JPH02145889A - 製紙用二重織物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、製紙用繕物に関する。

［従来の技術］ 製紙用織物に対しては従来より多くの要求がある。大別
すると、（イ）ワイヤーマークの発生防止、紙繊維の十
分な絡み合い等、紙の品質そのものに関する問題または
製紙の歩留りの問題、（ロ）耐準粍性の向上、織物の使
用寿命の延長、（ハ）良好なＰ水性の問題、などがある
、それぞれの問題は互いに関連する点が多いが、大雑把
にいえば、（イ）の問題は主として織物の製紙面の構造
が大きく関係する問題であり、（ロ）は織物の走行側表
面の構造に関係が深く、（ハ）は織物全体に関する問題
である。

このような問題は多重織りの織物だけでなく、−重織り
の織物においても同様に解決しなければならない問題で
ある。

従来（イ）の解決には多くの提案がなされてきた。しか
しながら、（ロ）の問題すなわち製紙用織物の耐摩耗性
の向上については十分な工夫がなされておらず、製紙用
織物の走行側を緯糸摩耗型として、経糸の摩耗を防ぐ程
度に止まっている。

しかしながら、近年製紙スピードの高速化、填料の使用
量の増大、中性製紙の製造の必要性の増大などの諸条件
が要求され、製紙用織物の耐摩耗性が大きな問題となっ
ている。

このような耐摩耗性を向上させるために、耐摩耗性のあ
るポリアミド糸を用いることも試みられているが、ポリ
アミド糸を用いた製紙用織物は伸びやすく、姿勢安定性
が悪いという欠点があった。

そこで、経糸、緯糸いずれにも剛性に優れたポリエステ
ル糸を用いて、伸びにくく姿勢安定性に優れた製紙用織
物を構成することが行われていた。

このような従来の製紙用織物では、上記のような諸要求
を満たすなめ、製紙用織物の走行側の緯糸に太い線径の
糸を使用することが試みられており、耐摩耗性の改善は
ある程度図られるものの、緯糸が太いので緯糸と経糸と
のバランスが崩れ、クリップ性が悪化しワイヤーマーク
発生の原因となる等の欠点があり実用上問題が多い。

さらに、上記（ハ）の問題から理解されるように走行面
の構造が変化すればｒ水性も影響があり単に緯糸を太く
する程度の姑息な手段では問題は解決されない。

［発明が解決しようとする課題〕 上記のような従来の技術の問題に鑑みて、本発明は製紙
用織物のＦ水性やワイヤーマーク性などの紙を抄造する
性能には悪影響を与えることなく、耐摩耗性を改善しよ
うとするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、 ｒ　　１．　　＠糸を上下二層に配置し、隣合う１対の
経糸により走行面に突出する下層の緯糸を組織に１回織
り込み、走行面に下層緯糸の長いクリップを形成すると
ともに、下層緯糸の織り込み位置を、隣接する緯糸間で
隣り合わないようにずらして配置してなる、完全組織を
有する製紙用二重織物。

２、走行面の下層緯糸が、ポリエステル緯糸とポリアミ
ド緯糸とからなる、特許請求の範囲第１項に記載された
製紙用二重織物。

３、走行面の下層ポリアミド緯糸は、下層ポリエステル
緯糸より太い糸である、特許請求の範囲第２項に記載さ
れた製紙用二重織物。

」、に関する。

使用中の織物の姿勢の安定性と、使用寿命の延長の点か
ら緯糸に耐摩耗作用を奏させることが望ましい、経糸は
摩耗すると織物の寸法の変化や切断が生ずるからである
。

本発明は上記の緯糸耐摩耗構造を製紙用ｍ物の走行面に
形成するものであるから、製紙面への影響は極めて小さ
く、製紙面の抄造性にはほとんど影響を与えず、炉水性
、ワイヤーマーク性に変化はみられない。

本発明において、走行側に突出する下層緯糸は組繊に１
回織り込まれるので、クリップが長く、クリップ性が良
好であるので、太い緯糸を配置でき、耐摩耗性を一層向
上させることができる。

