JPH0445142Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、回転ヘツドを有するテープレコーダ
のテープガイドブロツクに関する。

従来技術とその問題点 ヘリカルスキヤンを行うことによつて、磁気記
録、再生を行うテープレコーダにおいては、回転
ヘツドを備えたシリンダが、テープリールの回転
軸と直交する基準面（シヤシ面）に関して傾斜し
て設けられるのが一般である。この場合、基準面
に対して直交する回転軸を持つた一対のテープリ
ールと傾斜したシリンダとの間で、基準面とほぼ
平行な面に沿つてテープを導くために、テープ面
の基準面に対する角度を変化させるテープガイド
が必要である。

従来のテープガイドは、一つ以上の傾斜ガイド
ピンと一つの垂直ガイドピンとからなる一対のテ
ープ引き出し部材を備え、これを所要の駆動機構
により移動させてテープカセツトからテープを引
き出し、シリンダに巻回する。

傾斜ガイドピンを複数個設けた場合、各ピン毎
に位置精度を高める必要があるため、例えば特開
昭60−253053号公報に開示する如く、２個の傾斜
ガイドピンをブロツク化する技術が提案されてい
る。

しかしながら、このガイドブロツクは依然とし
てシリンダに対して移動するため、シリンダに対
する位置精度がばらつく欠点がある。

この問題を解決する技術が、下記の実用新案登
録出願に開示されている。

実願昭62−17544号には、回転ヘツドを備えた
シリンダに対して固定配置されると共に、テープ
の磁性面側に当接されることにより、前記テープ
をガイドするテープガイドにおいて、該テープガ
イドは基準面に対して夫々傾斜した第１及び第２
のガイド部と、前記基準面に対して直角な第３の
ガイド部とが一体形成されたことを特徴とするテ
ープガイドが開示されている。

実願昭62−17545号には、上記の出願とほぼ同
様の構成を有し、上記第１及び第２のガイド部の
少なくとも一方がテープクリーナ機能を持つべく
尖鋭に形成されていることを特徴とするテープガ
イドが開示されている。

実願昭62−17546号には、上記の出願とほぼ同
様の構成を有し、テープの高さ規制を行う規制部
（エツジ規制部）を備えたことを特徴とするテー
プガイドが開示されている。

ここで、シリンダとテープガイドとの配置関係
の限られた変動に対応するために、高さ規制部材
が調整可能であることが望ましい。

更に、テープガイドブロツクを磁気記録・再生
装置に固定する手段が必要であるが、これを独立
した構造として設けると、テープガイドブロツク
の全体の形状が複雑となり、また寸法が大きくな
り、ひいては磁気記録・再生装置のコンパクト化
にとつて望ましくない。

問題点を解決する手段とその効果 本考案においては、 ａ 複数のテープ面ガイド部を持つたブロツク本
体と、上記テープ面ガイド部によつて規定され
る案内面を越えて上記ブロツク本体から張り出
しているエツジ規制面によつてテープの幅方向
の変位を規制する少なくとも一つのエツジガイ
ド手段と、上記ブロツク本体を磁気記録・再生
装置の所定位置に位置決めする位置決め手段と
を有し、磁気記録・再生装置の傾斜シリンダに
近接して固定、配置されるテープガイドブロツ
クにおいて、 上記エツジ規制手段が、上記ブロツク本体か
ら独立した部材であり、 ｂ 上記ブロツク本体とエツジガイド手段との間
に装着されることにより、上記ブロツク本体と
エツジガイド手段とを互いに離間する方向に付
勢する付勢手段と、 ｃ 少なくとも上記ブロツク本体に貫装される案
内ピンと、 ｄ 上記案内ピンに設けられ、上記ブロツク本体
とエツジガイド手段との距離を調整する螺合手
段とを備えている。

これにより、エツジ規制部材の調節可能な装着
が可能となり、その調節構造と、テープガイドブ
ロツクの固定構造とが共通化されて、テープガイ
ドブロツクの寸法形状が小型化、簡略化される。

