JPH0441792A - 耐摩耗性無端状製紙用織物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は耐摩耗性に優れた無端状製紙用織物に関する。

［従来の技術］ 製紙用ＩＩ＆物に対しては従来より多くの要求がある。

大別すると、（イ）ワイヤーマークの発生防止、紙繊維
の十分な絡み合い等、紙の品質そのものに関する問題及
び製紙の歩留りの問題、（ロ）耐摩耗性の向上、ａ物の
使用寿命の延長の問題、（ハ）良好な枦水性の問題、な
どがある、それぞれの問題は互いに関連する点が多いが
、大雑把にいえば、（イ）の問題は主としてｔａ物の製
紙面の構造が大きく関係する問題であり、（ロ）は織物
の走行側表面の構造に関係が深く、（ハ）は織物全体に
関する問題である。

この様な問題は全ての製紙用織物に共通した問題であっ
て５−重織りの織物においてもまた多重織りの織物にお
いても同様に解決しなければならない問題である。

従来（イ）の解決には多くの提案がなされてきた。しか
しながら、（ロ）の問題すなわち製紙用織物の耐摩耗性
の向上については十分な工夫がなされておらず、製紙用
織物の走行側を緯糸摩耗型として、経糸の摩耗を防ぐ程
度に止まっている。

しかしながら、近年製紙スピードの高速化、填料の使用
量の増大、中性紙の製造の必要性の増大などの諸条件が
要求され、製紙用織物の耐摩耗性がますます大きな問題
となっている。

さらに、上記（ハ）の問題から理解されるように走行面
の補遺が変化すれば炉水性も影響があり単に緯糸を太く
する程度の姑息な手段では問題は解決されない。

［本発明が解決しようとする課題］ 本発明者は上記のような従来の技術の問題点に鑑みて、
製紙用織物に最も重要な性能は耐摩耗性の良好なことで
ある事に着目して耐摩耗性の向上を最大の課題として研
究した。

本発明は製紙用織物の炉水性などの紙を抄造する性能に
は影響を与えることなく耐摩耗性を改善しようとするも
のである。

［課題を解決した手段］ 本発明は上記課題を解決したものであって、「　１．　
ナイロン６と、このナイロンとは異なる異種ナイロンと
の共重合ナイロンのモノフィラメントを緯糸に配置して
製織した、耐摩耗性無端状製紙用織物。

２、　異種ナイロンがナイロン６・６、ナイロン６・１
０、ナイロン１１、ナイロン１２、ナイロン６−Ｔから
なる群より選んた１または２以上である、請求項１に記
載された耐摩耗性無端状製紙用織物。

３□　共重合ナイロンモノフィラメントが吸水率が１２
％以上のモノフィラメントである、請求項１または２に
記載された耐摩耗性無端状製紙用織物。

４、　共重合ナイロンモノフィラメントが沸騰水中２０
分の熱収縮率が８％以上で乾熱収１ｍ率が１４０℃１０
分で７％以上のモノフィラメントである、請求項１また
は２に記載された耐摩耗性無端状製紙用織物。

５、　請求項１ないし４のいずれか１項に記載された共
重合ナイロンのモノフィラメントを摩耗面を形成する緯
糸に２５％以上配置して製織した、耐摩耗性無端状製紙
用織物、」に関する。

本発明で織物の緯糸に配置するモノフィラメントはナイ
ロン６とこのナイロンとは異なる異種ナイロンとの共重
合ナイロンより製造したモノフィラメントであり、ナイ
ロン６を主体とし、これにナイロン６・６、ナイロン６
・１０、ナイロン１１、ナイロン１２、ナイロン６−Ｔ
からなる群より選んだ１．ｔたは２以上を１〜６０％共
重合した共重合ナイロンにより構成されている。

このモノフィラメントを摩耗面を形成する緯糸に２５％
以上配置することが望ましい、そして通常のポリエステ
ル、ポリアミド等のモノフィラメントは該共重合ナイロ
ンモノフィラメントの奏する優れた耐摩耗性を損なわな
い範囲で併用することが出来る。

