JPH0446990Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用ルームミラーに関する。

（従来の技術） 車室内に設けられる車両用ルームミラーは、車
体側（フロントガラス或いは天井の前端）に固定
されるベース部材と、ミラーを保持するステー部
材とから構成されるのが一般的な構造である。

このような車両用ルームミラーではステー部材
に係止片を仮係止し、この状態でステー部材をベ
ース部材に対して摺動させ、ステー部材と係止片
間に、ベース部材に形成した係合部を嵌入し、そ
の後係止片とステー部材を結着することでステー
部材をベース部材に固着するようにしたものがあ
る。

（考案が解決しようとする問題点） ところがこのような構造の車両用ルームミラー
ではステー部材に係止片を仮係止した状態におい
て係止片がぶらつくことがあり、このためステー
部材と係止片との間隔が一定とならず、両者の間
隔が狭まつた場合にはこの間にベース部材の係合
部を嵌入できなくなり、組立が困難になるという
不具合があつた。

本考案は斯る従来の不具合に鑑み成されたもの
であり、その目的とする処はステー部材と係止片
との間隔を一定以上に保ち、組立を容易にした車
両用ルームミラーを提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するため本考案は、車体側に支
持されるベース部材１と、ミラーを保持するステ
ー部材３とから成り、前記ベース部材３に係合部
２１を形成し、ステー部材３に係止片３０を係止
し、この状態でステー部材３をベース部材１に対
して摺動させ、ステー部材３と係止片３０間に前
記係合部２１を嵌入することでステー部材３をベ
ース部材１に固着するようにした車両用ルームミ
ラーにおいて、前記ステー部材３と係止片３０と
の間に、両者の間隔を一定以上に保つ保持部材６
０を配設したことを特徴とする。

（作用） ステー部材と係止片との間に保持部材を設け、
この保持部材でステー部材と係止片との間隔を一
定以上に保つので、ステー部材と係止片との間に
ベース部材の係合部をスムーズに嵌入することが
でき、車両用ルームミラーの組立を容易にするこ
とができる。

（実施例） 以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて説明する。

第１図は本考案に係る車両用ルームミラーの縦
断面図を示し、図中１は自動車のフロントガラス
２内面に固定されるベース部材、３はこのベース
部材１に接合するステーで、該ステー３の先端に
は球面部５を形成し、該球面部５でミラー部６を
傾動自在に支持する。ステー３の基端側の接合面
Ｃには円環状の凹部３ａを形成し、又、第１０
図、１１図に示すように接合面Ｃの凹部３ａ近傍
にはストツパー３ｂを形成する。

前記ミラー部６はミラーハウジング７、ブラケ
ツト８、操作ノブ９等から構成され、ミラーハウ
ジング７の開口部７ａにはミラー１０を取付け、
又ミラーハウジング７内に配置したブラケツト８
の上端をハウジング７の上内端面に係合し、該ブ
ラケツト８に形成した球面受部１２を前記ステー
３の球面部５に係合する。又球面受部１２の外側
には受材１３を介してばね板１４を配置し、球面
部５に形成した孔部５ａ及びブラケツト８に形成
した孔部８ａを挿通するビス１８の先端をばね板
１４に螺合させ、この状態でビス１８を締付ける
ことでブラケツト８を球面部５に圧接する。

ミラーハウジング７下部には開口部７ｂを形成
するとともに該開口部７ｂに前記操作ノブ９を揺
動自在に設け、該操作ノブ９の上面に形成した溝
部１６ａにばね１７の下部を螺合し、該ばね１７
の上部を前記ブラケツト８下面に形成した溝部８
ｂに嵌合し、以上により操作ノブ９の揺動でハウ
ジング７に取付けたミラー１０の角度が変化し、
後方からの光を減少させて運転者に伝える防眩ミ
ラーを構成する。尚、本実施例ではステー３の球
面部５に孔部５ａを形成してビス１８を挿通する
ようにしたので組立後にもばね板１４の調整が容
易に行える。

前記ベース部材１は第２図に示すように平面矩
形状を成し、中央部分には略半円形の凹部２０を
形成し、この凹部２０の壁部２２にはフランジ状
の係合部２１を形成する。又、凹部２０の前側
（車体前後方向での前側）に位置する箇所には第
１斜面３１を、又、第１斜面３１の両側には第２
斜面３２，３２を夫々形成する。更に、ベース部
材１上面にはステー３に形成した凹部３６…と係
合する凸部３３，３４，３５を形成する。以上に
おいて第２斜面３２，３２は凸部３３，３４の近
傍且つ前方に位置し、この第２斜面３２，３２に
より第９図に示すようにベース部材１側の面Ａと
ステー３の面Ｃは凸部３３，３４の前方で隙間Ｂ
を形成することになる。

前記壁部２２は係止片３０の後半分の外周に沿
つた形状を成し、本実施例ではこの壁部２２を幾
分前方に延長して形成し、係止片３０の半分以上
を保持することで該係止片３０の係合を保持して
いる。

ベース部材１の後側の隅部には第２図に示すよ
うに係止溝３９，３９を形成し、又、前方の側面
部には係合溝４１，４１を形成する。

前記係止片３０は第７図、第８図に示すように
環状を成す本体３０ａと、該本体３０ａから内方
且つ上方へ延出する複数の保持片３０ｂ…とによ
り板ばね状に形成され、第１図に示すようにこの
保持片３０ｂ…でステー３に螺合するボルト５０
の頭部５０ａを保持する。この係止片３０と前記
凹部３ａ間には保持部材６０を配設し、本実施例
ではこの保持部材６０をコイルばねで構成してい
る。

