JPH0445104Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、夜間金庫投入用の空鞄を顧客自身が
所定コインを投入することにより自動的に受取る
ことができるとともに、設置スペースを要しない
夜間金庫用空鞄放出装置に関する。

《従来技術》 周知のように、夜間金庫は、銀行等の店側と契
約した特定の顧客が、店側の閉店後に、現金、小
切手等の貴重品を入れた鞄を金庫内に投入するだ
けで、店側に貴重品の保管を依頼できるように構
成されている。

ところで、鞄を投入する際には、必ず所定の鞄
を使用するとともに、所定の顧客キーを使用して
夜間金庫の扉を開扉し、契約をした顧客のみが利
用できるように構成されており、投入後は、預か
り証となるレシートを自動的に顧客に発券・放出
するようにしている。

しかしながら、従来この種の夜間金庫にあつて
は、投入後の鞄は翌日銀行側係員が中の現金、小
切手等を取出して、確認、記帳した後、空になつ
た相当の重量を有する空鞄あるいはそれに代る空
鞄を契約をしている顧客までいちいち係員が配達
しているのが現状であるため、銀行側においても
その労力、時間が多大でコスト高となることは免
れなかつた。

一方、顧客にとつても、店側が閉店した後に配
達された鞄だけでは、預けるべき貴重品が入りき
らず、更に別の空鞄が必要な場合が生じても、現
在の夜間金庫システムではそのようなニーズに対
応できず、そのため顧客は現金等の収納されてい
る鞄を顧客自身が保管しなければならず、極めて
危険であつた。

《考案が解決しようとする問題点》 本考案は、このような問題点に鑑みてなされた
ものであり、夜間金庫投入用の空鞄の受取が、銀
行等の店側と契約した特定の顧客自身により所定
のコインを介して自動的に行なえるように構成す
るとともに、小スペースに簡単に設置することが
でき、さらに強度的に優れ、確実に空鞄を放出す
ることのできる夜間金庫用空鞄放出装置を提供す
ることを目的とする。

《問題点を解決するための手段》 上記目的を達成するために、形状のハウジング
上部前面に所定のコインを投入するコイン投入口
と開閉自在な空鞄放出口を備えるとともに、内部
に駆動機構を収容してなるハウジングと、 上記所定コインの投入されたことを検出するコ
イン検出手段と、 上記ハウジングの左右にあつて、ハウジングの
上下方向に所定間隔を設けて立設されてなる第
１，第２の固定板から形成される一対のガイド機
構と、 上記ガイド機構内の上下に配設された一対のス
プロケツト間に張設された無端チエーンに所定間
隔毎Ｌ字状のブラケツトを介して回動可能に軸支
された鞄受けプレートと、 上記鞄受けプレートを上記スプロケツトおよび
無端チエーンを介して間欠的に駆動せしめる駆動
手段と、 上記鞄受けプレートが上記無端チエーンととも
に間欠的に上昇するとき、上記ブラケツトの一側
が上記第１の固定板に当接して、鞄受けプレート
を水平に保持する水平保持機構と、 上記鞄受けプレートが上方スプロケツトを通過
して下降するとき、上記鞄受けプレートの端面が
第２の固定板に摺接しつつ、このプレートを折り
畳む折り畳み機構と、 上記上方に位置するスプロケツトに鞄受けプレ
ートが位置するとき、この最上位に位置する鞄受
けプレート上の空鞄を上記空鞄放出口に放出せし
めるプツシヤーと、 上記コイン投入口にコインが投入されたことを
検出する検出信号に基づき、上記プツシヤーを作
動せしめて、上記最上位に位置する鞄受けプレー
ト上の空鞄を空鞄放出口に放出せしめるととも
に、空鞄が取出されたことを検出する信号に基づ
き、上記プツシヤーを元位置に復帰させ、かつ上
記駆動手段を間欠駆動せしめる制御手段と、 を具備することを特徴とする。

《作用》 顧客が所定のコインをハウジング上部前面に設
けられたコイン投入口に投入すると、所定コイン
の投入を検知して、制御部に信号を出力し、制御
部の指令により、最上位に位置する鞄受をプレー
ト上の空鞄放出口に放出し、空鞄を顧客自身が自
動的に取出すことができると共に駆動機構を間欠
駆動する。

《実施例》 以下、本考案の一実施例について説明する。

第１図は、本考案に係る空鞄放出装置１の外観
を示し、この空鞄放出装置１の縦長形状をしたハ
ウジング２の前面パネル２ａには、空鞄放出口３
及びコイン投入口４等が形成されているととも
に、後述する如き駆動機構が収納されている。

なお、このコイン投入口４に投入される指定コ
インは、銀行側が契約した顧客に予め貸与してい
るもので、これにより顧客を個別的に識別するも
のである。

第２図、第３図及び第５図に示すように、ハウ
ジング２内には、空鞄５の収納部を兼ねた空鞄搬
送機構Ａ，Ａが設けられており、この空鞄搬送機
構Ａ，Ａは、上下２つのスプロケツト１０，１０
を１組とする左右一対の動力部と、左右各動力部
の上方スプロケツト両端と、これら両端のそれぞ
れに対向する下方スプロケツト両端との間にかけ
わたされた一対の無端チエーン１１，１１と、こ
の一対の無端チエーン１１，１１に股がつた状態
で適宜間隔をおいて複数取付けられている平板状
の鞄受プレート８，８……等により構成されてい
る。

