JPH0445861Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は合成樹脂の射出によつて成形された製
品（ワーク）を取出す機構において、ワークを金
型から掴み及び放棄するため、ワークを掴んだグ
リツパーを金型間から機外へ持ち出し、又はこれ
を金型間に戻す動作を繰り返すためのグリツパー
の運行に関する機構と、運行中におけるあらゆる
部位でグリツパーを所望角度に形成するための機
構に係る考案である。

(ロ) 従来の技術 従来のこの種機器のグリツパーは数個のエアー
シリンダー等の組合せにより上下及び左右の運動
をしていた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 従来のシリンダーの組合せを用いたこの種機器
は垂直方向に長いシリンダーが必要となり、アン
ダーカツト処理等のため上面にエアーシリンダー
等が乗つた金型には対応できないこともあり、ま
た天井の低い町工場では適さないものであつた。

更にまた従来のものはエアー消費量が多くラン
ニングコストが高くつく欠点があつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 左右に半転し得る機能をもつたアクチユエータ
ー１の回転軸２には菱形の面取りを施した如き形
状の非円形をしたプーリー３の中心が緩挿せら
れ、プーリー３は回転軸による回転の影響を受け
ず一定の角度をもつた状態を保持するよう機体
（例えばアクチユエーター１のハウジング等）に
固定されているが、反転アーム４は回転軸２と同
一回転をするようその略一方端近くが回転軸２に
嵌挿固定されている。

この反転アーム４の他方端には回転する軸棒５
が緩挿されており、該軸棒５は反転アーム４を挟
んでその一端の非円形プーリー３と対向する側に
は回転プーリー６が嵌挿固定されており、軸棒５
の反対側にはシリンダー等により開閉及び前後動
の自在なるグリツパー８が支持されている。

グリツパー８はシリンダー１０のピストンの牽
引又は押し出し等によつて開閉する二本の爪７，
７をその先端に有し、爪７，７が開口動作をした
後又は閉口動作をしてシリンダー１１のピストン
により金型からワーク１３が取り出された後にア
クチユエーター１が半転するようセツトされ、非
円形をしたプーリー３と円形プーリー６にはノン
スリツプのベルト９を懸回した構成を有する。

(ホ) 考案の作用 本考案は上記の構造より成るから金型１２が前
後に分離するとアクチユエーター１が回転し、そ
の回転軸２とこれに固定された反転アーム４を回
転させる。

例えば機外にあつた反転アーム４先端は回転し
て機内の金型１２に向かつて回転して行く。

反転アーム４先端が金型１２に近づく頃、分離
した一方の金型１２から成形されたワーク１１が
現出している。

現出したワーク１１先端上に開口した爪７，７
が到達しシリンダー１１によりグリツパー８が後
退すると爪７，７が開口してワーク１１を掴み、
再びシリンダー１１がグリツパー８を前進せしめ
てワーク１３を掴みだしたのちアクチユエーター
１は半転し、反転アーム４先端は機外において略
水平になるまで反転する。略水平になると再び爪
７，７を開口してワーク１１を放出する。

この反転アーム４が機外から機内へ、再び機外
へと、反転する際、反転アーム４の先端に位置す
る回転プーリー６は回転軸２を中心とした円孤上
を移動していくが、プーリー３は回転しないので
プーリー３と円形プーリー６とに架け回したベル
ト９の接点のみが移動していき、プーリー３の上
下に振り分けられたベルト９の接点と円形プーリ
ー６との接点の距離は常に変化していくから、距
離の上下増減分だけ円形プーリー６が回転し、而
してこれと固定された軸棒５及びグリツパー８は
反転アーム４の回転に対応しながら独自の運動
（方向形成）を行なうものである。

(ヘ) 考案の効果 本考案は上記の構造及び作用を有するから、反
転アーム４の反転運動に伴つて、円形プーリー６
は独自の回転をなし円形プーリー６の軸棒５に固
定されたグリツパー８は反転アーム４先端の夫々
の位置において常にワーク１３を掴みやすい角
度、金型１２からグリツパー８が機器のいずれに
も触れずに抜ける角度、ワーク１３を放出しやす
い角度を形成しながら移動していくよう非円形を
したプーリー３の形状とベルト９とで調整されて
いる。

従つてグリツパー８の上端の軌跡はワーク１１
を掴まえた時に反転アーム４端上に突出した状態
から直線的に上昇してから、偏平な放物線を描く
軌跡を形成し、ワーク１１下端も同様の状態に下
方の軌跡を形成し、取出機の全高を低くおさえる
ことができる特徴がある。

また金型上から離れた場所から反転アーム４に
よりワークを取り出し、金型開閉の待機ができる
ので、アンダーカツト処理等のため上面にエアー
シリンダーやモーター等が乗つた金型にも対応で
き、その利用範囲が拡大できるほか、金型交換作
業時においてワーク取り出し機構を移動させる必
要がない。

更にグリツパーの上下動、機器外へ移動させる
左右動にシリンダーを不要とした結果機構が簡素
化されるので本機構を廉価に提供し得ると共にエ
アーシリンダーを動かすエネルギーが節約されて
ランニングコストの低減化に資するものであり、
ワーク取出機におけるグリツパーの軌跡調整なら
びに移動機構として甚だ有用な考案考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案斜面図、第２図は円形プーリー
部分の一部を切欠した側面図、第３図は非円形プ
ーリー部分の一部を切欠した側面図、第４図はグ
リツパー、ワーク等の軌跡を示す正面図。 １……アクチユエーター、２……回転軸、３…
…非円形の所要形状をしたプーリー、４……反転
アーム、５……軸棒、６……円形プーリー、７…
…爪、８……グリツパー、９……ベルト、１０…
…シリンダー、１１……シリンダー、１２……金
型、１３……ワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右に半転できるアクチユエーター１の回転軸
   ２には非円形の所要形状をしたプーリー３の中心
   と棒状の反転アーム４の略一端が嵌挿され、プー
   リー３は回転軸２の影響を受けることなく一定の
   向きを保つよう機体に固定されているが反転アー
   ム４は回転軸２に固定されており、該反転アーム
   ４はその他端に緩挿されて回転する軸棒５を有
   し、反転アーム４から両側に突出した軸棒５のプ
   ーリー３と対応する側には円形プーリー６が、他
   方には開閉自在の爪７を先端に有し自から前後に
   摺動自在のグリツパー８が設けられ、プーリー３
   と円形プーリー６間にはベルト９が懸回されたこ
   とを特徴とするワーク取出機構におけるグリツパ
   ーの軌跡調整並びに移動機構。