［作　用］ 本発明の第１の特徴は、隣合う１対の経糸により走行面
に突出する下層の緯糸を強い力で曲げて１箇所で組織に
１回織り込み、走行面に下層緯糸の長いクリップを形成
することである。

即ち、１本より複数本の隣接した経糸により１箇所で緯
糸を曲げれば、確かに１本の経糸より強い力で緯糸を曲
げることができ、太い緯糸を使用し耐摩耗体積を増大で
きるし、緯糸も強固かつ安定に保持されるので織物の姿
勢安定性も向上する。

しかし、このように隣接した経糸で１箇所で緯糸を曲げ
ると、緯糸の反発力により経糸が押されて寄って接近し
その間に空間がなくなり、この部分のＰ水性が小さくな
るためｔ水性の不均一が生じワイヤマークの原因となる
。このＰ水性の不均一は緯糸を１箇所で曲げる隣接した
経糸の本数が多いほど大きくなる。

そのため本発明においては、緯糸を１箇所で曲げて織り
込むＦＡ！ｆｒ経糸の本数を２本とし、経糸の寄りによ
るｒ水性の不均一を最少に止どめ、さらに次に説明する
第２の特徴によりｒ水性の不均一を防止しするのである
。

本発明の第２の特徴は、下層緯糸の織り込み位置を、隣
接する緯糸間で隣り合わないようにずらして配置したこ
とである。これにより、ｒ水性の不均一を防止しすると
ともにこの経糸と緯糸が交差するナックルの配置が偏在
しないので製紙用織物の走行面が平滑になる効果がある
。

次にクリップ性について簡単に説明する。クリップ性と
は、経糸が緯糸を押し曲げようとするとき緯糸の反発力
に打ち勝って緯糸を押し曲げることができる指標である
。これは、クリップの長さつま°つ緯糸を押し上げる経
糸と経糸の距離が長くなるほど良好となる。そしてクリ
ップ性が向上すると太い経糸が使用できるのである。

本発明においては、織物の走行面の緯糸のクリップが長
くなっているのでクリップ性は良好であり、太い経糸が
配置できる。

製紙用織物の走行面の耐摩耗性は、前述のように走行面
を形成する耐摩耗緯糸の耐摩耗体積を大きくすることに
より増大する。

本発明は、製紙用織物の表面特性を変えることなく、走
行面の緯糸に長いクリップを形成するによって耐摩耗体
積を増大させ製紙用織物の耐摩耗性を大きく改善すると
ともに、緯糸のＭ歳への織り込みを強固安定にして、織
物の姿勢安定性を向上したものである。

実際には、経糸、緯糸が交差し糸が急激に曲げられるナ
ックル部においては耐摩耗作用を営まない緯糸部分が存
在する。つまり同じ面積内ではナックルの数の少ない方
が耐摩耗性は優れており、炉水性も向上する。

本発明は上記の構造を製紙用織物の走行面に形成するも
のであるから、製紙面への影響は極めて小さく、製紙面
の抄造性にはほとんど影響を与えず、炉水性、ワイヤー
マーク性に変化はみられない なお、摩耗体積の増大、耐摩耗性の増大については次の
実施例の項において従来例と比較しながら具体的に説明
する。

〔実施例］ 第１図から第６図まではそれぞれ本発明の経糸緯糸とが
各１６本（１６シヤフト）、１４本（１４シヤフト）、
１８本（１８シヤフト）、２０゛本（２０シヤフト）、
２２本（２２シヤフト］及び２４本（２４シヤフト）で
ある二重織り製紙用臓物を示す完全意匠図であり、図中
の番号は、経糸緯糸それぞれの番号を示す、これらの実
施例において、ダッシュのない番号は経糸であり、ダッ
シュのある番号は緯糸である。説明の都合上、上下の緯
糸は同じ番号で示すが必要あるときはその都度説明する
。

