JPH0440815Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は角パイプ素材を所定長さに切断し所定
長さの角パイプを得る為の角パイプ自動切断装置
に関するものである。

従来の技術 角パイプ素材を所定長さに切断する角パイプ自
動切断装置は一般に、切断されるべき長尺の角パ
イプ素材を送り込む装置、該送り込まれた角パイ
プ素材をつかみ所定位置にセツトする装置、該セ
ツトされた角パイプ素材を設定された長さ及び切
断角にて切断する装置、及び切断された角パイプ
を送り出す装置の組合せにより構成されるのが普
通である。

考案が解決しようとする問題点 上記において角パイプ素材をストツク位置から
順次１本づつ送り込む装置としては、ストツクテ
ーブル自体を傾斜面とし、該傾斜したストツクテ
ーブル上に複数本の角パイプ素材を並べておき、
最前端の角パイプ素材を上からストツクテーブル
上に押しつけるエアシリンダよりなるストツパシ
リンダを設け、該ストツパシリンダを一瞬引き上
げ作動させることにより最前端の角パイプ素材が
自重にて滑り落ちて次行程に送られると同時に他
の複数の角パイプ素材がストツクテーブル上を自
重にて角パイプ素材１本分だけ滑動した後上記ス
トツパシリンダのエア圧により押圧され次の角パ
イプ素材送り込みに備えるようにする方策が最も
機構的に簡単である。ところがこのような構造と
すると、例えば１日の作業を終了し、エア供給源
の作動を停止させるとたちまち上記ストツパシリ
ンダの角パイプ素材押圧拘止力が弱くなり、複数
の角パイプ素材がストツクテーブル上を自重で滑
り落ちてしまうので、作業終了時はストツクテー
ブル上の角パイプ素材をすべて取り除いておき、
次に作業を開始するに当り再び複数の角パイプ素
材をストツクテーブル上にセツトしなければなら
ず、その作業がなかなか厄介である。

又切断された角パイプは必ず切断面部にバリが
生じ、このバリが引掛つて送り出しがなかなか円
滑に行われ難いと言う問題を有している。

本考案は上記のような従来装置の問題を極めて
簡単なる施策によりすべて解消することを目的と
するものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記のような傾斜したストツクテー
ブルとストツパシリンダよりなる角パイプ素材送
り込み装置と、送り込まれた角パイプ素材を所定
位置にセツトする装置と、切断機と、切断された
角パイプを取り出す取出コンベアとからなる角パ
イプ自動切断装置において、ストツパシリンダに
角パイプ素材押圧方向に所定のばね力を附勢する
スプリングを設けると共に、複数のローラよりな
る取出コンベアの、切断刃からの距離が角パイプ
の切断されるべき長さの1/2以下のところに位置
する後端ローラを所定範囲上下方向に変位可能な
るよう構成し且つ切断機にて切断された角パイプ
を載せた状態で上記後端ローラを上方に押上げ変
位させるべきばね力をもつたスプリングを設けた
ことを特徴とするものである。

作 用 上記において、ストツパシリンダへのエア供給
源の作動が停止し角パイプ素材押圧方向のエア圧
が弱まつても、スプリングのばね力にてストツク
テーブル上にストツクされている角パイプ素材を
ストツクテーブル上に押しつけ、角パイプ素材の
滑り落ちを完全に防止することができると共に、
取出コンベア部において、長尺の角パイプ素材が
セツト装置により所定位置にセツトされたときは
該角パイプ素材の重量にて後端ローラはスプリン
グをたわませて他のローラと同一レベルの高さと
なつているが、切断が完了すると同時にスプリン
グのばね力が角パイプの重量にうちかつて後端ロ
ーラを上方に変位させ角パイプ後部を上方に持ち
上げ、角パイプ後端切断面の下部に生じたバリが
切断機部の支持ブロツクに引掛ることなく円滑に
取出コンベアにて取り出されるものである。

実施例 以下本考案の一実施例を附図を参照して説明す
る。

第１図乃至第３図において、１は基台であり、
該基台の一側部には基台１に向つて低くなるよう
傾斜したストツクテーブル２が設けられ、該スト
ツクテーブル２上には長尺の角パイプ素材３が、
その長手方向をストツクテーブル２の傾斜方向と
直交する方向に向けた状態で多数並べてストツク
されている。

