JPH0440588B2 - - Google Patents
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- JPH0440588B2 JPH0440588B2 JP59039522A JP3952284A JPH0440588B2 JP H0440588 B2 JPH0440588 B2 JP H0440588B2 JP 59039522 A JP59039522 A JP 59039522A JP 3952284 A JP3952284 A JP 3952284A JP H0440588 B2 JPH0440588 B2 JP H0440588B2
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Landscapes
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
Description
〔技術分野〕
本発明は、架橋ポリエチレンからパイプを本体
とする耐火性の給湯管に関する。 〔従来技術〕 銅管、ステンレス管などの従来公知の金属性給
湯管は、腐食の問題のあることから、その問題の
ないプラスチツク管をビルなどにおける給湯管と
して使用する検討がなされている。種々のプラス
チツクパイプは候補として上げられているが、未
だ満足すべきものは提案されていない。たとえ
ば、パリ塩化ビニルパイプは、高温度の水を通す
ことにより軟化して耐圧性が低下するのみなら
ず、脆性的性質を有するため、熱応力によつて容
易に破損してしまう。また、ポリブテンパイプや
架橋又は非架橋のポリエチレンのパイプは、その
易燃性のために火焔により容易に燃焼する。この
ため、これらパイプを布設したビルが火災となつ
たとき、パイプが短時間で燃焼し、パイプが貫通
していた床貫通孔が火災の伝播通路となつて火災
を拡大させ易い問題がある。 〔発明の要旨〕 上記に鑑み、本発明は常態においては高温水の
輸送を安全に行うことができ、しかも耐火性を有
する新規な給湯管を提案するものであつて、架橋
ポリエチレンパイプ本体の上に酸素指数が少なく
とも30の難燃性有機高分子からなる保護層を有す
ることを特徴とするものである。 〔発明の具体的、かつ一層詳細な説明〕 本発明は上記した通りの極めて簡単な構造を有
するが、後記の実施例、比較例から理解される通
り全く予想外の耐火性を有する。また、パイプ本
体は高温での寸法安定性に優れた架橋ポリエチレ
ンからなるので、100℃前後の高温水でも長期に
わたつて安全に安定して輸送することができる。 本発明の給湯管が耐火性を有する理由は、架橋
ポリエチレン管本体の優れた高温寸法安定性と保
護層の難燃性とが相乗した結果によるものと考え
られる。 本発明において、架橋ポリエチレン管本体を構
成する架橋ポリエチレンとしては、有機過酸化物
架橋剤たとえばジクミルパーオキシドにより架橋
してなるものや加水分解性のシラン基を有する水
架橋性のポリエチレンを水架橋してなるもの、あ
るいは放射線架橋してなるものなど架橋の方法を
問わず種々のもの、好ましくはASTM Ｄ 2765
で測定したゲル分率が20％（重量％、以下同じ）
以上、特に50％以上のものが用いられる。最も好
ましくは、ゲル分率50％以上、かつビカツト軟化
温度（ASTMD1525）が110℃以上の水架橋ポリ
エチレンである。 保護層構成材はJIS Ｋ 7201−1976で測定した
酸素指数が30以上の好ましくは35以上の有機高分
子たとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化フツ化ビニ
リデン、ポリイミド、ポリフロロエチレン、各種
有機又は無機の難燃剤にて難燃化されたゴムやプ
ラスチツクス類である。保護層の厚みは、少なく
とも0.5mm、好ましくは少なくとも1.5mmとするこ
とが望ましい。 本発明の給湯管は、耐火性の接続方法により接
続使用得るが、本発明の如き複数層構造の給湯管
は、単層管と比較して接続に手間を要し、また接
続個所の耐火性が問題となり易い。このことは、
本発明は可及的に無接続の長尺で使用することが
望ましいことを意味する。幸い、架橋ポリエチレ
ン管本体は可撓性に優れているので、保護層構成
材として可撓性材料を用いると、本発明において
可撓性の実施態様のものが得られる。かゝる可撓
