JPH0448007Y2

JPH0448007Y2 -

Info

Publication number: JPH0448007Y2
Application number: JP1983086262U
Authority: JP
Priority date: 1983-06-08
Filing date: 1983-06-08
Publication date: 1992-11-12
Also published as: JPS59193010U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、可変容量ダイオードに制御電圧を印
加して発振周波数を調整した圧電発振器を利用分
野とし、特に発振器筐体の内部又は外部のいずれ
からでも選択的に調整できるようにした水晶発振
器に関する。

（考案の背景）水晶発振器は発振周波数の安定度に優れること
から、各種の電子機器に基準源として多用されて
いる。近年では、経年変化等による発振周波数の
変化を発振器筐体の内部又は外部からでも、必要
に応じていずれか一方を選択して調整できるよう
にしたものが望まれている。すなわち、電子機器
においては、発振器の装着位置がそれぞれ異な
り、発振器の内部可変抵抗を調整棒等により比較
的容易に行える場合や、それらの制御を困難にす
る場合がある。したがつて、ユーザは仮に同一機
能の発振器であつたとしても、機種によつては、
その周波数調整を内部可変抵抗としたり、又は外
部可変抵抗として発注せざるを得ず互換性に欠け
るものであつたことに起因する。このようなこと
から、次の従来例に示すようなものが一例として
考えられた。

（従来技術）第５図はこのような水晶発振器を説明する回路
図である。

発振回路１は発振子を水晶振動子２として発振
用トランジスタ３に接続する。そして、他の回路
素子と相俟つて例えばコルピツツ型を形成する。
水晶振動子２とアース電位Ｅとの間には固定コン
デンサ４とトリマコンデンサ５と可変容量ダイオ
ード６とが並列に接続する。そして、可変容量ダ
イオード６のカソード側に固定抵抗７を接続し、
発振器筐体外に供給電圧を制御する図示しない外
部可変抵抗の選択端子ａを設ける。なお、符号８
は固定コンデンサで、点線枠内は発振器筐体内部
を示す。

そして、このようなものでは、ユーザが発振器
筐体内部での調整を望む場合には、可変容量ダイ
オード６への印加電圧を一定値（この場合は０）
として容量値を固定し、トリマコンデンサ５によ
り発振周波数を調整する。すなわち、発振周波数
は基本的にトリマコンデンサ５の値により決定さ
れる。

また、発振器筐体外部からの調整を望む場合に
は、選択端子ａと電源Ｖc.c.との間に図示しない外
部可変抵抗を設けて発振器筐体外に導出する。そ
して、トリマコンデンサ５の値を一定とし、外部
可変抵抗により可変容量ダイオード６への印加電
圧を制御して発振周波数を調整する。

したがつて、このようなものであれば、発振器
筐体の内部又は外部からの調整をユーザの希望に
よつて行うことができる。

（従来技術の問題点）しかしながら、上記水晶発振器では、発振器筐
体内部での調整を行う場合には、可変容量ダイオ
ード６の意義が損なわれる。また、発振器筐体外
部での調整を行う場合には、トリマコンデンサ５
の意義が損なわれる。すなわち、発振周波数の調
整をするために本来１つの素子（トリマコンデン
サ５又は可変容量ダイオード６）で済むべきとこ
ろを抵抗等に比較して高価な素子を併用するの
で、素子の利用効率が悪くて不経済な問題があつ
た。

（考案の目的）本考案は、素子の経済的な利用効率を高めて発
振器筐体内部又は外部のいずれか一方を選択して
発振周波数を調整できる圧電発振器を提供するこ
とを目的とする。

（解決手段）本考案は、可変容量ダイオードに印加する制御
電圧を、発振器筐体内部に設けた内部可変抵抗
と、該内部抵抗に接続して発振器筐体外に設けら
れる外部可変抵抗とにより選択的に制御し、圧電
発振器の発振周波数を調整したことを基本的な解
決手段する。以下、本考案の一実施例を説明す
る。

（実施例）第１図は本考案の一実施例を説明する水晶発振
器の主要部の回路図である。なお、前従来例と同
一部分には同番号を付与して説明する。

発振回路１は、前述同様に、水晶振動子２を発
振子として発振用トランジスタ３に接続し、他の
回路素子と相俟つて例えばコルピツツ型を形成す
る（前第５図参照）。

水晶振動子２には固定コンデンサ９を通してア
ノード側をアース電位（基準電位）とした可変容
量ダイオード１０を接続する。固定コンデンサ９
と可変容量ダイオード１０の中点とアース電位と
の間には固定抵抗１１と固定コンデンサ１２とを
接続する。固定抵抗１１と固定コンデンサ１２と
の中点には、一端を定電圧源とした電源VCc.c.側
に、他端を選択端子ａ側とした例えばスライド方
式の内部可変抵抗１３を接続する。なお、選択端
子ａは発振器筐体に設けられ、図中の点線枠内は
発振器筐体内を示す。

