JPH044131B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、成形金型より成形品を突出離型す
る成形品突出装置に関する。

（従来の技術） 一般にこの種の成形品突出装置では、金型内に
設けられた突出ピンは型締盤側より突出する突出
ロツドにより前進され、金型内に設けられたリタ
ーンピンまたはリターンスプリングにより戻され
る。

しかし金型構造上リターンピン、リターンスプ
リングが設けられない場合や、サイクルアツプの
ための高速で突出ピンを後退作動する場合、或い
は金型保護のため確実に突出ピンを復帰させよう
とした場合には、金型内の突出ピンと、突出ロツ
ドとを連結し、突出ロツドの進退により強制的に
突出ピンを進退させることが行われている。

そのような場合の連結手段としては、金型を可
動盤に取り付けた後、突出ロツドを前進させ、金
型側面の作業穴よりスパナ等を用いてねじ着した
り、金型の突出ピンを背面に突出し、型締盤に組
付したのち、型締盤背面より突出板にねじ着する
方法が行われている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし上述した従来方法では、作業スペースが
狭いことから作業が困難で時間がかかり、また作
業上の安全性も十分確保し難い問題があつた。

この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので
あつて、金型側の突出ピンと、型締側の突出手段
との連結を簡単にかつ安全に行うことのできる成
形品突出装置を提供することを目的とするもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的によるこの発明の特徴は、金型に内装
した突出ピンと、型締盤内に可動自在に挿通した
中空の突出ロツドと、その突出ロツドを進退移動
する型締盤側の駆動装置とからなり、上記突出ロ
ツドと先端側部を連結子を内外に出没自在に設け
るとともに、内部にその連結子を外方へ押圧し支
持するロツク用の軸部材を軸方向に移動自在に設
け、上記突出ピンの後端に環状溝を内周側に有す
る所要の受口を設け、その受口と突出ロツド先端
部との嵌合及び上記軸部材による連結子と環状溝
との嵌合とにより、突出ロツドと突出ピンとを一
体に接続してなることにある。

（作用） この発明では金型を型締盤に取付けた後、突出
ロツドを前進して突出ピン後端の接続部内に先端
部を嵌挿し、その後軸部材により連結子を環状溝
内に挿込むと、その連結子によつて突出ピンと突
出ピストンとが一体的に接続され、軸部材を後退
させて外さぬ限り、突出ピンは突出ピストンと共
に進退移動して、成形品の突出しを行う。

（実施例） 図中１は射出成形機の型締盤、２は金型で図面
では省略したが、型締盤１に付設した固定盤側の
金型と対をなし、型閉じにより形成されたキヤビ
テイへの溶融樹脂の充填により成形品３が成形さ
れる。

上記金型２には成形品３の突出ピン４が出入自
在に内装してある。この突出ピン４の後端には、
突出ピン４よりも大径で内周側に環状溝５を有す
る円筒形の受口６となつており、その受口６と突
出ピン４との境の段部が金型２の内壁に接するま
で突出ピン４は金型２の型面から外部に突出す
る。

７は突出ロツドで突出駆動用の油圧シリンダ８
の突出ピストン９の先端に一体形成してある。こ
の突出ロツド及び突出ピストン９は中空で、内部
にロツク用の軸部材１０が挿入してある。

また突出ロツド７の先端部７ａの外径は、上記
受口６の内径よりも若干小さく形成され、先端側
部には上記環状溝５と嵌合する複数の鋼球による
連結子１１がテーパー孔１２に遊嵌して出没自在
に設けてある。

上記突出ピストン９は上記油圧シリンダ８を貫
通するとともに、後端内部は上記軸部材１０を軸
方向に移動するシリンダ１３に形成してある。こ
のシリンダ１３の内部には、軸部材10の後端に設
けたピストンと、そのピストンを介して軸部材１
０を前進方向に弾圧し、軸部材１０の先端部を突
出ロツド７の先端内に位置させているばね部材１
４とが設けてある。またシリンダ１３には上記ば
ね部材１４に抗して軸部材１０を後退移動する油
圧路１５が接続してある。

１６は、突出ロツド７の先端部を被覆する円筒
形のカバー部材で、突出ロツド７の周囲に軸方移
動自在に嵌装され、かつ突出ピストン９とカバー
端面とにわたり設けたばね部材１７により先方へ
押圧されて、突出ロツド先端部を被覆するととも
に、上記連結子５の脱落を防止している。

