JPH0447735B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、給杭操作腕を有する抗圧入引抜機に
関するもので、特に、本体基台上に多数の杭を載
荷して杭の供給、取外しを自動的に行つて抗圧入
引抜き作業を効率的に行える抗圧入引抜機に関す
るものである。

（技術の技術） コフアダム、擁壁等を構築する土木工事では各
種綱矢板を線状に整列させて地中に打設し、場合
によつて引抜撤去が行われる。こうした作業で用
いられる抗圧入引抜機には既に地中に打設された
杭（既設杭）の上に装置全体を固定させて抗圧入
乃至引抜きを行い、抗圧入引抜き工事に進行に伴
つて既設杭上を移動する自走式抗圧入乃至引抜機
がある。

この種の抗圧入引抜機は一般に、既設杭上の自
走機構と前後左右に移動可能な基台と、基台に、
立設した支柱と、支柱に沿つて上下摺動する昇降
ヘツドとから成り、昇降ヘツドへの杭の供給はチ
エンブロツクやユンボ等の補助吊り下げ装置を用
いて行つていた。

また、上記のように支柱を持つ従来の抗圧入引
抜機では、橋梁下のように上方に障害物がある場
合、昇降ヘツドを上下に案内移動させる支柱が邪
魔になるため上方に空間的制約を受ける場所に適
用できなかつた。

そこで本発明者は特願昭58−195093号（特開昭
60−88722号）によつて、上記従来構成における
支柱を排除したパイル圧入、引抜機を既に提案し
ている。

上記提案の装置は、既設杭に把持固定されるサ
ドルと、サドルに設けられる前後移動可能な前後
移動台と左右移動可能な左右移動台と、この左右
移動台に対して上下移動する昇降ヘツドとから成
り、この昇降ヘツドが最下位に加工すると上記前
後移動台及び左右移動台の高さと略々等しくなる
ように構成している。この装置構成によつて、上
方の障害物のために高さに制約がある場所でも杭
打設乃至引抜きが比較的容易になるばかりでな
く、装置から上方障害物までの長さを最大限に確
保できるので、より長い杭が使用できる特長があ
る。

（発明が解決しようとする問題点） 上述したように従来の装置では杭の圧入時に杭
を１本ずつ昇降ヘツドに装填するためには、別途
準備したチエンブロツクやミニユンボ等の補助吊
下げ装置を必要とし、これを操作する作業員を要
し非自動化による作業能率も低いものであつた。
また、上記した本発明者による提案の抗圧入引抜
機で継ぎ矢板等の杭の圧入引抜きを行う場合で
も、上記ような補助吊下げ装置で杭を吊り下げて
昇降ヘツドへの装填乃至取外しを行う必要があ
り、能率の向上が望めなかつた。また、橋梁下の
ように上方に障害物がある場合は上記吊下げ装置
を用いると杭の長さが更に制限され、所定の長さ
の杭を地中に圧入するためには杭装填作業を多く
繰り返す必要があつた。また、上記吊上機械を操
作、移動させる作業員が必要であり、且つ、抗圧
入引抜きを水上で行う場合は当該機械を容易に適
用できなかつた。

更に、問題が深刻化するのは、上方だけでなく
側方にも障害物がある狭溢な場所では上記吊下げ
装置が使用不能になる場合である。つまり、上記
吊下げ装置が使えないと抗圧入引抜作業能率が著
しく低下する等の不都合があつた。

しかして、本発明の目的は抗圧入引抜に際して
昇降ヘツドの杭装填、取外しを連続して自動的に
実行できるようにし、作業時間の短縮及び作業要
員の削減を可能にして作業能率を飛躍的に高める
ことが可能な抗圧入引抜機を提供することにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本発明の抗圧入引抜
機は、基台と、基台の前部に上下移動可能な昇降
ヘツドと、基台上に旋回自在に設けられ先端に杭
把持部材を有する給杭操作とより成り、上記給杭
操作腕によつて昇降ヘツドと基台との間を杭を杭
を持ち上げて移動させることを特徴とする。