第１図から第６図までにおいて、Ｏ印は経糸が走行面の
緯糸を織り込んでいる位置を示し、Ｘ印は経糸が製紙面
の緯糸を織込んでいる位置を示す。

各図の緯糸においてＯ印が２個ずつ連続しているが、こ
れは隣合う１対の経糸が走行面の１本の緯糸を織り込ん
でいることを示す。

ここで２個連続するＯ印と右または左隣りに繰り返す完
全意匠図における２個連続するＯ印との間の距離は、製
紙用織物の走行面を形成する緯糸のクリップの長さを示
している。

第１図の実施例は経糸と緯糸とがそれぞれ１６本（１６
シヤフト）の製紙用二重織物の完全意匠図をしめす。

第１図の緯糸１′は隣接する１対の経糸７，８により組
織に１回込まれナックルを形成し、台または左隣りに繰
り返す完全意匠図（図示せず）の次のナックルとの間に
は１４本の経糸が存在する長いクリップを形成しており
、また、緯糸２′は隣接する１対の経糸２，３により組
織に１回織り込まれナックルを形成し、右または左隣り
に繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナックルとの
間には上記緯糸１′と同様に１４本の経糸が存在する長
いクリップを形成している。

そして、緯糸１′が＃ＩＩｍに織り込まれた位置と、緯
糸２′が組織に織り込まれた位置とは経糸５本分ずれて
おり隣りあっていないことが理解される。

他の下層緯糸も同様に隣接する１対の経糸で組織に１回
込まれ長いクリップを形成し、また、組織に織り込まれ
た位置は互いにずれており隣りあっていない。

第２図の実施例は経糸と緯糸とがそれぞれ１４本（１４
シヤフト）の製紙用二重織物の完全意匠図をしめす。

第２図の緯糸１′は隣接する１対の経糸１１゜１２によ
り組織に１回込まれナックルを形成し、右または左隣り
に繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナックルとの
間には１２本の経糸が存在する長いクリップを形成して
おり、また、緯糸２′は隣接する１対の経糸２，３によ
り組織に１回織り込まれナックルを形成し、右または左
隣りに繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナックル
との間には上記緯糸１′と同様に１２本の経糸が存在す
る長いクリップを形成している。

そして、緯糸１′が組織に織り込まれた位１と、緯糸２
′が組織に歳り込まれた位置とは経糸９本分ずれており
隣りあっていない。

他の下層緯糸も同様に隣接する１対の経糸で組繊に１回
込まれ長いクリップを形成し、また、組織に織り込まれ
た位置は互いにずれており隣りあっていない。

第３図の実施例は経糸と緯糸とがそれぞれ１８本（１８
シヤフト）の製紙用二重織物の完全意匠図をしめす。

第３図の緯糸１′は隣接する１対の経糸１３゜１４によ
り組織に１回込まれナックルを形成し、右または左隣り
に繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナックルとの
間には１６本の経糸が存在する長いクリップを形成して
おり、また、緯糸２′は隣接する１対の経糸１５．１６
により組織に１回織り込まれナックルを形成し、右また
は左隣りに繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナッ
クルとの間には上記緯糸１′と同様に１６本の経糸が存
在する長いクリップを形成している。

そして、緯糸１′が組織に織り込まれた位置と、緯糸２
′が組織に織り込まれた位置とは経糸２本分ずれており
隣りあっていない。

他の下層緯糸も同様にｇＪ接する１対の経糸で矧識に１
回込まれ長いクリップを形成し、また、趙識に織り込ま
れた位置は互いにずれており隣りあっていない。

第４図の実施例は経糸と緯糸とがそれぞれ２０本（２０
シヤフト）の製紙用二重繊物の完全意匠図をしめす。

第４図の緯糸１′は隣接する１対の経糸１２゜１３によ
り組織に１回込まれナックルを形成し、右または左隣り
に繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナックルとの
間には１８本の経糸が存在する長いクリップを形成して
おり、また、緯糸２′は隣接する１対の経糸１９．２０
により組織に１回織り込まれナックルを形成し、右また
は左隣りに繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナッ
クルとの間には上記緯糸１′と同様に１８本の経糸が存
在する長いクリップを形成している。

