JPH0443609B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はウインナソーセージ、棒状のチーズや
かまぼこなどの連続状に製造された食品からその
皮を剥離するための装置に関するものである。

（従来の技術） ウインナソーセージの皮剥装置自体は従来公知
であり、その装置は一定の経路に沿つて搬送され
て来るウインナソーセージの外装体の長手方向に
切込みを入れるカツタと、外装体を真空吸引する
ダクトとを具えている。

しかしウインナソーセージの外装体は各ソーセ
ージ間で数回捩られており、この捩り部とその前
後若干の部分はカツタで切ることができない。そ
れでも切開部分から中味を指先で取出すことは可
能である。ところが外装体を回収する手段、方法
として従来の装置に設けられているのは真空吸引
のみである からトルクが不足し、かつ食品との分離も困難
で、騒音の大きいなど多くの問題があつた。

（技術的課題） 本発明は前記の問題を解決するもので、その課
題は食品を連続状に包んでいる外装体を切開手段
により切開し、次いで一定の機械的トルクにより
食品から安定して剥離、除去することができるよ
うにすることにある。

（技術的手段） 前記の課題を解決するため本発明は、チユーブ
状の外装体に断続的に一定量の食品を充填し、各
食品断続部に複数回の捩りを加えて形成された連
続状食品を長手方向へ搬送する過程で、搬送経路
の近傍に配置された切開手段により外装体を切開
し、食品から剥離、除去する装置について、前記
切開手段として外装体をその搬送方向に切り開く
カツタと切開部を開くエアを噴射するエアノズル
とを搬送経路に沿つて設け、互いに接触して回転
し、かつ少なくとも一方が駆動された一対のロー
ラを有し、切開された外装体が一側から供給さ
れ、その外装体を挟持しつつローラ対の他側へ移
行させると同時に、食品はローラ対の一側に置き
去ることにより、食品から外装体を剥離する剥離
部を切開手段の後段に設置し、ローラ対の他側に
移行した外装体を連続して回収するため、外装体
をローラ対の他側に引張する移送手段を設けると
いう手段を講じたものである。

（実施例） 以下図面を参照して説明する。図に於て、１は
装置の本体、２はその上面一側に設けられた水
槽、３は本体上部の他側に設けられた搬送機構、
４はその一側から連続状食品Ｆを投入する投入
部、５は搬送機構３の前段に設けられた回転手
段、６はそれを覆うカバー、７は搬送経路後部に
設けられた切開手段、８は搬送機構３の後段に設
けた剥離部、９は剥離された外装体を連続的に回
収するための移送手段を示す。搬送機構３は傾斜
の緩い前段と傾斜の急な後段から成り、前後には
連続状食品Ｆを投入するテーパ管で構成され、そ
の上部は略Ｕ字型に切除されてその縁が切断刃１
０になつている。尚連続状食品Ｆは第７図に示さ
れるように、薄いシート又はフイルムから成るチ
ユーブ状の外装体Ｃに断続的に一定量の食品Ｓを
充填し、各食品断続部Ｄに数回の捩りを加えて連
続状に形成されているもので、外装体を剥すと一
個ずつ分離する。

投入部４の直後には上下一対の導入プーリ１１
が設けられ連続状食品Ｆを挟持するようにして回
転手段５の筒体１２へ適度の摩擦力で送り込む。
回転手段５は、食品搬送方向の軸回りに回転する
ように軸受１３により前後を軸支させた筒体１２
と、それに取付けた歯車その他の伝達部材１４と
を具え、図示しないモータ等により、前記食品断
続部Ｄの捩りを解く方向へ筒体１２を回転させ
る。該筒体１２は食品１個の大きさよりも大径に
設定された通路１５を有する。この回転手段５は
前後出入口１６ａ，１６ｂを除きカバー６により
気、水密的に覆われており、回転筒体１２内をス
チーム配管１７から導入する。スチームにより加
温された湿潤雰囲気とすることで後段の皮剥作業
がより円滑化されるように考慮されている。１
７′はドレンチユーブ、１７″はエア配管で、スチ
ーム熱が加わる軸受を冷却し、かつスチームの洩
れを防ぐエアカーテンを形成する。