この空鞄搬送機構Ａ，Ａは、図示しないモータ
等からなる駆動部に連結されたスプロケツト１０
が、自身の中心軸１０ａの回りに間欠的に回転す
るのに対応して、上記一対の無端チエーン１１，
１１も同期して間欠的に回転するので、この無端
チエーン１１，１１に取付けられている各鞄受プ
レート８も間欠的に上方に移動し、これにより鞄
受プレート８上に載置・収納された空鞄５を間欠
的に搬送するように構成されている。

上記の鞄受プレート８は、左右２枚を１組とし
て構成され、これにより１個の空鞄５を載置・収
納するように構成されており、また、各鞄受プレ
ート８は、その長手方向（図面に垂直な方向）一
側両端に、ネジ１２で固定された一対のＬ字状の
ブラケツト９，９を介して両方の無端チエーン１
１，１１に取付けられている。

また、各ブラケツト９は、第４図に示すよう
に、無端チエーン１１の連結ピン１１ａで固定・
突設された平板状の取付片１３，１３を介して無
端チエーン１１に取付けられている。

すなわち、取付片１３，１３は、ブラケツト９
に設けられた凹部９ａ内に挿通されて、ブラケツ
ト９に貫通形成されたピン挿通孔９ｂ，９ｂ及び
これらのピン挿通孔９ｂ，９ｂに対応して取付片
１３，１３の一端部に貫通形成されたピン挿通孔
１３ａ，１３ａに、スプリングピン等のピン１４
を挿通し、その両端をカシメる等することにより
抜止めをし、これによりブラケツト９がピン１４
の軸回りに回動可能に取付片１３，１３に取付け
られている。

また、上記ハウジング２の左右にあつて、上下
方向には所定間隔を設けて、第１，第２の固定板
１５，１６が立設して設けられ、これにより一対
のガイド機構Ｂ，Ｂが構成されており、このガイ
ド機構Ｂ，Ｂに上記の如く構成されている空鞄搬
送機構Ａ，Ａが収納、配設されている。

従つて、第３図に示すように、鞄５が鞄受プレ
ート８上に載置してある状態では、ブラケツト９
の一側９ａが上記第１の固定板１５に当接して、
一対の鞄受プレート８，８は、水平に対向した状
態で水平保持されるように構成され、一方、最上
位の空鞄５が放出された後、鞄受プレート８が上
方スプロケツト１０を越えて下降するときには、
鞄受プレート８の端面８ａが上記第２の固定板１
６に摺接しつつ、折り畳まれるよう構成されてい
る。

すなわち、本願装置によれば、Ｌ字状のブラケ
ツト９の一側９ａが第１の固定板１５に当接し
て、水平姿勢を保持するよう構成されているた
め、十分な強度を有し、そのため、相当な重量を
有する空鞄５であつても安定かつ確実に搬送、放
出することができ、一方、下降時には鞄受けプレ
ート８はその端面８ａが第２の固定板１６に摺接
しつつ、折り畳まれるので、装置全体をコンパク
トに構成することができる。

また、第２図及び第３図に示すように、ハウジ
ング２内の上方には、空鞄を放出するため断面Ｌ
字状に折曲形成されたプツシヤプレート６とこの
プツシヤプレート６により押出された鞄５を空鞄
放出口２にガイドするシユータ７が設けられてい
る。

プツシヤプレート６は、図示しないモータ等か
らなる駆動部に連結されてなり、第２図中左右に
移動可能に配設されるとともに、その折曲部６ａ
は、最上位に収納されている空鞄５の一側と当接
するように配設されているので、最上位の空鞄を
１個づつシユータ７へ押出すことができる。

更に、装置１内には、指定コインの投入を検出
するコイン検出手段が配設されているが、その構
成は従来周知であるマイクロスイツチ等からな
り、図示を省略する。

また、本願空鞄放出装置１の全体動作は、マイ
クロコンピユータ等を主体とする電気的手段によ
り制御されるものであるが、その制御手段は従来
周知であるため、その詳細説明を省略する。

本考案に係る空鞄受取装置は、上記の如く構成
されるものであるが、次にその動作について第６
図の機能ブロツク図等を参照しながら説明する。

まず、銀行側の係員が第２図に示すように鞄受
けプレート８上に予め空鞄５を載置、収納してお
く（図面上では29個の空鞄５が予めセツトされて
いる）。

次に、顧客がコイン投入口４から指定コインを
投入すると、装置１内に配設されたコイン検出手
段２１が作動して、マイクロコンピユータを主体
とする制御部２２にその旨の信号を伝達する。