そして、緯糸１′が組織に繕り込まれた位置と、緯糸２
′が組織に織り込まれた位置とは経糸７本分ずれており
隣りあっていない。

他の下層緯糸も同様に隣接する１対の経糸で趙識に１回
込まれ長いクリップを形成し、また、組繊に織り込まれ
た位１は互いにずれており隣りあっていない。

第５図の実施例は経糸と緯糸とがそれぞれ２２本（２２
シヤフト）の製紙用二重織物の完全意匠図をしめす。

第５図の緯糸１′は隣接する１対の経糸１８゜１９によ
り組織に１回込まれナックルを形成し、右または左隣り
に繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナックルとの
間には２０本の経糸が存在する長いクリップを形成して
おり、また、緯糸２′は隣接する１対の経糸１６．１７
により組織に１回織り込まれナックルを形成し、右また
は左隣りに繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナッ
クルとの間には上記緯糸１′と同様に２０本の経糸が存
在する長いクリップを形成している。

そして、緯糸１′が組織に織り込まれた位置と、緯糸２
′が組織に織り込まれた位置とは経糸２本分ずれており
隣りあっていない。

他の下層緯糸も同様に隣接する１対の経糸で組織に１回
織り込まれ長いクリップを形成し、また、組織に織り込
まれた位置は互いにずれており隣りあっていない。

第６図の実施例は経糸と緯糸とがそれぞれ２４本（２４
シヤフト）の製紙用二重織物の完全意匠図をしめす。

第６図の緯糸１′は隣接する１対の経糸４．５により組
織に１回織り込まれナックルを形成し、右または左隣り
に繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナックルとの
間には２２本の経糸が存在する長いクリップを形成して
おり、また、緯糸２′は隣接する１対の経糸９，１０に
より別納に１回織り込まれナックルを形成し、右または
左隣りに繰り返す完全意匠図（図示せず）の次のナック
ルとの間には上記緯糸１′と同様に２２本の経糸が存在
する長いクリップを形成している。

そして、緯糸１′が組織に織り込まれた位置と、緯糸２
′が組織に織り込まれた位置とは経糸５本分ずれており
隣りあっていない。

他の下層緯糸も同様に隣接する１対の経糸で組織に１回
織り込まれ長いクリップを形成し、また、Ａｌ１織に織
り込まれた位置は互いにずれており隣りあっていない。

第１１図は従来の製紙用二重織物の完全意匠図を示す、
緯糸１′は経糸７と経糸１５とで２回織り込まれてクリ
ップを形成しており緯糸２′は経糸２と経糸１０とで２
回織り込まれてクリップを形成しており、それぞれ両ク
リップは７本の経糸が存在する短いクリップである。こ
のことは、同一１６シヤフトの第１図の本発明の実施例
は、経糸１４本分の長いクリップを形成していたのとく
らべると半分の長さしかないことが理解される。

第７図及び第８図は製紙用織物のナックル部を示すもの
である。第７図では２５〜２７は経糸であり、この経糸
２５〜２７がいずれも走行面に突出している緯糸２８′
を織り込んでいるところを示している。第８図では経糸
２５．２７は緯糸２８′の下を通って緯糸２８′を織り
込んでナックルが形成されているが、経糸２６は緯糸２
８′を織り込んでいない、第７図と第８図の斜線部分が
耐摩耗性を奏していないことは明らかである。即ち、ナ
ックル数が多くなると耐摩耗機能を持たない緯糸部分が
増加して有効耐掌耗体積が減少する。

第９図はクリップの形状を示すものである。経糸３０と
３１が緯糸２９′の下を通り緯糸２９′を織り込んでい
るが、この図から明らかなように経糸３０．３１は緯糸
２９′を上方に押し上げている。また、経糸３３と３４
とは緯糸２９′の反発力を受けているが緯糸２９′を押
し下げている。

