JPH044498Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は穀稈または牧草などの茎稈の株元を切
断する収穫機の切断装置に関する。

「従来の技術」 従来、コンバインまたは牧草刈取機などにおい
て、固定支持する受刃に対して刈刃を往復摺動さ
せて茎稈を刈取る技術があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、刈刃連結用の刈刃台に対設さ
せる刈刃前後動規制用の受刃の摺動案内面を、刈
刃台と略平行な平面に形成していたので、受刃の
摺動案内面に刈刃台が接触して大きな騒音を発生
すると共に、刈刃の上面に臨ませる刈刃押え板の
押え面を刈刃上面と略平行な平面に形成していた
から、刈刃押え板の押え面に刈刃が接触して大き
な騒音を発生する不具合があり、また受刃の摺動
案内面と刈刃台との間、並びに刈刃押え板の押え
面と刈刃との間に雑草などが噛み込まれ易い等の
問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、固定支持する受刃に対して
刈刃を往復摺動させて茎稈を刈取る装置におい
て、前記刈刃連結用の刈刃台に対設させる刈刃前
後動規制用の受刃の摺動案内面を刈刃台方向に部
分的に突出させて凸ガイド部を設け、その凸ガイ
ド部の摺動案内面を平面視で大きな円弧面に形成
すると共に、前記刈刃の上面に臨ませる刈刃押え
板の左右側端を上方に彎曲させたものである。

「作用」 従つて、前記受刃の摺動案内面と刈刃台並びに
刈刃と刈刃押え板の各接触面を従来よりも激減さ
せ得、前記刈刃の往復駆動により発生する騒音を
容易に減少させることができて騒音防止を簡便に
図り得ると共に、前記受刃と刈刃台の間並びに刈
刃と刈刃押え板の間に雑草などが入り込んでも、
刈刃の摺動によりその雑草などが速やかに排出さ
れることにより、受刃と刈刃台並びに刈刃と刈刃
台押え板の間に雑草などが溜まる等の不具合をな
くし得、従来に比べて刈刃の駆動抵抗の異常増加
を確実に防止できて安定良く刈刃を駆動し得、刈
取り性能並びに安全性の向上を従来よりも容易に
図り得るものである。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は要部の断面側面図、第２図は全体の
側面図、第３図は同平面図であり、図中１は走行
クローラ２をトラツクフレーム３に装備する機
台、４はスクリユ形扱胴５及び選別機構６を備え
ていて前記機台１に搭載する脱穀部、７は揚穀筒
８を介して取出す脱穀部４の穀粒を溜める穀物タ
ンク、９は前記脱穀部４の下部前方に油圧シリン
ダ１０を介して昇降可能に装設する刈取部、１１
は運転席１２及び運転操作部１３を備えていて前
記穀物タンク７の前方に固設させる運転台、１４
は前記穀物タンク７の後方に備えていてエンジン
１５を内設するエンジン室、１６は前記穀物タン
ク７内の穀粒を取出す穀粒搬出オーガである。

そして前記刈取部９は、未刈り穀稈を取入れる
穀物ヘツダー１７と、該ヘツダー１７の後部略中
央に連結させて刈取り穀稈を脱穀部４に送給する
供給室１８によつて構成すると共に、未刈り穀稈
掻込み用リール１９及び往復駆動型刈刃装置２０
及び穀稈掻込みドラム２１とを前記穀物ヘツダー
１７に備え、前記ヘツダー１７に取込まれる刈刃
穀稈を供給室１８に内設する供給チエンコンベア
２２を介して脱穀部４に脱穀処理するように構成
している。

また前記脱穀部４の左外側には穀粒搬送装置で
ある二番還元筒２３を突出状に配備させていて、
二番処理物を選別機構６上方に戻し再選別するよ
うに設けている。

第１図及び第４図に示す如く、前記穀稈掻込ド
ラム２１下側にプラツトホーム２４前端縁に受刃
台２５を固設し、２本一組として一体形成した受
刃２６，２６基端を受刃台２５下面側にリベツト
２７，２７で固定させる。また上向きに開口させ
る刈刃台案内溝２８を受刃２６に形成し、その案
内溝２８に刈刃台２９を遊嵌装着させると共に、
前記刈刃台２９に複数刈刃３０をリベツト３１で
固定させ、受刃２６上面に刈刃３０を摺接支持す
る一方、穀物ヘツダー１７右側に設けるクランク
機構（図示省略）に前記刈刃台２９を連結させ、
その刈刃台２９を介して刈刃３０を往復摺動さ
せ、受刃２６……間に入り込む穀稈の株元を刈刃
３０によつて切断するように構成している。

そして前記受刃２６の案内溝２８前後内側面に
刈刃台２９を当接させ、前記案内溝２８内側面で
刈刃３０の前後動を規制するもので、案内溝２８
内側面に形成する後部摺動案内面３２の両端部を
刈刃台２９方向に部分的に突出させて凸ガイド部
３３，３３を設け、刈刃３０のピツチに比べて数
倍の大きさの円弧により前記凸ガイド部３３の摺
動案内面を平面視で大きな円弧面に形成し、その
凸ガイド部３３の摺動案内面に刈刃台２９後端側
を摺接させると共に、前記刈刃台２９前端側を摺
接させる案内溝２８の前部摺動案内面３４，３４
を、前記凸ガイド部３３と同様に平面視で大きな
円弧面に形成し、その前部摺動案内面３４に刈刃
台２９前端側を摺接させるように構成している。