（作用） 杭を地中に圧入する場合は基台上に予め綱矢板
等の杭を複数水平上に積載しておく。地中に既に
打設した既設杭上に装置を固定した場合、昇降ヘ
ツドを杭圧入箇所の上方に位置づけておく。基台
に積載している杭を上記給杭操作腕で把持して持
ち上げ、昇降ヘツドに搬送する。昇降ヘツドに杭
を垂直に入れヘツドに内蔵にチヤツクで挾持して
杭圧入に備える。給杭操作腕の先端の運動範囲を
昇降ヘツドに垂直に入れる杭の高さより低く設定
できるので、この装置の使用限界高さは実質的に
杭の長さできまる。

上記抗圧入作業で短尺の杭を同じ場所に打設す
る場合は既に地中に圧入した杭と新たに供給する
杭とを溶接、ボルト或いはかしめ等の手段によつ
て継ぎ杭にする。杭引きの場合は上記杭圧入作業
の逆の手順で行うことができる。つまり、昇降ヘ
ツドのチヤツクで既設杭を挾着し昇降ヘツドで引
き上げた後に上記給杭操作腕を用いて引き上げ杭
を把持して基台上に搬送する。上記作業は入手を
かけず連続的に行えるため作業能率が向上すると
共に、上方の障害物のある制約された空間でも有
効に利用できる。

（実施例） 図面第１図示乃至第３図は本発明の抗圧入引抜
機の一実施例を示すもので、第１図は側面図、第
２図は平面図、第３図は正面図である。

図中１はサドルである。このサドル１は、下部
に既設杭Ｐ０，Ｐ０……を把持するクランプ２，
２……を有している。サドル１上に前後方向（杭
列方向）移動可能に設けられた前後移動台３と、
前後移動台３に対して左右方向に（杭列の直交方
向）移動可能に設けられた左右移動台４とで基台
５を構成している。これらの要素は、従来の既設
杭上の自走式抗圧入引抜機の構成に見られるもの
であり本発明で構成を特に限定するものではな
い。またサドル１と基台５との間に基台５の旋回
装置を設けてもよい。

６は上記基台５の前後に上下移動可能及び旋回
可能に設けられた昇降ヘツドである。この実施例
では昇降ヘツド６が最下位に下降した時に、基台
５と略々同じ高さになる。この昇降ヘツド６の上
下動は左右移動台４に設けた案内溝７，７に案内
される摺動バー８，８によつて確保され、プラツ
ジヤシリンダ９，９の上下駆動で実行される。ま
た、昇降ヘツド６は杭Ｐを挾着するチヤツク１０
を内蔵している。

１１は基台５の上面い積載した複数の杭Ｐ，Ｐ
を収納する杭保持枠である。

上記昇降ヘツド６と杭保持枠１１との間の基台
５上に、給杭操作腕１２，１２を設けている。各
給杭操作腕１２は第１腕部１２ａと第２腕部１２
ｂとを折曲自在な関節部１３で接続している。第
１腕１２ａの一端は支持台１４に軸支させ、プラ
ンジヤピストン１５の伸縮駆動力で第１腕部１２
ａを上下に揺動させる。第１腕部１２ａと第２腕
部１２ｂ間にもプランジヤピストン１６を設け、
これによつて第２腕部１２ｂを第１腕部１２ａに
対して相対揺動運動を行わせる。第２腕部１２
ｂ，１２ｂの夫々の先端には、内側に進退し最上
段の杭Ｐを両側端で把持する杭把持部材１７を設
けている。

各杭把持部材１７と各第２腕部１２ｂ間にプラ
ンジヤピストン１８を介在させ杭把持部材１７を
第２腕部１２ｂに対して任意角度をとれるように
している。これらプランジヤピストン１５，１
６，１８を駆使することで、第１及び第２腕部１
２ａ，１２ｂの全長を半径とする運動範囲のいか
なる点に前記杭把持部材１７を位置づけることが
できる。