この信号に基づいて、制御部２２は、収納され
た空鞄５を放出すべく制御を開始する。

すなわち、プツシヤプレート６を作動させて、
最上位の空鞄５をシユータ７へ押出す。シユータ
７への押出しが完了すると、空鞄放出口３が開い
て、顧客側に空鞄５を放出するとともに、その放
出を空鞄取出し検知器２３により確認すると空鞄
放出口３が閉鎖される。

この間に、プツシヤプレート６は元位置に戻さ
れ、かつ空鞄搬送機構Ａ，Ａの各スプロケツト１
０が駆動されて間欠回転し、次の空鞄５がプツシ
ヤプレート６により押出される高さまで、つま
り、最上位まで搬送され、次のコイン投入を待
つ。

なお、指定コインを装置１内に投入し、空鞄が
放出されるまでの顧客の手順を、音声によりガイ
ダンスするように構成してもよく、この場合には
顧客が安心して手順を踏めるので、サービスの面
で極めて良好な効果をもたらす。

また、上記実施例にあつては、指定コインの投
入に従つて空鞄を放出させるように構成したが、
磁気カード等により鞄を放出させるように構成し
てもよいことは勿論である。

《考案の効果》 本願考案は上記の如く構成されているため次の
ような効果を奏し得られる。

(a) 本願考案によれば、銀行側から貸与されてい
る所定のコインを投入することにより、店側が
閉店した場合においても、顧客は所定の空鞄を
自動的に取出すことができる。そのため、顧客
側においては、この空鞄を利用して銀行側に現
金等を預け入れることができるため極めて安全
であり、また、銀行側においても係員が一々相
当の重量を有する空鞄を配達する手間が省ける
ため経済性に富む。

(b) また、本願装置によれば、Ｌ字状のブラケツ
トの一側が第１の固定板に当接して水平姿勢を
保持するよう構成されてているため、水平機構
は十分な強度を有し、そのため相当な重量を有
する空鞄であつても安定かつ確実に水平保持す
ることができ、確実に放出口に放出することが
できる。一方、下降時には鞄受けプレートはそ
の端面が第２の固定板に摺接しつつ折り畳まれ
るので、装置全体をコンパクトに構成すること
ができ、そのため設置スペースを要しないた
め、銀行等のロビー等に簡単に設置することが
できる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る空鞄放出装置の外観図、
第２図は上記空鞄放出装置の内部機構を示す概略
図、第３図は上記空放出取装置において、空鞄を
収納・搬送させるための機構を示す全体概略図、
第４図は上記空鞄放出装置におけるブラケツト、
鞄受プレート、無端チエーン等の結合構造を示す
一部切欠分解斜視図、第５図は第４図における結
合構造により、鞄受プレートと無端チエーン等が
結合された状態を示す概略図、第６図は制御部の
動作を説明する機能ブロツク図である。 １……空鞄受取装置、３……空鞄放出口、４…
…コイン投入口、５……空鞄、６……プツシヤプ
レート、８……鞄受プレート、９……ブラケツ
ト、１１……無端チエーン、１５……第１の固定
板、１６……第２の固定板、１３……取付片、２
１……コイン検出手段、２２……制御部、Ａ……
空鞄搬送機構、Ｂ……ガイド機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 縦長形状のハウジング上部前面に所定のコイン
   を投入するコイン投入口と開閉自在な空鞄放出口
   を備えるとともに、内部に駆動機構を収容してな
   るハウジングと、 上記所定コインの投入されたことを検出するコ
   イン検出手段と、 上記ハウジングの左右にあつて、ハウジングの
   上下方向に所定間隔を設けて立設されてなる第
   １，第２の固定板から形成される一対のガイド機
   構と、 上記ガイド機構内の上下に配設された一対のス
   プロケツト間に張設された無端チエーンに所定間
   隔毎Ｌ字状のブラケツトを介して回動可能に軸支
   された鞄受けプレートと、 上記鞄受けプレートを上記スプロケツトおよび
   無端チエーンを介して間欠的に駆動せしめる駆動
   手段と、 上記鞄受けプレートが上記無端チエーンととも
   に間欠的に上昇するとき、上記ブラケツトの一側
   が上記第１の固定板に当接して、鞄受けプレート
   を水平に保持する水平保持機構と、 上記鞄受けプレートが上方スプロケツトを通過
   して下降するとき、上記鞄受けプレートの端面が
   第２の固定板に摺接しつつ、このプレートを折り
   畳む折り畳み機構と、 上記上方に位置するスプロケツトに鞄受けプレ
   ートが位置するとき、この最上位に位置する鞄受
   けプレート上の空鞄を上記空鞄放出口に放出せし
   めるプツシヤーと、 上記コイン投入口にコインが投入されたことを
   検出する検出信号に基づき、上記プツシヤーを作
   動せしめて、上記最上位に位置する鞄受けプレー
   ト上の空鞄を空鞄放出口に放出せしめるととも
   に、空鞄が取出されたことを検出する信号に基づ
   き、上記プツシヤーを元位置に復帰させ、かつ上
   記駆動手段を間欠駆動せしめる制御手段と、 を具備することを特徴とする夜間金庫用空鞄放出
   装置。