このようなものでは、ユーザが発振器筐体内部
での調整を望む場合は、選択端子ａとアース電位
との間に導通線路１４を接続する（第２図）。そ
して、内部可変抵抗１３を調整して電源Ｖc.c.から
の可変容量ダイオード１０に印加される電圧を制
御し、発振周波数を調整する。

また、発振器筐体外部からの調整を望む場合に
は、選択端子ａとアース電位との間に外部可変抵
抗１５を設けて発振器筐体から外部に導出する。
なお、外部可変抵抗１５の一端がアース電位に接
地される。このとき、内部抵抗は例えばスライド
端子をアース電位端側としてその値を最小にする
（第３図）そして、外部可変抵抗１５を調整して
電源Ｖc.c.からの可変容量ダイオード１０に印加さ
れる可変制御電圧を制御し、発振周波数を調整す
る。

このような構成であれば、一つの可変容量ダイ
オード１０への印加電圧を内部又は外部の可変抵
抗１３，１５により選択的に制御して発振周波数
を調整できる。したがつて、ユーザが発注後ある
いは購入後等においても、その電子機器の種類に
応じて、選択端子に抵抗値の一定の導通線路か、
あるいは外部可変抵抗を付加することによつて内
部又は外部からの調整を任意に選択でき、部品の
共通化を計れる。また、生産者にとつても、内部
あるいは外部調整方式の区別を不要とすることか
ら、管理上の問題等においても好都合とする。そ
して、このようなものでは、素子（可変容量ダイ
オード）の経済的な利用効率を高めて例えば製品
コストを低減する。

（他の事項）なお、上記実施例では、内部可変抵抗１３と外
部可変抵抗１５とによる調整では、発振周波数の
調整範囲は異なる。すなわち、内部可変抵抗１３
による調整の場合には、外部可変抵抗１５がない
ので、電源電圧を制御電圧範囲とする。一方、外
部可変抵抗１５による調整の場合には、内部可変
抵抗１３に分圧されるため、制御電圧範囲をＶ
c.c.・R_15(MAX)／R₁₃＋R_15(MAX)とする。したがつて、
内部可変抵抗１３の調整による場合の方が、外部
可変抵抗１５の場合よりもその制御電圧範囲を大
きくするので、発振周波数の調整範囲を広くす
る。

そこで、仕様等により発振周波数の調整範囲を
等しくする必要のある場合には、例えば第４図に
示したように、電源Ｖc.c.と内部可変抵抗１３との
間に固定抵抗１６を挿入する。そして、各抵抗の
値をR₁₆：R₁₃＝R₁₆＋R₁₃：R₁₅となるようにす
る。したがつて、このようにすれば、内部又は外
部の可変抵抗１３，１５による調整の場合であつ
ても、電源電圧は内部可変抵抗１３と外部可変抵
抗１５に同一電圧（MAX値）が印加されるの
で、その可変範囲を等しく、その結果、発振周波
数の調整範囲を同等にする。

また、内部での調整を望む場合は、選択端子ａ
とアース電位との間に導通線路１４を接続すると
したが、この導通線路には例えば固定抵抗が接続
されていもよく、要は抵抗値が一定であればよい
ことはいうまでもない。

また、本実施例では水晶発振器を例として説明
したが、例えばL_IT_aO₃等の他の圧電材からなる
圧電発振器にも適用できることはいうまでもな
い。

（考案の効果）本考案は、可変容量ダイオードに印加する制御
電圧を、発振器筐体内部に設けた内部可変抵抗
と、該内部抵抗に接続して発振器筐体外に設けら
れる外部可変抵抗とにより選択的に制御して発振
周波数を補正したので、経済的な利用効率を高め
て発振器筐体内部又は外部のいずれか一方を選択
して発振周波数を調整できる圧電発振器を提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を説明する水晶発振
器の主要部を示す回路図、第２図は同回路図であ
つて内部可変抵抗により発振周波数を調整する場
合の図、第３図は同回路図であつて外部可変抵抗
により発振周波数を調整する場合の図である。第
４図は本考案の他の実施例を説明する水晶発振器
の主要部の回路図である。第５図は従来例を説明
する水晶発振器の回路図である。１……発振回路、２……水晶振動子、３……発
振用トランジスタ、４，８，９，１２……固定コ
ンデンサ、５……トリマコンデンサ、６，１０…
…可変容量ダイオード、７，１１，１６……固定
抵抗、１３……内部可変抵抗、１４……導通線
路、１５……外部可変抵抗。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】圧電振動子に可変容量ダイオードを接続し、該
可変容量ダイオードに可変制御電圧を印加して容
量値を変化させ、発振回路の発振周波数を必要に
応じて筐体の内部又は外部からでも調整できるよ
うにした圧電発振器であつて、前記可変制御電圧を得る電圧源に一端を接続し
た内部可変抵抗体と、前記内部可変抵抗体の他端に接続され、アース
電位に接続されるか又は、前記筐体外部に設けら
れる一端をアース電位に接続した外部可変抵抗体
の他端に接続される選択端子とを備えたことを特徴とする圧電発振器。