また経糸３２は緯糸を下方に押しているがその作用は経
糸３３．３４に比べると小さい、この経糸が緯糸の反発
力に打ち勝って緯糸を押し曲げる指標をクリップ性とい
うが、クリップ性が良ければ太い緯糸を使用することが
できるわけである。

経糸３０と経糸３１との距離が長いほど、また経糸３２
，３３．３４．・・・の数の多いほどクリップ性はよく
なる。

本発明においては織物の走行面に突出する緯糸のクリッ
プの長さを長くして緯糸に太い糸を配置することができ
るので耐摩耗体積を大きくすることができ、耐摩耗性を
向上させることができるのである。

第１０図は本発明の製紙用ａ物のナックル部を示すもの
であり、緯糸３５′を経糸３６と３９との間で１対の隣
合う経糸３７と３８が強い力で押し上げており、緯糸の
クリップ性が良好となり織物組織が安定化し、より太い
緯糸が使用できるようになるので、織物の剛性が向上す
るとともに、耐摩耗性が飛躍的に向上する。緯糸の織り
込みも強固であり、ａ物の姿勢安定性も向上する。

また、本発明の上記実施例においては走行面の緯糸とし
てはポリエステル糸とポリアミド糸が好適であるがこれ
らの糸は単独で使用してもよく、また交織してもよい、
また、配置も互いに隣合って配置してもよく、また崩し
て配置してもよい。

例えば、第１図の１６シヤフトの製紙用織物の実施例に
おいて、ポリアミド緯糸とポリエステル緯糸を１本置き
に配置してもよく、ポリアミド緯糸を３本配置した次に
ポリエステル緯糸を１本配置してもよく、ポリアミド緯
糸を１本配置した次にポリエステル緯糸を３本配置する
こともできる。

また、第３図の１８シヤフトの製紙用織物の実施例にお
いて、ポリアミド緯糸を２本配置した次にポリエステル
緯糸を１本配置してもよい、この場合においてポリアミ
ド緯糸は例えば１’、２”４’　　５’　　７’　　８
’　　１０’　　１１’１３’、１４’、１６’　、１
７’に配置すればよい、さらに、第３図の１８シヤフト
の製紙用織物の実施例において、ポリアミド緯糸を１本
配置した次にポリエステル緯糸を２本配置することもで
きる。

このように本発明においては製紙用織物の走行側の有効
耐摩耗体積を従来のｓ物に比較して著しく大きくするこ
とができ、耐摩耗性を飛躍的に改善することができた。

このことは次に比較試験で具体的に示す。

第１図に示す本発明の製紙用織物を代表例とし、第１１
図の従来の製紙用織物の耐摩耗性の比較を示す。

まず摩耗体積を比較する緯糸のクリップの体積の計算上
、クリップは、経糸と経糸との間で円筒状とした。実際
には後で説明するように緯糸の屈曲部や経糸の上方に存
在する摩耗に無関係の部分があるので従来例では孝粍体
積はもつと小さくなる。第１図の実施例では長いクリッ
プと短いクリップが１本置きに形成されているので、隣
合う２本の緯糸についてクリップの体積を計算したが、
比較例についても隣合う２本の緯糸について計算し両者
を比較しな。

第１図と第１１図とに示す同じ１６本の経糸と緯糸で形
成される製紙用織物について、隣合う２本の緯糸は第１
１図の従来例ではクリップを形成する経糸と経糸との間
には各７本の経糸が配置されているので、７Ｘ４＝２８
本分の長さのクリップが形成されている。したがってそ
の体積は、経糸の線径が０．１７ｍｍ、緯糸の線径が０
．２２Ｉｌｆｌであるから、 ２８ｘ０．１７ｘ　（０，２２／２）　２π＝　ｏ、　
ｉｓｉ市３である。

