JPH044687Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は一般家庭で使用される電気掃除機の床
ノズルに関するものである。

従来の技術 従来、この種床ノズルは、特公昭59−52548号
公報に示すような構成が一般的であつた。以下そ
の構成に付いて図面を参照しながら説明する。

第８図において、ノズル本体内に設けたレバー
１はブラジ体２を保持し、上下に移動させること
ができる。３はじゆうたん上や床面上の塵を吸引
力により吸い込む吸込口である。

また第９図のように吸込口３の後部内部中央に
通気路内に連通した塵埃捕集部４を形成し、この
塵埃捕集部４内にはローター５と掻取板６とを配
設するとともに、これらローター５と掻取板６の
それぞれに内向きに傾斜させた起毛ブラシ７，
７′を設け、さらに前記塵埃集塵部４と通気路と
の連通をレバー１に連動した遮閉板８で開閉する
ようにした床ノズルも最近考えられている。

考案が解決しようとする問題点 このような従来の電気掃除機の床ノズルにおい
て、第８図に示す前者のものでは、じゆうたん掃
除の場合、操作性を良くするためにブラシ体２を
内側に収納しており、このため、じやうたん上の
糸屑などの繊維性の塵は吸引力のみでは十分に捕
捉できず、じゆうたん上に塵残りが多く不十分な
性能であつた。

また第９図の後者ではじゆうたん上では糸屑を
十分に捕捉できる性能を有するように改良されて
いるが、ローター５がじゆうたん上で回動し、押
すとき起毛ブラシ７が内部に入り込み、引くとき
起毛ブラシが表面に現れ塵を捕集するので、ロー
ター５の反転時にローター５と他の部品が衝突
し、コンコンという衝突音がするばかりでなく、
掃除機を操作する手にも振動を感じて不快感があ
つたり、衝撃で捕集されかかつていた塵まで剥が
れてしまうことがあつた。

本考案はこのような問題点を解決するもので、
糸塵などの塵が捕捉しやすく、安定した性能が得
られる電気掃除機の床ノズルを提供するものであ
る。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点を解決するため、吸込口と
吸込継手の間を連通する通気路に連通し、吸込口
より隔設された捕集ケースにローターと掻取板か
らなる塵埃捕集体を設け、前記ローターは床ノズ
ルの操作状況に応じ前方あるいは後方に反転する
手段としてのゴム片を有するとともに、反転時に
当接する緩衝体を捕集ケースの内側に設けたもの
である。

作 用 本考案は上記した構成により、じゆうたん上で
は糸屑を十分に捕捉できる性能を有するととも
に、床、畳面上では捕集ケースへの流れを遮断す
るため、床畳面上の砂塵等の重量性の塵を吸込や
すく、エアータイト構造を容易に、しかも強度的
にも安定な電気掃除機の床ノズルを提供できるも
のである。

実施例 以下その実施例について図面を参照しながら説
明する。

第１図〜７図において、１１は上部ノズル部材
１２、下部ノズル部材１３をバンパー１４を介し
て結合させることにより構成した床ノズル本体
で、その後方中央部は円形状に形成して、吸込継
手１５の略円筒部１６に回動自在に配設してあ
る。１７は吸込継手１５の下方に配設した一対の
ローラーである。また上記床ノズル本体１１の下
部ノズル部材１３には、吸込口１８及びこれより
左右に延びるとともに、外端が解放された吸込溝
１９からなる吸塵部２０と、同吸塵部２０と平行
にその前後に位置するスリツト状開口２１とが形
成してある。そして、床ノズル本体１１内には１
対のブラシ体２２並びにそれを上下動するブラシ
調整体２３が設けてある。上記ブラシ体２２はブ
ラシホルダー２４にブラシ２５を束状に植設した
構成であり、各ブラシホルダー２４両端に形成し
たガイド孔２６を上ノズル部材１２より突設した
ボス２７に嵌合することによつて上下動自在に保
持されている。ブラシ２５はその上下動に伴いス
リツト状開口２１を通して床ノズル本体１１の下
方へ出没するものである。

２８はブラシ調整体２３のレバーで、上ノズル
部材１２の窓孔２９（図示せず）から外方へ臨ま
せてある。

吸込口後方で一対のローラ１７間には吸込口よ
り隔設された捕集ケース３０を設け、この捕集ケ
ース３０内には、ローター３１と掻取板３２を配
設し、それぞれ同方向に配向した起毛ブラシ３
３，３４を装着するとともに、ローター３１には
じゆうたんへの引つかかりとなりローター３１の
反転手段となるゴム片３５を設けている。掻取板
３２はばね（図示せず）等によりローター３１に
付勢している。

吸込口１８から吸込継手１５にかけて、上ノズ
ル部材１２との間で通気路３６を構成する隔壁３
７を設けている。また捕集ケース３０の上方に遮
閉板３８を設けている。前記捕集ケース３０に設
けた開口３９はこの遮閉板３８が回動軸４０を中
心に回動動作することにより開閉される。レバー
２８に一体に設けたカム４１と、遮閉板３８の回
動軸４０に一体に設けたカム板４２及び遮閉板３
８を開ける方向に付勢するばね４３によりレバー
２８の位置により開口３９を開閉するように構成
し、レバー２８を本体最中央側へ摺動したときに
のみ前記開口３９の開放により捕集ケース３０が
通気路３６と連通するように配置している。