ストツクテーブル２はその傾斜角を、載置スト
ツクされている角パイプ素材３が自重にて自由に
滑り落ちることができる角度に設定されており、
最も基台１に近い最前端の角パイプ素材３をスト
ツパシリンダ４にて上から押圧することにより滑
り落ちを拘止され、該ストツパシリンダ４の押圧
を解除すると最前端の角パイプ素材がストツクテ
ーブル２より自重で滑り落ちると同時に後続の角
パイプ素材もストツクテーブル２上を自重にて滑
りおりて来るようになつている。

５は基台１に設けた上下シリンダであり、該上
下シリンダ５の作動により受台５１が前記ストツ
クテーブル２上より滑り落ちて来る角パイプ素材
３を受ける上方位置（第２図の鎖線位置）と第２
図実線示の送り用コンベア１′とほぼ面一の下降
位置との間を上下移動し得るよう構成される。

６は押込シリンダであり、角パイプ素材３を受
けて上下シリンダ５の受台５１が下降位置まで下
つたとき該押込シリンダ６が作動しその押圧部材
６１が受台５１上の角パイプ素材３を押圧して送
り用コンベア１′上に横移動させるものである。

７はパイプチヤツクであり、前記のようにして
送り用コンベア１′上に移された角パイプ素材３
をシリンダ７１の作動によりパイプチヤツク７が
つかみセツト用シリンダ７２の作動にて長手方向
に移動させ、該角パイプ素材３を切断機８部に移
送セツトするようになつている。

切断機８は、高速回転して角パイプ素材３を切
断する砥石材等よりなる切断刃８１と、切断刃８
１の切断角を任意に設定し得る切断角設定部８２
とからなり、パイプチヤツク７にて指定された長
さに切断可能な位置に角パイプ素材３がセツトさ
れると、切断角設定部８２にて指定角度に設定さ
れている切断刃８１が高速回転して角パイプ素材
３を切断するようになつている。

９は所定長さに切断された角パイプ３を送り出
す取出コンベアであり、該取出コンベア９にて所
定位置まで送り出された角パイプ３′は排出シリ
ンダ１０の作動にて一側方に押圧排出され、所定
場所（例えばコンテナ内等）におさめられるよう
になつている。

上記においてすべての各シリンダ４，５，６，
７１，７２及び１０等はエアによつて伸縮作動す
るエアシリンダであり、これらのシリンダの作動
タイミング、切断機８の作動、取出コンベア９の
作動用モータ９′等はすべて制御装置１１部にて
設定されたプログラムに基づき自動的に制御され
る。

上記においてストツパシリンダ４は前記したよ
うにストツクテーブル２上の最前端の角パイプ素
材をエア圧にて上から押えつけてすべての角パイ
プ素材３の滑り落ちを拘止しており、前段の切断
作業が終り上下シリンダ５が伸長し受台５１が所
定の上方位置に達したとき、ストツパシリンダ４
を一瞬引き上げることにより、最前端の角パイプ
素材が受台５１上に自重で滑り落ち、同時に後続
の角パイプ素材が１本分だけ自重でずれ、そこで
再びストツパシリンダ４がもとに戻つてその状態
での最前端の角パイプ素材を押えつけ、前記受台
５１上に滑り落ちた角パイプ素材の切断が完了す
るまで待機するものである。

ストツクテーブル２上には次々と角パイプ素材
が供給され常に複数本の角パイプ素材がストツク
されているが、例えば１日の作業が終了し、エア
供給源のスイツチが切られると、上記ストツパシ
リンダ４による最前端角パイプ素材への押圧力が
弱くなり、たちまちストツクされている角パイプ
素材はすべて滑り落ちてしまう。

そこで本考案ではストツパシリンダ４として、
第４図に示すようにエアシリンダ本体４ａに対し
ピストン４ｂを伸長させる方向に附勢するスプリ
ング４ｃを設けてピストン４ｂを伸長させるべき
エア圧が遮断された場合も該スプリング４ｃのば
ね力によりピストン先端の押圧部材４１が最前端
の角パイプ素材の押しつけを持続し、角パイプ素
材がストツクテーブル２より滑り落ちることがな
いようにしたものである。

上記スプリング４ｃのばね力は、ストツクテー
ブル２上を滑動中の角パイプ素材をストツプさせ
る程の押圧力は持たないが、ストツクテーブル２
上で静止している角パイプ素材の静止状態を保持
し得るに充分なる値に設定するのが適当である。

更に上記したような角パイプの切断装置におい
ては、第５図に示すように切断刃８１による切断
位置の前後近傍位置に角パイプ素材３に作用する
切断荷重を支持する支持ブロツク１２，１３を基
台１上に設けておかなければならないことは当然
であるが、切断刃８１により角パイプ素材３を切
断した際その切り口には第６図に示すようにバリ
３ａが生じ、角パイプ３が取出コンベア９にて前
方に送られるとき角パイプ３′後端のバリ３ａが
前記前方の支持ブロツク１３に引掛り、角パイプ
３′の送り出しを円滑に行い得ないと言う問題が
生じる。