以下に、本考案の実施例を通じて、本考案をさ
らに詳述する。

実施例 第１図は、本考案のテープガイドブロツクを適
用したテープ走行経路の概略図である。カセツト
１から一対の引き出しピン２，３によつて引き出
されたテープ４は、供給リール５からガイドロー
ラ６、バネ７によつて付勢されるアーム８に載置
され、テープ４のテンシヨン変動を吸収するテン
シヨンポール９及び引き出しピン２を経由してシ
ヤシ１０に固定配置された第１のテープガイドブ
ロツクＧ１にその磁性面をガイドされる。テープ
ガイドブロツクＧ１にガイドされたテープ４は回
転ヘツド（図示せず）を備え、シヤシ１０に対し
て中心軸の上端が所定の角度だけテープガイドブ
ロツクＧ１の方向に傾斜しているシリンダ１１に
螺旋状に所定角度巻き付けられる。詳述すれば、
テープガイドブロツクＧ１から導かれたテープ４
は、シリンダ１１の軸方向上端に近接して接触
し、そこからシリンダ１１の軸方向下端に向かつ
て螺旋状に巻き付けられ、然る後テープガイドブ
ロツクＧ２に導かれる。シリンダ１１の非回転部
分にはリード１１ａが設けられ、テープ４の下側
エツジがガイドされる。

シリンダ１１に巻き付けられたテープ４は、そ
の磁性面側を第２のテープガイドブロツクＧ２に
ガイドされた後、引き出しピン３、ガイドローラ
１２を経由して巻き取りリール１３に巻回され
る。キヤプスタン１４、ピンチローラ１５は協働
してテープ４を移動する。

シリンダ１１に入来するテープ４及びシリンダ
１１から退出するテープ４のエツジは、基準面で
あるシヤシ１０に対して非平行であり、またテー
プ面はシヤシ１０に対して非垂直である。テープ
ガイドブロツクＧ１はシヤシ１０に対して平行且
つ垂直に移送されたテープ４のエツジ及び面を
夫々非平行且つ非垂直とするものであり、またテ
ープガイドブロツクＧ２はシヤシ１０に対して非
平行且つ非垂直に移送されたテープ４のエツジ及
び面を夫々平行且つ垂直とするものである。

第２図は本考案による退出側のテープガイドブ
ロツクＧ２のテープ移送状態における斜視図（但
しテープガイドブロツクＧ２をシヤシ１０に対し
て固定、配置するための装着手段が省略されてい
る）、第３図はその正面図、第４図は第３図のＡ
−Ａ線における断面図、第５図は第２図のＢ−Ｂ
線における断面図である。

テープガイドブロツクＧ２は、ブロツク本体２
０を有し、そのテープ案内経路に沿つて、第１の
テープ面ガイド部２１、第２のテープ面ガイド部
２２、第３のテープ面ガイド部２３が一体的に成
形されている。第１と第２のテープ面ガイド部２
１，２２は、ブロツク本体２０がシリンダ１１に
関して固定、装着されたとき、シヤシ１０に対し
て傾斜するように配向される半円筒状（第４図）
の突条として示されている。第３のテープ面ガイ
ド部２３は、ブロツク本体２０がシリンダ１１に
関して固定、装着されたとき、シヤシ１０に対し
て垂直となるよう配向される半円筒状の突条とし
て示されている。

シリンダ１１から導かれたテープ４が最初に接
触する第１のテープ面ガイド部２１と、シリンダ
１１とは、第１の案内面Ｆ１を規定する（第４
図）。第１と第２のテープ面ガイド部２１，２２
は、第２の案内面Ｆ２を規定する。テープ面ガイ
ド部２２，２３は、第３の案内面Ｆ３を規定す
る。テープ面ガイド部２３と引き出しピン３とは
第４の案内面Ｆ４を規定する。第１と第２の案内
面Ｆ１，Ｆ２でのテープ４のエツジは、シヤシ１
０に対して非平行であり、またテープ４の面は、
シヤシ１０に対して非垂直である。シリンダ１１
から導かれたテープ４のエツジ及び面は、これら
の案内面Ｆ１，Ｆ２を経て、案内面Ｆ３において
シヤシ１０に対して夫々平行、垂直に戻される。