また第５図にも示し如く、前記刈刃台２９後側
面と凸ガイド部３３との隙間ａ並びに刈刃台２９
前側面と前部摺動案内面３４との隙間ｂの和（ａ
＋ｂ）に比べ、受刃台２５前端と刈刃３０後端と
の間隔ｃを大きく形成し、受刃台２５前端に刈刃
３０後端が当接するのを阻止すると共に、刈刃３
０の厚みｔに比べ、刈刃３０を摺接させる受刃２
６上面と受刃台２６上面との段差ｄを大きく形成
し（ｄ≧1.1t）、刈刃３０上面からプラツトホー
ム２４に移動する穀稈に受刃台２５上面の穀粒及
び藁などもプラツトホーム２４に速やかに移動さ
せ、穀粒及び藁などが受刃台２５上面に溜るのを
防ぐように構成している。

さらに前記受刃台２５上面にシム３５を介して
刈刃押え板３６後端をリベツト３７で固定させ、
その刈刃押え板３６前端を刈刃３０上方に延設
し、側面視で上方に円弧状に中間を折曲げた前記
刈刃押え板３６の前後端を略同一平面上に形成
し、刈刃押え板３６の加工を簡単に行えて低コス
ト化を容易に図れるように構成すると共に、第６
図にも示す如く、前記刈刃３０の上面に臨ませる
刈刃押え板３６前部の左右側端を上方に彎曲さ
せ、刈刃押え板３６前部下面に前面視で凸面形の
押え面３８を形成し、その凸面形押え面３８に刈
刃３０上面を摺接させて刈刃３０の浮上りを規制
するように構成している。

本実施例は上記の如く構成しており、上記穀物
ヘツダー１７にリール１９を介して未刈り穀稈を
取入れ、その未刈り穀稈の株元を刈刃装置２０に
よつて切断すると共に、前記ヘツダー１７略中央
部から供給室１８に穀稈掻込ドラム２１を介して
刈取り穀稈（作物）を送込み、その刈取り穀稈を
刈取り穀稈供給チエンコンベア２２によつて脱穀
部４に送給し、スクリユ形扱胴５によつて順次脱
粒し、その脱粒した穀粒を選別機構６に落下させ
て選別し、整粒のみを穀物タンク７に取出すもの
である。

さらに第７図は第４図の変形例を示すものであ
り、上記実施例では受刃２６の後部摺動案内面３
２の両端部に一対の凸ガイド部３３，３３を形成
したが、前記案内面３２の略中央に凸ガイド部３
３を形成し、その単一の凸ガイド部３３に刈刃台
２９を後端側を摺接させ、刈刃台２９と凸ガイド
部３３間の下方を開放してこの間に噛込む雑草な
どを速やかに落下させるものである。

さらに第８図は第６図の変形例を示すものであ
り、上記実施例では後部摺動案内面３２及び凸ガ
イド部３３，３３を形成する受刃２６の後部上面
全域に刈刃３０下面を摺接させていたが、その受
刃２６の後部上面中間に凹部３９を形成し、凸ガ
イド部３３，３３の受刃２６後部上面だけを部分
的に刈刃３０に下面に摺接させ、受刃２６と刈刃
３０の摺動面積を少なくして騒音防止を図ると共
に、受刃２６と刈刃３０の間に噛込む雑草などを
凹部３９を介して速やかに排出し得るものであ
る。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、固定
支持する受刃２６に対して刈刃３０を往復摺動さ
せて茎稈を刈取る装置において、前記刈刃３０連
結用の刈刃台２９に対設させる刈刃３０前後動規
制用の受刃２６の摺動案内面３２を刈刃台２９方
向に部分的に突出させて凸ガイド部３３を設け、
その凸ガイド部３３の摺動案内面を平面視で大き
な円弧面に形成すると共に、前記刈刃３０の上面
に臨ませる刈刃押え板３６の左右側端を上方に彎
曲させたもので、前記受刃２６の摺動案内面３２
と刈刃台２９並びに刈刃３０と刈刃押え板３６の
各接触面積を従来よりも激減させることができ、
前記刈刃３０の往復駆動により発生する騒音を容
易に減少させることができて騒音防止を簡便に図
ることができると共に、前記受刃２６と刈刃台２
９の間並びに刈刃３０と刈刃押え板３６の間に雑
草などが入り込んでも、刈刃３０の摺動によりそ
の雑草などが速やかに排出されることにより、受
刃２６と刈刃台２９並びに刈刃３０と刈刃台押え
板３６の間に雑草などが溜まる等の不具合をなく
すことができ、従来に比べて刈刃３０の駆動抵抗
の異常増加を確実に防止できて安定良く刈刃３０
を駆動することができ、刈取り性能並びに安全性
の向上を従来よりも容易に図ることができる等の
実用的な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部側面図、
第２図はコンバインの側面図、第３図は同平面
図、第４図は要部平面図、第５図は部分側面図、
第６図は部分正面図、第７図は変形例を示す部分
平面図、第８図は同部分正面図である。 ２６……受刃、２９……刈刃台、３０……刈
刃、３２……摺動案内面、３３……凸ガイド部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定支持する受刃に対して刈刃を往復摺動させ
   て茎稈を刈取る装置において、前記刈刃連結用の
   刈刃台に対設させる刈刃前後動規制用の受刃の摺
   動案内面を刈刃台方向に部分的に突出させて凸ガ
   イド部を設け、その凸ガイド部の摺動案内面を平
   面視で大きな円弧面に形成すると共に、前記刈刃
   の上面に臨ませる刈刃押え板の左右側端を上方に
   彎曲させたことを特徴とする収穫機の切断装置。