性給湯管の長尺物の製造並びに施工現場への持込
みは、容易になし得るので、またその可撓性を利
用して無接続で屈曲配管することが可能となる。 可撓性の保護層材料としては、JIS Ｋ 6745で
測定した捩剛性が3000Kg／cm2以下の可撓性又は柔
軟性を有するものが適している。たとえば、トリ
クレジルホスフエート、塩素化パラフインなどの
難燃性可塑性を用いて可塑化したポリ塩化ビニ
ル、各種の難燃性ゴム組成物類が例示できる。 本発明において保護層は、たてぞえ、よこまき
などのテープ巻き、カバリング、押出などの任意
の方法で施してよいが、押出成形したものは表面
平滑であつて、そのために一般に火災でアタツク
され易い突起がなく、耐火性が優れている。 実施例 １ ゲル分率60％の水架橋ポリエチレンからなる厚
さ6.5mm、外径89mmのパイプ本体の上にポリ塩化
ビニル100部（重量部、以下同じ）とトリクレジ
ルホスフエート30部、トリベース３部、三酸化ア
ンチモン２部とからなる酸素指数35、捩剛性500
Kg／cm2の軟質ポリ塩化ビニルからなる厚さ2.0mm
の押出成形保護層を有する給湯管を用意し、これ
につき次の方法で耐火試験を行つた。 耐火試験−10cm厚の軽量発泡コンクリート板を
床板として、それに耐火性被検パイプの外径より
僅かに大きい口径の貫通孔を設けて被検パイプを
その孔に通し、孔と被検パイプとの隙間をモルタ
ルにて埋めもどす。次いで被検パイプ内に水を満
した状態で上下を閉じかつ水の膨脹を許容するベ
ローズを被検パイプの下端にとりつける。次に、
上記床材直下の被検パイプ部分を、該パイプ部分
の近傍の大気中に設置した温度計の示度がJIS Ａ
1304に規定する上昇曲線に沿つて上昇するよう
にガスバーナーナーにて加熱する。 この耐火試験の結果、１時間加熱後に至るも床
材上側のパイプ部分はその根部が僅かに黄変した
程度で実質異常は認められず、このため床材下側
の火焔や煙が、床材の上側に伝播することはなか
つた。給湯管が耐火性に乏しい場合、火災時の高
温並びに火焔により給湯管が極く短時間で燃焼
し、床貫通孔が階下から階上への火災の伝播経路
となるが、本実施例の給湯管にあつては、少なく
とも床貫通孔の上側のパイプ部分が少なくとも１
時間もの長時間にわたつて形態を保持した状態で
残存して床貫通孔を閉鎖状態に維持するので火災
の階上への伝播が大きく遅延させられる。このこ
とはビルなどの火災時に人が避難する時間が長く
なることを意味し人命尊重の観点から大きな意義
がある。 比較例 １ 実施例１の給湯管の本体として用いられた架橋
ポリエチレンパイプのみにつき上記と同様の耐火
試験を行つたところ、加熱開始10分後にして床貫
通孔上側にも火焔が上つて来た。 実施例 ２〜６ 第１表に示す各種実施例の給湯管につき上記と
同様の耐火試験を行つた。その結果、いずれの場
合も１時間加熱后も床貫通孔上側への火焔煙の伝
播はみられなかつた。
とする耐火性の給湯管に関する。 〔従来技術〕 銅管、ステンレス管などの従来公知の金属性給
湯管は、腐食の問題のあることから、その問題の
ないプラスチツク管をビルなどにおける給湯管と
して使用する検討がなされている。種々のプラス
チツクパイプは候補として上げられているが、未
だ満足すべきものは提案されていない。たとえ
ば、パリ塩化ビニルパイプは、高温度の水を通す
ことにより軟化して耐圧性が低下するのみなら
ず、脆性的性質を有するため、熱応力によつて容
易に破損してしまう。また、ポリブテンパイプや
架橋又は非架橋のポリエチレンのパイプは、その
易燃性のために火焔により容易に燃焼する。この
ため、これらパイプを布設したビルが火災となつ
たとき、パイプが短時間で燃焼し、パイプが貫通
していた床貫通孔が火災の伝播通路となつて火災
を拡大させ易い問題がある。 〔発明の要旨〕 上記に鑑み、本発明は常態においては高温水の
輸送を安全に行うことができ、しかも耐火性を有
する新規な給湯管を提案するものであつて、架橋
ポリエチレンパイプ本体の上に酸素指数が少なく
とも30の難燃性有機高分子からなる保護層を有す
ることを特徴とするものである。 〔発明の具体的、かつ一層詳細な説明〕 本発明は上記した通りの極めて簡単な構造を有
するが、後記の実施例、比較例から理解される通
り全く予想外の耐火性を有する。また、パイプ本
体は高温での寸法安定性に優れた架橋ポリエチレ
ンからなるので、100℃前後の高温水でも長期に
