JPH0445437Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、Ｘ−Ｙテーブル等に組み込んで、
用いるのに好適なアクチユエータに関するもので
ある。

「従来の技術」 一般に、Ｘ−Ｙテーブルにおいては、DCモー
タと、ボールネジの組み合わせによつてテーブル
の移動および位置決めを行うようにしている。

第３図は、この種の駆動機構を示す図である。
この図において符号１は、ボールネジを示す。こ
のボールネジ１の両端部は支持部２，２に回動自
在に支持されている。上記ボールネジ１の一端部
は、エンコーダ３が組み込まれたDCモータ４に
連結されている。また、上記ボールネジ１には移
動部５が螺合しており、この移動部５の上端部に
はテーブル６が固定されている。このテーブル６
とボールネジ１との間には上記ボールネジ１と同
方向に延びるフレーム７が設けられており、テー
ブル６は、このフレーム７上をテーブル６に取り
付けられたベアリング８により矢印Ａ・Ｂ方向に
移動するようになつている。

そして、上記構成の駆動機構は、DCモータ４
によりボールネジ１を回転させて移動部５を矢印
Ａ・Ｂ方向に移動させると共に、エンコーダ３に
よりDCモータ４のシヤフトの回転により出力さ
れるパルス数をカウントすることにより、移動部
５の位置を検出するようになつている。

「考案が解決しようとする問題点」 ところで、上記の駆動機構においては、ボール
ネジ１に不可避のガタ、ピツチ誤差、たわみ等が
あるため、より正確な位置決めが行いにくいとい
う問題があつた。

「考案の目的」 上記目的を達成するために、この考案は、ガイ
ド部材と、リニアパルスモータと、微小駆動部と
を有するアクチユエータであって、 リニアパルスモータは、固定子がガイド部材内
に固設され、移動子が該固定子に沿つて移動可能
であり、 微小駆動部は、取付金具の片側に第一の圧電素
子が、他側に第二の圧電素子が固設され、該第一
の圧電素子は上記移動子の移動方向端面に固設さ
れ、その方向に伸縮して移動子を微小駆動し、該
第二の圧電素子は上記移動子の移動方向に対し直
交する方向に伸縮し、伸張時に上記ガイド部材の
内壁に係合して固定されるものである。

「実施例」 第１図および第２図はこの考案の実施例を示す
図である。

第１図は第一実施例を示す図であり、この図に
おいて、符号２０はこの考案のアクチユエータの
ガイド部材を示す。このガイド部材２０の内部に
は、リニアパルスモータ２１が設けられている。
このリニアパルスモータ２１は、ガイド部材２０
の長手方向に延びる長方形板状の固定子２２と、
この固定子２２の長手方向に沿つて移動する略直
方体状の移動子２３とで構成されている。この移
動子２３には、上記ガイド部材２０より上方に突
出する支持部２４が固定されており、この支持部
２４の上端部にはテーブル２５が固定されてい
る。また、移動子２３の上下のそれぞれの四隅部
にはベアリング２６が回動自在に取り付けられて
おり、このベアリング２６が上記ガイド部材の上
下内壁面に当接して回動することにより、上記移
動子２３が矢印Ｃ・Ｄ方向に移動するようになつ
ている。

また、上記移動子２３にはこれを微小駆動させ
る微小駆動部２８が設けられている。この微小駆
動部２８は、Ｔ字型の取付金具３１と、この取付
金具３１の片側（図において右側面）に固設され
た第一の圧電素子３０と、取付金具３１の他側に
ある壁部３１ａの上下面に固設された上下一対の
第二の圧電素子３２，３２とによつて構成されて
いる。

上記第一の圧電素子３０は、取付金具３１に固
設された端面と逆側の端面が移動子２３の移動方
向端面２３ａの中央部に固設され、印加電圧の変
化に対応して、矢印Ｃ・Ｄ方向に伸縮して移動子
２３を微小駆動するようになつている。

また、上記第二の圧電素子３２，３２は、印加
電圧の変化に対応して、移動子２３の移動方向に
対し直交する方向（図において上下方向）に伸縮
し、伸張時に上記ガイド部材２０の上下の内壁に
係合して固定されるようになつている。

上記のように構成されたアクチユエータのテー
ブル２５の上方には、高倍率レンズを用いた視覚
センサ（センサ部）３５が設けられており、この
視覚センサ３５によりテーブル２５上の目標物の
位置を高精度に測定できるようになつている。

次に上記構成のアクチユエータの作用について
説明すると、まず、リニアパルスモータ２１の移
動子２３を矢印Ｃ方向に移動させることにより、
このリニアパルスモータ２１に支持部２４を介し
て取り付けられているテーブル２５を矢印Ｃ方向
に移動させて、テーブル２５上の目標物の粗位置
決めをすると共に、移動子２３を停止させる。

そして、上記圧電素子３２，３２に電圧を印加
する。すると、これら圧電素子３２，３２が第１
図において二点鎖線で示すように、上下方向に伸
長し、上記ガイド部材２０の上下内壁面に当接す
る。これにより、移動子２３は矢印Ｃ・Ｄ方向に
移動しないようにロツクされる。

その後、上記視覚センサ３５により目標物の位
置を正確に測定し、目標位置までの微小距離を求
め、その値に対応した電圧を上記圧電素子３０に
印加する。

すると、この圧電素子３０が第１図において二
点鎖線で示すように、矢印Ｃ・Ｄ方向に伸長す
る。このとき、この圧電素子３０の他端部が上記
金具３１により、拘束されているので、一端部が
移動子２３を矢印Ｃ方向に押すことにより、移動
子２３を微小量移動させて、高精度な位置決めを
行う。