同様に第１図の本発明の実施例においては、隣合う２本
の緯糸に対して経糸１４本分の長さのクリップがそれぞ
れ形成されており、隣合う経糸２本が対になって緯糸に
織り込まれているため太い緯糸が使用できるので、経糸
の線径が０．１７ｍｍ、ポリエステル緯糸の線径が０．
３０ｍ＋、ポリアミド緯糸の線径が０．３０ｍ＋である
と、クリップの体積は、１４ｘ０．１７ｘ　（０，３０
／２）　２π＋１４ｘ０．１？ｘ　　（０，３０／２）
　　２　π＝　０．３３６　ｒｍ　３である。そこで摩
耗体積の増加割合は、（０，３３６÷０．１８１−１）
Ｘ１００　＝８５．６　（％）即ち、単純計算しただけ
でも本発明の実施例においては約８６％牽粍体積が大き
い。

比較試験の結果を次の第１表に示す。

（以下余白） 経　　糸　　径 （市） 上緯糸径 （ｆｆｌＩ＋） 下線糸径 （市） （１，１交織） 第　　　１　　　表 本発明品　　　従来品 ０．１７　　　　　　　　０．１７ （ポリエステル）（ポリエステル） ０．１７　　　　　０．１７ （ポリエステル）（ポリエステル） ０、３０　　　　　０．２２ （ポリエステル）（ポリエステル） ０、３０　　　　　０．２２ （ポリアミド）　（ポリアミド） 下縫糸１粍 切断までの 時間（時間） （以下余白） 試験方法：日本フィルコン製摩耗試験機（実用新案登録
第１３５０１２４号）を用 いて、フィラーには重質炭酸カルシ ウムを用いて行った。

試験結果：第１表に示すごとく、本発明品は従来品に廿
べて、上緯糸が牽耗切断す るまでの時間（ワイヤー寿命）が約 １．９＠であった。

［効　果］ 以上説明したとおり、本発明の製紙用織物は、その走行
面において、走行面の緯糸のクリップを長くしたので、
クリップ性が良好となり、従来使用できなかった太い緯
糸が使用できることとなり耐摩耗性が飛躍的に向上し、
また、隣合う１対の経糸が当該走行面の緯糸を強い力で
曲げるため、さらに太い緯糸を使用することができ、強
く組織に織り込むので、織物の姿勢の維持性も良好にな
り、炉水性や、ワイヤーマーク性などの紙を抄造する性
能には悪影響を与えることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図、第４図、第５図及び第６図は
、本発明の実施例であって、それぞれ経糸と緯糸とが各
１６本（１６シヤフト）、１４本（１４シヤフト）、１
８本（１８シヤフト）、２０本（２０シヤフト）、２２
本（２２シヤフト）及び２４本（２４シヤフト）で構成
される完全組織の製紙用二重織物の完全意匠図である。 第７図と第８図は製紙用織物のナックル部を示し、第９
図はクリップの形状を示す、第１０図は本発明の製紙用
織物のナックル部を示す。 第１１図は従来例の経糸と緯糸とが各１６本（１６シヤ
フト）で構成される完全Ｍｉ織の製紙用繕物の完全意匠
図である。 １〜２７．３０〜３４．３６〜３９・・・経糸１′〜２
４’　、２８’　、２９’　、３５’・・・緯糸第１図 第２図 第３図 第７図 第８図 第１０図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、緯糸を上下二層に配置し、隣合う１対の経糸により
   走行面に突出する下層の緯糸を組織に１回織り込み、走
   行面に下層緯糸の長いクリップを形成するとともに、下
   層緯糸の織り込み位置を、隣接する緯糸間で隣り合わな
   いようにずらして配置してなる、完全組織を有する製紙
   用二重織物。 ２、走行面の下層緯糸が、ポリエステル緯糸とポリアミ
   ド緯糸とからなる、特許請求の範囲第１項に記載された
   製紙用二重織物。 ３、走行面の下層ポリアミド緯糸は、下層ポリエステル
   緯糸より太い糸である、特許請求の範囲第２項に記載さ
   れた製紙用二重織物。