わたつて安全に安定して輸送することができる。 本発明の給湯管が耐火性を有する理由は、架橋
ポリエチレン管本体の優れた高温寸法安定性と保
護層の難燃性とが相乗した結果によるものと考え
られる。 本発明において、架橋ポリエチレン管本体を構
成する架橋ポリエチレンとしては、有機過酸化物
架橋剤たとえばジクミルパーオキシドにより架橋
してなるものや加水分解性のシラン基を有する水
架橋性のポリエチレンを水架橋してなるもの、あ
るいは放射線架橋してなるものなど架橋の方法を
問わず種々のもの、好ましくはASTM Ｄ 2765
で測定したゲル分率が20％（重量％、以下同じ）
以上、特に50％以上のものが用いられる。最も好
ましくは、ゲル分率50％以上、かつビカツト軟化
温度（ASTMD1525）が110℃以上の水架橋ポリ
エチレンである。 保護層構成材はJIS Ｋ 7201−1976で測定した
酸素指数が30以上の好ましくは35以上の有機高分
子たとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化フツ化ビニ
リデン、ポリイミド、ポリフロロエチレン、各種
有機又は無機の難燃剤にて難燃化されたゴムやプ
ラスチツクス類である。保護層の厚みは、少なく
とも0.5mm、好ましくは少なくとも1.5mmとするこ
とが望ましい。 本発明の給湯管は、耐火性の接続方法により接
続使用得るが、本発明の如き複数層構造の給湯管
は、単層管と比較して接続に手間を要し、また接
続個所の耐火性が問題となり易い。このことは、
本発明は可及的に無接続の長尺で使用することが
望ましいことを意味する。幸い、架橋ポリエチレ
ン管本体は可撓性に優れているので、保護層構成
材として可撓性材料を用いると、本発明において
可撓性の実施態様のものが得られる。かゝる可撓
性給湯管の長尺物の製造並びに施工現場への持込
みは、容易になし得るので、またその可撓性を利
用して無接続で屈曲配管することが可能となる。 可撓性の保護層材料としては、JIS Ｋ 6745で
測定した捩剛性が3000Kg／cm2以下の可撓性又は柔
軟性を有するものが適している。たとえば、トリ
クレジルホスフエート、塩素化パラフインなどの
難燃性可塑性を用いて可塑化したポリ塩化ビニ
ル、各種の難燃性ゴム組成物類が例示できる。 本発明において保護層は、たてぞえ、よこまき
などのテープ巻き、カバリング、押出などの任意
の方法で施してよいが、押出成形したものは表面
平滑であつて、そのために一般に火災でアタツク
され易い突起がなく、耐火性が優れている。 実施例 １ ゲル分率60％の水架橋ポリエチレンからなる厚
さ6.5mm、外径89mmのパイプ本体の上にポリ塩化
ビニル100部（重量部、以下同じ）とトリクレジ
ルホスフエート30部、トリベース３部、三酸化ア
ンチモン２部とからなる酸素指数35、捩剛性500
Kg／cm2の軟質ポリ塩化ビニルからなる厚さ2.0mm
の押出成形保護層を有する給湯管を用意し、これ
につき次の方法で耐火試験を行つた。 耐火試験−10cm厚の軽量発泡コンクリート板を
床板として、それに耐火性被検パイプの外径より
僅かに大きい口径の貫通孔を設けて被検パイプを
その孔に通し、孔と被検パイプとの隙間をモルタ
ルにて埋めもどす。次いで被検パイプ内に水を満
した状態で上下を閉じかつ水の膨脹を許容するベ
ローズを被検パイプの下端にとりつける。次に、
上記床材直下の被検パイプ部分を、該パイプ部分
の近傍の大気中に設置した温度計の示度がJIS Ａ
1304に規定する上昇曲線に沿つて上昇するよう
にガスバーナーナーにて加熱する。 この耐火試験の結果、１時間加熱後に至るも床
材上側のパイプ部分はその根部が僅かに黄変した
程度で実質異常は認められず、このため床材下側
の火焔や煙が、床材の上側に伝播することはなか
つた。給湯管が耐火性に乏しい場合、火災時の高
温並びに火焔により給湯管が極く短時間で燃焼
し、床貫通孔が階下から階上への火災の伝播経路
となるが、本実施例の給湯管にあつては、少なく
とも床貫通孔の上側のパイプ部分が少なくとも１
時間もの長時間にわたつて形態を保持した状態で
残存して床貫通孔を閉鎖状態に維持するので火災
の階上への伝播が大きく遅延させられる。このこ
とはビルなどの火災時に人が避難する時間が長く
なることを意味し人命尊重の観点から大きな意義
がある。 比較例 １ 実施例１の給湯管の本体として用いられた架橋
ポリエチレンパイプのみにつき上記と同様の耐火