ブロツク本体２０に関して、以上に述べた事項
は、前記の出願の考案と実質的に同等である。

本願考案においては、エツジ規制手段は、ブロ
ツク本体２０とは別個のエツジ規制部材３０とし
て形成されている。エツジ規制部材３０は、その
下面にエツジ規制面３１を持つた突出部３２を有
する頭部３３と、それから延長する柱状の脚部３
４を有する。エツジ規制面３１（第３図）は、装
着状態において、第２の案内面Ｆ２をはさんでシ
ヤシ１０と対向しており、第２の案内面Ｆ２を越
えてブロツク本体２０から張り出しており、テー
プ４の幅方向への変位を規制する。

エツジ規制部材３０には、脚部３４の軸方向に
延長し、頭部３３及び脚部３４を貫通する貫通孔
３７が設けられている。脚部３４は、シヤシ１０
に対して垂直に配向するよう、ブロツク本体２０
に設けられた円筒面をなす貫通孔３５に摺動可能
に嵌合している。頭部３３の背面は、ブロツク本
体２０の当接面３６に沿つて案内されている。ブ
ロツク本体２０の貫通孔３５には、その下端部に
近接して縮径部３８が設けられ、下方から案内ピ
ン３９が挿入されている。脚部３４の下端面と縮
径部３８との間には圧縮コイルスプリング４１が
挿入され、エツジ規制部材３０の頭部３３の上面
は、圧縮コイルスプリング４１の付勢力に抗し
て、案内ピン３９の上端に設けられたネジ部４９
に螺合されたナツト４２で押さえられている。か
くてエツジ規制部材３０は、貫通孔３５に沿つて
ブロツク本体２０との距離を調整することができ
る。

案内ピン３９の下端には突出部４３が設けられ
ており、それは例えばシヤシ１０に設けられた装
着孔（図示せず）に圧入される。案内ピン３９の
大径部４０は、縮径部３８の下方の貫通孔３５に
嵌合する。貫通孔３５に隣接して、ブロツク本体
２０の下面には凹部４４が形成されており、それ
は例えばシヤシ１０に設けられた突起（図示せ
ず）と嵌合する。かくて、テープガイドブロツク
Ｇ２は、案内ピン３９と凹部４４とによつて、シ
ヤシ１０に一義的に位置決め固定され得る。ブロ
ツク本体２０に設けた凹部４４と磁気記録・再生
装置の取り付け面に設けた突起との嵌合及び案内
ピンとブロツク本体及びエツジ規制部材との係合
との２点による位置決め手段の代わりに、案内ピ
ン３９の大径部４０の形状を変形し、ブロツク本
体２０に設けた案内孔の断面形状を、相補的な形
状とすることにより１点において位置決めするよ
うにしても良い。

また、大径部４０の厚さは、ブロツク本体２０
の下端部から縮径部３８までの深さよりも幾分か
小さくなつていることに留意されたい。これによ
り、大径部４０の上面と縮径部３８の下面との間
に幾分かのギヤツプができる。このギヤツプによ
つて、圧縮コイルスプリング４１の反発力は、ブ
ロツク本体２０の底面を取り付け面に固定する力
として有効に利用され得る。

テープガイドブロツクＧ１は、第１と第２のテ
ープ面ガイド部２１，２２の基準面に対する傾斜
が、テープガイドブロツクＧ２と逆になつている
ことを除けば、その構成はＧ２と略同様である。
詳述すれば、Ｇ２においては、第１と第２のテー
プ面ガイド部が正面から見たとき（第２図）ハの
字状になつているのに対して、Ｇ１ではＶ字状に
なつており、またＧ２においては、第２の案内面
Ｆ２は上方が手前に傾斜しているのに対してＧ１
では第２の案内面Ｆ２は上方が後ろに傾斜してい
る。このことは、第１図に関する説明から、当業
者には容易に理解されよう。