そこで本考案では複数の駆動ローラにより構成
される取出コンベア９の後端（最も切断刃に近い
側）のローラ９１（切断刃からの距離が角パイプ
の切断されるべき長さの1/2以下のところに位置
している）を第７図に示すように他の駆動ローラ
と同一レベルの状態から上方に所定高さ位置まで
移動可能なるよう構成すると共に、該ローラ９１
を常に上方に移動させる方向に附勢するスプリン
グ１４を設け、切断刃８１による切断作業が終了
するとスプリング１４のばね力にてローラ９１が
上方に変位して角パイプ３の後端部を、該後端切
断面に生じたバリ３ａが支持ブロツク１３に引掛
らない高さまで持ち上げ、その状態にて取出コン
ベア９にて前方に送り出されるよう構成したもの
である。

即ち、ローラ９１は第７図に示すように、その
回転軸９１ａを基台１に設けた支持ブラケツト１
５の上下方向の長孔１５ａに嵌装されて回転可能
に支持され、該回転軸９１ａに回転自在に嵌装さ
れた軸受部材９１ｂとその下方の支持ブラケツト
１５側の部材１５ｂとの間にはスプリング１４が
介装され、該スプリング１４のばね力にてローラ
９１は長孔１５ａの範囲において上方に附勢され
た構造となつている。１６はスプリング１４の案
内部材である。

ここでスプリング１４のばね力は、切断前の長
尺の角パイプ素材３が載置セツトされたときは該
角パイプ素材３の重量にてスプリング１４がたわ
み回転軸９１ａが長孔１５ａの最下位に押し下げ
られローラ９１が他のローラと同一レベルの高さ
となるが、切断刃８１にて切断されローラ９１よ
り後方の部分が短かくなるとばね力がうちかつて
回転軸９１ａを長孔１５ａの上方部に押し上げロ
ーラ９１が他のローラより高くなつて角パイプ
３′の後方部を押し上げることができるよう設定
される。

尚最後端のローラ９１は他のローラと同様モー
タ９にて駆動されるようになつていても良いし、
又他のローラによつて送られて行く角パイプ３の
動きによつて回転されるローラであつても良い。

上記において、先ず上下シリンダ５を上昇させ
た後、ストツパシリンダ４を一瞬引き上げ作動さ
せると押圧部材４１がスプリング４ｃのばね力に
抗して一瞬上昇し、その間に最前端の角パイプ素
材３が上下シリンダ５の受台５１上に自重にて滑
り落ち他のストツクされている角パイプ素材３は
すべてストツクテーブル２上を角パイプ１本分だ
け下方に滑りストツパシリンダ４の押下げ方向の
エア圧にて押圧部材４１により滑りを拘止され
る。

次に上下シリンダ５が下降作動した後押込シリ
ンダ６が伸長し受台５１上の角パイプ素材３を送
り用コンベア１′上に移す。そこでパイプチヤツ
ク７が角パイプ素材３をつかんで切断機８部に移
送セツトし、切断機８が角パイプ素材３を指定さ
れた長さ及び所定の切断角にて切断する。

その切断作動の間にパイプチヤツク７は指定さ
れた切断長さ分だけ元に戻り、その位置にて切断
が終るまで待機する。

切断が終るとモータ９′により取出コンベア９
が取出作業をはじめると同時に最後端のローラ９
１がスプリング１４にて所定高さだけ上方変位し
て切断された角パイプ３′の後部を持ち上げ、該
角パイプ３′は前方の支持ブロツク１３よりやや
浮き上つた状態にて前方に送られ、後端切断面下
部に突出したバリが支持ブロツク１３に引掛るこ
となく前方の所定位置に至り、排出シリンダ１０
の作動にて排出回収される。

その角パイプの排出作動途中又は排出作動終了
後、再びパイプチヤツク７が切りのこされている
角パイプ素材３を前方に所定ストロークだけ移送
セツトし、切断機８が切断作動をはじめる。この
とき角パイプ素材３の前端面には前回の切断によ
つてバリが生じているが、この場合はパイプチヤ
ツク７にて強制的に移行させるので、該バリが支
持ブロツク１２，１３に当接するとパイプチヤツ
ク７による移送力にて該バリはつぶされ、角パイ
プ素材３の移送セツトに支障を与えるようなこと
はない。

