、
客の暗唱番号の登録操作を待つ。客が指示に従つ
て登録操作が行うと、テンキー１５により入力さ
れた暗唱番号を記憶装置２１のRAMに記憶する
と共に、解錠信号を電気錠２３に出力して電気錠
２３の解錠を行う。従つて、客はドア１０のノブ
１１を回してドア１０を開け、入室することがで
きるようになる。

以上は、チエツクイン後最初にルームに入室す
る場合であるが、以後施錠してあるドア１０を室
外から解錠する場合には、キーカード１２をカー
ド挿入口１３に差し込んだ後、登録した暗唱番号
の入力操作をすべき旨の表示器１４の表示による
指示を待つて暗唱番号をテンキー１５により入力
することにより、解錠を行うことができる。

なお、暗唱番号の登録はチエツクイン後のカー
ド挿入口１３へのキーカード１２の差し込みとテ
ンキー１５による最初の登録操作のみによつて行
えるようにしてあり、一度登録した後は、当該キ
ーカード１２の有効期間が過ぎ、登録暗唱番号が
自動的にクリアされるまでは行えないようになつ
ている。すなわち、当該キーカード１２をもつた
客のチエツクアウト時間を過ぎた時点で、新しい
客に対して発行される新しいキーカードによつて
のみ、新しい暗唱番号の登録が可能になつてい
る。

よつて、キーカードを紛失し他人に拾われて
も、暗唱番号を知らない他人によつて解錠される
ことはない。勿論、キーカードの紛失によつて入
室が不能にならないように、新たなキーカードの
発行によつて、新たな暗唱番号の登録を可能にす
るようになつていることが好ましい。

第５図は上述のような動作を行うため、CPU
２０が予め定めたプログラムに従つて行う仕事を
示すフローチヤートであり、以下その内容を説明
する。

第５図において、フローチヤートは装置の電源
投入に応じてスタートし、その最初のステツプ
S1においてイニシヤライズを行う。このイニシ
ヤライズでは、例えばルーム番号に対応して予め
定め設定された所定番号が記憶装置２１中の
RAMの所定領域にセツトされる。

続くステツプS2において、電気錠２３が施錠
状態にあるか否かを判定する。この判定は例えば
電気錠２３の状態信号を入力しておくことによつ
て行うことができる。この判定がNOのときに
は、この判定を一定時間毎に繰返す。ステツプ
S2の判定がYESのとき、すなわち電気錠２３が
施錠されているときには、ステツプS3に進み、
ここでキーカード１２がカード挿入口１３に差し
込まれているか否かが判定される。この判定はカ
ード読み取り装置２２からの読み取り信号の有無
によつて行うことができる。

上記ステツプS3の判定がYESの場合には、キ
ーカード１２上の穿孔情報１２ｂをステツプS4
において読み取り、これを続くステツプS5にお
いてデコードする。デコードした情報、すなわち
チエツクイン日付とルーム番号は例えば記憶装置
２１中のRAMの所定領域に一時的に記憶され
る。その後、ステツプS6に進み、ここでカード
挿入口１３に差し込まれたキーカード１２が当該
ルームの解錠に有効なものであるか否かを判定す
る。この判定は、上記ステツプS5においてデコ
ードし一時記憶したチエツクイン日付とルーム番
号とを利用して行われ、デコードしたルーム番号
と予め設定した所定番号が一致し、かつチエツク
イン日付から判るチエツクアウト日とその時間を
時計２４の時間が過ぎているか否かによつて行わ
れる。

ステツプS6の判定がYESで、カードが有効で
あることが判定された場合には、次にステツプ
S7においてフラグがオンしているか否かが判定
される。このフラグのオンは暗唱番号が登録済で
あることを示し、オフは未登録であることを示
す。ステツプS7の判定がNOでまだ暗唱番号が登
録されていないときには、ステツプS8に進み、
ここで登録すべき暗唱番号をテンキー１５の操作
により入力すべき旨を表示する表示を表示器１４
に行わせる。

その後、ステツプS9に進み、ここでテンキー
１５の操作によるキー入力が有るか否かが判定さ
れ、キー入力が有り判定がYESのときには、続
くステツプS10において、その入力キーに対応し
た数字が記憶装置２１のPAM中の所定領域に記
憶すると共にステツプS11で該記憶した数字を表
示器１４に表示させた後に、次のステツプS12に
おいてキー入力が暗唱番号に対応する所定桁数分
あつたか否かが判定される。

所定桁数のキー入力があり、ステツプS12の判
定がYESのときは、ステツプS13に進み、ここで
入力した数字を表示器１４に表示されている数字
を見てこれを暗唱番号として登録してよいかを確
認すべき旨の指示を表示器１４に表示させ、そし
て続くステツプS14において、確認の上登録を了
解したか否かの判定を行う。この判定は登録了解
をテンキー１５の特定キーの操作を判定すること
によつて行うことができる。ステツプS14の判定
がYESのときには、その後のステツプS15におい
て、登録済であることを示すフラグをオンし、続
くステツプS16において解錠信号を出力し、これ
によつて施錠状態にある電気錠２３を解錠した
後、ステツプS2に戻る。

上記ステツプS16において、電気錠２３を解錠
したことにより、ステツプS2の判定はNOにな
り、以後、このステツプS2の判定が施錠が行わ
れるまで繰返し行われる。