上記のアクチユエータによれば、上記圧電素子
３２，３２に電圧を印加し、この圧電素子３２，
３２を伸長させることにより移動子２３を矢印
Ｃ・Ｄ方向に移動不能にロツクし、その後、圧電
素子３０に電圧を印加し、この圧電素子３０を伸
長させて移動子２３を正確に微少量移動させるよ
うにしたので、高精度な位置決めをすることがで
きる。勿論、従来の駆動機構に使用されていたボ
ールネジ１を使用していないので、このボールネ
ジ１のガタ、ピツチ誤差、たわみ等に起因する位
置ずれは無い。

また、移動子２３は圧電素子３２，３２をガイ
ド部材１の上下内壁面に当接させることにより、
ロツクされているので、リニアパルスモータ２１
の磁力による移動子２３のロツクだけでは、ロツ
ク力が弱いという欠点を克服することができる。

第２図はこの考案の第二実施例を示す図であ
り、この図において第１図に示す構成要素と同一
の要素については同一符号を付しその説明を省略
する。

第２図に示すアクチユエータが第１図に示すア
クチユエータと異なる点は、圧電素子の取り付け
構造である。

すなわち、上記移動子２３の後端面２３ａに
は、圧電素子（第一の圧電素子）３０が、その一
端部を当接して固定されている。また、この圧電
素子３０の他端部には、プレート４０が固定され
ており、このプレート４０には、取り付け金具４
１がビス４２により固定されている。この取り付
金具４１は二つの壁部４１ａ，４１ｂを有してお
り、これら壁部４１ａ，４１ｂの間には圧電素子
４５が壁部４１ａ，４１ｂにより内方に付勢され
た状態ではめ込まれている。そして、この圧電素
子４５は、印加された際に上下方向に伸長し、壁
部４１ａ，４１ｂを上記ガイド部材１の上下内壁
面に当接させることにより、移動子２３を矢印
Ｃ・Ｄ方向に移動不能にロツクするようになつて
いる。

上記構成のアクチユエータによれば、第一実施
例のアクチユエータの効果に加えて、第一実施例
のアクチユエータより圧電素子の数を減少させる
ことができるという効果が得られる。

なお、上記実施例では、視覚センサ３５により
目標物の位置を正確に測定し、目標位置までの微
小距離を求め、その値に対応した電圧を上記圧電
素子３０に加えることにより、高精度な位置決め
を行つたが、上記視覚センサ３５の代わりに位置
センサを用いて行つてもよい。

「考案の効果」 以上説明したように、この考案によれば、ガイ
ド部材内に、固定子とこの固定子に沿つて移動可
能な移動子とからなるリニアパルスモータを設け
るとともに、該移動子にこれを微動させる微小駆
動部を設け、この微小駆動部を、取付金具の片側
および移動子の移動方向端面に固設され、移動子
の移動方向に伸縮する第一の圧電素子と、取付金
具の他側に固設され、該移動方向と直交する方向
に伸縮し、かつ伸張時にガイド部材の内壁に係合
して固定される第二の圧電素子とによつて構成し
たので、上記リニアパルスモータの移動子を大き
く移動させた後、第二の圧電素子を伸張させてガ
イド部材に移動不能に係合させてロツクして粗位
置決めを行つた後、この位置と目標位置との間の
微小距離の分だけ、第一の圧電素子を伸張させて
移動子を目標位置まで正確に微小移動させること
によつて、高精度な位置決めを行うことができ
る。勿論、従来のようにボールネジを使用してい
ないので、このボールネジのガタ、ピツチ誤差、
たわみ等に起因する位置ずれは無い。

さらに、上記移動子の移動速度は、ボールネジ
に螺合している移動部の移動速度より非常に速い
ので、位置決めに要する時間を大幅に短縮するこ
とができるという効果が得られる。

また、移動子が第二の圧電素子をガイド部材に
移動不能に係合させることによりロツクされてい
るので、リニアパルスモータの磁力のみによる移
動子のロツクに比べてロツク力が強く、位置決め
後の移動子の移動を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、この考案の実施例を示
す図である。第１図は、第一実施例のアクチユエ
ータを示す断面図、第２図は、第二実施例のアク
チユエータを示す断面図、第３図は、従来の駆動
機構の一例を示す側面図である。 ２０……ガイド部材、２１……リニアパルスモ
ータ、２２……固定子、２３……移動子、３０…
…圧電素子（第一の圧電素子）、３２……圧電素
子（第二の圧電素子）２４……支持部、２５……
テーブル、２８……微小駆動部、３１……取付金
具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガイド部材２０と、リニアパルスモータ２１
   と、微小駆動部２８とを有するアクチユエータで
   あつて、 リニアパルスモータ２１は、固定子２２がガイ
   ド部材２０内に固設され、移動子２３が該固定子
   ２２に沿つて移動可能であり、 微小駆動部２８は、取付金具３１の片側に第一
   の圧電素子３０が、他側に第二の圧電素子３２が
   固設され、該第一の圧電素子３０は上記移動子２
   ３の移動方向端面２３ａに固設され、その方向に
   伸縮して移動子２３を微小駆動し、該第二の圧電
   素子３２は上記移動子２３の移動方向に対し直交
   する方向に伸縮し、伸張時に上記ガイド部材２０
   の内壁に係合して固定されるものである アクチユエータ。