そして、前記ナイロン６とこのナイロンとは異なる異種
ナイロンとの共重合ナイロンより製造したモノフィラメ
ントは緯糸に配置し、緯糸摩耗型の織物とすることが必
要である。経糸摩耗型の織物は経糸が摩耗して切断する
と織物自体が切断して使用命数が尽きるが緯糸摩耗型の
４ｉｌｉ物は緯糸か摩耗しても織物自体の切断は生ぜず
使用命数か長い 本発明の製紙用ａ物は一重織り１１物いわゆるシングル
レイヤー織物も多重織りｔｉａ物や複数枚の繊物を接結
糸で接結した多層繊物も含んでおり、走行面側の緯糸に
共重合ナイロンモノフィラメントを配置することが好ま
しい。

［作　用］ 本発明で使用するナイロン６とこのナイロンとは異なる
異種ナイロンとの共重合ナイロンモノフィラメントは製
紙用織物に使用したときに他の用途では発揮されない特
殊な性能を発揮することが本発明者により初めて解明さ
れた。

製紙用織物の特徴の１は、使用時に１０００ｍ／分の高
速で回転してサクションボックスを始めとして多くの製
紙機の要素に接触してＪ：！耗を受ける事である。この
様な織物の使用法は他にはない。

特徴の２は、使用時多量の水が存在する事である。した
がって水の少ない状態の性能からは製紙用織物の性能は
予測できない。

特徴の３は、無端状織物を高速で回転した場合に発生す
る織物の＃１部即ち耳部が立ち上がる耳カールの問題で
ある。前記のように製紙用織物は１０００ｍ／分の高速
で回転するので耳カールが発生する傾向が大きく、耳カ
ールが発生すると走行安定性が崩れて蛇行が生じなり、
耳部付近の早期摩耗をひきおこす。

このように製紙用織物は極めて特殊な繊物であって、フ
ィラメント自体の性能からは製紙用織物の糸に使用した
ときの作用効果は側底予測出来ないばかりでなく、通常
の織物からも予測し得ない固数性があるのが特徴である
。

しかしその要求の中で最大のものはやはり耐磨耗性であ
る。本発明者は上記諸要求を満たしつつ優れた耐摩耗性
を奏する織物を開発することに鋭意研究して本発明を完
成した０本発明者は製紙という極めて特殊な使用状態に
おいて使用される織物において織物を構成するフィラメ
ントがどの様な性能を発揮するかについて多くの実験を
行い、研究を重ねた結果ナイロン６と、このナイロンと
は異なる異種ナイロンとの共重合ナイロンのモノフィラ
メントは製紙用織物に使用したときに、他の用途に使用
した場合では発揮されない特殊な性能を発揮する新既な
知見を得た。そして研究を重ねて本発明を完成したので
ある。

本発明で使用するナイロン６と、このナイロンとは異な
る異種ナイロンとの共重合ナイロンのモノフィラメント
が何故製紙用ｌ＃４物に使用したときに他の合成樹脂モ
ノフィラメントでは奏し得ない極めて優れた耐摩耗性を
発揮するのか、また池の使用形態では奏さない耐摩耗性
を製紙用繊物に使用したときにのみ奏するのか、その学
問的理由の解明は必ずしも十分ではないが、反復再現す
る効果からみて本発明者はこの共重合ナイロンのモノフ
ィラメントの大きな吸水性に効果の１つの根拠があるも
のと考えている。前述のように製紙用織物は、多量の水
の存在下で、１０００ｍ／分の高速で回転してサクショ
ンボックスを始めとして多くの製紙機の要素に接触して
摩耗を受ける。この時織物を構成するモノフィラメント
に多くの水が含まれていると、製紙機の要素に接触した
時含まれている水が潤滑作用を行い、摩耗を防止すると
考えている。なるほど製紙時には多量の水が存在するが
外から潤滑剤を供給することと、潤滑剤を含んだモノフ
ィラメント自体が潤滑性を有する内部潤滑とは、１００
０ｍ／分もの高速で回転して摩耗を受ける場合モノフィ
ラメントに及ぼす潤滑効果に各段の差異が生ずるものと
考えられる０本発明で使用する共重合ナイロンのモノフ
ィラメントは１２％以上の吸水性を有することが好まし
い。

この事は他のナイロンのモノフィラメントの吸水性が例
えばナイロン６で９％、ナイロン６・６で８％、ナイロ
ン６・１０で３％、ナイロン６・１２で２％程度であっ
て、２〜９％程度であることからも吸水性が大きいこと
が理解される。