試験を行つたところ、加熱開始10分後にして床貫
通孔上側にも火焔が上つて来た。 実施例 ２〜６ 第１表に示す各種実施例の給湯管につき上記と
同様の耐火試験を行つた。その結果、いずれの場
合も１時間加熱后も床貫通孔上側への火焔煙の伝
播はみられなかつた。
【表】
なお、上記実施例のうち、実施例１，２，３，
４，５は可撓性にも優れているので屈曲配管が可
能である。
４，５は可撓性にも優れているので屈曲配管が可
能である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 １ 架橋ポリエチレンパイプ本体の上に酸素指数
が少なくとも30の難燃性有機高分子からなる保護
層を有することを特徴とする耐火性の給湯管。 ２ 難燃性有機高分子として可撓性を有するもの
を用いることにより可撓性を具備させてなる特許
請求の範囲第１項の耐火性の給湯管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3952284A JPS60184789A (ja) | 1984-02-29 | 1984-02-29 | 耐火性の給湯管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3952284A JPS60184789A (ja) | 1984-02-29 | 1984-02-29 | 耐火性の給湯管 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60184789A JPS60184789A (ja) | 1985-09-20 |
| JPH0440588B2 true JPH0440588B2 (ja) | 1992-07-03 |
Family
ID=12555373
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3952284A Granted JPS60184789A (ja) | 1984-02-29 | 1984-02-29 | 耐火性の給湯管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60184789A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0718211B2 (ja) * | 1988-04-20 | 1995-03-01 | 日立電線株式会社 | 外界露出型難燃性断熱防水ゴムシート |
| JPH0557575U (ja) * | 1991-11-07 | 1993-07-30 | 日立金属株式会社 | 複合管 |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5838737A (ja) * | 1981-08-31 | 1983-03-07 | Dainichi Nippon Cables Ltd | 架橋ポリオレフインパイプ |
| JPS5924583B2 (ja) * | 1976-08-25 | 1984-06-11 | 株式会社リコー | 光走査装置 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5924583U (ja) * | 1982-08-07 | 1984-02-15 | 日立電線株式会社 | 難燃性波付プラスチツク管 |
-
1984
- 1984-02-29 JP JP3952284A patent/JPS60184789A/ja active Granted
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5924583B2 (ja) * | 1976-08-25 | 1984-06-11 | 株式会社リコー | 光走査装置 |
| JPS5838737A (ja) * | 1981-08-31 | 1983-03-07 | Dainichi Nippon Cables Ltd | 架橋ポリオレフインパイプ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60184789A (ja) | 1985-09-20 |
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