JPH0444053Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 園芸用の剪定鋏では、その操作を行い易くする
ために一対の刃板を開放方向に付勢するバネを設
ける事が行われている。このようなものでは、使
用しないときに不用意に鋏が開かないように何ら
かのロツク手段をそなえている。

本考案は、上記したように開放方向に付勢する
バネを備えた園芸用の剪定鋏のロツク装置に関す
る考案である。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする課題〕 園芸用の剪定鋏のロツク装置には、一方の刃板
表面に手指で回転させるロツクレバーを設け、他
方の刃板の一部に係脱自在とするものや、一対の
把手部の間に係脱自在の、連結手段を設け不用意
に鋏が開かないようにするもの等が知られてい
る。

ところが、従来のロツク装置では、その係脱を
一々手で操作する必要があつたり、また、鋏の使
用中にロツク装置が何かに当たり、不用意にロツ
クが掛かつてしまうこともあつた。

本考案は、ロツクの係脱をなるべく片手で行う
ことが出来るとともに、使用中の鋏に不用意にロ
ツクが掛かるようなことの無い剪定鋏を得ること
を目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、バネ４によつて開閉される一対の刃
板２，３との摺接面である刃板２の表面に刃板３
の回動軌跡上に出没し刃板の一部に係合し得るべ
く回動自在としたロツクレバー５を設ける。こ
の、ロツクレバー５は他方の刃板３の一部に係合
し得るものであつて、刃板３との係合状態から逃
げる方向に付勢バネ６を有するものとする。

ロツクレバー５が有するバネ６の力は、刃板を
開放させるバネ４によつて刃板３と係合している
ロツクレバーに、係合状態を維持させる力として
作用する力よりも弱いものとする。

〔作用〕

刃板２上のロツクレバー５が、刃板３に係合し
ている状態では、刃板を開放方向に付勢するバネ
４の力によつて、その状態が維持され続ける。

鋏を使用するに際し、手に持つて把手部分を握
る、つまりバネ４の力に逆らつて刃板を閉じる方
向に力を加えると、ロツクレバー５は自身のバネ
６によつて刃板３との係合が外れる。

この状態で鋏を使用する限り、例えばロツクレ
バー５に何かが当たり、ロツクレバーが刃板３と
の係合方向に動いても、バネ６によつてすぐに元
に戻り、不用意に係合しない。ロツクレバーを作
用させる、つまり鋏を使用しない場合は、把手部
分を握りながらロツクレバーを刃板３の一部に係
合させ、その状態で手を放すと、そのままロツク
状態が維持される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を、添付の図面に基づい
て説明する。

第１図は、支軸１によつて回動自在とした一対
の刃板２，３をバネ４によつて開放方向に付勢す
る鋏であつて、ロツクが作用している状態の正面
図である。刃板２，３は、支軸１から先方が刃
部、基方が把持部となりＵ字状に折曲された把手
部材７，８がビス９ないし１２によつてそれぞれ
刃板と一体的に結合されている。

刃板３との接触面、摺接面である刃板２の一方
の面には、支軸１から少し離れた外側部にロツク
レバー５を回動自在に設ける。そして、刃板３に
は閉じた状態において、ロツクレバーの一部が係
合する段部１３を形成し、ロツク状態を維持し得
るものとしている。

ロツクレバー５には、刃板との係合状態を解除
する方向、つまり図面上左方向に付勢するバネ６
を内蔵している（第５図）。そして、このバネ６
の力は、バネ４の弾性力によつて生じる刃板３と
ロツクレバー５との係合状態を維持する力より
も、小さなものとしておく。これにより、力を加
えない自然な状態においてロツク状態を維持する
ことができ、把手部材７，８を握ると、自動的に
ロツクが解除され使用状態となる。

ロツクレバー５を刃板２に装着するには、刃板
２とその把手部材７を結合するビス９を利用して
いる。つまり、ビス９を上方へ延長しこれを回転
軸としている。そして、バネ６の一端を把手部材
７の一部に、他端をロツクレバーの一部に係合さ
せることによつて、ロツクレバー自体を刃板３の
段部１３との係合状態から逃げる方向、図面上左
方向に付勢させている。ロツクレバーの左方向の
回動は、ロツクレバーの他端が別のビス１０に当
接することによつて規制されている。

Ｕ字上に折曲し、刃板２の一部を包み込むよう
にしている把手部材７の他の一部１４は、刃板
２，３の最大の開放状態において刃板３の段部１
３に当接せしめるようにしている。

このように、図示実施例では、ビス９，１０や
把手部材７をロツクレバーの装着や刃板の開放位
置制限機構として利用し、全体として構造を極め
て簡略化している。

ロツクレバー５は中心位置を支点とし、先方が
段部１３に係合する係合部、基端部を操作部分と
し、その取りつけ位置を刃板２の側端部、つまり
握るときに指先を掛ける部分としている。この位
置を選択することによつて、第２図に示すように
鋏を把持したときに親指でロツクレバー５を容易
に操作し得るものとなる。

〔考案の効果〕

本考案剪定鋏のロツク装置によれば、使用する
場合に鋏を握ることによつて直ちにロツクを解除
する事ができるとともに、使用中にロツクレバー
が何かに当たることがあつても、不用意にロツク
が掛かるようなことがなく極めて使い勝手の良い
ものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を説明するためのも
ので、第１図は、ロツク状態である剪定鋏全体の
正面図、第２図は、剪定鋏を手に持つた状態の正
面図、第３図は、第１図の底面図、第４図は、ロ
ツクを解除して開いた状態の正面図、第５図は、
第３図の−線断面図、である。 １……支軸、２，３……連続部、４……バネ、
５……ロツクレバー、６……バネ、７，８……把
手部材、９，１０，１１，１２……ビス、１３…
…段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支軸１によつて回動自在とした一対の刃板２，
   ３をバネ４によつて開放方向に付勢するととも
   に、刃板を閉じた状態に維持する係止手段を有す
   る剪定鋏において、係止手段は刃板３との摺接面
   である刃板２の表面に刃板３の回動軌跡上に出没
   し刃板の一部に係合し得るべく回動自在としたロ
   ツクレバー５とし、このロツクレバーには刃板３
   との係合状態から逃げる方向に付勢するバネ６を
   設けるとともに、ロツクレバー５を付勢させるバ
   ネ６の力は刃板２，３を開放方向に付勢させるバ
   ネ４によつて、刃板３と係合しているロツクレバ
   ーに係合状態を維持させる力として作用する力よ
   りも弱いものとすることを特徴とする剪定鋏にお
   けるロツク装置。