以上に、本考案の若干の実施例に付いて詳述し
たが、本考案は上述の実施例に限定されるもので
はなく、本考案の技術思想を逸脱することなく、
様々な変形が可能である。

第６図は、本考案の他の実施例によるテープガ
イドブロツクＧ２の断面図を示す。上端に大径部
５０を、下端にシヤシ１０に螺合するネジ部４９
を備えた案内ピン３９は第２図〜第５図に示す実
施例と同様、ブロツク本体２０の貫通孔３５及び
エツジ規制部材３０の貫通孔３７に挿入されてい
る。また圧縮コイルスプリング４１は脚部３４と
縮径部３８との間に挿入されることにより、エツ
ジ規制部材３０の頭部３３の上面は圧縮コイルス
プリング４１の付勢力に抗して案内ピン３９の大
径部５０で押さえられている。かくてエツジ規制
部材３０は案内ピン３９を回転することにより、
貫通孔３５に沿つてブロツク本体２０との距離を
調整することができる。また、ブロツク本体２０
は圧縮コイルスプリング４１の反発力によつてシ
ヤシ１０に固定されると共に、ブロツク本体２０
の下面に形成された凹部４４によつて位置決めさ
れる。

なお、テープ４をガイドするテープ面ガイド部
２１，２２，２３は第２図〜第５図に示す実施例
と同一なので、その説明は省略する。

第７図は本考案の他の実施例によるテープガイ
ドブロツクＧ２の斜視図（但しテープガイドブロ
ツクＧ２をシヤシ１０に対して固定、配置するた
めの装着手段が省略されている）を、第８図は第
７図のＢ−Ｂ線における断面図をそれぞれ示す。

ブロツク本体２０の上面に設けられた円筒状の
凹部５１にはエツジ規制部材３０の脚部３４が挿
入されると共に、圧縮コイルスプリング４１が脚
部３４と凹部５１の底面との間に設けられてい
る。第６図と同様、上端に大径部５０を、下端に
シヤシ１０に螺合するネジ部４９を備えた案内ピ
ン３９はブロツク本体２０の貫通孔５２に挿入さ
れると共に、この大径部５０はエツジ規制部材３
０の頭部３３の上面を圧縮コイルスプリング４１
の付勢力に抗して押さえている。かくてエツジ規
制部材３０は案内ピン３９を回転することによ
り、凹部５１の側面に沿つてブロツク本体２０と
の距離を調整することができる。また、ブロツク
本体２０は圧縮コイルスプリング４１の反発力に
よつてシヤシ１０に固定されると共に、ブロツク
本体２０の下面に形成された凹部４４によつて位
置決めされる。