このようにして長尺の角パイプ素材３は次々に
所定長さに切断処理され、その角パイプ素材３が
切断不可能な長さになつたら装置より取りはずさ
れ、上下シリンダ５が上昇してストツパシリンダ
４が一瞬引上げ作動して新たな角パイプ素材３が
供給され、前述の切断作動を繰り返す。

所定時間の作業が終了し、すべてのエアシリン
ダにエアを供給するエア供給源のスイツチが切ら
れると、ストツパシリンダ４のエア圧による押圧
力が弱まるが、該ストツパシリンダ４の押圧部材
４１はスプリング４ｃのばね力による押圧力にて
ストツクテーブル２上の最前端の角パイプ素材を
押圧し続けるので、ストツクテーブル２上にスト
ツクされている角パイプ素材３が滑り落ちてしま
うことはなく、次にエア供給源が作動しはじめる
と即座に切断作業が開始できる状態のままに保持
される。

考案の効果 以上のように、本考案によればエアシリンダよ
りなるストツパシリンダに所定の押圧力を附与す
るスプリングを追加すると共に、切断された角パ
イプを取出回収する取出コンベアの後端のローラ
をスプリングにより上方に変位可能なるよう構成
するだけの極めて簡単なる改良により、例えば１
日の作業が終了しエア供給源のスイツチが切られ
該ストツパシリンダのエア圧による角パイプ素材
押圧力が弱くなつても、該ストツパシリンダに追
加したスプリングのばね力によりストツクテーブ
ル上にストツクされている角パイプ素材の滑り落
ち拘止機能が持続し、角パイプ素材の的確なるス
トツク状態を保持し得ると共に、切断作業終了後
の角パイプ取出し行程において切断された角パイ
プは取出コンベアの後端のローラの上方変位によ
りその後端部が持ち上げられ、角パイプ後端切断
面に生じたバリが角パイプ切断時の支持ブロツク
に引掛かることがなく、取出コンベアによる角パ
イプ取出作動が極めて円滑に行われ得るもので、
機構が簡単であり在来装置への適用も極めて容易
であり且つコスト低廉なること等と相俟つて実用
上多大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す角パイプ自動切
断装置の全体の概略を示す斜視説明図、第２図は
第１図のＡ−Ａ部の断面図、第３図は第１図のＢ
−Ｂ部の断面図、第４図は第１図のストツパシリ
ンダの拡大正面図、第５図は第１図の切断機部に
おける角パイプ素材切断作動状態を示す正面図、
第６図は切断終了時の角パイプ素材の切断面部の
状態を示す正面図、第７図は第５図Ｃ部即ち取出
コンベアの後端のローラの支持構造を示す斜視図
である。 １……基台、２……ストツクテーブル、３……
角パイプ素材、４……ストツパシリンダ、４１…
…押圧部材、４ｃ……スプリング、５……上下シ
リンダ、５１……受台、６……押込シリンダ、７
……パイプチヤツク、８……切断機、９……取出
コンベア、９１……後端ローラ、１２，１３……
支持ブロツク、１４……スプリング、１５……ブ
ラケツト、１５ａ……長孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の角パイプ素材を傾斜したストツクテーブ
   ルに並置ストツクし前端の角パイプ素材をエア圧
   にてストツクテーブル上に押しつけるエアシリン
   ダよりなるストツパシリンダを一瞬引き上げ作動
   させることにより前端の角パイプ素材が自重にて
   次行程に滑り落ちると同時に他の角パイプ素材が
   ストツクテーブル上を角パイプ素材１本分だけ自
   重にて滑動した後ストツパシリンダのエア圧にて
   押圧停止される構造となつている角パイプ素材の
   送り込み装置と、該送り込まれた角パイプ素材を
   つかみ所定位置にセツトするパイプチヤツクより
   なるセツト装置と、セツトされた角パイプ素材を
   予じめ定められた切断角にて切断する切断刃をも
   つた切断機と、切断された角パイプを取出し回収
   する取出コンベアとからなる角パイプ自動切断装
   置において、上記ストツパシリンダに角パイプ素
   材押圧方向に所定のばね力を附勢するスプリング
   を設けると共に、複数のローラよりなる上記取出
   コンベアの上記切断刃からの距離が角パイプの切
   断されるべき長さの1/2以下のところに位置する
   後端ローラを所定範囲上下方向に変位可能なるよ
   う構成し且つ切断機にて切断された角パイプを載
   せた状態で上記後端ローラを上方に押上げ変位さ
   せるべきばね力をもつたスプリングを設けたこと
   を特徴とする角パイプ自動切断装置。