上記ステツプS3の判定がNO、すなわち、電気
錠２３は施錠状態にあるがキーカード１２がカー
ド挿入口１３に差し込まれていないときには、ス
テツプS17に進み、ここでフラグがオンであるか
否かが判定される。すなわち暗唱番号の登録の有
無が判定される。この判定がNOのときは、すな
わち暗唱番号が未登録のときはステツプS2に戻
り、ステツプS2，ステツプS3及びS17が繰返され
る。

ステツプS17の判定がYESのときには、ステツ
プS18に進み、ここで暗唱番号の登録時にデコー
ドして記憶したチエツクイン日付から判るチエツ
クアウト時間と時計２４の年月日時間とを比較す
る。このステツプS18での比較の結果、時計２４
の時間がチエツク時間を経過しているか否かが次
のステツプS19において判定され、このステツプ
S19の判定がNOのときには、ステツプS2に戻り、
ステツプS19の判定がYESとなるまで上記ステツ
プS2，S3，S17〜S19が繰返し実行される。

上記ステツプS19の判定がYESのとき、すなわ
ち時計２４がチエツクアウト時間を過ぎていると
きには、ステツプS20においてフラグをオフした
後、ステツプS21において既に登録してある暗唱
番号をクリアし、ステツプS2に戻る。

また、上記ステツプS6の判定がNOのとき、す
なわちカード挿入口１３に差し込まれたキーカー
ド１２が有効でないことが判定された場合には、
ステツプS22において表示器１４にキーカードが
無効であることを表示させてステツプS2に戻る。

更に、上記ステツプS7の判定がYESのとき、
すなわち、暗唱番号が登録済みで、かつカード挿
入口１３に差し込まれたキーカード１２が有効で
あるときには、ステツプS23に進み、ここで暗唱
番号をテンキー１５の操作によつて入力すべき旨
を指示する表示を表示器１４に行わせる。その後
ステツプS24に進み一定時間T₂のタイマを起動
し、続くステツプS25においてタイムオーバとな
つたか否かが判定される。

暗唱番号の入力を指示してもタイマ時間T₂の
間所定桁数の暗唱番号の入力がないときには、ス
テツプS25の判定がYESとなり、ステツプS2に戻
る。タイマの一定時間T₂の時計の間に所定桁数
のキー入力があり、ステツプS26の判定がYESと
なつた場合には、登録暗唱番号と入力暗唱番号と
をステツプS27において比較し、その比較結果両
者が一致しているか否かがステツプS28において
判定される。このステツプS28の判定がYESのと
きにはステツプS16に進み、ここで解錠信号を出
力した後ステツプ２に戻り、NOのときにはステ
ツプS29において一定時間誤入力操作であること
を表示器１４に表示させた後ステツプS2に戻る。

なお、上記暗唱番号の登録時に、ステツプS9
又はS12の判定がNOで、それぞれ所定時間T₃又
はT₄の間キー入力がなかつたり、所定桁数の入
力がなかつた場合には、途中までのキー操作によ
り記憶した番号をステツプS21においてクリアし
た後ステツプS2に戻る。

また、ステツプS14の判定がNOの場合、続く
ステツプS30において、テンキー１５の操作によ
り登録のため入力した番号を暗唱番号として記憶
したくなく取り消し操作が行われたか否かが判定
される。判定がYESのときには、登録のため入
力した番号をステツプS21においてクリアした後
ステツプＳに戻る。

そして、所定桁数入力したにもかかわらず、登
録操作も取り消し操作も行わずに一定時間T₄放
置した場合にもステツプS21において入力し記憶
した番号を最終的に暗唱番号として残らないよう
にするため、ステツプS21においてそれをクリア
してステツプS2に戻る。

〔効果〕

以上説明したように本考案によれば、解錠を行
うためには有効なキーカードと暗唱番号の入力を
必要としているため、有効なキーカードを紛失し
ても他人により不正解錠されることがなく、防犯
性の向上が図られている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるカード式電気錠装置の基
本構成を示すブロツク図、第２図及び第３図は本
考案の装置の一実施例を示す外観斜視図及び電気
回路図、第４図はキーカードの一例を示す平面
図、及び第５図は第３図中のCPUが行う仕事の
内容を示すフローチヤート図である。 Ａ……キーカード部材、Ｂ……カード読み取り
手段、Ｃ……電気錠、Ｄ……有効性判定手段、Ｅ
……入力手段、Ｆ……暗唱番号記憶手段、Ｇ……
比較手段、Ｈ……登録手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電気錠と、 時間情報と解錠すべき電気錠に対応した特定情
   報とを記録したキーカード部材上の前記時間情報
   と特定情報とを読み取るカード読み取り手段と、 該カード読み取り手段により読み取つた時間情
   報と特定情報によりキーカードの有効性を判定す
   る有効性判定手段と、 登録した暗唱番号を記憶する暗唱番号記憶手段
   と、 任意の番号を入力する入力手段と、 前記有効性判定手段がキーカードが有効である
   と判定しているとき、前記入力手段により入力さ
   れた番号と暗唱番号記憶手段に記憶されている暗
   唱番号とを比較し、両者が所定の関係にあるとき
   前記電気錠に解錠信号を出力する比較手段と、 前記有効性判定手段がキーカードを有効である
   と判定しているとき、該キーカードに記録されて
   いる時間情報に基づき定められる期間内におい
   て、１度だけ前記入力手段により入力される任意
   の番号を暗唱番号として前記暗唱番号記憶手段に
   登録可能にする登録手段とを備える ことを特徴とするカード式電気錠装置。