なお、テープ４をガイドするテープ面ガイド部
２１，２２，２３は第２図〜第５図に示す実施例
と同一なので、その説明は省略する。

また、上記実施例では、エツジ規制部材の脚部
及びブロツク本体の案内孔は円形の断面形状を有
し、頭部３３の背面が当接面３６に添つて案内さ
れて、突出部３２、従つてエツジ規制面３１を案
内面の上方に張り出させるようにしているが、案
内孔及び脚部の断面形状を変形して突出部を所望
の方向に配向させるようにしても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のテープガイドブロツクを適
用したテープ走行経路の概略図、第２図は本考案
による退出側のテープガイドブロツクＧ２のテー
プ移送状態における斜視図（但しテープガイドブ
ロツクをシヤシに関して固定、配置するための装
着手段が省略されている）、第３図はその正面図、
第４図は第３図のＡ−Ａ線における断面図、第５
図は第２図のＢ−Ｂ線における断面図、第６図は
本考案の他の実施例によるテープガイドブロツク
Ｇ２の断面図（第５図に対応する）、第７図は本
考案の更に他の実施例によるテープガイドブロツ
クＧ２の斜視図、第８図は第７図のＢ−Ｂ線にお
ける断面図である。 符号の説明、１……カセツト、２，３……引き
出しピン、４……テープ、５……供給リール、６
……ガイドローラ、９……テンシヨンポール、１
０……シヤシ（基準面）、１１……シリンダ、Ｇ
１，Ｇ２……テープガイドブロツク、１２……ガ
イドローラ、１３……巻き取りリール、１４……
キヤプスタン、１５……ピンチローラ、２０……
ブロツク本体、２１……第１のテープ面ガイド
部、２２……第２のテープ面ガイド部、２３……
第３のテープ面ガイド部、Ｆ１……第１の案内
面、Ｆ２……第２の案内面、Ｆ３……第３の案内
面、Ｆ４……第４の案内面、３０……エツジ規制
部材、３１……エツジ規制面、３２……突出部、
３３……頭部、３４……脚部、３５……貫通孔、
３６……当接面、３７，５２……貫通孔、３８…
…縮径部、３９……案内ピン、４０，５０……大
径部、４１……圧縮コイルスプリング、４２……
ナツト、４３……突出部、４４……凹部、４９…
…ネジ部、５１……凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ［１］ 複数のテープ面ガイド部を持つたブロツ
   ク本体と、上記テープ面ガイド部によつて規定
   される案内面を越えて上記ブロツク本体から張
   り出しているエツジ規制面によつてテープの幅
   方向の変位を規制する少なくとも一つのエツジ
   ガイド手段と、上記ブロツク本体を磁気記録・
   再生装置のシヤシに位置決めする位置決め手段
   とを有し、上記磁気記録・再生装置の傾斜シリ
   ンダに近接して固定、配置されるテープガイド
   ブロツクにおいて、 ａ 上記エツジガイド手段が、上記ブロツク本
   体から物理的に分離した独立した部材であ
   り、 ｂ 上記ブロツク本体とエツジガイド手段との
   間に装着されることにより、上記ブロツク本
   体とエツジガイド手段とを互いに離間する方
   向に付勢する付勢手段と、 ｃ 少なくとも上記ブロツク本体に貫装され、
   一端に上記エツジガイド手段のと係合する係
   合部を、他端に上記シヤシに装着される装着
   部を有する案内ピンと、 ｄ 上記案内ピンに設けられ、上記ブロツク本
   体とエツジガイド手段との距離を調整する螺
   合手段と、 を有すること、及び ｅ 上記案内ピンの装着部が上記シヤシに装着
   されて、上記ブロツク本体、上記付勢手段、
   及び上記エツジガイド手段が組み立てられた
   状態において上記係合部と上記シヤシとの間
   において、上記エツジガイド手段と上記ブロ
   ツク本体との距離を調整可能に係止するこ
   と、 を特徴とするテープガイドブロツク。 ［２］ 実用新案登録請求の範囲第１項記載のテ
   ープガイドブロツクにおいて、 ａ 上記螺合手段が、上記案内ピンの一端に設
   けられた雄ねじと、その雄ねじに螺合する雌
   ねじ部材とで形成されており、 ｂ 上記雌ねじ部材が上記案内ピンの係合部と
   して機能すること、 を特徴とするテープガイドブロツク。 ［３］ 実用新案登録請求の範囲第１項記載のテ
   ープガイドブロツクにおいて、 ａ 上記螺合手段は、上記案内ピンの上記他端
   に形成された雄ねじで形成されており、上記
   雄ねじは、上記ブロツク本体、上記付勢手
   段、上記エツジガイド手段が組み立てられた
   状態において上記シヤシに係止するための上
   記案内ピンの装着部として共用されているこ
   と、 を特徴とするテープガイドブロツク。 ［４］ 実用新案登録請求の範囲第３項記載のテ
   ープガイドブロツクにおいて、 ａ 上記案内ピンが上記エツジガイド手段に設
   けられた貫通孔をも貫通しており、 ｂ 上記案内ピンの係合部が上記エツジガイド
   手段の貫通孔の直径よりも大きい軸方向断面
   形状を有すること、 を特徴とするテープガイドブロツク。