搬送機構３は溝が円弧状に凹んだ断面を有する
複数個のプーリ１８と、可撓性を有するベルト１
９とによつて構成され、これらは上下に一対設け
られていてしかも上下の間隔調節が可能になつて
いる。また各プーリ１８等への動力伝達はコツグ
ドベルト２９によつて行なわれるので搬送タイミ
ングのずれがなく、かつ静粛である。後段の搬送
機構３は上部ベルト１９′が下部ベルト１９″に対
して上下へ容易に移動可能に形成され、食品Ｓの
大きさに最適の間隔に調節でき、また切開手段７
等の洗浄、点検を容易にしている。即ち第６図に
示すように、２０は上部ベルト１９′を掛回した
プーリ１８の支軸１８ａを支持し基端部で本体に
軸支された可動フレーム、２１は該フレーム２１
の先端側面に形成された溝状の係合部、２２は前
記フレーム下に回動可能に軸支された係合軸で、
前記係合部２１に係入しかつおねじ２３を周面に
設けたボルト状を有し、フレーム先端２０ａを挟
持する受けナツト２４と締めナツト２５とを具
え、フレーム２０を両ナツト２４，２５の位置で
調節する。２２ａは係合軸基部、２６はそれを軸
支した取付ボルトを示す。

切開手段７は、後断の２条の上下ベルト１９′
間に設けられたカツタ３０と、その直後に配置さ
れたエアノズル３１とからなり（第４図）、これ
らはフレーム２０にステイ２７，２８により取付
けられている（第６図）。前記カツタ３０は外装
体Ｃに包まれた食品Ｓの断面形状に適合した円筒
面を有する定板３２の切欠３３から搬送経路に必
要量だけ突出し、食品本体を殆んど損傷せずに外
装体Ｃを切開できるように配慮されている。また
このカツタ３０及び定板３２の突出量は各々調節
可能とする。３４は下部ベルト１９″を支え食品
が逃げるのを防ぐ台板、３５はエアノズル３１へ
のエア配管である。

剥離部８は搬送機構３の末端部に続いて設けら
れており、搬送方向と平行の軸３６回りに回転す
る調節可能な一対のローラ４０，４０、その直前
に配置され搬送経路末端の下部ベルト１９″先端
からローラ４０間の挟持部４１へ外装体を案内す
る回転鼓状のガイド片４２、一対のローラ４０，
４０の周囲を囲むフード４３とを具えている。一
対のローラ４０，４０の軸３６，３６はやや下向
きに傾斜設定され、外装体からの食品Ｓの分離
と、分離した食品Ｓを先端方向へ誘導するのを助
けている。３７はフード支持体、３８はフード着
脱ねじまた、４４はフード先端の前だれを示す。

移行手段９の始端はフード４３であり、一対の
ロール４０の他側つまり下方に設けられた吸引口
４５から、剥離された外装体Ｃを真空吸引するた
めのダクト４６を有する。吸引ダクト４６は本体
水槽２の下に設けられた気密的な回収室４７、該
回収室４７から含水性の気流を吸引する一次ダク
ト４８を通じて耐水性のブロワやポンプなどより
なる負圧源５０に接続されており、回収室４７に
は、吸引された外装体を収容し、気流が通過する
回収篭４９が取出し可能に設けられている。なお
移送手段として外装体を巻取る構造のものも採用
し得る。

各図中、５１は本体に装備された制御摘み、５
２は水槽２内の水を排水するパイプ、また５３は
バスケツトで、剥離部８で分離された食品Ｓを受
取るため一対のローラ４０，４０の先端に配置さ
れる。５４は起動ボタン、５５は緊急停止ボタン
を示す。

このような構成を有する本発明の装置では、連
続状の食品Ｆは水槽２に張つた水に入れておかれ
そこから適当な高さにある投入部４まで引上げら
れて搬送機構３に向けて投入される。一対の挟持
プーリ１１，１１からカバー６内の筒体１２に繰
込まれた食品Ｆは、加熱湿潤雰囲気内で回転する
筒体１２の通路内面に遊びながら接して回転させ
られるので、食品断続部Ｄの捩れが完全に或いは
緩和した状態で搬送機構３を剥離部７へ向い、そ
こで外装体Ｃが食品Ｓから分離されることとな
る。

剥離部７に到ると連続状食品Ｆの外装体Ｃを搬
送方向即ち長手方向に沿つてカツタ３０が切り、
そこにエアノズル３１からエアを噴射し続ける。
このとき、外装体Ｃの捩れは完全に或いは殆んど
捩られていない状態にあるため極く自然に切開す
ることができる。