また、熱収縮率も他のナイロンのモノフィラメントより
大きく、沸騰水中２０分の熱収縮率が８％以上で乾熱収
縮率が１４０°Ｃ１０分で７％以上である。

この様な特殊な性能のモノフィラメントを緯糸に配置し
て織製することにより、上記の性質により、多重縁り１
ｌｉｅｌによくみられる耳カールを防止すると共に耐摩
耗性を大きくすることができるのである０本発明の製紙
用織物は従来の製紙用織物の２〜３倍の耐摩耗性を有す
る。

経糸にはポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の
モノフィラメントが使用される。

次に実施例と比較例をあげて本発明を具体的に説明する
。

［実施例］ 実施例１ 線径０．１７ｍのポリエチレンテレフタレートモノフィ
ラメントを経糸に用い、緯糸に６−ナイロン９５％、６
・６−ナイロン５％ｔｆＬ比から成る共重合ナイロンモ
ノフィラメントを用い、緯糸総本数６０本／；′でポリ
エチレンテレフタレートモノフィラメントと共重合ナイ
ロンモノフィラメントの比率を１＝１として、メツシュ
数が９２本／プンの崩しａａＪｉｌ物を織製した。

実施例２ 共重合ナイロンモノフィラメントとして６−ナイロン６
０％、６・６−ナイロン４０％重量比から成る共重合ナ
イロンモノフィラメントを用いた以外は実施例１と同様
にして織物を織製した。

実施例３ 共重合ナイロンモノフィラメントとして６−ナイロン９
０％、６・１０−ナイロン１０％重量比から成る共重合
ナイロンモノフィラメントを用いた以外は実施例１と同
様にして織物を織製した。

比較例１ ナイロンモノフィラメントとして６−ナイロンモノフィ
ラメントを用いた以外は実施例１と同様にして１Ｉｌｉ
物を織製した。

比較例２ ナイロンモノフィラメントとして６・６−ナイロンモノ
フィラメントを用いた以外は実施例１と同様にして織物
を織製した。

比較例３ ナイロンモノフィラメントとして６・１０−ナイロンモ
ノフィラメントを用いた以外は実施例１と同様にして織
物を織製した。

く比較試験〉 摩耗試験の結果を表１に示す。

（以下余白） 表　　１ 〈註〉 １゜織物の緯糸摩耗切断時間は、日本フィルコン製摩耗
試験ＩＩ（実用新案登録第１３５０１２４号）を用いて
フィラーには重炭酸カルシウムを使用して試験を行って
測定した。

２、単糸の乾式摩耗切断時間は、スチロール製直径７０
＋ｍのロールに＃４００サンドベーパーを巻いたものを
毎分６０回転で回転させ、荷重２０ｇを付与した糸を抱
き角９０°になるようにロール面にセットした。この時
切断までに要した時間を乾式摩耗切断時間とした。

く評価〉 単糸の乾式摩耗切断時間を比較すると本発明の実施例よ
り比較例の方がむしろ優れている。ところが実際に製紙
に使用する状態の織物の緯糸摩耗切断時間は本発明の各
実施例が３倍以上も優れていることが理解される。この
効果は糸が連星の水を吸って内部、的に潤滑性を発揮し
ているためである。

［効果］ 本発明は上記のごとく、特殊な性能のフィラメントを織
物の緯糸に配置した事により耐摩耗性を飛躍的に大きく
する事に成功した発明であり、使用命数が非常に長く、
製紙効率を向上させた優れた効果を奏する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ナイロン６と、このナイロンとは異なる異種ナイロ
   ンとの共重合ナイロンのモノフィラメントを緯糸に配置
   して製織した、耐摩耗性無端状製紙用織物。 ２、異種ナイロンがナイロン６・６、ナイロン６・１０
   、ナイロン１１、ナイロン１２、ナイロン６−Ｔからな
   る群より選んだ１または２以上である、請求項１に記載
   された耐摩耗性無端状製紙用織物。 ３、共重合ナイロンモノフィラメントが吸水率が１２％
   以上のモノフィラメントである、請求項１または２に記
   載された耐摩耗性無端状製紙用織物。 ４、共重合ナイロンモノフィラメントが沸騰水中２０分
   の熱収縮率が８％以上で乾熱収縮率が１４０℃１０分で
   ７％以上のモノフィラメントである、請求項１または２
   に記載された耐摩耗性無端状製紙用織物。 ５、請求項１ないし４のいずれか１項に記載された共重
   合ナイロンのモノフィラメントを摩耗面を形成する緯糸
   に２５％以上配置して製織した、耐摩耗性無端状製紙用
   織物。