４０はカバー部材で、該カバー部材４０は基部
４４と該基部４４から延出する２つの脚部４２，
４３により平面視略コ字状を成している（第５図
参照）。

このカバー部材４０の脚４２，４３先端には内
方に向けて爪部４２ａ，４３ａを、又脚部４２，
４３の基端側の内面部には係合部４２ｂ，４３ｂ
を夫々形成し、更に基部４４の中間部内面には内
方に向けて突起４４ａを形成する。

このカバー部材４０は係合部４２ｂ，４３ｂを
ベース部材１の係合溝４１，４１に係合するとと
もに爪部４２ａ，４３ａを係止溝３９，３９に係
止することでベース部材１に取付けられ、この
際、第１図に示すように前記突起４４ａが係止片
３０を所定の力で押圧し、係止片３０とステー１
との間へ係合部２１が確実に嵌入する。換言すれ
ば爪部４２ａ，４３ａを係止溝３９，３９に係止
すれば、係止片３０とステー１間に係合部２１が
確実に嵌入されたのが確認できることになる。

ベース部材１とステー３との組付け手順を述べ
ると次の如くである。

先ず、第１３図に示すように係止片３０内にボ
ルト５０を嵌合して両者を仮取付けし、次に第１
０図に示すように係止片３０と凹部３ａ間に保持
部材６０を配設した状態でボルト５０をステー３
のねじ孔３ｃに螺合させる。ここにおいて、係止
片３０と接合面Ｃとの間隔ｌ１は保持部材６０に
より一定以上の長さに保たれ、この間隔ｌ１は係
合部２１の厚さｌ２よりも大きいものとなつてい
る。又、係止片３０は保持部材６０により付勢さ
れ、ボルト５０に対してぐらつくのが防止され
る。

次にこの状態で係止片３０をベース部材１の第
１斜面３１に沿つて即ち第１斜面３１上を第１０
図Ｇ方向に沿つて移動させて係止片３０と接合面
Ｃ間に係合部２１を嵌入する。そして前述のよう
にカバー部材４０をベース部材１に取付け、最後
にドライバーを第１０図の矢印Ｈの方向から孔３
Ｃに挿入し、ボルト５０の端部に形成した係合溝
５０ａに係合させるとともにボルト５０を回動さ
せ、ボルト５０を若干締付ける。以上によりステ
ー３をベース部材１に固定する。

尚、この車両用ミラーはミラーハウジング７に
異常な力が作用するとステー３がベース部材１か
ら脱落するようになつている。即ち、第１図の状
態からミラーハウジング７に衝撃が加わりステー
３に力Ｆが加わるとこの力Ｆによりステー３は凸
部３３，３４を支点として第１図中Ｄ方向に回動
し、ボルト頭部５０ａの後部側５０ｃがばね部材
３０の保持片３０ｂから離脱して（第１２図の状
態）、ステー３がベース部材１から脱落するので
ある。

以上において本実施例では保持部材６０により
係止片３０と接合面Ｃとの間隔ｌ１を係合部２１
の厚さｌ２よりも大きく保てるようにしているの
で、係合部２１が係止片３０に引掛かることなく
該係合部２１を係止片３０と接合面Ｃ間に嵌入す
ることができ、車両用ルームミラーの組立を容易
にすることができる。

尚、本実施例では保持部材６０をコイルばねで
構成したが、本考案はこれに限定されるものでは
なく、例えば円筒形の部材で構成しても良く、
又、ワツシヤー状の部材の組付時に係止部２１に
押出されるものでもよい。要は係止片３０と接合
面Ｃとの間隔を一定以上に保てる部材であれば良
い。

（考案の効果） 以上述べたように本考案によれば、ステー部材
と係止片との間に保持部材を設け、この保持部材
でステー部材と係止片との間隔を一定以上に保つ
ので、ステー部材と係止片との間にベース部材の
係合部をスムーズに嵌入することができ、車両用
ルームミラーの組立を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両用ルームミラーの縦断面図、第２
図はベース部材の平面図、第３図は第２図矢視
図、第４図は第２図−線断面図、第５図はカ
バー部材の平面図、第６図は第５図−線断面
図、第７図はばね部材の平面図、第８図は第７図
の−線断面図、第９図はベース部材のステー
との接合状態を示す図、第１０図は組立前のベー
ス部材及びステー基部側を示す図、第１１図は係
止部材の一部を切欠いた状態での第１０図−
線矢視図、第１２図はステーが脱落しようと
する時の状態を示す図、第１３図はボルトと係止
片との仮組付状態を示す図である。 尚、図面中、１はベース部材、３はステー、１
０はミラー、２１は係合部、３０は係止片、６０
は保持部材である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車体側に支持されるベース部材と、ミラーを
   保持するステー部材とから成り、前記ベース部
   材に係合部を形成し、ステー部材に係止片を係
   止し、この状態でステー部材をベース部材に対
   して摺動させ、ステー部材と係止片間に前記係
   合部を嵌入することでステー部材をベース部材
   に固着するようにした車両用ルームミラーにお
   いて、 前記ステー部材と係止片との間に、両者の間
   隔を一定以上に保つ保持部材を設けたことを特
   徴とする車両用ルームミラー。 (2) 前記保持部材を、前記係止片を前記ベース部
   材側へ付勢する弾性部材で構成したことを特徴
   とする前記第１項記載の車両用ルームミラー。