上記突出ロツド７は、油圧シリンダ１３の型締
盤１への取付けにより、金型２の突出ピン収納凹
所１８と対応する位置に穿設した型締盤内の貫通
孔１９に位置しており上記突出ピストン９がばね
部材１４に抗して後退位置しているときには、第
２図に示すように、上記突出ピン４と離れている
が、油圧により突出ピストン９を前進すると貫通
孔１９から金型凹所１８に突出する。

この突出ロツド７の突き出しにより突出ピン４
も受口６が金型内壁に接するまで移動し、移動停
止後に突出ロツド先端部７ａが受口６に嵌り込
む。この際カバー部材１６は受口６の開口端によ
り押戻されて連結子１１が露出する。

上記連結子１１が環状溝５に位置した時点にお
いて、上記係合シリンダ１３における油圧力を除
くと、軸部材１０がばね圧により前進移動して連
結子１１を外方へ押圧する。これにより連結子１
１は上記環状溝５と係合し、突出ピン４と突出ロ
ツド７とが一体的に結合する（第３図参照）。

この環状溝５と連結子１１との係合は、上記軸
部材１０を強制的に後退させて除かぬ限り維持さ
れ、油圧シリンダ８の作動ごとに共に進退移動し
て成形品３の突出しを行う。したがつて、環状溝
５から連係子１１を離脱させて結合を解除する必
要が生じたときには、係合シリンダ１３に油圧を
供給して軸部材１０を元の位置に戻せばよい。

なお上記実施例では、連結子１１として鋼球を
用いたが、連結子１１は他のものでもよく、また
連結子１１の先端部７ａから脱落しないように取
付けた場合には、上記カバー部材１６は不要とな
る。

更にまた、突出ロツドやロツクピストンの駆動
は油圧により行つているが、これは空圧や電動機
の回転力をボールねじ等により往復運動に変換し
たものを用いても良い。

（発明の効果） この発明は上述のように、突出ロツド７の先端
側部に連結子１１を内外に出没自在に設けるとと
もに、内部にその連結子１１を外方へ押圧し支持
するロツク用の軸部材１０を軸方向に移動自在に
設け、上記突出ピン４の後端に環状溝５を内周側
に有する所要の受口６を設け、その受口６と突出
ロツド先端部７ａとの嵌合及び上記軸部材１０に
よる連結子１１と環状溝５との嵌合とにより、突
出ロツド７と突出ピン４とを一体に接続してなる
ことから、突出ロツドと軸部材の進退動作を段階
的に行うだけで、突出ロツドと突出ピンとの接続
または解除を自動的に行なうことができ、ねじ着
やピンなどによる組付けの場合のように、人手を
要さぬので作業が簡単に終了する。

したがつて、金型交換に伴う人為的な突出装置
の接続が省略でき、金型交換を短時間で済ませる
ことができるので、生産性が向上する。

しかも接続は軸部材により維持されるので、軸
部材を後退してロツク状態を解除しない限り、突
出ピンが突出ロツドから自然に離れることはな
く、突出作業ごとの震動にも充分に耐えることか
ら、成形品の突出作業中に突出作業中に突出ピン
が分離して、次の型締の際に金型を損傷するよう
なこともない等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明に係る成形機における成形品突
出装置の１実施例を示すもので、第１図は型開時
の縦断面図、第２図は突出ピン分離時の縦断面
図、第３図は結合時の縦断面図である。 １……型締盤、２……金型、４……突出ピン、
５……環状溝、６……受口、７……突出ロツド、
８……油圧シリンダ、９……突出ピストン、１１
……連結子、１２……テーパー孔、１３……係合
シリンダ、１０……軸部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 金型に内装した突出ピンと、型締盤内に可動
   自在に挿通した中空の突出ロツドと、その突出ロ
   ツドを進退移動する型締盤側の駆動装置とからな
   り、上記突出ロツドと先端側部に連結子を内外に
   出没自在に設けるとともに、内部にその連結子を
   外方へ押圧し支持するロツク用の軸部材を軸方向
   に移動自在に設け、上記突出ピンの後端に環状溝
   を内周側に有する所要の受口を設け、その受口と
   突出ロツド先端部との嵌合及び上記軸部材による
   連結子と環状溝との嵌合とにより、突出ロツドと
   突出ピンとを一体に接続してなることを特徴とす
   る成形機における成形品突出装置。