またローター３１の内側に対応し捕集ケース３
０に緩衝体４４を形設し、ローター３１の反転回
動時にローター３１の内面に当接して緩衝するよ
うになつている。

上記構成に於て動作を説明すると、ブラシ体２
２は被掃除面の状態に応じてそのブラシ２５の出
代が調整されるもので、例えば、被掃除面がじゆ
うたんの場合は没状態に、畳などの被掃除面で強
い吸込力を得たい場合は中程度の出代に、また弱
い吸込力を得たい場合には最大の出代にそれぞれ
設定されるものである。このようなブラシ２５の
出代調整はレバー２８を介してブラシ調整体２３
を左右に摺動し、そのカム溝（図示せず）に沿つ
てブラシ体２２を上下動させることで行われるも
のである。

床面や畳面よりの塵埃は、吸込口１８及びこれ
より左右に延びる吸込溝１９を介して床ノズル本
体１１内に流入し、次いで吸込継手１５から流動
して電気掃除機本体へと流れるものである。

ところで、じゆうたん上の掃除をするときは、
レバー２８を最中央側（すなわちブラシ２５は最
上部に上がつた状態になつている）にしておく。
この際開口３９は、遮閉板３８により開放され捕
集ケース３０と通気路３６は連通され、捕集ケー
ス３０で捕捉された糸屑等の繊維塵埃は通気路３
６中に勢いよく吸引される。

捕集ケース３０での糸屑の捕捉状況を説明す
る。

床ノズル本体１１を引いているとき、ローター
３１のゴム片３５はじゆうたんにかかり前方に回
動し、第５図のように起毛ブラシ３３が露出し、
糸屑が捕捉されていく。その後本体を押す時、ロ
ーター３１が後方へ回り、その起毛ブラシ３３は
内部に入り込み掻取板３２の起毛ブラシ３４に対
面する。さらに床ノズル本体１１が引かれたと
き、ローター３１が前方に回り、起毛ブラシ３３
は露出するが、回動する際起毛ブラシ３４に糸屑
が掻き取られ、露出した起毛ブラシ３３には糸屑
は残らず、また新たな状態で集塵でき清潔感もあ
る。

起毛ブラシ３４で掻き取られた糸屑は吸引力に
より通気路３６中に勢いよく吸引され、捕集ケー
ス３０に塵埃が多く滞留してしまうこともない。

またローター３１がじゆうたん上で回動し、反
転する時にローター３１の内面が捕集ケース３０
に形設した緩衝体４４に先当たりして衝撃がなく
なり、衝突音等の異常な音もないばかりでなく、
掃除機を操作する手にも柔らかな操作性をもた
せ、さらに従来のように衝撃で捕集されかかつて
いた塵まで剥がれてしまうようなこともない。さ
らにじゆうたんのなかでも引つかかりの多いもの
があるがそのような場合でも緩衝体４４のたわみ
しろが操作力の変化に応じ多少の対応ができ滑ら
かな操作性を得ることができる。

なお捕集ケース３０より気流がながれる際吸込
口１８より流れる塵埃が減少するが捕集ケース３
０での洩れ分は集塵性能に影響を及ぼすほど必要
でなく、捕集ケース３０を設けることにより糸屑
の捕集性能が上がるとともにじゆうたん上でも
床、畳上でも操作性が良く全体として非常に使い
やすくなる。

考案の効果 以上説明したように本考案の電気掃除機の床ノ
ズルは、通気路に連通し、吸込口より隔設された
捕集ケースを設け、前記捕集ケース内にはロータ
ーと掻取板からなる塵埃捕集体を設け、前記ロー
ターは床ノズルの操作状況に応じ前方あるいは後
方に反転する手段としてのゴム片を有するととも
に反転時に当接する緩衝体を捕集ケースの内側に
設けているので、ローターがじゆうたん上で回動
し、反転する時にローターの内面が捕集ケースに
形設した緩衝体に先当たりして衝撃がなくなり、
衝突音等の異常な音もないばかりでなく、掃除機
を操作する手にも柔らかな操作性をもたせ、さら
に従来のように衝撃で捕集されかかつていた塵ま
で剥がれてしまうようなこともない。

さらにじゆうたんのなかでも引つかかりの多い
ものがあるがそのような場合でも緩衝体のたわみ
しろが操作力の変化に応じ多少の対応ができ滑ら
かな操作を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す床ノズルの縦断
面図、第２図は捕集ケース周辺の平面図、第３図
は第２図のＡ−Ａ断面図、第４図は第２図のＢ−
Ｂ断面図、第５図は第２図のＣ−Ｃ断面図で、ロ
ーターが前方に回動した状態を示す図、第６図は
第２図のＤ−Ｄ矢視図、第７図は同床ノズルの上
ノズル部材を外した状態での上面図、第８図は従
来例を示す床ノズルの縦断面図、第９図は従来の
第２の例を示す床ノズルの縦断面図である。 １１……床ノズル本体、１５……継手、１８…
…吸込口、３０……捕集ケース、３１……ロータ
ー、３２……掻取板、３５……ゴム片、４４……
緩衝体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気掃除機側への接続用の継手を設けた床ノズ
   ル本体底部に吸込口と同吸込口より隔離して位置
   する捕集ケースとを設けるとともに、これら吸込
   口および捕集ケースは前記継手に連通させ、上記
   捕集ケースには周面に起毛ブラシを有し、かつ床
   ノズル本体の進退動作に連係して反転回動するよ
   うにゴム片を設けたローターと、このローターの
   周面と対向して捕集ケースの一側下部に位置し、
   かつ同ローターの起毛ブラシで捕捉された糸屑な
   どの塵埃を上記ローターの反転回動と連係して掻
   取る起毛ブラシを有する掻取板とを配設し、さら
   にローター反転時当接する緩衝体を捕集ケースの
   内側に設けた電気掃除機の床ノズル。