従つて、杭把持部材１７の任意再度制御との相
互作用により量杭把持部材１７，１７で把持した
杭Ｐにあらゆる姿勢をとらせることが可能とな
る。つまり、第１図で鎖線で示すように基台１の
上に杭Ｐを把持して昇降ヘツド６に搬送すること
ができる。

また、杭打設場所の上方に橋梁等の障害物があ
る場合は、上記操作腕１２，１２を制御して搬送
される杭Ｐが上方障害物に当らないように昇降ヘ
ツド６に装填することができる。この場合、昇降
ヘツド６を最下位に位置づけておいたほうが有利
である。

杭Ｐを昇降ヘツド６に装填した時の状態では第
２図のようにチヤツク１０に挾持された杭Ｐが既
設杭Ｐ０，Ｐ０……の整列方向に直交しているの
で、昇降ヘツド６を適宜90°旋回させて杭圧入す
る。

既設杭の引抜作業は上記杭圧入の逆の手順で行
う。つまり、昇降ヘツド６が杭Ｐを挾持したまま
上昇し操作腕１２，１２に引き渡す。操作腕１
２，１２は杭を把持して基台５上の杭載荷部に移
すことを実行する。

杭圧入時に短尺の杭を用いて同じ場所に杭を建
込む場合は上記手順によつて昇降ヘツド６に杭を
供給した時、既に地中に圧入した杭とを添え板を
介して溶接乃至ボルトを用いて杭を継いで所定の
長さの杭を得る。杭引抜きに際しては、上記手順
と逆の作業を繰り返す。すなわち地中に圧入され
ている杭を昇降ヘツド６に受け入れヘツドを最下
位まで下降させチヤツクで挾着しヘツドを上昇さ
せる。昇降ヘツドを適宜高さまで上昇させたとこ
ろで、杭の結合部分を分断し上記操作腕１２，１
２で把持し持ち上げて杭保持枠１１内に移動させ
る。

（発明の効果） 以上のことから明らかなように、本発明によれ
ば、基台上に積載した複数本の杭を１本ずつ給杭
操作腕で把持して持ち上げて昇降ヘツドに連続的
に装填させることができると共に、地中に圧入し
た杭を引き抜いて上記給杭操作腕により基台上に
連続して送給することができるので、抗圧入引抜
きに際して昇降ヘツドに対して杭の装填乃至取外
しの自動化が達成でき、これによつて抗圧入乃至
引抜きに要する時間の短縮、及び作業要員の削減
が可能となり、且つ作業能率の飛躍的向上が望め
る。またチエンブロツクやミニユンボ等を用いず
に短尺の鋼矢板等の杭を給杭操作腕のみで基台と
昇降ヘツド間の杭の送給が行えるので上方に橋梁
等の障害物があつたり、或いは、側方にも空間的
制約のある狭溢な場所でも極めて能率的な杭の圧
入乃至引抜作業が実行できる。

更に、杭載荷部と昇降ヘツド間に自在に運動で
きる給杭操作腕は必ずしも基台上に至塔乃至マス
トを持たない杭圧入引抜機のみに適用可能ではな
く、至塔乃至マストによつて昇降ヘツドの上下摺
動案内される機構の抗圧入引抜機にも適用可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は抗圧入引抜機の側面図、第２図はその平面図及
び第３図はその正面図である。 ５……基台、６……昇降ヘツド、１２……給杭
操作腕、１７……抗把持部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基台の前部に上下移動可能な昇降ヘツドを有
   する杭圧入引抜機において、先端に杭把持部材を
   有する給杭操作腕を該基台上に旋回自在に設け、
   該給杭操作腕によつて該昇降ヘツドと該基台の間
   を杭を持ち上げて移動させることを特徴とする杭
   圧入引抜機。