次いで外装体Ｃは一対のローラ４０，４０間に
挟持されるので、常に一定の力でローラ方向へ引
張られる。この引張力はローラ速度を調節するこ
とで食品Ｓから外装体Ｃを引剥す作用力として最
も適切に働く。この作用は前記切開、殊に開き剥
がす作用を促がすように働く（第７図参照）。

一対のローラ上で外装体から分離された食品Ｓ
はローラ先方の例えばバスケツト５３等に受取ら
れる。

連続的にローラ４０によつて引張られる外装体
Ｃは、連続的に回収される必要があるが、本発明
の装置ではローラ裏に位置する吸引口４５より外
装体Ｃが常時吸引されるので、ローラ４０の作用
は常に円滑であり、回収される外装体Ｃは吸引ダ
クト４６より回収篭４９に溜められる。

（効果） 従つて本発明によれば、ウインナソーセージな
どの製造工程に於て食品に付属するチユーブ状の
外装体を切開手段により切開し、一対のローラに
より切開した外装体を連続して回収するととも
に、食品を分離することができる効果が得られ
る。

特に本説明によれば連続状食品の外装体を搬送
方向に沿つて切開してからエアで開くので、外装
体をが緩んで剥れ易くなり、切開後の連続状食品
は外装体のみが一対のローラの他側に十分なトル
クで引張られるので個々の食品はローラ対の一側
に置き去られ、よつて連続状食品の皮剥即ち食品
と外装体との分離が著しく円滑に行なわれる特徴
がある。また外装体を連結回収するので、外装体
がローラに巻き付くおそれがなく、作業性が向上
し、衛生面での問題も起こらない。

【図面の簡単な説明】

図面は本説明に係る連続状食品の皮剥装置の実
施例を示すもので、第１図は側面図、第２図は投
入部から搬送機構へ到る部分の側面図、第３図は
切開手段及び剥離部の側面図、第４図は切開手段
の拡大側面図、第５図は剥離部の拡大斜視図、第
６図は搬送機構先端部と一対のローラ部分を示す
平面図、第７図は連続状食品の斜視図である。 １……本体、２……水槽、３……搬送機構、４
……投入部、７……切開手段、８……剥離部、９
……移送手段、３０……カツタ、３１……エアノ
ズル、４０……一対のローラ、４６……吸引ダク
ト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ チューブ状の外装体に断続的に一定量の食品
   を充填し、各食品断続部に複数回の捩りを加えて
   形成された連続状食品を長手方向へ搬送する過程
   で、搬送経路の近傍に配置された切開手段により
   外装体を切開し、食品から剥離、除去する装置で
   あつて、前記切開手段として外装体をその搬送方
   向に切り開くカツタと切開部を開くエアを噴射す
   るエアノズルとを搬送経路に沿つて設け、互いに
   接触して回転し、かつ少なくとも一方が駆動され
   た一対のローラを有し、切開された外装体が一対
   のローラの一側から供給され、その外装体を挟持
   しつつローラ対の他側へ移行させると同時に、食
   品はローラ対の一側に置き去ることにより、食品
   から外装体を剥離する剥離部を切開手段の後段に
   設置し、ローラ対の他側に移行した外装体を連続
   して回収するため、外装体をローラ対の他側に引
   張する移送手段を設けたことを特徴とする連続状
   食品の皮剥装置。 ２ 剥離された外装体を、搬送経路の末端より一
   対のローラ間の一側へ導くガイド片が設けられた
   請求項第１項記載の連続状食品の皮剥装置。 ３ 一対のローラは、それらの回転軸が搬送経路
   の方向と略平行に並列され、かつ搬送経路側より
   先端側が低く傾斜して設けられた請求項第１項記
   載の連続状食品の皮剥装置。 ４ 移送手段は、一対のロールの他側に一端が開
   口した吸引ダクトと、該ダクト内に導入された外
   装体を真空吸引する負圧源を具えた請求項第１項
   記載の連続状食品の皮剥装置。 ５ 吸引ダクトの他端は、回収室に取出し可能に
   設けられた回収篭に通じており、負圧源は回収室
   を介して吸引ダクトに通じている請求項第４項記
   載の連続状食品の皮剥装置。 ６ 切開手段の前段に、外装体断続部に形成され
   た捩りを解く方向へ連続状食品を回転させるため
   の回転手段を設けた請求項第１項記載の連続状食
   品の皮剥装置。 ７ 回転手段を覆うカバーが設けられており、該
   カバーの内部を湿潤雰囲気にするスチーム配管が
   カバーに接続されている請求項第６項記載の連続
   状食品の皮剥装置。